情緒障害児短期治療施設運営指針「第Ⅱ部 各論①」の要点 5分で理解する!

情緒障害児短期治療施設運営指針総論からの続き

ここでは、情緒障害児短期治療施設運営指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、乳児院の特有のことや、過去問題で出題された部分を太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

また児童養護施設と同様のものは背景にグレー表示をしています。

1 治療・支援

(1)治療

①子どもに対して適切な心理治療を行う。

・子ども個々に心理治療の担当者を決め、定期的に実施し、効果について査定する。
・心理治療を必要とする保護者に対して、その解決に向けた心理治療方針を策定し、実施、結果について評価する。
・必要に応じて心理検査などを行い、ケース会議を通じて、治療結果について評価する。
・外部の専門家等によるスーパービジョンを必要に応じて受ける。
・治療的な観点から集団活動など活動を控えさせるなど特別な対応を行う場合は、権利侵害に当たらないか十分に職員間で吟味し、子ども、保護者及び児童相談所等へ目的、対応の内容、予想される期間等を明示し、同意をとるようにする。

②子どもの心身の状況や、生活状況等を正確に把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示する。

・子どもの心身の状況や生活状況、保護者の状況など家庭環境等の必要な情報を把握し、統一した様式に則って記録する。
・把握した情報を総合的に分析・検討し、課題を適切に把握する。
・アセスメントは、子どもの担当職員をはじめ、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などが参加するケース会議で合議して行う。必要に応じて医学的、心理学的、社会学的な観点からのスーパービジョンをうける。
・発達段階や情緒・行動上の問題を課題とする場合は、子どもにとって、理解できる目標として言語化することが大切である。
・子どもの心身状況や、生活状況等を正確に把握するため、手順を定めて計画的なアセスメントを行う。
・アセスメントの定期的な見直しの時期と手順を定める。
・アセスメントに当たり、必要に応じて児童相談所と調整を行う。

③心理治療は、自立支援計画に基づき子どもの課題の解決に向けた心理治療方針を策定する。

・心理治療方針において個別・具体的方法を明示し、実施する。
・心理治療方針は子ども、保護者への説明と同意に基づいて行う。
・必要に応じて医学、心理学などの専門家から直接的支援を受ける体制を整える。

④ケース会議を必要に応じて実施する。

・ケース会議には、心理療法担当職員、児童指導員や保育士、医師のほか、必要に応じて児童相談所、学校の関係者の参加を求めて行う。

・ケース会議は、必要に応じて外部のスーパーバイザーの参加を求め、指導や助言を受けながら行う。

⑤医師による治療が必要な子どもに対する適切な治療及び職員の支援を実施する。

・子どもに対する心理治療等について医師による職員へのスーパービジョンや研修を実施し、生活・心理治療など各部門の職員とともに心理治療計画の策定・見直しを行う。
・医療的ケアの必要な子どもに対して定期的かつ必要に応じて児童精神科医等の診療を行い、緊急時等には医師を中心としてチーム対応ができる体制を確保する。
・入院治療が必要となる場合に備え、外部の医療機関と連携し、必要に応じて話し合い等を行う。
・子どもの症状、行動によって児童精神科領域での治療や服薬が必要となる場合、子どもの訴えに基づき、保護者及び児童相談所等に対して目的や治療内容等を理解できるように説明をし、同意をとるようにする。

(2)生活の中での支援

①子どもと職員との間に信頼関係を構築し、常に子どもの発達段階や課題に考慮した支援を行う。

・生活する場所が安全であることを子どもが意識できるようにする。
・施設における支援は子どもの信頼感を構築することが不可欠であり、職員の高い専門性に基づく受容的・支持的なかかわりや課題把握と対応を安定的・持続的に行う。
・子どもの発達段階や課題に対する正しい理解のもと、子どもの個別性に十分配慮したかかわりを行う。

②子どもの協調性を養い、社会的ルールを尊重する気持ちを育てる。

・普段から職員が振る舞いや態度で模範を示す。
・施設生活・社会生活の規範等守るべきルール、約束ごとを理解できるよう子どもに説明し、責任ある行動をとるよう支援する。
・他者への心づかいや配慮する心が育まれるよう支援する。

③多くの生活体験を積む中で、子どもがその課題の自主的な解決等を通して、子どもの健全な自己の成長や問題解決能力を形成できるように支援する。
・生活体験(創作活動など)を通して、ものごとを広い視野で具体的総合的にとらえる力や、豊かな情操が育まれるような活動を行う。
・つまずきや失敗の体験を大切にし、子どもが主体的に解決していくプロセスを通して、自己肯定感などを形成し、自己を向上発展させるための態度を身につけられるよう支援する。

(3)食生活

①食事をおいしく楽しく食べられるよう工夫し、栄養管理にも十分な配慮を行う。

・子どもの年齢、障害のある子ども等の個人差や食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。
・定期的に残食の状況や子どもの嗜好を調査し、嗜好や栄養摂取量を勘案し、献立に反映する。
・栄養士を中心に、日々提供される食事内容や食事環境に十分に配慮するとともに、子どもに対する献立の提示等食に関する情報提供を行う。

②子どもの生活時間にあわせた食事の時間の設定を含め、子どもの発達段階に応じて食習慣を習得するための支援を適切に行う。

・クラブ活動等子どもの事情に応じて、食事時間以外の時間でも個別の食事を提供する。
・無理なく楽しみながら食事ができるように、年齢や個人差に応じた食事時間に配慮する。
・子どもが日々の食生活に必要な知識及び判断力を習得し、基本的な食習慣を身につけることができるよう食育を推進する。

・食事の準備や配膳、食後の後片付けなどの習慣や簡単な調理など基礎的な調理技術を習得できるよう支援する。

・施設外での食事の機会など、多様な機会を設け、食事を楽しむとともに、食習慣の習得ができるようにする。

・郷土料理、季節の料理、伝統行事の料理などに触れる機会を持ち、食文化を継承できるようにする。

(4)衣生活

①衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものを提供する。

・常に衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものが着用できるようにする。

②子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援する。

・気候、生活場面、汚れなどに応じた選択、着替えや衣類の整理、保管などの衣習慣の習得を支援する。
・発達段階や好みに合わせて、子ども自身が衣服を購入する機会を設ける。

(5)住生活

①居室等施設全体を、生活の場として安全性や快適さに配慮したものにする。

・くつろげる空間を確保する。
・居室の清掃をはじめ、施設内外の保健的環境の維持及び向上に努める。

②発達段階に応じて居室等の整理整頓、掃除等の習慣が定着するよう支援する。

・子どもの自立に向けては、基本的生活習慣・生活技術を身につけることが必要であり、個々の子どもの発達段階等に応じて支援する。

(6)健康と安全

①発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援する。

・常に良好な健康状態を保持できるよう、職員が把握する。
・発達段階に応じて、排泄後の始末や手洗い、うがい、洗面、入浴、歯磨きなど清潔を保つことを自ら行えるように支援する。
・寝具や衣類などを清潔に保つなど、自ら健康管理できるよう支援する。

②医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応する。

・健康上特別な配慮を要する子どもについて、医療機関と連携するなど、子どもの心身の状態に応じて、健康状態並びに心身の状態について、定期的、継続的に、また、必要に応じて随時、把握する。
・受診や服薬が必要な場合、子どもがその必要性を理解できるよう説明する。
・感染症に関する対応マニュアル等を作成し、感染症や食中毒が発生し、まん延しないように必要な措置を講じる。また、あらかじめ関係機関の協力が得られるよう体制整備をする。

(7)性に関する教育

①子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設ける。

・性をタブー視せず、子どもの疑問や不安に答える。
・日頃から職員間で性教育のあり方等を検討し、職員の学習会を行う。
・必要に応じて外部講師を招いて、学習会などを職員や子どもに対して実施する。

(8)行動上の問題及び問題状況への対応

①子どもが暴力、不適応行動など行った場合に適切に対応する。

・子どもの特性等あらかじめ職員間で情報を共有化し、連携して対応する。
・子どもの行動上の問題に対しては、子どもが訴えたいことを受けとめるとともに、多角的に検証して原因を分析した上で、適切に対応する。また、記録にとどめ、以後の対応に役立てる。
・パニックなどで自傷や他害の危険度が高い場合に、その場から離すなどして、子どもの心身を傷つけずに対応するとともに、周囲の子どもの安全を図る。

②施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体に徹底する。

・問題の発生予防のために、施設内の構造、職員の配置や勤務形態のあり方についても点検を行うとともに、課題を持った子ども、入所間もない子どもについては観察を密にし、個別支援を行う。

・暴力やいじめについての対応マニュアルを作成するなど、問題が発覚した場合は、全職員が適切な対応ができる体制を整える。

③虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努める。

・強引な引き取りのための対応について、施設で統一的な対応が図られるよう周知徹底する。

(9)自主性、主体性を尊重した日常生活

①日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援する。

・行事などの企画・運営に子どもが主体的にかかわり、子どもの意見を反映させる。
・子ども一人一人の選択を尊重する。
・施設内の子ども会、ミーティング等が行えるよう支援する。

②子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など様々な生活技術が身につくよう支援する。

・計画的な小遣いの使用、金銭の自己管理ができるように支援する。

・地域での生活を見据えて、様々な生活技術を学ぶプログラムを実施する。

(10)学習支援、進路支援等

①学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行う。

・できる限り公平なスタートラインに立って社会に自立していけるよう、支援する。
・学習権を保障し、学習に主体的に取り組む意欲を十分に引き出し、適切な学習機会を確保する。
・子どもの学力、学習態度に応じた個別の教育的な対応を受けられるように、個別の支援など適切な学校教育の場を設ける。

②「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援する。

・進路選択に必要な資料を収集し、子どもに判断材料を提供するとともに、子ども・学校・施設関係者だけではなく、保護者を含め十分に話し合い決定する。
・進路決定後のフォローアップを行う。

③施設と学校との親密な連携のもとに子どもに対して学校教育を保障する。

・学校・施設間で日々の子どもの状況の変化等に関する情報を確実に伝達するシステムを確立し、生活支援、学習支援及び進路支援等を相互に協力して実施する。
・学校で生じた子どもの行動上の問題に対しては、学校に協力して対応する。

・学校との協議に基づいて個々の子どもの学習支援計画を立て、それに応じた支援や計画の見直しを行う。
・個別のケース会議には原則として施設と学校の担当者が参加するなど、適切な連携をとる。

(11)継続性とアフターケア

①子どもの状況に応じて退所後の生活を見据えた見立てを行い支援する。

・退所後の地域での生活を見通して、年齢、発達や治療の状況など個々の状態に応じた社会性の獲得ができるよう、子どもの自主性や主体性を尊重した支援を計画的に行う。
・社会人としての生活を目標にする場合は、社会人としての自覚が持てる様な取り組みを行い、困った時に頼れる人、機関があるという認識が持てるように支援する。

②措置変更又は受入れを行うに当たり、継続性に配慮した対応を行う。

・子どもの特性を理解するための情報の共有化やケース会議を実施し、切れ目のない養育・支援に努める。
・措置変更等に当たり、引き継ぎを行う施設、里親等と丁寧な連携を行う。そのため日頃より、それぞれの施設や里親の役割を十分に理解し、連絡協議会や合同研修会の開催など相互に連携に努める。
・継続的な支援を行うための育ちの記録を作成する。
・前任の養育者や施設の担当者から後任の者へ適切に引き継ぐ。

③家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行う。

・退所に当たってはケース会議を開催し、子ども本人や保護者の意向を踏まえて、児童相談所や関係機関等と協議の上、適切な退所時期や退所後の生活を検討する。

・家庭引き取りの場合は、子どもや家庭の状況把握や支援など関係機関との役割を明確にする。

・退所後も施設として子どもが相談できる窓口を設置し、子どもと保護者に伝える
・子どもや家庭の状況の把握に努め、退所後の記録を整備する。

④子どもが安定した生活を送ることができるよう退所後の支援を行う。

・通所機能や外来機能を利用して、退所後の支援を継続して行う。

・アフターケアは施設の業務であり、退所後何年たっても施設に相談できることを伝える。
・退所者の状況を把握し、退所後の記録を整備する。
・子どもとともに退所する地域の関係機関と連携し、退所後の生活の支援体制の構築に努める。
・施設退所者が集まれるような機会を設ける。

(12)通所による支援

①施設の治療的機能である生活支援や心理的ケアなどにより、通所による支援を行う。

・子どもの生活実態を的確にとらえ、在宅支援として適切な通所支援を実施する。
・必要に応じて訪問による支援を実施する。
・様々なプログラム課程を策定し、子どもの社会性の向上や自立を支援する。

情緒情緒児短期治療施設運営指針

2 家族への支援

(1)家族とのつながり

①児童相談所と連携し、子どもと家族との関係調整や家族からの相談に応じる体制づくりを行う。

・家庭支援専門相談員を独立した専門職として配置し、その役割を明示する。
・家族との関係調整については、定例的かつ必要に応じて児童相談所と家族の状況や入所後の経過について情報を共有し、協議、連携を行う。

・自立支援計画、心理治療方針、服薬などの医療等について、入所後も適宜、家族と確認する機会を設けるなど家族への働きかけを行い、親子関係の継続や修復に努める。

②子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的、かつ適切に行う。

・一時帰宅は児童相談所と協議を行う。

・面会、外出、一時帰宅後の子どもの様子を注意深く観察し、家族からその時の様子を聞くなどして、家族関係を把握する。

・親子が必要な期間を一緒に過ごせるような設備を施設内に設ける。
・家族等との交流の乏しい子どもには、週末里親やボランティア家庭等での家庭生活を体験させるなど配慮する。

(2)家族に対する支援

①親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組む。

・子どもと保護者の安定した関係に配慮し、保護者の養育力の向上に資するよう、適切に支援を行う。

・家族支援計画を立てたり、家族等と定期的に面接やカウンセリングを行うなど、家族の抱える課題に対して、具体的な支援を行う。
・家族療法事業の実施など、子どもと家族との関係回復に向けた支援を行う。
・子どもが早期に家庭復帰が可能となるように、児童相談所と協力して家庭復帰等のプログラムを継続的に実施する。

3 自立支援計画、記録

(1)自立支援計画の策定

①アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させる。

・自立支援計画策定の責任者(基幹的職員等)を設置する。
・児童相談所と援助方針について打ち合わせ、自立支援計画に反映させる。また、策定した自立支援計画を児童相談所に提出し、共有する。
・自立支援計画は、ケース会議で合議して策定する。
・自立支援計画には、支援上の課題と、課題解決のための支援目標と、目標達成のための具体的な支援内容・方法を定める。
・支援目標は、子どもに理解できる目標として表現し、努力目標として子どもに説明する。
・策定された自立支援計画は、全職員で共有し、支援は統一かつ統合されたものとする。

②自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施する。

・自立支援計画の見直しは、子どもとともに生活を振り返り、子どもの意向を確認し、併せて保護者の意向を踏まえて、それらを反映させつつ、子どもの最善の利益を考慮して行う。
・計画の見直し時には、支援方法を振り返り、自己評価し、支援の成果について分析、検証を行い、専門性や技術の向上に努め、施設全体の支援の向上に反映させる仕組みを構築する。
・アセスメントと計画の評価・見直しは少なくとも半年ごとに定期的に行い、かつ緊急の見直しなど必要に応じて行う。

(2)子どもの治療・支援に関する適切な記録

①子ども一人一人の治療・支援の実施状況を適切に記録する。

・入所からアフターケアまでの支援の実施状況を家族及び関係機関とのやい取り等を含めて適切に記録する。
・記録内容について職員間でばらつきが生じないよう工夫する。

②子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行う。

・記録の管理について個人情報保護と情報開示の観点から、研修を実施する。
・守秘義務の遵守を職員に周知する。

③子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行う。

・施設における情報の流れを明確にし、情報の分別や必要な情報が的確に届く仕組みを整備する。
・施設の特性に応じて、ネットワークシステム等を利用して、情報を共有する仕組みを作る。

4 権利擁護

(1)子どもの尊重と最善の利益の考慮

①子どもを尊重した治療・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行う。

・施設長や職員が子どもの権利擁護に関する施設内外の研修に参加し、人権感覚を磨くことで、施設全体で権利擁護の姿勢を持つ。

・子どもを尊重した姿勢を、個々の治療・支援の標準的な実施方法等に反映させる。

②社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の治療・支援において実践する。

・職員一人一人の倫理観、人間性並びに職員としての職務及び責任の理解と自覚を持つ。

・施設全体の質の向上を図るため、職員一人一人が、治療実践や研修を通じて専門性などを高めるとともに、治療実践や治療の内容に関する職員の共通理解や意見交換を図り、協働性を高めていく。

・職員同士の信頼関係とともに、職員と子ども及び職員と保護者との信頼関係を形成していく中で、常に自己研鑽に努め、意欲を持って治療・支援に当たる。

・子どもの意向に沿うことが結果として子どもの利益につながらないこともあることを踏まえ、子どもにそのことを説明し理解を得るなど適切に導く。
・受容的・支持的なかかわりを基本としながらも毅然とすべきところでは毅然と対応するなど、子どもの状況に応じて適切な対応ができるよう、常に子どもの利益を考慮し真摯に向き合う。

③子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせる。

・子どもの発達段階や治療過程に応じて、可能な限り事実を伝える。


・家族の情報の中には子どもに知られたくない内容があることも考慮し、伝え方等は職員会議等で確認し、共有し、また、児童相談所と連携する。

④子どもの行動の自由などの規制については、子どもの安全の確保等のために、他に取るべき方法がない場合であって子どもの最善の利益になる場合にのみ、適切に実施する。

・やむを得ず子どもの行動の自由や無断で居室に立ち入るなどのプライバシーを最小限の範囲で規制するケア等について、マニュアルなどを作成し、職員の共通認識のもとに対応する。
・マニュアル等は、定期的な検証や必要な見直しを行う。
・子どもが納得できない場合、苦情解決制度を通じて意見を述べることができることを知らせる。

⑤子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行う。

・通信、面会に関するプライバシー保護や、生活場面等のプライバシー保護について、規程やマニュアル等の整備や設備面等の工夫などを行う。

⑥子どもや保護者の思想や信教の自由を保障する。

・子どもの思想・信教の自由については、最大限に配慮し保障する。
・保護者の思想・信教によってその子どもの権利が損なわれないよう配慮する。

(2)子どもの意向や主体性への配慮

①子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、治療や支援の内容の改善に向けた取組を行う。

・日常的な会話のなかで発せられる子どもの意向をくみ取り、また、子どもの意向調査、個別の聴取等を定期的に行い、改善課題の発見に努める。
・改善課題については、子どもの参画のもとで検討会議等を設置し、改善に向けて具体的に取り組む。

②子ども自身が生活全般について自主的に考える活動を推進し、施設における生活改善に向けて積極的に取り組む。

・活動を通して、子どもの自己表現力、自律性、責任感などが育つよう、必要な支援を行う。

③施設が行う支援について事前に説明し、子どもが主体的に選択(自己決定)できるよう支援する。

・子どもの知る権利を守り、主体的に問題解決に立ち向かう力を高めるため、子どもに対して適切な情報提供を行う。
・子どもの発達段階に応じて自己決定できるよう支援する。

(3)入所時の説明等

①子どもや保護者等に対して、治療・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報の提供を行う。

・施設の内容がわかりやすく紹介された印刷物を作成し、希望があれば見学に応じるなど治療内容や集団生活上での守るべきルールなどが正しく理解できるような工夫を行う。

・子どもや保護者等、又は関係機関が、情報を簡単に入手できるような取組を行う。

②入所時に、施設で定めた様式に基づき治療・支援の内容や施設での約束ごとについて子どもや保護者等にわかりやすく説明する。

・子どもの不安を解消し、施設生活や入所中の面会や外泊等を理解できるよう説明を加えながら、担当者が子どもに安心感を与えるように適切に支援する。
・子どもが施設における治療を主体的に受けられるように動機付けを行う。
・保護者が子どもの治療の協力者となるように動機付けを行う。

(4)権利についての説明

①子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明する。

・権利ノートやそれに代わる資料を使用して施設生活の中で守られる権利について随時わかりやすく説明する。
・子どもの状態に応じて、権利と義務、責任の関係について、理解できるように説明する。

(5)子どもが意見や苦情を述べやすい環境

①子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行う。

・複数の相談方法や相談相手の中から自由に選べることを、わかりやすく説明した文書を作成・配布する。
・子どもや保護者等に十分に周知し、日常的に相談窓口を明確にした上で、内容をわかりやすい場所に掲示する。

②苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させる。

・苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受け付け担当者の設置、第三者委員の設置)を整備する。
・苦情解決の仕組みを文書で配布するとともに、わかりやすく説明したものを掲示する。

③子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応する。

・苦情や意見・提案に対して迅速な対応体制を整える。
・苦情や意見を治療や施設運営の改善に反映させる。
・子どもの希望に応えられない場合には、その理由を丁寧に説明する。

(6)被措置児童等虐待対応

①いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底する。

・就業規則等の規程に体罰等の禁止を明記する。

・子どもや保護者に対して、体罰等の禁止を周知する。
・体罰等の起こりやすい状況や場面について、研修や話し合いを行ない、体罰等を伴わない支援技術を職員に習得させる。

②子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組む。

・暴力、人格的辱め、心理的虐待などの不適切なかかわりの防止について、具体的な例を示し、職員に徹底する。
・子ども間の暴力等を放置することも不適切なかかわりであり、防止する。
・不適切なかかわりを防止するため、日常的に会議等で取り上げ、行われていないことの確認や、職員体制や密室・死角等の建物構造の点検と改善を行う。
・子どもが自分自身を守るための知識、具体的な方法について学習する機会を設ける。

③被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応する。

・被措置児童等虐待の事実が明らかになった場合、都道府県市の指導に従い、施設内で検証し、第三者の意見を聞くなど、施設運営の改善を行い、再発防止に努める。

(7)他者の尊重

①様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援する。

・信頼感を獲得するなど良好な人間関係を築くために職員と子どもが個別的にふれあう時間を確保する。
・同年齢、上下の年齢関係などの人間関係を日常的に経験できる生活環境を用意し、人格の尊厳を理解し、自他の権利を尊重できる人間性を育成する。

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