児童自立支援施設運営指針の「第Ⅱ部 各論①」の要点 5分で終わる!

児童自立支援施設運営指針 総論からの続き

ここでは、児童自立支援施設運営指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、児童自立支援施設の特有のことや、過去問題で出題された部分を太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

また児童養護施設と同様のものは背景にグレー表示をしています。

ボリュームはありますが、難しい内容ではないので、太字を中心に1度読んみるだけでマスターできることを目指しています。

(1)支援の基本

①子どもを理解・尊重し、その思い・ニーズをくみ取りながら、子どもの発達段階 や課題に考慮した上で,子どもと職員との信頼関係の構築を目指す。

・施設での支援は子どもの基本的信頼感を構築することが不可欠であり、職員の高い専門性に基づく受容的・支持的かかわりを行う。
・子どもの発達段階や課題に対する正しい理解のもと、子どもの個別性に十分配慮したかかわりを行う。

②子どものニーズをみたすことのできる日常的で良質なあたりまえの生活を営みつつ、職員がモデルとなることで,子どもの協調性を養い、社会的ルールを尊重する気持ちを育てる。

・普段から職員が振る舞いや態度で模範を示す。
・施設生活・社会生活の規範等守るべきルール、約束ごとを理解できるよう子どもに説明し、責任ある行動をとるよう支援する。
・他者への心づかいや配慮する心が育まれるよう支援する。

③集団生活の安定性を確保しながら、施設全体が愛情と理解のある雰囲気に包まれ、子どもが愛され大切にされていると感じられるような家庭的・福祉的アプローチを行う。

規則の押し付けや過度の管理に陥ることなく、支援基盤というべき一定の「枠のある生活」である集団生活の安定性を確保するように取り組む。
・職員は被包感のある雰囲気づくりを行い、子どもが愛され大切にされていると感じることができる支援を行う。

④発達段階に応じて食事、睡眠、排泄、服装、掃除等の基本的生活習慣や生活技術が定着するよう支援する。

・子どもの自立に向けては、基本的生活習慣・生活技術を身につけることが必要であり、個々の子どもの発達段階等に応じて支援する。
・子どもが社会生活を営む上での必要な知識や技術を日常的に伝え、子どもがそれらを習得できるよう支援している。

⑤多くの生活体験を積む中で、子どもがその問題や事態の自主的な解決等を通して、子どもの健全な自己の成長や問題解決能力を形成できるように支援する。

・生活体験(創作活動など)を通して、ものごとを広い視野で具体的総合的にとらえる力や、豊かな情操が育まれるような活動を行う。
・つまずきや失敗の体験を大切にし、子どもが主体的に解決していくプロセスを通して、自己肯定感などを形成し、自己を向上発展させるための態度を身につけられるよう支援する。

⑥子どもの行動上の問題を改善するために、自ら行った加害行為などと向き合う取組を通して自身の加害性・被害性の改善や被害者への責任を果たす人間性を形成できるように支援する。

・子どもが入所前に行った行動上の問題により被害を受けた人や自分自身に対する影響について深く考えさせ、人間性の回復や開発に結びつくよう支援する。
・個別的な時間を確保し、子どもと職員との信頼関係形成や家族調整を行うことにより、自己肯定感などを体得させるように努める。
・子どもの発達段階や状態に配慮し、加害行為を行った子どもに自分の非行について振り返り、向き合わせる取組を行う。

(2)食生活

①団らんの場として和やかな雰囲気の中で、食事をおいしく楽しく食べられるよう工夫し、子どもの嗜好や栄養管理にも十分な配慮を行う。

・和気あいあいとした会話のある食事に心がけるなど、団らんの場として明るく楽しい雰囲気の中で食事ができるように工夫する。
・温かいものは温かく、冷たいものは冷たくという食事の適温提供への配慮など、食を通して、個々の子どもがその存在を大切にされていることを実感できるように工夫する。
・子どもの年齢、障害のある子ども、また、食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。
・定期的に残食の状況や子どもの嗜好を調査し、栄養摂取量を勘案し献立に反映する。

②子どもの生活時間にあわせた食事の時間の設定を含め、子どもの発達段階に応じて食習慣を習得するための支援を適切に行う。

高校通学、就職実習等子どもの事情に応じて、食事時間以外の時間でも個別の食事を提供する。
・無理なく楽しみながら食事ができるよう年齢や個人差に応じた食事時間に配慮する。
・子どもが日々の食生活に必要な知識及び判断力を習得し、基本的な食習慣を身につけることができるよう食育を推進する。
・食事の準備や配膳、簡単な調理など基礎的な調理技術を習得できるよう援助する。
・施設外での食事の機会など、多様な機会を設け、食事を楽しむとともに、食習慣の習得ができるようにする。
・郷土料理、季節の料理、伝統行事の料理などに触れる機会をもち、食文化を継承できるようにする。
・子どもが農作業で収穫した作物を使い、作業・収穫のよろこびや達成感をより味わえる食事を提供する。

③自立に向けた食育への支援を行う。

・調理実習などを通して、一人で簡単な食事をつくることができるように支援する。

(3)衣生活

①衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものを提供し、衣習慣を習得できるよう支援する。

・常に衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものが着用できるようにする。
・年齢に応じて、TPOに合わせた服装ができるよう配慮する。

(4)住生活

①居室等施設全体を、子どもの居場所となるように、安全性、快適さ、あたたかさなどに配慮したものにする。

・建物の内外装、設備、家具什器、庭の樹木、草花など、子どもの取り巻く住環境から、そこにくらす子どもが大切にされているというメッセージを感じられるようにする。

・小規模グループケアを行う環境づくりに配慮する。
・家庭的な環境としてくつろげる空間を確保する。

(5)健康と安全

①発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援する。

・常に良好な健康状態を保持できるよう、睡眠、食事摂取、排泄等の状況を職員がきちんと把握する。
・発達段階に応じて、排泄後の始末や手洗い、うがい、洗面、洗髪、歯磨きなどの身だしなみ等について、自ら行えるよう支援する。
・寝具や衣類などを清潔に保つなど、自ら健康管理ができるよう支援する。

②医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応する。

・健康上特別な配慮を要する子どもについて、医療機関と連携するなど、子どもの心身の状態に応じて、健康状態並びに心身の状態について、定期的、継続的に、また、必要に応じて随時、把握する。
・受診や服薬が必要な場合、子どもがその必要性を理解できるよう説明する。
・感染症に関する対応マニュアル等を作成し、感染症や食中毒が発生し、又は、まん延しないように必要な措置を講じるよう努める。また、あらかじめ関係機関の協力が得られるよう体制整備をしておく。

(6)性に関する教育

①子どもの年齢、発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設ける。

・性をタブー視せず、子どもの疑問や不安に答える。
・日頃から職員間で児童自立支援施設に相応しい性教育のあり方等を検討し、職員の学習会を行う。
・必要に応じて外部講師を招いて、学習会などを職員や子どもに対して実施する。

(7)行動上の問題に対しての対応

①子どもが暴力、不適応行動・無断外出などの行動上の問題を行った場合には、関係のある子どもも含めて適切に対応する。

・子どもの特性等あらかじめ職員間で情報を共有化し、連携して対応する。
・行動上の問題は子どもからの必死なサインであることを理解する。
・子どもの行動上の問題に対しては、子どもが訴えたいことを受けとめるとともに、多角的に検証して原因を分析した上で、適切に検討する。また、記録とどめ、以後の対応に役立てる。
・パニックなどで自傷や他害の危険度の高い場合に、タイムアウトを行うなどして、子どもの心身を傷つけずに対応するとともに、周囲の子どもの安全を図る。
・緊急事態に対する対応マニュアル等を作成し、組織的な対応を行う。
・児童相談所、警察機関などの関係機関と日常的に連絡を取るなど、緊急事態への対応が円滑に進むよう対策を図る。

②施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体に徹底する。

・日頃から他人に対する配慮の気持ちや接し方を職員が模範となって示す。
・特に弱い子どもに対する暴力、いじめ、差別などに対しては、状況に応じた適切な対応をとり、重大な人権侵害であることを理解させ、職員は人権意識を持って子どもにかかわる。
・暴力やいじめについての対応マニュアルを作成するなど、問題が発覚した場合は、全職員が適切な対応ができる体制を整える。

③虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努める。

・強引な引き取りのための対応について、施設で検討し、統一的な対応が図られるよう周知徹底する。
・生活する場所が安全であることを、子どもが意識できるようにする。

(8)心理的ケア

①被虐待児など心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行う。

・心理的な支援を必要とする子どもには、自立支援計画に基づきその解決に向けた心理支援プログラムを策定する。

・心理支援プログラムにおいて個別・具体的方法を明示し、実施する。

(9)主体性、自律性を尊重した日常生活

①日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援する。

・行事などの企画・運営に子どもが主体的にかかわり、子どもの意見を反映させる。

②子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念や生活技術が身につくよう支援する。

・様々な生活技術の習得を子どもの発達段階に応じて支援する。
・計画的な小遣いの使用等、金銭の自己管理ができるように支援する。
・退所を見据え、一定の生活費の範囲で生活することを学ぶプログラムを実施する。

(10)学習支援、進路支援、作業支援等

①学習環境の整備を行い、個々の学力等に応じた学習支援を行う。

・学習権を保障し、よりよき自己実現に向けて学習意欲を十分に引き出し、適切な学習機会を確保する。

②「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援する。

・進路選択に必要な資料を収集し、子どもに判断材料を提供し、十分に話し合う。
・進路決定後のフォローアップや失敗した場合に対応する。

③作業支援、職場実習や職場体験等の機会を通して、豊かな人間性や職業観の育成に取り組む。

・事業主等と密接に連携するなど、職場実習の効果を高めるよう支援する。
・子どもが、作物などの育成過程を通して、協働して作業課題を達成する喜びを体験し、勤労意欲の向上、心身の鍛練を図れるように支援する。
・仲間との共同作業などを通して、人間的ふれあいや生命の尊厳及び相互理解を深め、社会性や協調性などを培うように支援する。
・働く体験を積み重ねることで、根気よく最後まで取組む姿勢など社会人として自立するために必要な態度や行動を育てる。
・自然の環境の中での作業体験を通して、情操の育成が図られるように支援する。

④施設と学校との親密な連携のもとに子どもに対して学校教育を保障する。

・日々の子どもの状況の変化等に関する情報が、学校・施設間で確実に伝達するシステムを確立し、生活支援、学習支援及び進路支援等を相互に協力して実施する。
原籍校との連携を図り、子どもが不利益を被らないように、学習・進路等の支援を行う。
・学校との協議に基づいて個々の子どもの学習計画を立て、それに応じた支援や計画の見直しを行う。

⑤スポーツ活動や文化活動を通して心身の育成を図るとともに、忍耐力、責任感、協調性、達成感などを養うように支援する。

・子どもの持っている興味・関心を把握し、子どもの個性を伸ばせるように、スポーツ・文化活動を実施して、豊かな人間性の育成に努める。
・ルールを尊重するとともに、子ども間の協力やチームワークなど、子どもの社会性の発達を支援する。
・子どもが自主性や自発性を持った活動を行い、最後までやり通せるように支援する。

(11)継続性とアフターケア

①措置変更又は受入れを行うに当たり、継続性に配慮した対応を行う。

・子どもの特性を理解するための情報の共有化やケース会議を実施し、切れ目のない養育・支援に努める。
・措置変更に当たり、引き継ぎを行う相手の施設、里親等と丁寧な連携を行う。そのため日頃より、それぞれの施設や里親の役割を十分に理解し、連絡協議会や合同研修会の開催など相互に連携に努める。
・社会人としての生活を目標にする場合は、社会の一員であり、信頼できる人に支えられていることの自覚が持てるように支援する。
・継続的な支援を行うための育ちの記録を作成する。
・前任の養育者や担当者から後任の者へ適切に引き継ぐ。

②家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行う。

・退所に当たってはケース会議を開催し、子ども本人や保護者の意向を踏まえて、児童相談所や関係機関等と協議の上、適切な退所時期や退所後の生活を検討する。
・家庭引き取りの場合は、子どもや家庭の状況把握や支援など関係機関との役割を明確にする。
・退所後も施設として子どもが相談できる窓口を設置し、子どもと保護者に伝える。

③子どもが安定した社会生活を送ることができるよう通信、訪問、通所などにより、退所後の支援を行う。

・アフターケアは施設の業務であり、退所後何年たっても施設に相談できることを伝える。
・必要に応じて、児童相談所と協議の上、市町村の担当課と情報共有し、地域の関係機関、団体等と積極的な連携を図る。

・退所した子どもに対して、定期的かつ必要に応じて、手紙、訪問、通所や短期間の宿泊などの支援を行う。

・子どもとともに退所する地域の関係機関と連携し、退所後の生活支援体制の構築に努める。
・施設退所者が集まれるような機会を設け、退所した子どもの来所を温かく受け入れる。

(12)通所による支援

①地域の子どもの通所支援を行う。

・施設が蓄積してきた非行相談等の知見や経験をいかし、通所機能を活用して地域や他の施設の子どもについての相談支援などを実施する。

児童自立支援施設運営指針

2 家族への支援

(1)家族とのつながり

①児童相談所と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行う。

・家庭支援専門相談員をケアワークとは独立した専門職として配置し、その役割を明示する。
・家族との関係調整については、定例的かつ必要に応じて児童相談所と家族の状況や入所後の経過について情報を共有し、協議を行う。

②子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行う。

・面会、外出、一時帰宅については、施設の定める規程に基づいて実施する。
・一時帰宅は児童相談所と協議を行う。
・親子が必要な期間を一緒に過ごせるような宿泊設備を施設内に設ける。

家族との関係づくりが困難な子どもに対しては、特別な配慮をする。

(2)家族に対する支援

①親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組む。

・児童相談所と協力して、退所後の家族と子どもを支えるためのサポート体制づくりに取り組む。
・子どもと保護者の安定した関係に配慮し、保護者の養育力の向上に資するよう、適切に支援を行う。
・子どものために行う保護者への援助を支援として位置付け、積極的に取り組む。

・家族療法事業の実施など、子どもと保護者との関係回復に向けた支援を行う。

3 自立支援計画、記録

(1)アセスメントの実施と自立支援計画の策定

①子どもの心身の状況や、生活状況等を正確に把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、アセスメントに基づき、子どもの個々の課題を具体的に明示する。

・子どもが抱えている非行等の行動上の問題や課題を受け止め、児童相談所等との連携のもと、自立支援計画策定のための総合的なアセスメントを組織的に行う。

・子どもの心身の状況や、生活状況を、保護者の状況など家庭環境等の必要な情報を把握し、統一した様式に則って記録する。

・把握した情報を総合的に分析・検討し、課題を適切に把握する。
・アセスメントは、子どもの担当職員をはじめ、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などが参加するケース会議で合議して行う。

②アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させる。

・自立支援計画策定の責任者(基幹的職員等)を設置する。
・児童相談所と支援方針について打ち合わせ、自立支援計画に反映させる。また、策定した自立支援計画を児童相談所に提出し、共有する。
・自立支援計画は、ケース会議で合議して策定する。
・自立支援計画には、支援上の課題と、課題解決のための支援目標と、目標達成のための具体的な支援内容・方法を定める。
・支援目標は、子どもに理解できる目標として表現し、努力目標として子どもに説明する。
・策定された自立支援計画は、全職員で共有し、支援は統一かつ統合されたものとする。

③自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施する。

・自立支援計画の見直しは、子どもとともに生活を振り返り、子どもの意向を確認し、併せて保護者の意向を踏まえて、それらを反映させつつ、子どもの最善の利益を考慮して行う。
・計画の見直し時には、支援方法を振り返り、自己評価し、支援の成果について分析、検証を行い、専門性や技術の向上に努め、施設全体の支援の向上に反映させる仕組みを構築する。
・アセスメントと計画の評価・見直しは少なくとも半年ごとに定期的に行い、かつ緊急の見直しなど必要に応じて行う。

(2)子どもの支援に関する適切な記録

①子ども一人一人の支援の実施状況を適切に記録する。

・入所からアフターケアまでの支援の実施状況を、家族及び関係機関とのやりとり等を含めて適切に記録し、確認する。
・記録内容について職員間でばらつきが生じないよう工夫する。

・行動上の制限等を行った時など個別支援に関する記録を整備する。

②子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行う。

・記録の管理について個人情報保護と情報開示の観点から、研修を実施する。

・守秘義務の遵守を職員に周知する。

③子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行う。

・施設における情報の流れを明確にし、情報の分別や必要な情報が的確に届く仕組みを整備する。
・施設の特性に応じて、ネットワークシステム等を利用して、情報を共有する仕組みを作る。

4 権利擁護

(1)子どもの尊重と最善の利益の考慮

①子どもを尊重した支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行う。

・施設長や職員が子どもの権利擁護に関する施設内外の研修に参加し、人権感覚を磨くことで、施設全体で権利擁護の姿勢を持つ。
・子どもを尊重した姿勢を、個々の支援の標準的な実施方法等に反映させる。

②社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の支援において実践する。

・人権に配慮した養育・支援を行うために、職員一人一人の倫理観、人間性並びに職員としての職務及び責任の理解と自覚を持つ。
・施設全体の質の向上を図るため、職員一人一人が、実践や研修を通じて専門性などを高めるとともに、養育・支援実践や養育・支援の内容に関する職員の共通理解や意見交換を図り、協働性を高めていく。
・職員同士の信頼関係とともに、職員と子ども及び職員と保護者との信頼関係を形成していく中で、常に自己研鑽に努め、喜びや意欲を持って支援に当たる。
・子どもの意向に沿うことが結果として子どもの利益につながらないこともあることを踏まえ、適切に導く。
・受容的・支持的なかかわりを基本としながらも、養育者として伝えるべきメッセージはきちんと伝えるなど、子どもの状況に応じて適切な対応ができるよう、常に子どもの利益を考慮し真摯に向き合う。

③子どもの発達段階に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせる。

・子どもの発達段階等に応じて、可能な限り事実を伝える。

・家族の情報の中には子どもに知られたくない内容があることも考慮し、伝え方等は職員会議等で確認し、共有し、また、児童相談所と連携する。

④特別プログラムなど子どもの行動の自由などの規制については、子どもの安全の確保等のために、他に取るべき方法がない場合であって子どもの最善の利益になる場合にのみ、適切に実施する。

・やむを得ず子どもの行動の自由などを規制するケアについて、マニュアルなどを作成し、職員の共通認識のもとに対応する。
・マニュアル等は定期的な検証や必要な見直しを行う。
・子どもが納得できない場合、苦情解決制度を通じて意見を述べることができることを知らせる。

⑤子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行う。

・通信、面会に関するプライバシー保護や、生活場面等のプライバシー保護について、規程やマニュアル等の整備や設備面等の工夫などを行う。

⑥子どもや保護者の思想や信教の自由を保障する。

・子どもの思想・信教の自由については、最大限に配慮し保障する。
・保護者の思想・信教によってその子どもの権利が損なわれないよう配慮する。

(2)子どもの意向や主体性への配慮

①子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、支援内容の改善に向けた取組を行う。

・日常的な会話のなかで発せられる子どもの意向をくみ取り、また、子どもの意向調査、個別の聴取等を行い、改善課題の発見に努める。

・子どもの意向調査、個別の聴取、面接など、定期的に行い、改善課題の発見、対応策を実施する。

・改善課題については、子どもの参画のもとで検討会議等を設置し、改善に向けて具体的に取り組む。

②子ども自身が自分たちの生活全般について自主的に考える活動を推進し、施設における生活改善や自立する力の伸長に向けて積極的に取り組む。

・活動を通して、子どもの自己表現力、自律性、責任感などが育つよう支援を行う。

③施設が行う支援について事前に説明し、子どもが主体的に選択(自己決定)できるよう支援する。

・子どもの知る権利を守り、主体的に問題解決を行う力を高めるため、子どもに対して適切な情報提供を行う。
・子どもの発達段階に応じて自己決定できる力が備わるよう支援する。

(3)入所時の説明等

①子どもや保護者等に対して、支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報提供する。

・施設の内容がわかりやすく紹介された印刷物を作成し、希望かあれば見学に応じるなど養育内容を正しく理解できるような工夫を行う。

②入所時に、施設で定めた様式に基づき支援の内容や施設での約束ごとについて、子どもや保護者等にわかりやすく説明する。

・子どもの不安を解消し安心感を与えるように、担当者が温かみのある雰囲気の中で施設生活や入所中の面会や外泊等を理解できるよう説明する。
・施設生活における規則や行動に一定の制限があることについても説明し、事前に理解してもらうようにする。
・家庭裁判所の審判決定により入所する子どもについては、抗告の手続について説明し、抗告の意思表示があれば適正に取り扱うなど、配慮ある対応をする。

(4)権利についての説明

①子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明する。

・権利ノートやそれに代わる資料を使用して施設生活の中で守られる権利について随時わかりやすく説明する。
・子どもの状態に応じて、権利と義務・責任の関係について理解できるように説明する。

(5)子どもが意見や苦情を述べやすい環境

①子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行う。

・複数の相談方法や相談相手の中から自由に選べることを、わかりやすく説明した文書を作成・配布する。
・子どもや保護者等に十分に周知し、日常的に相談窓口を明確にした上で、内容をわかりやすい場所に掲示する。

②苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させる。

・苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受け付け担当者の設置、第三者委員の設置)を整備する。
・苦情解決の仕組みを文書で配布するとともに、分かりやすく説明したものを掲示する。

③子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応する。

・苦情や意見・提案に対して迅速な対応体制を整える。
・苦情や意見を養育や施設運営や支援の改善に反映させる。
・子どもの希望に応えられない場合には、その理由を丁寧に説明する。

(6)被措置児童等虐待対応

①いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底する。

・就業規則等の規程に体罰の禁止を明記する。
・子どもや保護者に対して、体罰の禁止を周知する。
・体罰の起こりやすい状況や場面について、研修や話し合いを行ない、体罰を伴わない援助技術を職員に習得させる。

・施設内の常識を常に麻痺化させない努力や体罰や子どもの人格を辱めるような行為へと気づかないうちに発展していかないように十分な振り返りを行う。
・職員が相互に,迷いや過剰な対応をいさめ指摘できる関係を作る。
・子どもの挑発に乗らないでその背景にある痛みを見据えて対応できるようにする。

②子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組む。

・暴力、人格的辱め、心理的虐待などの不適切なかかわりの防止について、具体的な例を示し、職員に徹底する。
・子ども間の暴力等を放置することも不適切なかかわりであり、防止する。
・不適切なかかわりを防止するため、日常的に会議等で取り上げ、行われていないことの確認や、職員体制や密室・死角等の建物構造の点検と改善を行う。
・子どもが自分自身を守るための知識、具体的な方法について学習する機会を設ける。

③被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応する。

・被措置児童等虐待の事実が明らかになった場合、都道府県市の指導に従い、施設内で検証し、第三者の意見を聞くなど、施設運営の改善を行い、再発防止に努める。

(7)他者の尊重

①様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援する。

・信頼感を獲得するなど良好な人間関係を築くために職員と子どもが個別的にふれあう時間を確保する。

・同年齢、上下の年齢関係などの人間関係を日常的に経験できる生活環境を用意し、人格の尊厳を理解し、自他の権利を尊重して共生できる人間性を育成する。

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