母子生活支援施設運営指針「第Ⅱ部 各論①」の要点!5分で終わる!

母子生活支援施設運営指針

母子生活支援施設運営指針 第Ⅰ部 総論からの続き

ここでは、母子生活支援施設運営指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、母子生活支援施設の特有のことや、過去問題で出題された部分を太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

また児童養護施設運営指針と違うなものは色表示をしています。

ボリュームはありますが、難しい内容ではないので、太字を中心に1度読んみるだけでマスターできることを目指しています。

第Ⅱ部 各論

1 支援

(1)支援の基本

①母親と子どもそれぞれの個別の課題に対して、専門的支援を行う。

母親と子どもがそれぞれ抱える個別の課題に対して、目的や目標を明確にした合理的で計画的な一貫した専門的支援を行う。
・母親と子どもの課題を正しく理解し、できる限り、親子、家庭のあり方を重視した支援を行う。
・母親と子どもが、自己の意思で課題を解決できるように個々の気持ちに寄り添った支援を行う。
資料等を使いながら、必要な手続きをわかりやすく説明し、必要に応じて職員が機関等への同行及び代弁を行う。

(2)入所初期の支援

①入所に当たり、母親と子どもそれぞれの生活課題・ニーズを把握し、生活の安定に向けた支援を行う。

・母親と子どもが安心して施設を利用し、課題の解決に向かえるように、委託機関等と連携して情報提供に努める。
・安心して施設の生活ができ、精神的に落ち着ける環境の提供、維持に努める。
子どもが保育所・学校に速やかに入所・入学できるよう支援する。
必要に応じて、生活用具、家財道具等の貸し出しを行う。

②新しい生活環境に適応できるよう、精神的な安定をもたらす支援を行う。

休日・夜間でも相談できるよう配慮し、不安・悩みの軽減、心の安定に向けた相談支援を行い、必要に応じて専門機関と連携する。
・入所直後は心理的に不安定になりやすいため、コミュニケーションに心がけ、心理面に十分配慮する。
・施設を自分の居場所として実感できるよう、職員や入所者とのよりよい人間関係の構築に向けて支援する。

(3)母親への日常生活支援

①母親が、安定した家庭生活を営むために必要な支援を行う。

母親の生育歴、現在の生活スキル等を踏まえ、安定した生活に必要な基本的な生活習慣の維持や獲得に向けて衣食住の生活スキルの向上への支援を行う。
・家庭の営みは、経験を通して反映されるため、経験に乏しい母親には共に行うことで経験を補う。

・健康に不安を持つ母親や子どもには、相談に応じたり、医療機関への受診を勧めたりするとともに、ニーズに応じて健康管理の支援を行う。
・入所前に適切な医療を受けられなかった母親や子どもには、既往歴等を確認しながら適切な医療の受診を促す。

②母親の子育てのニーズに対応するとともに、子どもとの適切なかかわりができるよう支援する。

・母親の育児に関する不安や悩み等の発見に努め、その軽減に向けた相談や助言、介助等を行うとともに、必要に応じて保育提供や保育所へつなぐ支援を行う。
・母親の状況に応じ、子どもの保育所・学校等への送迎の支援を行う。
・母親が病気の時には、母親の看病や子どもの保育等の支援を行う。
・母親が子どもを客観的に理解できるように、発達段階や発達課題について示し、適切な子育て・かかわりについてわかりやすく説明する。
・虐待や不適切なかかわりを発見した時は職員が介入し、必要に応じて専門機関との連携を行う。

③母親が安定した対人関係を築くための支援を行う。

・職員と信頼関係を築くことにより人とのつながりを実感し、施設に自分の居場所を得られるよう支援する。
・社会との関係をとることの難しさから対人関係にストレスを生じている場合は、そのストレスの軽減が図られるよう、相談に応じる。

(4)子どもへの支援

①健やかな子どもの育ちを保障するために、養育・保育に関する支援を行う。

・子どもの成長段階、発達段階に応じた養育支援を行う。
・母親と子どもの関係を構築するための保育、保育所に入所できない子どもの保育や早朝・夜間・休日等の保育、子どもの病気・けが等の際の保育、母親が体調の悪いときの保育等、ニーズに応じた様々な施設内での保育支援を行う。
放課後の子どもの生活の安定や活動を保障し、活動場所、プログラム等を用意するとともに、日常生活上必要な知識や技術の伝達、遊びや行事等を行う。
DVを目撃した子どもを含め、被虐待児等や発達障害を含む様々な障害等の特別な配慮が必要な子どもに対しては、必要に応じて個別に対応し、子どもの状況に応じた支援を行う。

②子どもが自立に必要な力を身につけるために、学習や進路、悩み等への相談支援を行う。

・落ち着いて学習に取り組める環境を整え、適切な学習支援を行い、学習の習慣を身につけるとともに、学習への動機づけを図る。
・安心して学校に通えるように、宿題、支度等の学校生活に関する支援を行う。
・自由に意見や要望等を表明できるよう信頼関係づくりに努め、日常生活の子どもの表情や態度から、悩みや意見の発見に努める。
・進学への支援は、母親と子ども双方の意向をくみ取り、学校と連携して情報提供を行いながら、具体的な目標を定めて行う。
・進学や就職など、子どもの意向を尊重した進路への支援を行う。
・学費の負担軽減のため、各種の奨学金や授業料の減免制度等の活用への支援を行う。

③子どもに安らぎと心地よさを与えられるおとなとのかかわりや、子どもどうしのつきあいに配慮して、人との関係づくりについて支援する。

・母親以外のおとなにも受け入れられたり、甘えられたりする経験を増やし、おとなとの信頼関係が構築できるよう支援する。
・社会の様々な価値観、多様な生き方への理解を進めるために、ボランティアや実習生など、様々なおとなとの出会いの機会を設ける。
・おとなに信頼感を持てるように、悪意や暴力のないおとなモデルを提供する。
・自分の気持ちをことばで適切に表現し、相手に伝える方法について、日常生活の中で意識的に伝え、その能力が向上するよう支援する。
・子どもどうしの育ちあう力を活用し、協調性や社会性が身につくよう、集団活動やレクリエーション活動などのグループワークを積極的に取り入れる。
・自分自身を守るために必要な知識や、具体的な方法などの学習の機会を設ける。

④子どもの年齢・発達段階に応じて、性についての正しい知識を得る機会を設け、思いやりの心を育む支援を行う。

・性をタブー視せず、子どもの疑問や不安に正確な知識をもって応える。
・必要に応じて外部講師を招くなど、職員間で性教育に関する知識や、性についてのあり方などの学習会を行う。

(5)DV被害からの回避・回復

①母親と子どもの緊急利用に適切に対応する体制を整備する。

24時間の受け入れや広域利用など、広く母親と子どもの緊急利用を受け入れる。
DV防止法に基づく一時保護委託の依頼の場合は、速やかに受け入れを行い、安心で安定した生活が営めるように体制を整える。
・役割分担と責任の所在を明確にし、配偶者暴力相談支援センター・警察署・福祉事務所等との連絡調整体制を整える。
被害者が施設で生活していることをDV加害者に知られないように配慮を徹底する。

②母親と子どもの安全確保のためにDV防止法に基づく保護命令や支援措置が必要な場合は、適切な情報提供と支援を行う。

・DV加害者に居所が知れ、母親と子どもに危険が及ぶ可能性がある場合には、母親と子どもの意向を確認した上で、速やかに関係機関と連携し、保護命令の手続きや他の施設への転居等の支援を行う。
・保護命令制度や支援措置の活用について、情報提供を行うとともに、必要に応じて法的手続きのための同行等の支援を行う。
弁護士や法テラスの紹介や調停・裁判などへの同行等、さらに必要に応じて代弁等の支援を行う

③母親と子どもの安全確保を適切に行うために、必要な体制を整備する。

・安全確保を第一とした支援を行うため、職員による夜間の安全管理体制を整える。
・子どもの安全を保障するため、区域外就学も含め、教育委員会等の関係機関との連携を行う。
夫等から子どもとの面会交流を求められた場合は、家庭問題情報センター(FPIC)等の利用も含めて、母親と子どもの安全と安心を最優先にした支援を行う。

④心理的ケア等を実施し、DVの影響からの回復を支援する。

・DVについての正しい情報と知識を提供し、DV被害者の理解を促し、自己肯定感を回復するための支援を行う。
DVから脱出することができたことを評価し、安心し安定した生活と母親と子どもの幸せな未来について職員が一緒に考え支援することを伝える。
・心理療法を活用し、医師やカウンセラーと情報交換を行いながら、より適切な支援を行う。

(6)子どもの虐待状況への対応

①被虐待児に対しては虐待に関する専門性を持ってかかわり、虐待体験からの回復を支援する。

・子どもと個別にかかわる機会を作り、職員に自分の思いや気持ちを話せる時間を作る。
・子どもの権利条約による「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」等について説明を行うとともにそれが保障できる支援を提供する。
・自分の存在がかけがえのない大切な存在であることを伝えながら、自己肯定感や自尊心の形成に向けた支援を行う。
・暴力によらないコミュニケーションを用いるおとなのモデルを職員が示す。
・医療機関や児童相談所など関係機関と必要な情報の交換を行いながら、より適切な支援を行う。

②子どもの権利擁護を図るために、関係機関との連携を行う。

・児童虐待の発生やその疑いがある場合は児童相談所に通報し、連携して対応する。
・被虐待児童に対しては、必要に応じて、心理判定、児童精神科医との相談などの児童相談所機能を活用する。
・必要に応じて、福祉事務所や保育所、学校、病院等と情報交換や連携を図り対応する。

(7)家族関係への支援

①母親や子どもの家族関係の悩みや不安に対する相談・支援を行う。

・母親の家族関係の悩みや不安を受け止め、相談に応じる。
・子どもの家族関係の悩みや不安を受け止め、相談に応じる。
・母親と子どもの感情の行き違い、意見の相違がある場合や将来設計等が異なる場合、それぞれの考えを尊重して相談に応じ、調整を行う。
きょうだいの間に感情の行き違いや意見の相違がある場合は、相談に応じ調整を行う。
・必要に応じて父親や他の親族等の関係調整を行う。

(8)特別な配慮の必要な母親、子どもへの支援

①障害や精神疾患のある母親や子ども、その他の配慮が必要な母親と子どもに対する支援を適切に行い、必要に応じて関係機関と連携する。

様々な障害のある母親には、主体性を尊重し、それぞれの状況に応じた自己決定ができるよう支援する。
・福祉事務所や医療機関と連携し、利用可能な福祉サービス等を活用できる支援を行う。
・精神疾患があり、心身状況に特別な配慮が必要な場合、同意を得て主治医との連携のもと、通院同行、服薬管理等の療養に関する支援を行う。
・障害や精神疾患のある場合や外国人の母親や子どもへは、公的機関や就労先への各種手続きや保育所や学校等との連絡等、他機関とも連携し情報やコミュニケーション確保の支援を行う。

不就業の理由は母親の精神的・身体的障害がある場合が最も多い

(9)主体性を尊重した日常生活

①日常生活への支援は、母親や子どもの主体性を尊重して行う。

・母親と子どもの状況を考慮しながら、その主体性が尊重されるよう支援を行う。

②行事などのプログラムは、母親や子どもが参画しやすいように工夫し、計画・実施する。

・母親や子どもの意見を取り入れた実施計画を策定し、その内容と目的をわかりやすく示し、選択(自己決定)により積極的に参加できるように支援する。

母子生活支援施設運営指針

(10)就労支援

①母親の職業能力開発や就労支援を適切に行う。

・資格取得や能力開発のための情報提供や支援を行う。
・公共職業安定所だけでなく、パートバンクや母子家庭等就業・自立支援センター等、様々な機関を活用し、また必要に応じて、職場開拓を行い、求人案内の情報提供や同行支援を行う。
・就労に対する不安に関して適切な傾聴や、必要に応じた助言等の支援を行う。また、就労後の相談体制を整備する。
・母親が安心して就労できるように施設内保育や学童保育などの保育支援を行う。

②就労継続が困難な母親への支援を行い、必要に応じて職場等との関係調整を行う。

・職場環境、人間関係に関する相談や助言など個々に対応した幅広い支援を行う。
・母親が望む場合、就労継続のために職場との関係調整を行う。
・活用可能な就労支援制度を利用できるよう支援する
・障害がある場合や外国人の母親の場合、その心身の状態や意向に配慮しながら、就労の継続に向けての支援を行う。

(11)支援の継続性とアフターケア

①施設の変更又は変更による受入れを行うに当たり、継続性に配慮した対応を行う。

・子どもの発達や生活の記録、アルバムの作成などを行い支援の継続性に活用する。
・移行前の支援として、引き継ぎや申し送りの手順・文書等の内容をあらかじめ定める
・施設の変更後も、母親や子どもが相談できるように窓口や担当者等の取り決めを行う。
・変更による受入の際には、前任の担当者から育ちの記録等の文書を使い適切に引き継ぎを行う。

②母親と子どもが安定した生活を送ることができるよう、退所後の支援を行う。

・退所後のアフターケアが効果的に行われるよう、退所後の支援計画を作成する。
・退所した地域で健康で安心して暮らすために、必要に応じて退所先の行政、医療福祉、ボランティア・NPO団体をはじめ、幅広い地域の関係機関や団体とネットワークを形成し、母親と子どもが適切なサービスが受けられるように支援する。母子自立支援員や民生委員児童委員等との連携も必要である。
・退所後も母親と子どもが電話や来所によって、施設に相談できることを説明し、個々の状況に配慮しながら、生活や子育て等の相談や同行等必要な支援を提供する。
・退所後も、学童保育や学習支援、施設行事への招待等の支援を行う。

2 自立支援計画・記録

(1) アセスメントの実施と自立支援計画の策定

①母親と子どもの心身の状況や、生活状況を正確に把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、母親や子どもの個々の課題を具体的に明示する。

・母親と子どもそれぞれ個別にアセスメントを行う。
・心身の状況や、生活状況、親族の状況、問題解決能力等の必要な情報を把握し、統一した様式に則って記録する。
・把握した情報を総合的に分析・検討し、課題を適切に把握する。
・アセスメントは、母親と子どもの担当職員をはじめ、心理療法担当職員などが参加するケース会議で合議して行う。

②アセスメントに基づいて母親と子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し実際に機能させる。

・自立支援計画策定の責任者(基幹的職員等)を設置する。
・自立支援計画は、ケース会議で合議して策定する。
・自立支援計画には、支援上の課題と、課題解決のための支援目標と、目標達成のための具体的な支援内容・方法を定める。
・支援目標は、母親と子どもに理解できる目標として表現し、努力目標として説明する。
・策定された自立支援計画を、全職員で共有し、養育・支援は統一かつ統合されたものとする。

③自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施する。

・自立支援計画の見直しは、母親や子どもとともに生活を振り返り、母親や子どもの意向を踏まえて、それらを反映させつつ、最善の利益を考慮して行う。
・自立支援計画の見直し時には、支援方法を振り返り、自己評価し、支援の成果について分析、検証を行い、専門性や技術の向上に努め、施設全体の支援の向上に反映させる仕組みを構築する。
・アセスメントと計画の評価・見直しは、少なくとも半年ごとに定期的に行い、かつ緊急の見直しなど必要に応じて行う。

(2)母親と子どもの支援に関する適切な記録

①母親と子ども一人一人の支援の実施状況を適切に記録する。

・入所からアフターケアまでの支援の実施状況を、保護者等及び関係機関とのやりとり等を含めて適切に記録する。
・記録内容について職員間でばらつきが生じないよう工夫する。

②母親と子ども等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立 し、適切に管理を行う。

・記録の管理について個人情報保護と情報開示の観点から、研修を実施する。
・守秘義務の遵守を職員に周知する。

③母親と子ども等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行う。

・全職員が共通した理解の下に業務を遂行できるよう情報共有の体制を構築する。

・施設における情報の流れを明確にし、情報の分別や必要な情報が的確に届く仕組みを整備する。
・施設の特性に応じて、ネットワークシステム等を利用して、情報を共有する仕組みを作る。

④日々の業務について支援内容を適切に記録し、支援の分析・検証や職員間の情報共有に活用するとともに、説明責任を果たす取組を行う。

・母子支援員日誌、少年指導員日誌、学童保育日誌、保育日誌、宿直日誌、日直日誌等を整備する

3 権利擁護

(1) 母親と子どもの尊重と最善の利益の考慮

①母親と子どもを尊重した支援についての基本姿勢を明示し、職員が共通の理解を持つための取組を行う。

・母親と子どもへの支援は、感情的でない受容的な態度で行い、その人格を尊重することを基本とする。
・施設長や職員が母親や子どもの権利擁護に関する施設内外の研修に参加し、人権感覚を磨くことで、施設全体で権利擁護の姿勢を確立する。
・母親と子どもを尊重した姿勢を、個々の養育・支援の標準的な実施方法等に反映させる。

②社会的養護が、母親と子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の支援において実践する。

・人権に配慮した支援を行うために、職員一人一人の倫理観、人間性並びに職員としての職務及び責任の理解と自覚を持つ。
・施設全体の質の向上を図るため、職員一人一人が、養育実践や研修を通じて専門性を高めるとともに、養育実践や養育の内容に関する職員の共通理解や意見交換を図り、協働性を高めていく。
・職員同士の信頼関係とともに、職員と子ども及び職員と保護者との信頼関係を形成していく中で、常に自己研鑽に努め、喜びや意欲を持って養育・支援に当たる。

・母親や子どもの意向に沿うことが結果として子どもの利益につながらないこともあることを踏まえ、適切に導く。
・受容的・支持的なかかわりを基本としながら母親と子どもの状況に応じて適切な対応ができるよう、常に母親と子どもの利益を考慮し真摯に向き合う。

③母親と子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に 周知するための取組を行う。

・通信、面会に関するプライバシー保護や、生活場面等のプライバシー保護について、規程やマニュアル等の整備や設備面等の工夫などを行う。

母親と子どもの思想や信教の自由を保障する。

・子どもの思想・信教の自由については、最大限に配慮し保障する。
・母親の思想・信教によって、その子どもの権利が損なわれないよう配慮する。

(2) 母親と子どもの意向や主体性の配慮

①母親と子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、支援の内容の改善に向けた取組を行う。

・日常的な会話のなかで発せられる母親や子どもの意向を取り、また母親や子どもに対して意向調査、個別の聴取等を行い、改善課題の発見に努める。
・改善課題については、母親や子どもの参画のもとで検討会議等を設置し、改善に向けて具体的に取り組む。

②母親や子ども自身が、自分たちの生活全般について自主的に考える活動(施設内の自治活動等)を推進し、施設における生活改善に向けて積極的に取り組む。

・子どもの活動を通して、子どもの自己表現力、自律性、責任感などが育つよう必要な支援を行う。
・母親が、自らの権利を学び、自主的に自分の生活を改善していく力を養えるよう支援する。
母親の自治会活動等を通して、母親の自己表現力、自律性、責任感などに対する支援を行う。

③施設が行う援助について事前に説明し、母親と子どもそれぞれが主体的に選択(自己決定)できるよう支援する。

・支援内容について理解できるようわかりやすい説明等を工夫し、自己決定により主体的に活用できるように働きかける。
・常に母親と子どものニーズの把握をし、必要な情報やニーズに応じた支援メニューが提供できるよう努める。

(3)入所時の説明等

①母親と子ども等に対して、支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報提供する。

・母親と子どもが情報を入手しやすいようパンフレットを福祉事務所に置くなどの取組を行う。
・施設の支援内容や生活の流れなどをわかりやすく紹介した印刷物を作成し、希望があれば見学に応じるなど施設の機能、役割を正しく理解できるような工夫を行う。

②入所時に、施設で定めた様式に基づき支援の内容や施設での約束ごとについて、母親と子ども等にわかりやすく説明する。

・様々な支援の利用方法や施設のルール、個人情報の取り扱いや設備の使用法など、施設で生活を行う上で必要な情報をわかりやすく説明し、母親と子どもが安心感を得られるように配慮する。
・丁寧な説明をすることで、母親と子どもの不安を解消し、これからの生活に展望が持てるよう配慮する。

(4)母親や子どもが意見や苦情を述べやすい環境

①母親と子どもが相談したり意見を述べたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、母親と子どもに伝えるための取組を行う。

・複数の相談方法や相談相手の中から自由に選べることを、わかりやすく説明した文書を作成・配布する。

・母親や子どもに十分に周知し、日常的に相談窓口を明確にし、内容をわかりやすい場所に掲示する。

②苦情解決の仕組みを確立し、母親と子ども等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させる。

・苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受け付け担当者の設置、第三者委員の設置)を整備する。
・苦情解決の仕組みを文書で配布するとともに、わかりやすく説明したものを掲示する。

③母親と子どもからの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応する。

・苦情や意見・提案に対して対応マニュアルを整備し、迅速に対応する。
・苦情や意見を、支援や施設運営の改善に反映させる。
・母親や子どもの希望に応えられない場合には、その理由を丁寧に説明する。

(5)権利侵害への対応

①いかなる場合においても、職員等による暴力や脅かし、人格的辱め、心理的虐待、セクシャルハラスメントなどの不適切なかかわりが起こらないよう権利侵害を防止する。

・就業規則等の規程に、体罰の禁止や権利侵害の防止を明記する。
不適切なかかわりの起こりやすい状況や場面について具体的な例を示しながら、研修や話し合いを行い、不適切なかかわりを行わないための支援技術を習得させる。
・施設長は、職員からの暴力や言葉による脅かしなどの不適切なかかわりが発生した場合に対応するためにマニュアル等を整備し、規程に基づいて厳正に対応する。

②いかなる場合においても、母親や子どもが、暴力や脅かし、人格を辱めるような不適切な行為を行わないよう徹底する。

・母親や子どもに対して、不適切な行為の禁止を周知する。

・不適切なかかわりを防止するため、日常的に会議等で取り上げ、行われていないことの確認や、職員体制の点検と改善を行う。

・不適切なかかわりを伴わない人とのかかわりについて、母親や子ども達に伝え、良好な人間関係の構築を図る。

③子どもに対する暴力や脅かし、人格を辱めるような不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組む。

・不適切なかかわりを伴わない子育てについて母親に伝え、良好な親子関係の構築を図る。
・子どもが自分自身を守るための知識、具体的な方法について学習する機会を設ける。
・常に親子関係の把握に努め、適切な助言や支援を行う。

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過去問

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会的養護 問37

次の文は、「母子生活支援施設運営指針」( 平成24年3月厚生労働省 )における支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  母親と子どもがそれぞれ抱える個別の課題に対して、目的や目標を明確にした合理的で計画的な一貫した専門的支援を行う。

○ B  母親と子どもの関係を構築するための保育、保育所に入所できない子どもの保育や早朝・夜間・休日等の保育、子どもの病気・けが等の際の保育、母親が体調の悪いときの保育等、ニーズに応じた様々な施設内での保育支援を行う。

× C  資料等を使いながら必要な手続きなどについて説明を行うが、職員が機関等への同行及び代弁をすることは自立支援の妨げになるため行わない。

  • 「母子生活支援施設運営指針」には「資料等を使いながら必要な手続きをわかりやすく説明し、必要に応じて職員が機関などへ同行や代弁を行う」としています。

× D  入所初期に生活用具や家財道具等の貸し出しをすることは、母親の施設に対する依存を助長するため、自立に向けて各家庭で購入するように指導する。

  • 「母子生活支援施設運営指針」には、入所初期の支援として「必要に応じて、生活用具、家財道具等の貸し出しを行う」としています。

1.A:○  B:○  C:○  D:×

2.A:○  B:○  C:×  D:×

3.A:○  B:×  C:○  D:○

4.A:×  B:○  C:○  D:○

5.A:×  B:×  C:×  D:○

正解は 2

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