3実践モデルとアプローチの違い?相談援助に強くなる!

実践モデルとは?

実践モデルとは?

モデルを直訳すると「型」、アプローチを直訳すると「解決に近づく」です。

実践モデルとは、クライアントの相談に対してどこに焦点を当てていくかをモデル化したものです。

それによりどうアプローチしていくかを選択していき、ソーシャルワーカーが効率的に問題を解決できるようにしたものです。

3つの実践モデル

3つの実践モデル

3実践モデルは古くからあり、今でも基盤となるものです。

治療モデル

相談者の直接問題となっている原因(病気や障害など)に焦点を当て、解決(治療)していきます。

生活モデル

毎日の生活の中での人と環境の相互関係に焦点を当て、その調和を保つ、もしくは環境への適応能力を高めます。

生態学的立場のモデルです。

ストレンスモデル

人や環境の「強み」「能力」に焦点を当て、その利点を最大限に引き出すことで、課題の解決を目指します。

実践モデル事例

実践モデル事例

中学生のKさんは,夏休み明けから学校へ登校できない状況が続いています。

心配になった母親は担任教師に相談し,母親とKさんがスクールソーシャルワーカーに相談することを勧められました。

母親がスクールソーシャルワーカーに話した内容は,Kさんは3カ月程前より「学校に行きたくない」とこぼすようになり,午前中で早退したり,時々,登校しないことがあったといいます。

また,授業時間や休み時間を問わず,「クラスのなかが騒がしくて落ち着かない」「友達ができない」「先輩が厳しく,自分だけ相手にされていない」等と母親に訴えていました。

母親は,このまま学校へ行けない状態が続くことを心配していますが無理強いすることもできず,対応に苦慮している様子です。

最近のKさんは,1日中部屋で過ごしていることが多く,夜間,熟睡できない日もあるとのことです。

治療モデルによると?

スクールソーシャルワーカーは,Kさんが学校に行くことができなくなった「直接の原因」を探していきます。

  • クラスで「いじめ」のようなことがあったのではないか。
  • 部活動の仲間との関係で何かあったのではないか。
  • の育て方,かかわり方に原因があったのではないか。
  • 生育歴のなかで,発達課題上の問題はなかったのか。
  • 精神疾患的な課題を抱えるに至っているのではないか。

適切なアプローチを選択して解決していきます。

生活モデルによると?

Kさんとクラスメート,部活動メンバー,母親やほかの家族成員,担任教師、地域社会との関係等,Kさんにかかわるあらゆる環境を想定し,情報収集をします。

  • クラスのなかではどのような様子で,適応状況はどうであったか。
  • クラスメートとの関係はどうであったか。
  • 部活動では,どのようなストレス状況におかれ,いかに対処していたか。
  • 母親との関係はどのようなものであったか。また,ほかの家族成員との関係, あるいは家族力動はどのような状況になっているか。
  • 家族は,近隣・地域社会とどのような関係を形成しているか。

適切なアプローチを選択して解決していきます。

ストレングスモデルによると?

Kさんや母親等の『強さ』や『能力』に焦点を当てます。

  • 母親が担任教師やスクールソーシャルワーカーに相談していることから,母親には,娘を心配する思いがあり,事態を打開しようとする意思と,対処しようとする力をもっているのではないか。
  • 担任教師が母親からの相談を受け止め,スクールソーシャルワーカーを紹介していることから,専門的な役割分担の重要性を理解しており,協働しようとする意思と,事態を解決しようとする力をもっているのではないか。
  • 現在,学校に行っていないことから,自分の意思を表明できる能力をもっている、あるいは,本人にとって最悪の状況を回避できる力をもっているのではないか。

適切なアプローチを選択して解決していきます。

過去問

過去問

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会福祉 問71

次の文は、相談援助( ソーシャルワーク )の実践モデルに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  利用者( クライエント )が差別されている社会状況によって、自己実現が阻害されているケースについては、クライエントの適応力を高める治療( 医療 )モデルが適切である。

  • 利用者( クライエント )が差別されている社会状況によって、自己実現が阻害されているケースについては、差別解消のための働きかけが求められます。

○ B  利用者( クライエント )が失業するなどの状況下で自信や気力を失っているケースについては、クライエントに自らの強みを気づかせ、それを発揮して自信を取り戻せるように働きかけるストレングスモデルが適切である。

○ C  利用者( クライエント )が家族から情緒的かかわりを受けられないことにより問題を発生させたケースについては、生活モデルを中核としたアプローチが適切である。

× D  相談援助の実践モデルは、治療( 医療 )モデルなどいくつかのモデルがあるが、新しいモデルが台頭すると古いモデルは通用しなくなっている。

  • 相談援助の実践モデルは、新しいモデルが台頭するにしても古いモデルは通用しなくなる訳ではありません。

保育士試験 平成25年(2013年) 社会福祉 問73

次の用語と解説は、相談援助に関する専門用語とその解説に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○ 1.ストレングスモデル ――――――――― 利用者を主体的にとらえ、利用者の有する能力、性質、関心、願望などの強み、及び、外部環境の強みに着目するアプローチである。

コメントを残す

Powered by WordPress.com. テーマ: Baskerville 2 by Anders Noren

ページ先頭へ ↑

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。