9つの気質に応じて育てていこう!

夫婦の子供の気質が研究のきっかけ?

トマスとチェス夫妻は、アメリカの精神科医で、気質研究の第一人者です。

自分たちの4人の子どもたちが、親も環境も養育態度もほぼ同じなのに、明らかな気質の違いがあることから研究をはじめました。

気質とは、生まれつきの特性を意味します。

気質が問題行動の原因じゃない!

このトマスらの研究は、気質と青年期の問題行動との間に相関関係があるかを調べるのが最終的な目的でした。

研究は、乳児期から青年期の100名あまりを対象にしました。

9つの特性とは?

子どもの気質の分類をするために観察法・心理テスト・両親との面接・教師や保育士からの聴取などを行い、次の9つの特性(チェック項目のようなもの)より評価しました。

  1. 粘り強さ
  2. 体内リズムの周期性、規則正しさ
  3. 活動水準
  4. 順応性
  5. 気分
  6. 身体活動の活発さ
  7. 集中力の持続性
  8. 五感の敏感さ
  9. 反応の強さ

ちなみにひとつひとつの特性は覚えなくてよいです。

半分は扱いやすい子!

9つの評価により、下記のとおり3つに分類しました。

  1. 扱いやすい子・40%うち18%が問題行動
  2. 平均的な子  35%
  3. 立上りが遅い子15%うち40%が問題行動
  4. 扱いにくい子 10%うち70%が問題行動

例えば、睡眠・食事・排泄が不安定で、いつも機嫌が悪く、精神状態も感情的になりやすいという評価であれば、扱いにくい子となります。

被験者の半分が扱いやすい子で、扱いにくい子のほとんどが問題行動を起こしているということです。

これは、気質が問題行動を起こすのではなく、環境が気質に適合していないということです。

ゴールドスミス?

ちなみにゴールドスミスとキャンポスは、気質について、別の切り口で研究を行っています。

このような2人1組の研究は、トマスやゴールドスミスのように最初に出た人物の名前だけを覚えても問題ありません。

過去問

保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育の心理学 問82

次のうち、トマス(Thomas,A.)らの気質に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  気質を分類する際に、活動水準、順応性、反応の強さなどを含めた5次元について観察し、その程度によって気質を3つのタイプに分類した。

  •  正しくは5次元ではなく9次元です。トマスは粘り強さや規則正しさなど9つの気質を見つけ「扱いやすい子」「扱いにくい子」「立ちあがりが遅い子」の3タイプに分類しました。

○ B  子どもの行動を観察し、その行動スタイルの違いから、現象面に基づいて気質を測定した。

× C  気質の分類によると、「扱いやすい子どもたち(easy children)」のタイプは全体の約10%だった。

  •  トマスの調査では、平均的な子(約35%)扱いやすい子(約40%)扱いにくい子または順応が遅い子(約25%)となっています。扱いやすい子は全体の約40%です。

× D  乳幼児期に「扱いにくい子どもたち(difficult children)」と分類されたタイプの子どものうち、約18%には後に問題行動が生じた。

  • 扱いやすい子の記述です。

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育の心理学 問87

次の文は、トマス( Thomas,A. )とチェス( Chess,S. )の気質( temperament )に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  気質( temperament )の特性を、活動水準、体内リズムの周期性、順応性、気分等の9つに分類した。

× B  「扱いにくい子( difficult child )」は、生活リズムが不規則で環境への適応が難しいとされているが、母親はその子育てを負担に感じることはない、としている。

  • 扱いにくさを負担に感じる母親もいます。

○ C  気質的特性に基づいて子どもは活動を選択し、自分の生活環境を形成する、と考えている。

× D  「出だしの遅い子( slow-to-warm-up child )」は、新しい状況や人に対して回避的に反応し、慣れるのも遅く、機嫌が悪いことが多い、としている。

  • 新しい状況や人に対して回避的に反応し、慣れるのも遅く、機嫌が悪いことが多いのは「扱いにくい子( difficult child )」の気質に分類されます。

保育士試験 平成25年(2013年) 保育の心理学 問91

次の文は、乳幼児の気質と環境との適合についての記述である。最も関連の深い人物として正しいものを一つ選びなさい。

子どもの気質の個人差に関する調査の結果、子どもの気質の特性として、身体活動の活発さや、睡眠や排泄の規則性など9の特性を見出した。さらに9つの特性の組み合わせから、子どもの気質を「扱いやすい子」「扱いにくい子」「立ち上がりが遅い子」の3タイプに分類した。環境としての親の養育態度が子どもの発達によい影響をもたらすか否かは、子どもの気質や能力と親の期待や要求その他の傾向との適合によると考えられる。

× 1. コンドン (Condon, W.S.)とサンダー(Sander, L.W.)

× 2. ゴールドスミス(Goldsmith, H.H.)とキャンポス(Campos, J.J.)

× 3. セルマン(Selman, R.L.)とバイルン(Byrne, D.F.)

○ 4. トマス(Thomas, A.)とチェス(Chess, S.)

× 5. ルイス(Lewis, M.)とブルックスガン(Brooks-Gunn, J.)

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