ソーシャルとかワークとか、漢字と横文字があって、説明を見てもモヤッとしてしまうことがよくありました。
そんなときは事例で覚えることをおすすめします。
目次
- 1 援助技術体系
- 2 ケースワークとは
- 3 ケースワークが専門化?
- 4 ケースワーク具体例!展開過程入り!
- 5 過去問
- 5.1 保育士試験 令和5年(2023年)後期 社会福祉 問9
- 5.2 保育士試験 令和4年(2022年)後期 社会福祉 問12
- 5.3 保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会的養護 問8
- 5.4 保育士試験 令和3年(2021年)後期 社会福祉 問67
- 5.5 保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会福祉 問70
- 5.6 保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会福祉 問70
- 5.7 保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会福祉 問72
- 5.8 保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会的養護 問35
- 5.9 保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会福祉 問66 )
- 5.10 保育士試験 平成23年(2011年) 社会福祉 問14
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援助技術体系
援助技術体系
- 直接援助技術
- ケースワーク
- グループワーク(集団援助技術)
- 間接援助技術
- コミュニティワーク
- ソーシャルアドミニストレーション(社会福祉運営法)
- ソーシャルプランニング
- 社会福祉調査法
- ソーシャルアクション
- 関連援助技術
ケースワークとは
ケースワークとは
ケースワークとは、精神的・肉体的・社会的な生活上の問題をかかえる個人や家族に個別的に接し、問題を解決できるように援助することを言います。
ケースワークが専門化?
ケースワークが専門化?
この時代のイギリスは世界で最も早い時期に産業革命を成し遂げ,世界の富がイギリスに集まってきました。
資本家は,慈善活動を自分たちの義務だととらえ,積極的に活動を行います。
しかし活動は統一されておらず,そのため不正受給などが起こり,調整する機関が必要だったため、チャルマーズが行った隣友運動を参考に慈善組織協会(COS)が設立されました。
隣友運動とは
隣友運動とは慈善活動のことで、家庭訪問を意味する友愛訪問などが含まれます。
この慈善組織協会(COS)の友愛訪問員にリッチモンドが働いていました。
彼女は徐々に著書『社会診断論』『ソーシャル・ケースワークとは何か』を発表したりと、ケースワークの専門化に取り組みました。
また、後にパールマンはケースワークの構成要素として「4つのP(人、問題、場所、過程)」をあげ、問題解決アプローチを提案しました。
ケースワーク具体例!展開過程入り!
ケースワーク具体例!展開過程入り!
インテーク
インテークは、受理面接ともいわれます。
支援者が利用者と信頼関係を構築する重要な過程で、バイスティックの7原則(特に受容)に則り、利用者のニーズや問題のアウトラインを聞き取ります。
契約が絡んでくる場合は、主訴の提示、支援者の所属する機関や施設の説明、契約等を行います。
支援者は、相談者にどのような支援の方向性を伝え、組織で対応できない場合は他の機関を紹介します。
支援者は、相談者に支援の方向性を伝え、組織で対応できない場合は他の機関を紹介します。
ある知的障害者の親戚から、本人の親が急死したとの電話が入りました。
相談者はとても慌てた様子でした。
相談者は、「私と本人はいとこ同士なんです。本人には知的障害があるんだけれど、叔母(本人の母)が急に亡くなってしまって・・・ひとりで家に残っているんです。」
叔母も介護で精神的にまいっており、親戚づきあいもなかったとのことで、これからどうしたらいいかわからないとのことでした。
社会資源を利用して支援していく旨を伝えました。
アセスメント
ケースワーカーは、他のケースワーカーに相談し、緊急保護の必要性や日常生活の援助など優先順位を決めて、関係機関に情報収集することにしました。
さらにケースワーカーは、本人と親族、それぞれと面接をする場をもち、様々な援助が必要であると評価しました。
プランニング
プランニングとは、目標を設定して具体的な支援内容を計画します。
関係機関とケース会議を開催して支援の役割分担や支援計画を決めました。
インターベーション
インターベンションとは、介入、実施といわれ、計画を実施します。
様々な専門職が必要となるため、チームアプローチで行う場合があります。
役割分担に基づき支援を実施します。
モニタリング
モニタリングとは、経過観察といわれるもので、介入や実施した内容が妥当であるか評価します。
定期的にケース会議を開催して支援課題や役割分担を見直しています。
エバリュエーション
エバリュエーションとは、事後評価ともいわれ、支援計画やそれに基づく支援の最終的な評価を行います。
目標が達成されたかを双方で確認しあいます。
ターミネーション
ターミネーションとは、終結を意味し、その後の経過を見守る段階です。
引越すことになり、引越先の施設に入ることになりました。
過去問
過去問
保育士試験 令和5年(2023年)後期 社会福祉 問9
次のうち、相談援助の展開過程の中の「インテーク」に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A インテークでは、相談者から発せられた非言語的表現に左右されることなく、相談者の発言から困っていることを明らかにする。
⚪︎ B インテークでは、信頼関係を形成するためにも、話しやすい雰囲気や環境を整える。
⚪︎ C インテークで支援者は、相談者にどのような支援ができるのかを伝える。
(組み合わせ)
A B C
4 × ○ ○
保育士試験 令和4年(2022年)後期 社会福祉 問12
次のうち、相談援助の展開過程の説明として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場 合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A インテークとは、支援者が利用者と信頼関係を構築する過程であり、主訴の提示、支援者の所属する機関や施設の説明、契約等を行う。
○ B アセスメントでは、利用者の状況や利用者の抱える困難の原因や背景を明らかにし、問題解決に向けての状況を理解するために、必要な情報を収集し、それを整理し、分析を行う。
○ C プランニングでは、アセスメントに基づき、問題解決に向けての目標を設定し、実際の支援をどのように行うかなど、具体的な支援内容を計画する。
× D モニタリングとは、支援計画やそれに基づく支援の最終的な評価を行う段階である。
- モニタニングは、クライエントに対する援助が円滑に行われているのかを確認することです。設問は、エバリュエーションの説明です。
保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会的養護 問8
次の文のうち、社会的養護に関わる相談援助の知識・技術に関する記述として、最も適切なものを一つ選びなさい。
× 1. 入所児童の言動や家族の状況について情報を収集し、その全体像を把握し、現状を評価する取り組みをエンパワメントという。
- 入所児童の言動や家族の状況について情報を収集し、その全体像を把握し、現状を評価する取り組みをインテークといいます。
2. 入所児童数人で一つの目標に取り組み、その際に生じる相互関係を通して問題解決を図る取り組みを生活場面面接という。
3. 子どもが本来持つ力に着目し、それを発揮しやすい環境を整えることをアセスメントという。
4. ティータイムなど、施設生活の中で職員が意図的に面接場面を設けることをインテークという。
5. 子どもが永続的かつ恒久的に生活できる家庭環境で、心身の健康が保障された生活を実現するための援助計画をパーマネンシー・プランニングという。
保育士試験 令和3年(2021年)後期 社会福祉 問67
次の図は、ソーシャルワークの展開過程を示したものである。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
正解は(Aウ Bイ Cエ Dア)です。
保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会福祉 問70
次の文のうち、ソーシャルワークの展開過程に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A インテークとは、受理面接といわれるもので、利用者のニーズや問題のアウトラインを聞き取る面接過程である。
× B インターベンションとは、介入や実施といわれるもので、利用者の問題解決への具体的な支援計画を立案する過程である。
- インターベンションは、介入、実施といわれるもので、実際に利用者の問題解決にあたり、計画を実施する段階です。支援計画を立案する段階は、プランニングです。
○ C モニタリングとは、経過観察といわれるもので、介入や実施した内容が妥当であるか検討する過程である。
× D エバリュエーションとは、終結を意味し、その後の経過を見守る段階である。
- エバリュエーションは、事後評価ともいわれ、介入や実施してきた内容について、実施後などに振り返り評価することです。問題文に記載されているような、終結を意味し、その後の過程を見守る段階は、ターミネーションです。
1. A:○ B:× C:○ D:×
保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会福祉 問70
次の文は、ソーシャルワークの成り立ちに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A ケースワークの源流は、イギリスにおけるチャルマーズ(Chalmers, T.)の隣友運動とロンドンの慈善組織協会の活動である。
× C バートレット(Bartlett, H.)は、ケースワークを理論的に体系化し、『社会診断論』、『ソーシャル・ケースワークとは何か』など多くの著書を出版した。
- 『社会診断論』、『ソーシャル・ケースワークとは何か』を著したのはリッチモンドです。
○ D パールマン(Perlman, H. H.)は、ケースワークの構成要素として「4つのP(人、問題、場所、過程)」をあげている。
保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会福祉 問72
次の文は、ソーシャルワークの援助のあり方に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 「インテーク」では、クライエントのニーズを多面的に把握する。
× B 「アセスメント」では、クライエントの抱えている問題について情報収集を行う際、クライエントのストレングスについて情報収集をすると、援助の焦点がぼやけてしまうため行うべきではない。
- B 「アセスメント」とは「評価」「査定」の意味を持ちます。アセスメントはクライエントのケアの見通しや方針を決める際に必要になります。
× C 「モニタリング」では、提供しているサービスに対して、その提供状況に不具合があるかどうかをチェックするため、利用者のサービスに対する満足感を評価する必要はない。
- C 「モニタリング」とは、ケースワークの展開を観察することです。ケースワークが目標に沿って行われているか、サービスが利用者のニーズに合っているかをモニタリングによって評価します。
○ D 多様なニーズを抱えているケースに対する「インターベンション」では、ソーシャルワーカーが中心となって関係機関に声をかけ、チームアプローチで行う場合がある。
2. A:○ B:× C:× D:○
保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会的養護 問35
次の文は、施設職員に求められるソーシャルワークの援助技術に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。
✕ 1.ケースワークとは、地域にあるニーズや生活問題の解決のために、サービスの開発や組織化を図り、住民が主体的に問題解決に取り組めるようにする技法である。
- ケースワークとは、社会事業の一方法で、精神的・肉体的・社会的な生活上の問題をかかえる個人や家族に個別的に接し、問題を解決できるように援助することを言います。
保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会福祉 問66 )
次の用語は、相談援助の展開過程に関する記述である。A~Gを展開過程の順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A アセスメント(assessment)
B インテーク(intake)
C プランニング(planning)
D モニタリング(monitoring)
E インターベンション(intervention)
F ターミネーション(termination)
G エバリュエーション(evaluation)
3. B → A → C → E → D → G →F
相談援助の展開過程を正しく並べると下記の通りになります。
①インテーク
②アセスメント
③プランニング
④インターベンション
⑤モニタリング
⑥エバリュエーション
⑦ターミネーション
保育士試験 平成23年(2011年) 社会福祉 問14
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
M地域子育て支援センター(以下、Mセンターと略述)に、Tさんが初めて来所した際、相談室に入るなり相談員に対し「自分の子どもに障害があるようで途方にくれている」という主訴を語った。
【設問】
次の文は、この【事例】の援助の過程におけるインテークに関する記述である。最も適切な記述を一つ選びなさい。
× 1. Tさんのその主訴を聞いた相談員は、Mセンターでは十分な援助ができないと考え、Tさんにここで何とかしてくれるという期待を抱かせないために、その主訴を聞いた時点でそれ以上の話を聞くことなく、そのまま他の機関へ送致した。
- たとえ子育て支援センターでは障がい児への相談の対応が十分にできないと考えたとしても、援助技術の原則「受容」にのっとって、まずはTさんの気持ちを受け入れるべきです。
× 2. Tさんのその主訴を聞いた相談員は、Mセンターでは十分な援助ができないと考えたが、不満を持たれないようにするために、そのことを伝えず、安心して任せてくださいと告げた。
- 相談者は、Tさんの自己決定を側面から支援するのであって、不満を持たれないために「任せてください」というのは不適切です。
○ 3. Tさんのその主訴を聞いた相談員は、Mセンターでは十分な援助ができないと考えたが、来談者の気持ちの受容に努め、その後に、Mセンターでできることを伝え、また、できない部分については他の機関を紹介した。
× 4. Tさんのその主訴を聞いた相談員は、早速事情聴取を行い、その場で仮の援助計画を立てて来談者に「こんな援助をします」と伝えた。
- 子育て支援センターは、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育ての不安・悩みを相談できる場を提供する所ですので、この場合Tさんの悩みを受け止め、適切な援助ができる機関や方法を助言します。
× 5. Tさんのその主訴を聞いた相談員は、来談者に対して助言をしたいと思い、早速助言をするために必要な来談者の問題を探る質問をした。
- インテークでは、Tさんが問題を明らかにし、相談員はその問題を担当すべきか検討する段階です。
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