ピアジェの理論が理解できない?part2具体例で覚えるべき!

こちらからの続き

前操作期とは(2〜7歳)

「ぜんそうさき」と読みます。

「操作」とは情報処理することです。「前操作」とは、情報処理ができるようになるまでのことです。

看護の世界にも応用されています。

象徴的思考期(2歳~4歳)

象徴的思考とは、もののイメージを直接思考することを言います。

模倣

例えば、目の前にないイメージを思い出し、絵に描いたりすることが可能になります。

「ごっご遊び」のように、イメージを記憶し、同じような行動をとります。

それを、模倣といいます。

さらに、他者の動作を直後に延滞模倣することを即時模倣、以前に見た他者の動作を再現することを延滞模倣と呼びました。

直観的思考期(4歳~7歳)

直感的思考では、カテゴリーを伴う思考ができるようになり、徐々に複数の知覚情報によって理解できるようになります。

前概念

また、イメージを整理してカテゴリー化(前概念的思考)できるようになります。

例えば、子どもは2頭のゾウを見て、象徴的思考期の子どもは「花子」「太郎」というようにそれぞれ個として考えますが、直感的思考期の子どもはゾウというひとまとまりである類として捉えることができます。

また、水や風のような無生物にも、自分と同じく生命があり、精神や意識を持つと考えます。

描画表現のアニミズムの記事はこちら

ピアジェは幼児の独り言を自己中心語と呼び、伝達の未発達なものだとしました。

具体的操作期とは(7〜11歳)

情報を論理的に処理できるようになる時期です。

自己中心性

自己中心性から脱中心化します。

自己中心性とは、視点がすべて自己視点であることです。

中心化とは、物や現象の一部に注意が集中し、同時にいくつかの側面に注意を向けることが難しいことを言います。

「わがまま」とは異なり、自分と他人の区別、空想と現実の区別が不十分な中での視点です。

脱中心化とは、相手の気持ちを考えて発言・行動できるようになり、その理解を象徴理論と呼びます。

例えば、三ッ山課題の実験によると、3つの山の模型を子どもの前に出し,子どもが見ている地点以外の地点に人形を置いて,人形から山がどのように見えるかを尋ねます。

三ッ山課題

前操作期のどの子どもは「人形からは山が三ッ見える」のように「自分の位置からの見え方」を答えます。

しかし、具体的操作期の子どもは、「人形からは山が2つに見える」のように、人形からの見え方を答えます。

保存の概念

保存の概念が理解できるようになります。

数や量の保存は、重さや体積の保存より早く獲得されます。

下図のコップ①と②に、それぞれ同じだけの液体を入れたものを子どもに見せ、「どちらのコップにたくさんの液体が入っていますか。それとも同じですか」とたずねます。

保存の概念

前操作期の子どもは、②の方がたくさん入っていると答えてしまいますが、具体的操作期の子どもは①の方がたくさん入っていると答えることができます。

道徳的な善悪の判断は動機による?

他律的道徳とは?

他律的道徳とは、子どもが、大人のルールや加害者の意図などを基準とする道徳のことをいいます。

それまでは被害の大きいものを悪いと判断していましたが、このころから悪い意図のあるものを悪いと判断するようになります。

例えば、「コップがあると知らずにコップを15個割った」場合と「お菓子を盗み食いしようとしてコップを1個割った」場合とでは、後者が悪いと判断します。

自律的道徳とは

自律的道徳とは、仲間との対等な関係の中で、自分でルールを作り出します。

具体的操作期の後半に発達していきます。

ピアジェ

過去問

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育の心理学 問8

次の【事例】を読んで、下線部(a)~(e)に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【事例】
・1歳半を過ぎたYちゃんは、(a)目にした物を自分の知っている言葉で表そうとして、例えば、「ワンワン」をイヌだけでなく、あらゆる四つ足の動物に使っている。また、物には名前があることを理解して、(b)「これは?」とさかんに指さしをして尋ねるようになり、保育士との言葉を 使ったやりとりを通して、(c)Yちゃんの語彙は急激に増加していった。
・4歳のG君は、友達のH君のお父さんの職業が“カメラマン”であると聞いて、(d)「“○○マン” はヒーロー」という自分のもつ枠組みで捉えて「それって強い?」と尋ねた。そこで、保育士がカ メラマンはヒーローではなく、職業であることを説明すると、G君は(e)保育士から聞いた情報 に合うように、既存の枠組みを修正して、「ヒーローではなくても“○○マン”ということがある」 という枠組みを再構成した。

(a) 語の過大般用/語彙拡張(over-extension)
(b) 命名期
(c) 語彙爆発(vocabulary spurt)

(d) 同化
(e) 調節

ア 置き換え イ 同化 ウ 語彙爆発(vocabulary spurt) エ 一語文期 オ 調節 カ 語の過小般用/語彙縮小(over-restriction) キ 同一視 ク 命名期 ケ 語の過大般用/語彙拡張(over-extension)

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育の心理学 問5

次のうち、ピアジェ(Piaget, J.)の考え方に関する記述として、適切なものを○、不適切なも のを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 子どもの道徳性は、大人に依存する人間関係の中で、既存の道徳を受容する他律的道徳から、仲間との対等な関係の中で、ルールを作り出す自律的道徳へと発達する。

○ B 子どもの道徳判断は、8~9歳頃を境に、行為の結果による判断から行為の動機による判断へと移行する。

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問3

次のうち、ピアジェ(Piaget, J.)の理論の前操作期に関する記述として、適切なものを○、不 適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 太いコップに入っていた水を細長いコップに入れ替えて水位が前より高くなっても、水の量は変
わらないと判断する。

  • 前操作期では保存の概念は理解されていません。

○ B 水や風のような無生物にも生命があり、精神や意識を持つと考える。

○ C 積み木を車に見立てて走らせて遊ぶなど、あるものによって別のものを表象する。

保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育の心理学 問76

次の文は、子どもの模倣に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

生まれて間もない新生児期において、( A )とムーア(Moore, M. K.)は、視覚的に捉えた相手の顔の表情を、視覚的に捉えられない自己の顔の表情に写しとること、たとえば、「舌の突き出し」や「口の開閉」など、他者の顔の表情をいくつか模倣できることを示した。

ピアジェ(Piaget, J.)は、観察した他者の動作を直後に再現することを( B 即時模倣 )、目の前には存在しなくても以前に見た他者の動作を再現することを( C 延滞模倣)と呼んだ。( C 延滞模倣 )では、他者の行為をある期間、記憶を保持し、それを自分の中にイメージできる( D 表象 )能力が必要となり、これは( E 象徴 )遊びにも必要な能力である。

【語群】
ア:メルツォフ(Meltzoff, A.N.)  イ:ローレンツ(Lorenz, K.)
ウ:言語  エ:社会模倣  オ:延滞模倣  カ:象徴
キ:表象  ク:即時模倣  ケ:平行

保育士試験 令和3年(2021年)前期 保育の心理学 問83

次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の発生的認識論に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ピアジェの発生的認識論では、2~7歳の子どもは( A 前操作期 )にあたる。この時期は( B 前概念的思考 )と( C 直感的思考 )とに分けて考えられている。この説によれば( B 前概念的思考 )では、子どもは2頭のゾウを見て、そこから共通性を取り出しゾウというひとまとまりである類として捉えることは難しく、「ゾウの花子」「ゾウの太郎」というようにそれぞれ個として考える。( C 直感的思考 )では、カテゴリーを伴う思考ができるようになり、徐々に複数の知覚情報によって理解できるようになる。例えば、大きさだけで理解していたことが、大きさと重さの2つから考えられるようになり、「大きいけれど軽い」などの判断が可能になる。しかし、その一方で、この時期の子どもの判断は見かけにより左右され、また他人の視点にたって物事を捉えて行動することが難しいことなどをピアジェは( D 自己中心性 )と名づけた。

【語群】
ア 具体的操作期  イ 前操作期   ウ 感覚的思考  エ 前概念的思考
オ 直感的思考   カ 論理的思考  キ 自己中心性  ク 利己主義

保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育の心理学 問84

次の文は、幼児の認知発達についての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。


2歳頃になると、心の中に( A 表象 )が形成され、直接経験していない世界について考えられるようになり、その場にいないモデルの真似をしたり、見立てる遊びをしたりする姿が見られる。

・ 幼児には、自分の体験を離れて、他者の立場から見え方や考え方、感じ方を推測することが難しい( B 自己中心性 )がみられる。

・ 幼児は、人が内面の世界を持っているということ、心あるいは精神を持っているということに気付きはじめ、その理解を( C 心の理論 )と呼ぶ。

・ 幼児の思考は、直接の知覚や行為に影響を受けやすく、例えば( D 保存 )課題では、物の知覚が変化しても物の本質は変わらないということを考慮できず、見え方が変化すると数や量まで変化すると判断する。

保育士試験 平成31年(2019年)前期 保育原理 問8

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  スイスの心理学者で、子どもと大人の思考構造の違いを研究し、子どもの思考の特徴として、自己中心性に基づく見方や考え方をあげた。

  • ピアジェ

【Ⅱ群】
ア ピアジェ(Piaget, J.)
イ デューイ(Dewey, J.)
ウ ハウ(Howe, A.L.)
エ ヒル(Hill, P.S.)
オ エリクソン(Erikson, E.H.)

保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問85

次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の認知発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  物や現象の一部に注意が集中し、同時にいくつかの側面に注意を向けることが難しいことを脱中心化と呼んだ。

  • 脱中心化とは「自他の視点を区別し、相互の視点から判断ができる能力を獲得していく」ことを言います。「物や現象の一部に注意が集中し、同時にいくつかの側面に注意を向けることが難しいこと」は中心化と言います。

○ B  自己中心性とは、他者の視点に自分が立ったり、自分と他者の相互関係を捉えたりすることが難しいことを意味する。

○ C  特に幼児では自他未分化のため、自分の視点や経験にとらわれて、ものごとを判断してしまうと考えた。

× D  幼児期には、遊びの活動に伴ってリズミカルに繰り返される独語(ひとり言)が多く発せられるが、それは思考機能をもつことを実証した。

  • ピアジェは幼児の独り言を自己中心語と呼び、伝達の意図を持った社会的発話の未発達なかたちによるものだと実証しました。

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育の心理学 問86

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

D  「今ここにないもの・こと」を思い起こすイメージをもつことにより、目の前にモデルがいなくても似た行動をしたりする。

  • 遅延模倣

【Ⅱ群】
ア  共同注意
イ  延滞模倣
ウ  スクリプト
エ  社会的参照

保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問87

次の文は、学童期の知的発達についての記述である。次の下線部( A )~( D )に該当する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ピアジェ(Piaget,J.)は、子どもの知的発達のなかで、( A 具体的操作期 )数、重さ、体積などの保存が獲得される時期を示した。例えば、( B 重さの保存 )子どもが見ている前で、球状の粘土をソーセージ形などに変える実験を行った。
この時期には様々な思考活動に可逆性や相補性が加わり、( C )物の分類、順序づけに必要な操作が発達し、次に( D)抽象的・論理的な操作が可能となる時期へと向かう。

【語群】
ア 形式的操作期
イ 具体的操作期
ウ 密度の保存
エ 重さの保存
オ 群性体
カ 同化

保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問83

次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の理論に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ C  前操作期の子どもは、イメージや言葉を用いて世界を捉えることができるようになるが、それは自己中心的で、知覚的特徴に影響されやすい。

保育士試験 平成27年(2015年) 保育の心理学 問85

次の文は、子どもの認知発達についての記述である。(a)~(d)に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

お風呂で(a)「いち、にぃ、さん…」と10 まで数えたり、例えば13 個のおはじきを(b)一つ一つ指さして数えることができても、必ずしもいくつあるかが分かっているとは言いきれない。数を数えたあと、(c)「全部でいくつ?」と数を聞かれたら「13」と最後の数を言えるようになるなどの過程で数概念が育っていく。ピアジェ(Piaget, J.)は、並べたおはじきの間隔を広げ(d)見かけを変化させると幼児は数の正しい判断ができなくなることを示した。

【語群】
ア 数の保存概念
イ 数系列の理解
ウ 序数
エ 数唱
オ 集合数の理解
カ 指算
キ 視覚的優位
ク 1対1対応

  • dは、見かけの変化に左右されずに数が理解できることを「数の保存概念」といい通常6~7歳で獲得するとピアジェは説きました。

保育士試験 平成24年(2012年) 発達心理学 問47

次の文は、認知の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ B ピアジェ(Piaget,J.)によれば、数や量の保存は、重さや体積の保存より早く獲得される。

保育士試験 平成24年(2012年) 発達心理学 問44

次の文のうち、ごっこ遊びを支える幼児の認知的能力として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 他者のふりを理解することができる。

○ D 自他のイメージが必ずしも同じでないことを理解することができる。

保育士試験 平成23年(2011年) 発達心理学 問49

次の文は、遊びの発達についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A ピアジェ(Piaget,J.)によれば、遊びはその時点での発達の水準を反映した活動と考えている。

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