ブルーナーとは一体どんな人?日本の理科に影響を与える!

スキナー同様、いろんな科目に登場してることがわかりました。

学習体系

ブルーナーの生涯

ブルーナーは1915年に生まれ、2016年に亡くなりました。

つい最近です。

しかも長寿。

盲目で生まれましたが、いくつかの白内障手術を受けた後、視力のわずかな割合を取り戻すことができました。

生涯を通じて非常に厚いレンズを備えた眼鏡を着用しなければなりませんでした。

ブルーナー

スプートニックショックとは?

1957年、旧ソ連が世界初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げた「スプートニク・ショック」が世界を駆けめぐりました。

スプートニックショック 

当時のアメリカは、冷戦下でソ連の科学技術の発展スピードに対して危機感を覚えていており、科学者の育成が目下の課題でした。

理系の学問分野から専門家を招き、アメリカのカリキュラムを改善する目的で会議が開催され、ブルーナーは議長として報告書の作成を担いました。

その頃はデューイの経験主義が支流でしたが、ここでブルーナーが現れます。

子供達の学問的水準をどのように引き上げていくかが議論されました。

「教育過程」とは?

著書「教育過程」は、会議の報告書として書かれています。

著書 教育の過程

「発見学習」とは?

教育過程の中で、ブルーナーにより提唱された学習方法で、子ども自らが発見していく学習です。

例えば、生徒に紙の上にのった尺取虫を見せます。

そして、「尺取虫が紙の上をまっすぐに歩いているところ、紙の一端を持ち上げて坂道を作った時に、尺取虫は自然に角度を変えて歩くようになります。

坂道の角度を変えると、尺取虫が歩く角度も変わる」ことを生徒に観察させます。

続いて「イナゴが群れをなして飛び立つとき、その群の密度は気温によって規定される」ことを教えます。

これにより生徒は、「生物は外界の刺激に応答して移動する性質をもつ」ということがわかります。

このように、一方的な知識の伝達は良くないと考え、子供達には、学者が新事実を発見するときのような興奮を味合わせなければいけないとしています。

そのためには、子供達自らが、新事実を発見をするように促さなければいけないということです。

オーズベルは発見学習は効率が悪いと指摘

どの教科でも、知的性格をそのまま保って、発達のどの段階の子どもにも効果的に教えることができる

「微積分の計算を6歳児にさせるのではなく、微積分にまつわる基礎的な観念を教えることができる。」と述べています。

そして、「教えるためには、子供達の発達段階に合った伝え方に翻訳をする必要がある」と述べています。

ブルーナーのヘッドスタート計画

ヘッドスタート計画とは、貧困家庭の子どもたちに適切な教育を与えて小学校入学後の学習効果を高めることを意図した包括的プログラムです。

当時のアメリカでは貧困が問題になっていました。

そこでリンドン・ジョンソン(Johnson,L.B.)大統領によって、1965年からヘッドスタート計画が展開されました。

幼児に適切な教育を与えることにより、小学校入学後に通常の家庭の子どもたちと同一の学習準備階にたてるように、あらかじめ文化的格差を解消することが最大の目的です。

教師、保育者、医師、栄養士や地域の人々の協力態勢の下で、適切な栄養と健康を提供するために行われているプログラムです。

ヘッド・スタート計画の目標には、子どもの健やかな成長のみならず、保護者を支援し、家庭の教育機能を高めることも含まれている。

ブルーナーは、ヘッドスタート計画の理論的基盤を提供しました。

高校中退率や犯罪に関わる率の低下などに成果が上がっているとされ、これまでに2000万人以上が支援を受け、現在に続いています。

ブルーナーは心理学まで!共同注意!

共同注意とはアイコンタクトを応用したコミュニケーション技法です。

例えば、母親が「ワンワンだね」と指し示す行為に対して乳児は犬に視線を向け反応します。

アイコンタクトは二人の間で主に目を中心として行われるものですが、共同注意とは「人と物をかわるがわる見て、その人と一緒に何かに注意を向けることです。

ブルーナーは、1972年イギリスに渡り、8年間オックスフォード大学教授を務め、主に乳幼児発達に関する研究を行いました。

そこで、0歳台の乳児が、母親の視線を追うのを「発見」し、共同注意を発見しました。

「子供の心の動きに注目すること」という現代の子育て、保育、教育において見失いかけていることを指摘しました。

自閉症の心の理論が発展する足掛かりとなります。

ナラティブアプローチまでも?

ブルーナーは、その後アメリカに戻って1990年頃から文化心理学、ナラティヴ(語り)の思考の概念について研究しました。

ナラティブとは、出来事にまとまりを持たせるための物語です。

心理学の研究において、人々が経験からに見出す「意味」の重要性を提起しました。

ちなみに、ナラティブ・アプローチとは、患者や相談者を理解する際に、彼らの主観を含めた全体性を重視するアプローチです。

ブルーナーの日本への影響

ブルーナーの発見学習は当時の日本の学習指導要領に影響を与えます。

ただし、結果にそれほど重きをおいていないため、マンネリ化してつまらないなど批判が出されるようになり、学習指導要領は改訂されます。

ブルーナーの漫画

過去問

保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育原理 問16

次の文のうち、諸外国の幼児教育・保育に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× B 1965年に、スウェーデンで開始された「ヘッド・スタート計画」は、主に福祉的な視点から、貧困家庭の子どもたちに適切な教育を与えて小学校入学後の学習効果を高めることを意図した包括的プログラムである。

  • ヘッド・スタート計画はアメリカで開発されました。貧困家庭の子どもたちに適切な教育を与えて小学校入学後の学習効果を高めることを意図したものです。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 教育原理 問23

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

B どの教科でも、知的性格をそのままにたもって、発達のどの段階のどの子どもにも効果的に教えることができる。

  • ブルーナー 発見学習を提唱したアメリカのブルーナーの立てた仮説です。発見学習とは、子ども達に学問の構造を発見させ、結論に至るまでの過程を辿らせることで学習の仕方も発見させるというものです。

【Ⅱ群】

ア ブルーナー( Bruner, J.S.)
イ デューイ( Dewey, J.)
ウ ヴィゴツキー( Vygotsky, L.S.)
エ キルパトリック( Kilpatrick, W.H.)
オ スキナー( Skinner, B.F.)

保育士試験 平成30年(2018年)前期 教育原理 問23

次のA・Bそれぞれの著者として正しい組み合わせを一つ選びなさい。

B  どの教科でも、知的性格をそのままにたもって、発達のどの段階のどの子どもにも効果的に教えることができるという仮説からはじめることにしよう。これは、教育課程というものを考えるうえで、大胆で、しかも本質的な仮説である。

  • ブルーナーの「教育の過程」です。教師は子どもの知的潜在能力を引き出すことを目指すべきとする発見学習を説きました。

ア  ヘルバルト( Herbart,J.F. )
イ  ブルーナー( Bruner,J.S. )
ウ  ポルトマン( Portmann,A. )

保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問83

次の【I群】の記述と【II群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】

D  保育者と乳児の間では、言葉を話し始める前から、コミュニケーションが成立している。例えば、生後9か月頃になると、保育者の視線を追い、保育者が見ているものに目を向けることができるようになる。

  • 共同注意:自分と他人が同じものを見ていることを相互了解することです。8か月頃から始まります。

【II群】
ア  情動伝染
イ  共同注意
ウ  エントレインメント
エ  共鳴動作

保育士試験 平成30年(2018年)前期 保育の心理学 問90

次の乳児と母親のやりとり場面についての記述を読んで、【設問】に答えなさい。

生後9~10か月頃になると、乳児の認識世界には大きな変化が現れる。乳児を抱いている母親が「ワンワンだね」と指し示すと、乳児は犬に視線を向ける。また、棚の上のおもちゃがほしい時に「アーアー」と言いながら身振りで母親に伝えようとする。

【設問】
次の心理学用語のうち、この記述に示されているものを○、そうでないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  三項関係
○ B  共同注意
× C  共鳴動作
× D  情動調整

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育の心理学 問86

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

B  生後9か月前後になると、保育者の視線を追い、保育者が見ているものに目を向けることができるようになる。

【Ⅱ群】

ア  共同注意
イ  延滞模倣
ウ  スクリプト
エ  社会的参照

保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育原理 問19

次の文は、ヘッド・スタート・プログラムに関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○ 1. アメリカのリンドン・ジョンソン(Johnson,L.B.)大統領によって、1965年から展開された保育施策である。

○ 2. 貧困家庭の幼児の保育に対して、特別な支援を提供することで、子どもの学校や社会への適応力を高めることをめざす保育施策である。

○ 3. 子どもの小学校入学後の学習効果を促進させることを意図する補償教育プログラムである。

○ 4. ヘッド・スタート・プログラムの目標には、子どもの健やかな成長のみならず、保護者を支援し、家庭の教育機能を高めることも含まれている。

× 5. ヘッド・スタート・プログラムのための補助金を交付されている保育施設は、それぞれ独自のプログラムにより、子どもが学校や社会で成功するチャンスを高めるための訓練を実施している。

  • ヘッド・スタート・プログラムは子どもが社会や学校で成功するために行われているのではなく、低所得層で生活する子どもとその家族に適切な栄養と健康を提供するために行われているプログラムです。

保育士試験 平成26年(2014年) 保育原理 問5

次の文は、アメリカの「ヘッド・スタート・プログラム」についての記述である。適切な記述を選びなさい。

× 1. 1960年代半ばに「貧困との闘い」政策の一環として開始された、小学生対象の補償教育である。

  • 小学生対象 → 3歳から4歳の子供

○ 2. 貧困家庭の幼児を対象に、身体的、知的、情緒的な発達上の不利を小学校入学前に解消することで入学後の学習効果の促進を意図した。

○ 3. 「豊かで楽しい経験」「美しい情操を養う」がモットーとされている。

× 4. 著しい成果が実証されず、プログラムは中止された。

○ 5. 教師、保育者、医師、栄養士や地域の人々の協力態勢の下で実施されている。

保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育原理 問6

次の【Ⅰ群】の事項と【Ⅱ群】の記述を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A ヘッドスタート計画
B レッジョ・エミリア・アプローチ
C モンテッソーリ・メソッド

【Ⅱ群】

ウ 1965年にアメリカで開始された、教育機会に恵まれない子どもを対象とした大がかりな就学準備教育

保育士試験 平成25年(2013年) 教育原理 問28

次の【I群】の人物と【II群】の記述を結びうけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】
A ベル(Bell, A.)
B キルパトリック(Kilpatrick, W.H.)
C ブルーナー(Bruner, J.S.)

【II群】

ア 「どの教科でも、知的性格をそのまま保って、発達のどの段階の子どもにも効果的に教えることができる」という仮説を提示した。

保育士試験 平成23年(2011年) 発達心理学 問42

次の【I群】の人名と【II群】の事項を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】

A スキナー  (skinner,B.F)

B ブルーナー (bruner,J.S)

  • 「ブルーナー」は「発見学習」を提唱しました。発見学習とは、学習する人が自分で答えを見つける学習方法です。

C バンデューラ(bandura,A)

【II群】

ア プログラム学習
イ 社会的学習理論
ウ 精神分析理論
エ 発見学習

保育士試験 平成23年(2011年) 発達心理学 問43

次の【I群】の用語と【II群】の記述を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】

A 共同注意(ジョイント・アテンション)
B 社会的参照
C 心の理論
D 自尊心

【II群】

エ 視線や指さしについて、何を見たり、何を指しているかを相互了解すること。

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