なかなか覚えにくい部分は具体例で覚えましょう。
目次
学習体系
オーズベルの有意味受容学習とは
オーズベルは、文化の継承として知識をそのまま受け容れて身に付けることが大切であると主張しました。(受容学習)

そのためには機械的に知識を覚えさせるのではなく、学習者の認知構造に意味のある変化をもたらすように教えなくてはならないとしました。(有意味学習)
学習に先行して与えられる抽象化された情報である先行オーガナイザーによって学習が容易になるという考え方です。
つまり学習者は先行オーガナイザーを手がかりに自分の認知構造の中に新たな概念を形成できるため、学習が容易に進みます。
有意味受容学習の具体例
コンピュータの講義で、講師がCPUとメモリについて講義します。
「CPUとは、周辺機器やソフトウェアから来る指示を処理したり、メモリなどを制御したりする装置のことです。メモリとは、データを記憶する部品のことです。」
このままでは、機械的な暗記を強いる学習になってしまいます。
講師は、先行オーガナイザーとして
「CPUは人間の頭脳の考える部分であり、メモリは人間の頭脳の記憶する部分に相当する」
と解説し、意味を持たせて生徒に考えさせたり、推理させたりできるよう促しました。
脳の構造に詳しいある生徒は、自分が持っている知識と関連づけ
「CPUが海馬で、メモリが大脳だな」
と理解することができました。
発見学習より有意義だ!
オーズベルは、発見学習より有意味受容学習の方が有意義な学習ができるとしました。
発見学習は、先行オーガナイザーもなく、学習者に試行錯誤させて、CPUやメモリとは何かを発見させるのです。
過去問
保育士試験 令和元年(2019年)後期 教育原理 問6
次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
A 文化の継承として知識をそのまま受け容れて身に付けることが大切であると主張したが、そのためには機械的に知識を覚えさせるのではなく、学習者の認知構造に意味のある変化をもたらすように教えなくてはならないとした。
【Ⅱ群】
ア オーズベル(Ausubel, D.P.)
保育士試験 平成28(2016)年 前期試験 教育原理
次の文は、ある学習の方法に関する記述である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
( A オーズベル )は、発見学習に対して、その効率の悪さに異を唱え、文化の継承として知識をそのまま受け容れて身につけることが大切であると主張した。そのためには機械的に知識を覚えさせるのではなく、新しい学習内容を学習者が既に所有している知識と関連づけて、その意味や重要性を理解できる形で提示すれば、新しい知識の定着がよくなるとして、( B 有意味受容学習 )を提唱した。学習内容を理解しやすく方向づけるためにあらかじめ与える情報を、先行オーガナイザーという。
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