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カントの規則正しい生活
カントは非常に規則正しい生活を営んでいることで有名です。
健康を維持して長生きし、自身の仕事をやりとげるためであり、特に頭脳を明晰に保つためでした。
しかし、合理的なレベルを超えて、こだわりに陥っている部分も感じられます。
起床時間や就寝時間が決まっているのはもちろん、仕事や食事や散歩の時間も決めていました。
早起きを心がけていたカントは、年中午前5時に起きました。
召使が5時15分前に寝室にやってきてカントを起こします。
カントが「もう少し寝かせてくれ」と言っても、その場の言葉に従ったら後で自分が叱られるのを分かっているので、召使は容赦なく主人を起こします。
就眠は10時で、読書や執筆で夜更かししたくなる夜もあったでしょうが、それも控えました。

カントはやると決めたことを貫く
カントには「やりたいことをやる」のではなく、「やると決めた正しいことを貫く」という強い意志があります。
たとえ一時、無理をして仕事をしても、長い目で見れば効率が下がり、その場しのぎの仕事ではなく、じっくりと腰を据えた生涯の仕事に取り組みました。
カントが散歩を忘れた?
そんなカントが、散歩を忘れたことがあります。
街の人はカントの姿が決まった時間に見えないのでざわついたといわれますが、彼はルソーの『エミール』に読み耽り、時間を失念してしまったのです。
カントの名言とは?
そんなカントはルソーの影響を受けましたが、ルソーの消極教育は批判して著書「教育論」により持論を展開しました。
人間とは教育されなければならない唯一の被造物であります。
被造物とは、神によって造られた動物という意味で、人間にとって教育は生きていくために必要不可欠なものであると主張しています。
ちなみに、カントはケーニヒスベルク大学で哲学などの講座を受け持ち、ヘルバルトが後任となりました。
過去問
保育士試験 平成23年(2011年) 教育原理 問122
次の【I群】の人物と【II群】の言葉を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【I群】
A ルソー(Rousseau、J、-J.)
B カント(Kant、I.)
C ロック(Locke、J.)
【II群】
ア 人間とは教育されなければならない唯一の被造物であります。
イ 万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。
ウ 健全な身体に宿る健全な精神、これはこの世における幸福な状態というものを、簡潔ではあるが十分に言い表している。
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