児童福祉法改正 〜2016年大改正直後のあの虐待事件!〜

戦後の児童福祉法が新設以来の大改正が行われましたが、直後に3つの大きな事件が起きてしまいます。

  • 札幌市の事件
  • 目黒区の事件
  • 野田市の事件

札幌市で2歳の女の子が虐待を受けて死亡した事件

母親は未婚の18歳で出産し、札幌市は産前・産後の支援が特に必要な「特定妊婦」と認定していましたが、母親と市の関わりは次第に薄れていきました。

数年後、母親は父親とは別に交際している相手がいました。

「子どもの泣き声がする」と住民から110番通報があり、警察から児童相談所に連絡かありました。

警察は児童相談所に面会への同行を要請しましたが、児童相談所は深夜で1人の当直体制であることを理由に断られました

仕方なく警察官がマンションに出向き、女の子の身体にあざが2か所あることを確認したものの虐待を見抜くことはできませんでした。

これは1度目にあたる虐待が疑われる情報であり、3度目になりやっと虐待であることが判明しました。

母親と交際相手は逮捕され、直後に女の子は死亡してしまいました。

母親は「物を触ったことを注意したら態度が悪かった」「物入れに閉じ込めたのはしつけのつもりだった」などと話していました。

虐待を専門とする職員が立ち会っていれば、何らかの対応ができた可能性があります。

また、札幌市では、夜間や休日に虐待の通告があった場合は、児童家庭支援センターに連絡し、センターが対応することになっています。

ところが児童相談所も警察もセンターには連絡せず、仕組みが生かされてなかった形です。 

東京・目黒区で5歳の女の子が虐待を受けて死亡した事件

母親は19歳で女の子を出産した後に離婚し、別の相手と再婚して長男を出産しました。

女の子は新しい父親による虐待により、日常的に暴力を受け、食事も十分に与えられませんでした。

女の子は当時住んでいた香川県の児童相談所に2回一時保護されました。

初回は約1カ月、2回目は3カ月余りで保護が解除されました。

警察は2度父親を傷害容疑で書類送検しましたが、いずれも不起訴となりました。

その後一家は東京都目黒区に転居しました。

転居先の目黒区の子ども家庭支援センターが善通寺市からの引継ぎを受け、関わりが始まりました。

また、東京都の品川児童相談所は、香川県の児童相談所からの引継ぎを受け、虐待として受理しました。

品川児童相談所が家庭訪問しましたが、母親に拒否されては保護者との信頼関係が崩れてるのを恐れてしまい、強制的に女の子には会うことはしませんでした。

直後に119番通報で当該児童が救急搬送され、その後、死亡が確認されました。

香川県善通寺市から目黒区の子ども家庭支援センター及び碑文谷保健センターへの引継ぎに比べ、香川県の児童相談所から東京都の品川児童相談所への引継ぎが遅かった。

子ども家庭支援センターと品川児童相談所で直ちに連携した対応ができませんでした。

香川県の医療機関からは直接品川児童相談所へ情報提供がなされているが、こうした情報を緊急性が高い状況にあるとの判断には活かされませんでした。

千葉県野田市で小学4年生の女の子が虐待を受けて死亡した事件

女の子が2歳の時に両親が離婚。夫の家庭内暴力が原因でしたが、2人は再婚しました。

一家は妻の故郷である沖縄県糸満市で暮らし、次女が生まれました。

その後父親による妻に対するDV、女の子への恫喝(どうかつ)の情報が市に寄せられましたが、父親は糸満市の家庭訪問の要請を拒みました。

その後、一家は千葉県野田市へ転居しました。

転校先の学校で女の子は学級委員に立候補するなど、活発に学校生活を送っていたように見えましたが、「お父さんに暴力を受けています」といじめに関する小学校のアンケートに記入。

児童相談所が一時保護しましたが、親族宅で暮らすことなどを条件に保護を解除しました。

しかし、父親からアンケートの写しの提供を求められた学校は、本人の同意がないことを理由に提供を拒みましたが、3日後、父親が本児の同意書を持参し父親の威圧的な要請を拒み切れずに、市の教育委員会がアンケートのコピーを渡してしまいました。

児童相談所は、母子が父親のもとに戻ったことを把握したものの、再度の一時保護を行いませんでした

一家はさらに野田市内の別の小学校へ転校しました。

女の子は父親に満足な食事や睡眠を取れないまま、長時間立たされたり、何度も冷水を浴びせられました。

母親は自分へのDVを恐れて父親の行動を止めることができず、その後女の子は自宅で死亡してしまいました。

児童福祉法改正

過去問

保育士試験 令和3年(2021年)前期 子どもの保健 問99

次のうち、児童虐待に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ C  家庭内におけるしつけとは明確に異なり、懲戒権などの親権によって正当化されない。

保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会的養護 問30

次の文は、「児童福祉法」及び「児童虐待の防止等に関する法律」における、平成28年の改正内容に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

× 1.市町村から児童相談所への事案送致を新設した。

  • 人不足のために新設されたのは児童相談所から市町村への事案送致です。

2.市町村が設置する児童福祉審議会の調整機関について、専門職を配置しなければならないとした。 3.一時保護中の18歳以上の者等について、22歳に達するまでの間、新たに施設入所等措置を行えるようにした。

○ 4.児童虐待の疑いがある保護者に対して、再出頭要求を経ずとも、裁判所の許可状により、児童相談所による臨検・捜索を実施できるものとした。

5.児童虐待の発生予防に資するため、都道府県は、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行う母子健康包括支援センターの設置に努めるものとした。( )訂正依頼・報告はこちら
×
正解は 41は不適切です。


2は不適切です。
市町村が設置する要保護児童対策地域協議会の調整機関について、専門職を配置しなければならないとしました。したがって問題文の「児童福祉審議会」という箇所は誤りです。

3は不適切です。
「一時保護中の18歳以上の者等について、20歳に達するまでの間、新たに施設入所等措置を行えるようにするとともに、その保護者に対する面会・通信制限等の対象とする」と定められました。

4は適切です。
児童虐待防止法の第8条、第9条において規定されました。

5は不適切です。
母子健康包括支援センターの設置に努めると規定されたのは、都道府県ではなく市町村です。

児童養護施設運営指針、何度も見返しちゃう!「第Ⅰ部 総論」の要点!

後回しにしがちな運営指針ですが、実は初めに学習してしまうと施設の様子がわかりやすく、他にも応用できるのです。

運営指針自体はボリュームがありますが、難しい内容ではないので、要点だけ読めば短時間で読み終わってしまいます。

さらには、岡山孤児院十二則などとのつながりもわかるようになっており、施設の理解を深めることができます。

ハンドブックがありますが読まなくてよいでしょう。

運営指針MAP

キーワード

  • 説明責任(第三者評価)を果たす
  • 地域の中核的存在となる
  • 個別化して配慮
  • 「あたりまえの生活」を保障
  • 「安心して自分をゆだねられる保護者」
  • 癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケア
  • 帰属意識を持つことができる存在
  • 家族や親族、友達との分離なども経験
  • 特定の養育者による一貫性のある養育
  • 職員の人材の育成・確保が重要な課題
  • 障害児への医療や他の福祉サービスの利用
  • 高校中退者などの入所を継続
  • 児童心理治療施設からの措置変更後は前入所施設に再措置
  • 子ども同士の関係に留意
  • 「生まれてきてよかった」と思わせる

[toc heading_levels=”2,3″]

1.目的

1.目的

・この「運営指針」は、児童養護施設における養育・支援の内容と運営に関する指針を定めるものである。社会的養護を担う児童養護施設における運営の理念や方法、手順などを社会に開示し、質の確保と向上に資するとともに、また、説明責任を果たすことにもつながるものである。

第三者評価の記事はこちら

・この指針は、そこで暮らし、そこから巣立っていく子どもたちにとって、よりよく生きること(well-being)を保障するものでなければならない。また社会的養護には、社会や国民の理解と支援が不可欠であるため、児童養護施設を社会に開かれたものとし、地域や社会との連携を深めていく努力が必要である。さらに、そこで暮らす子どもたちに一人一人の発達を保障する取組を創出していくとともに、児童養護施設が持っている支援機能を地域へ還元していく展開が求められる。

・家庭や地域における養育機能の低下が指摘されている今日、社会的養護のあり方には、養育のモデルを示せるような水準が求められている。子どもは子どもとして人格が尊重され、子ども期をより良く生きることが大切であり、また、子ども期における精神的・情緒的な安定と豊かな生活体験は、発達の基礎となると同時に、その後の成人期の人生に向けた準備でもある。

・この指針は、こうした考え方に立って、社会的養護の様々な担い手との連携の下で、社会的養護を必要とする子どもたちへの適切な支援を実現していくことを目的とする。

2.社会的養護の基本理念と原理

2.社会的養護の基本理念と原理

(1)社会的養護の基本理念

①子どもの最善の利益のために

・児童福祉法第1条で「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」と規定され、児童憲章では「児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、良い環境の中で育てられる。」とうたわれている。

児童の権利に関する条約第3条では、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」と規定されている。

・社会的養護は、子どもの権利擁護を図るための仕組みであり、「子どもの最善の利益のために」をその基本理念とする。

②すべての子どもを社会全体で育む

・社会的養護は、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、公的責任で社会的に保護・養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うものである。

・子どもの健やかな育成は、児童福祉法第1条及び第2条に定められているとおり、すべての国民の努めであるとともに、国及び地方公共団体の責任であり、一人一人の国民と社会の理解と支援により行うものである。

児童の権利に関する条約第20条では、「家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。」と規定されており、児童は権利の主体として、社会的養護を受ける権利を有する。

・社会的養護は、「すべての子どもを社会全体で育む」をその基本理念とする。

(2)社会的養護の原理

社会的養護は、これを必要とする子どもと家庭を支援して、子どもを健やかに育成するため、上記の基本理念の下、次のような考え方で支援を行う。

①家庭的養護と個別化

・すべての子どもは、適切な養育環境で、安心して自分をゆだねられる養育者に よって、一人一人の個別的な状況が十分に考慮されながら、養育されるべきである。

・一人一人の子どもが愛され大切にされていると感じることができ、子どもの育ちが守られ、将来に希望が持てる生活の保障が必要である。

・社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障していくことが重要であり、社会的養護を地域から切り離して行ったり、子どもの生活の場を大規模な施設養護としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「家庭的養護」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要である。

②発達の保障と自立支援

・子ども期のすべては、その年齢に応じた発達の課題を持ち、その後の成人期の人生に向けた準備の期間でもある。社会的養護は、未来の人生を作り出す基礎となるよう、子ども期の健全な心身の発達の保障を目指して行われる。

・特に、人生の基礎となる乳幼児期では、愛着関係や基本的な信頼関係の形成が重要である。子どもは、愛着関係や基本的な信頼関係を基盤にして、自分や他者の存在を受け入れていくことができるようになる。自立に向けた生きる力の獲得も、健やかな身体的、精神的及び社会的発達も、こうした基盤があって可能となる。

・子どもの自立自己実現を目指して、子どもの主体的な活動を大切にするとともに、様々な生活体験などを通して、自立した社会生活に必要な基礎的な力を形成していくことが必要である。

③回復をめざした支援

・社会的養護を必要とする子どもには、その子どもに応じた成長や発達を支える支援だけでなく、虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

※ 回復をめざした支援は、心理療法担当職員の主な業務内容です。

・また、近年増加している被虐待児童や不適切な養育環境で過ごしてきた子どもたちは、虐待体験だけでなく、家族や親族、友達、近所の住人、保育士や教師など地域で慣れ親しんだ人々との分離なども経験しており、心の傷や深刻な生きづらさを抱えている。さらに、情緒や行動、自己認知・対人認知などでも深刻なダメージを受けていることも少なくない。

・こうした子どもたちが、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるようにしていくことが必要である。

④家族との連携・協働

・保護者の不在、養育困難、さらには不適切な養育や虐待など、「安心して自分をゆだねられる保護者」がいない子どもたちがいる。また子どもを適切に養育することができず、悩みを抱えている親がいる。さらに配偶者等による暴力(DV)などによって「適切な養育環境」を保てず、困難な状況におかれている親子がいる。

・社会的養護は、こうした子どもや親の問題状況の解決や緩和をめざして、それに的確に対応するため、親と子に、親を支えながら、あるいは親に代わって、子どもの発達や養育を保障していく包括的な取り組みである。

家庭支援専門相談員の記事はこちら

⑤継続的支援と連携アプローチ

・社会的養護は、その始まりからアフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。

児童相談所等の行政機関、各種の施設、里親等の様々な社会的養護の担い手が、それぞれの専門性を発揮しながら、巧みに連携し合って、一人一人の子どもの社会的自立や親子の支援を目指していく社会的養護の連携アプローチが求められる。

・社会的養護の担い手は、同時に複数で連携して支援に取り組んだり、支援を引き継いだり、あるいは元の支援主体が後々までかかわりを持つなど、それぞれの機能を有効に補い合い、重層的な連携を強化することによって、支援の一貫性・継続性・連続性というトータルなプロセスを確保していくことが求められる。

・社会的養護における養育は、「人とのかかわりをもとにした営み」である。子どもが歩んできた過去と現在、そして将来をより良くつなぐために、一人一人の子どもに用意される社会的養護の過程は、「つながりのある道すじ」として子ども自身にも理解されるようなものであることが必要である。

⑥ライフサイクルを見通した支援

・社会的養護の下で育った子どもたちが社会に出てからの暮らしを見通した支援を行うとともに、入所や委託を終えた後も長くかかわりを持ち続け、帰属意識を持つことができる存在になっていくことが重要である。

・社会的養護には、育てられる側であった子どもが親となり、今度は子どもを育てる側になっていくという世代を繋いで繰り返されていく子育てのサイクルへの支援が求められる。

・虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切っていけるような支援が求められている。

(3)社会的養護の基盤づくり

・社会的養護は、かつては親のない、親に育てられない子どもを中心とした施策であったが、現在では、虐待を受けた子ども、何らかの障害のある子ども、DV被害の母子などが増え、その役割・機能の変化に、ハード・ソフトの変革が遅れている。

・社会的養護は、大規模な施設養護を中心とした形態から、一人一人の子どもをきめ細かく育み親子を総合的に支援していけるような社会的な資源として、ハード・ソフトともに変革していかなければならない。

・社会的養護は、家庭的養護を推進していくため、原則として、地域の中で養育者の家庭に子どもを迎え入れて養育を行う里親やファミリーホームを優先するとともに、児童養護施設、乳児院等の施設養護も、できる限り小規模で家庭的な養育環境(小規模グループケア、グループホーム)の形態に変えていくことが必要である。

・また、家庭的養護の推進は、養育の形態の変革とともに、養育の内容も刷新していくことが重要である。

・施設は、社会的養護の地域の拠点として、施設から家庭に戻った子どもへの継続的なフォロー、里親支援、社会的養護の下で育った人への自立支援やアフターケア、地域の子育て家庭への支援など、専門的な地域支援の機能を強化し、総合的なソーシャルワーク機能を充実していくことが求められる。

・ソーシャルワークとケアワークを適切に組み合わせ、家庭を総合的に支援する仕組みづくりが必要である。

・社会的養護の役割はますます大きくなっており、これを担う人材の育成・確保が重要な課題となっている。社会的養護を担う機関や組織においては、その取り組みの強化と運営能力の向上が求められている。

児童養護施設

3.児童養護施設の役割と理念

3.児童養護施設の役割と理念

・児童養護施設は、児童福祉法第41条の規定に基づき、保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設である。

・また、第48条の2の規定に基づき、地域の住民に対して、児童の養育に関する相談に応じ、助言を行うよう努める役割も持つ。

・児童養護施設における養護は、児童に対して安定した生活環境を整えるとともに、生活指導、学習指導、職業指導及び家庭環境の調整を行いつつ児童を養育することにより、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援することを目的として行う。

・生活指導は、児童の自主性を尊重しつつ、基本的生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養い、かつ、将来自立した生活を営むために必要な知識及び経験を得ることができるように行う。

・学習指導は、児童がその適性、能力等に応じた学習を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等の支援により行う。

・職業指導は、勤労の基礎的な能力及び態度を育てるとともに、児童がその適性、能力等に応じた職業選択を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等及び必要に応じ行う実習、講習等の支援により行う。

※ 職業訓練は、(岡山孤児院十二則 実業主義)からきています。

※ 生活指導、学習指導、職業訓練は、特に児童指導員および保育士の業務内容です。

・家庭環境の調整は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるように行う。

4.対象児童

4.対象児童

(1)子どもの特徴と背景

①複雑な背景

・児童養護施設における入所理由は、父母の死別又は生死不明の児童、父母から遺棄された児童など保護者のない子どもは一部に過ぎず、半数以上は保護者から虐待を受けたために保護された子どもであり、次に、親の疾患、離婚等により親の養育が受けられない子どもも多い。

入所理由の記事はこちら

・また、子どもの入所理由の背景は単純ではなく、複雑・重層化している。ひとつの虐待の背景をみても、経済的困難、両親の不仲、精神疾患、養育能力の欠如など多くの要因が絡み合っている。そのため、入所に至った直接の要因が改善されても、別の課題が明らかになることも多い。

・こうしたことを踏まえ、子どもの背景を十分に把握した上で、必要な心のケアも含めて養育を行っていくとともに、家庭環境の調整も丁寧に行う必要がある。

②障害を有する子ども

・虐待は閉ざされた養育空間の中で、子育てに行き詰ったときに発生することが多く、発達上に問題を抱える子どもであれば、そのリスクはさらに高まることが指摘されている。

・障害を有する子どもについては、その高い養護性にかんがみて、障害への対応も含めて最大限の支援を行うことが必要である。その場合、医療や他の福祉サービスの利用など関連機関との連携が欠かせない。

(2)子どもの年齢等

①年齢要件と柔軟な対応

・児童養護施設は、乳児を除く18歳に至るまでの子どもを対象としてきたが、特に必要がある場合は乳児から対象にできる。

・また、20歳に達するまで措置延長ができることから、子どもの最善の利益や発達状況をかんがみて、必要がある場合は18歳を超えても対応していくことが望ましい。

・義務教育終了後、進学せず、又は高校中退で就労する者であっても、その高い養護性を考慮して、でき得る限り入所を継続していくことが必要である。

②高齢児への対応

・入所時の年齢が高くなるほど、その養護性の問題は見逃されがちだが、親からの虐待を自ら訴える子どもの存在、高校進学したくても行けなかった子どもの存在など、年齢は高くなっていても児童養護施設の養育を必要としている子どもたちへの対応が求められている。

③再措置への対応

・児童養護施設は、対象となる子どもの背景が多岐にわたっているとともに、子どもの年齢も幅広く、社会的養護を担う施設のなかでは中核的存在となっている。

・児童養護施設から里親、情緒障害児短期治療施設や児童自立支援施設などへの措置変更に際しては、そうした子どもが再び児童養護施設での養育が必要と判断された場合、養育の連続性の意味からも入所していた施設に再措置されることが望ましい。家庭復帰した場合も同様である。

・また、18歳に達する前に施設を退所し自立した子どもについては、まだ高い養護性を有したままであることを踏まえ、十分なアフターケアとともに、必要な場合には再入所の措置がとられることが望ましい。

5.養育のあり方の基本

5.養育のあり方の基本

(1)関係性の回復をめざして

・子どもにとって、大人は「共に居る」時間の長短よりも共に住まう存在であることが大切である。子どもは、「共に住まう」大人(「起居を共にする職員」)との関係性の心地よさを求めつつ自らを創っていく。

・社会的養護は、従来の「家庭代替」の機能から、家族機能の支援・補完・再生を重層的に果たすさらなる家庭支援(ファミリーソーシャルワーク)に向けた転換が求められている。親子間の関係調整、回復支援の過程は、施設と親とが協働することによって果たされる。

・児童養護施設では、多かれ少なかれ複数の子どもが生活空間を共有している。子どもと大人の関係だけでなく、子ども同士の関係にも十分に配慮したい。虐待体験や分離体験を経た子どもには、子ども同士の関係の中に力に基づく関係がみられたり、対人関係そのものを避ける傾向がみられたりする。

・児童養護施設の職員は、様々な工夫を凝らして、子ども同士の関係にも適切に働きかけなければならない。子どもは、ぶつかり合い、助け合い、協力し合うといった体験を通して、他者を信頼する気持ちが芽生え、社会性や協調性を身につけていくのである。

(2)養育のいとなみ

・社会的養護は〈養育のいとなみ〉である。子どもたちとともにする日々の生活の中から紡ぎ出されてくる、子どもたちの求めているもの、さらには子どもたちが容易には言葉にしえない思いをもくみ取ろうとするようないとなみが求められている。子どもにとっての「切実さ」「必要不可欠なもの」に気づいていくことが大切である。

・社会的養護のもとで養育される子どもにとって、その子にまつわる事実は、その多くが重く、困難を伴うものである。しかし、子どもが未来に向かって歩んでいくためには、自身の過去を受け入れ、自己の物語を形成することが極めて重要な課題である。

・子どもが自分の生を受けとめるためには、あるがままの自分を受け入れてもらえる大人との出会いが必要である。「依存」と「自立」はそうした大人との出会いによって導き出され、成長を促される。

・社会的養護には、画一化されたプログラムの日常ではなく、子どもたち個々の興味や関心を受けとめる環境が求められる。そこでは子どもの個性や能力が引き 出され、子どもが本来持っている成長力や回復力が促進される。

・子どもたちが将来に希望をもって、様々な体験を積み増しながら、夢をふくらませていくことは大切なことである。生活は、子どもにとって育ち(発達)の根幹となるものである。やがては子ども時代の生活を通して会得したこと、学習したことを意識的、無意識的な記憶の痕跡として再現していくことになる。

(3)養育を担う人の原則

・養育とは、子どもが自分の存在について「生まれてきてよかった」と意識的・無意識的に思い、自信を持てるようになることを基本の目的とする。そのためには安心して自分を委ねられる大人の存在が必要となる。

・子どもの潜在可能性は、開かれた大人の存在によって引き出される。子どもの可能性に期待をいだきつつ寄り添う大人の存在は、これから大人に向かう子どもにとってのモデルとなる。

・ケアのはじまりは、家庭崩壊や親からの虐待に遭遇した子どもたちの背負わされた悲しみ、苦痛に、どれだけ思いを馳せることができるかにある。子どもの親や家族への理解はケアの「引き継ぎ」や「連続性」にとって不可避的課題である。

子どもたちを大切にしている大人の姿や、そこで育まれ、健やかに育っている子どもの姿に触れることで、親の変化も期待される。親のこころの中に、子ども の変化を通して「愛」の循環が生まれるように支えていくことも大切である。

養育者は、子どもたちに誠実にかかわりコミュニケーションを持てない心情や理屈では割り切れない情動に寄り添い、時間をかけ、心ひらくまで待つこと、かかわっていくことを大切にする必要がある。分からないことは無理に分かろうと理論にあてはめて納得してしまうよりも、分からなさを大切にし、見つめ、かかわり、考え、思いやり、調べ、研究していくことで分かる部分を増やしていくようにする。その姿勢を持ち続けることが、気づきへの感性を磨くことになる。

子どもの養育を担う専門性は、養育の場で生きた過程を通して培われ続けなければならない。経験によって得られた知識と技能は、現実の養育の場面と過程のなかで絶えず見直しを迫られることになるからである。養育には、子どもの生活をトータルにとらえ、日常生活に根ざした平凡な養育のいとなみの質を追求する姿勢が求められる。

(4)家族と退所者への支援

①家庭支援

・被措置児童の家庭は、地域や親族からも孤立していることが多く、行政サービスとしての子育て支援が届きにくい。こうした家庭に対して施設は、その養育機能を代替することはもちろんのこと、養育機能を補完するとともに子育てのパートナーとしての役割を果たしていくことが求められている。その意味では、児童養護施設は、子どもの最善の利益を念頭に、その家庭も支援の対象としなければならない。その場合、地域の社会資源の利用や関係者との協働が不可欠である。

②退所した者への支援

・児童養護施設は、退所した者に対する相談その他の自立のための援助も目的としていることから、その施設を退所した者は支援の対象となる。家庭復帰にしても進学・就職にしても、退所後の生活環境は施設と比べて安定したものではなく、自立のための援助を適切に行うためにも、退所した者の生活状況について 把握しておく必要がある。

6.児童養護施設の将来像

6.児童養護施設の将来像

(1)施設の小規模化と施設機能の地域分散化

・今日、社会的養護を必要とする子どもたちは、ますます大きな生きづらさや困難さを抱えて、児童養護施設へ入所している。児童養護施設は、こうした子どもたちの心身の健やかな成長と、子どもたちの生きづらさからの克服を支え続けていくことが求められる。

・児童養護施設には、配慮された生活の継続性が重要である。配慮のなされた生活体験は、将来に向かって子どもの人生に豊かさを育んでいく。日常の生活では特定の養育者が個別的な関係を持つとともに、生活感と温かみを実感できる居場所が必要である。社会的養護における生活は、その環境が子ども・大人相互の信頼に足るものであることが大切である。

・児童養護施設の将来像は、平成23年7月の社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会によるとりまとめ「社会的養護の課題と将来像」のように、本体施設のすべてを小規模グループケアにしていくとともに、本体施設の定員を少なくし、地域のグループホームに移していく方向に進むべきである。

・また、家庭養護を優先する社会的養護の原則の下、児童養護施設は、家庭養護の担い手である里親やファミリーホームを支援していく。

・小規模化と地域分散化の取り組みを進めていくためには、一人一人の職員に、養育のあり方についての理解や力量の向上が求められ、また、職員を孤立化させない組織運営力の向上やスーパーバイズの体制が必要となることから、中長期的計画を立てて、地域の中で養育の機能を果たす児童養護施設への転換を目指 していく。

(2)施設機能の高度化と地域支援

・児童養護施設は、施設機能の地域分散化を図りながら、本体施設は、地域のセンター施設として、その機能を高度化させていく。

・児童養護施設では、虐待を受けたことや発達障害などのために専門的なケアを必要としている子どもの養育を行うことから、その専門性を高めていく。

・また、早期の家庭復帰を実現するための親子関係の再構築の支援、虐待防止のための親支援、地域の里親等への支援、ショートステイなどによる地域の子育て支援など、地域支援の機能を高めていく。

・ケアワークの機能に加えて、ソーシャルワークの機能を充実し、関係機関との連携を強めていく。

・親や家族から離れて生活する子どもへの、親や家族との心理的、物理的な関係の配慮や養育の過程のはからいは、子どもの生活を安心、安全の場とするために欠かせない。

続きの「第2 各論」はこちらへ

乳児院運営指針はこちら

母子生活支援施設はこちら

児童自立支援施設運営指針はこちら

情緒障害児短期治療施設運営指針はこちら

里親及びファミリーホーム養育指針はこちら

児童養護施設運営指針

過去問

過去問

保育士試験 令和5年(2023年)後期 子ども家庭福祉 問4

次のうち、社会的養護の地域支援に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

⚪︎ A 短期入所生活援助(ショートステイ)事業の対象者は、疾病や疲労などにより家庭において児童を養育することが一時的に困難になった保護者の児童や、経済的問題等により緊急一時的に保護が必要になった母子等である。

× B 「新しい社会的養育ビジョン」(平成29年  厚生労働省)では、入所児童以外の地域の子育て家庭を支援する専門職として、乳児院と児童養護施設に地域支援専門相談員を配置することとされた。

× C 施設に入所する子どもの早期家庭復帰を支援するため、乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設には、児童家庭支援センターを設置する義務がある。

⚪︎ D 乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、児童心理治療施設及び児童自立支援施設の長は、その行う児童の保護に支障がない限りにおいて、当該施設の所在する地域の住民につき、児童の養育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めなければならない。

(組み合わせ)1 A B2 A D

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子ども家庭福祉 問13

次の【I群】の施設名と、【II群】の説明を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】
A 児童養護施設

【II群】
エ 保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養
護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行う。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 社会的養護 問35

次の文は、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)の「社会的養護の原理」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

社会的養護を必要とする子どもには、その子どもに応じた成長や発達を支える支援だけでなく、虐待体験や( A 分離 )体験などによる悪影響からの癒しや( B 回復 )をめざした専門的ケアや( C 心理的ケア )などの治療的な支援も必要となる。

【語群】
ア 分離  イ 貧困  ウ 克服  エ 回復  オ 医療的ケア  カ 心理的ケア

保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会的養護 問38

次の文のうち、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)において示されている「社会的養護の原理」に関する記述として最も適切な記述を一つ選びなさい。

○ 1.社会的養護は、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。

  • 2(2)⑤によると、「できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれ」ています。

× 2.社会的養護における養育は、つらい体験をした過去を現在、そして将来の人生と切り離すことを目指して行われる。

  • 2(2)③によると、「虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要」です。過去のつらい体験を、現在やこれからの人生と切り離すのではなく、治療的な支援とともに、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるようにしていくことが求められています。

× 3.社会的養護における養育は、効果的な専門職の配置ができるよう、大規模な施設において行う必要がある。

  • 2(2)①によると、大規模な施設養護としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境での養育が求められています。

× 4.社会的養護における支援は、子どもと緊密な関係を結ぶ必要があるので、他機関の専門職との連携は行わない。

  • 2(2)⑤によると、「社会的養護の担い手がそれぞれの専門性を発揮しながら巧みに連携し合う」ことで、子どもの自立や親子の支援を目指しています。

× 5.社会的養護は、措置または委託解除までにすべての支援を終結し、自立させる必要がある。

  • 2(2)⑤によると、「始まりからアフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれ」ています。また、⑥では、子どもたちが社会に出てから、あるいは子どもを育てる側になったときなど、ライフサイクルを通じた支援についても言及しています。

保育士試験 平成31年(2019年)前期 保育実習理論 問152

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
実習生のWさん(学生、女性)は、児童養護施設への実習を控えています。施設実習を行うにあたって、施設について知っておくことが必要であると考え、「児童養護施設運営指針」を読んで事前学習を行いました。

【設問】
次の文は、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)の一部である。( A )〜( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

施設は、社会的養護の地域の拠点として、施設から家庭に戻った子どもへの継続的なフォロー、( A 里親支援 )、社会的養護の下で育った人への自立支援や( B アフターケア )、地域の子育て家庭への支援など、専門的な地域支援の機能を強化し、総合的な( C ソーシャルワーク )機能を充実していくことが求められる。

1.A:里親支援   B:アフターケア  C:ソーシャルワーク

2.A:保護者支援  B:アフターケア  C:ソーシャルワーク

3.A:里親支援   B:リービングケア  C:ソーシャルワーク

4.A:保護者支援  B:リービングケア  C:マネジメント

5.A:保護者支援  B:アフターケア  C:マネジメント

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会的養護 問32

次の文は、「児童養護施設運営指針」の「養育のあり方の基本」の一部である。
( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

社会的養護は、従来の「( A 家庭代替 )」の機能から、( B 家族 )機能の支援・補完・再生を重層的に果たすさらなる( C 家庭支援(ファミリーソーシャルワーク) )に向けた転換が求められている。( D 親子間 )の関係調整、回復支援の過程は、施設と( E 親 )とが協働することによって果たされる。

【語群】
ア 児童救済
イ 家庭代替
ウ 家族
エ 虐待防止
オ 地域支援(コミュニティソーシャルワーク)
カ 家庭支援(ファミリーソーシャルワーク)
キ 親子間
ク 子ども間
ケ 行政
コ 親

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会的養護 問34

次の【Ⅰ群】の各施設種別の運営指針の内容と【Ⅱ群】の施設種別名を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A  将来的には、本体施設のすべてを小規模グループケアにしていくとともに、本体施設の定員を少なくし、地域のグループホームに移していく方向が示された。

  • 児童養護施設

B  養育の基本は、子どもが養育者とともに、時と場所を共有し、共感し、応答性のある環境のなかで、生理的・心理的・社会的に要求が充足されることである。

  • 乳児院

C  施設は、高校進学などで子どもが不利益を被らないよう、施設内学校はもとより、出身学校(原籍校)や関係機関と連携しながら、対応する。

  • 児童自立支援施設

【Ⅱ群】
ア   児童養護施設
イ   母子生活支援施設
ウ   乳児院
エ   児童自立支援施設

保育士試験 平成28年(2016年)後期 保育実習理論 問156

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
保育士を目指している大学生Pさんは、児童養護施設への実習を控えています。実習にあたり、「児童養護施設運営指針」を読んで、事前学習を行いました。

【設問】
施設実習を行うにあたっては、事前に施設について知っておくことが必要である。次の文は、「児童養護施設運営指針」の一部である。次の( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障していくことが重要であり、社会的養護を( A 地域 )から切り離して行ったり、子どもの生活の場を大規模な( B 施設養護 )としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「( C 家庭的養護 )」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「( D 個別化 )」が必要である。

【語群】
ア  集団指導
イ  家庭的養護
ウ  療育
エ  地域
オ  施設養護
カ  教育
キ  個別化
ク  連携

保育士試験 平成26年(2014年) 社会的養護 問38

次の文は、社会的養護の下にある子どもの「権利擁護」に関する記述である。適切な記述を選びなさい。

○ 1.社会的養護の施設等では、子どもの気持ちを受け入れつつ、子どもの置かれた状況や今後の支援について説明する。

○ 2.子どもの意見をくみ上げる仕組みとして、施設に設置された意見箱や、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員等を活用する。

○ 3.現在入所している子どもや退所した子どもの声を聞き、施設等の運営の改善や施策の推進に反映させていく取り組みが重要である。

○ 4.被措置児童等虐待の通報制度や、「被措置児童等虐待対応ガイドライン」に基づき、児童養護施設等の職員や里親による虐待の防止を徹底する。

児童養護施設運営指針「第Ⅰ部 総論」の要点を抑えて他に応用!

後回しにしがちな運営指針ですが、実は初めに学習してしまうと施設の様子がわかりやすく、他にも応用できるのです。

運営指針自体はボリュームがありますが、難しい内容ではないので、要点のだけ読めば短時間で読み終わってしまいます。

岡山孤児院十二則とのつながりもわかるようになっています、

ハンドブックもありますが読まなくてよいでしょう。

キーワード

  • 説明責任(第三者評価)を果たす
  • 地域の中核的存在となる
  • 個別化して配慮
  • 「あたりまえの生活」を保障
  • 「安心して自分をゆだねられる保護者」
  • 癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケア
  • 帰属意識を持つことができる存在
  • 家族や親族、友達との分離なども経験
  • 特定の養育者による一貫性のある養育
  • 職員の人材の育成・確保が重要な課題
  • 障害児への医療や他の福祉サービスの利用
  • 高校中退者などの入所を継続
  • 児童心理治療施設からの措置変更後は前入所施設に再措置
  • 子ども同士の関係に留意
  • 「生まれてきてよかった」と思わせる

1.目的

・この「運営指針」は、児童養護施設における養育・支援の内容と運営に関する指針を定めるものである。社会的養護を担う児童養護施設における運営の理念や方法、手順などを社会に開示し、質の確保と向上に資するとともに、また、説明責任を果たすことにもつながるものである。

第三者評価の記事はこちら

・この指針は、そこで暮らし、そこから巣立っていく子どもたちにとって、よりよく生きること(well-being)を保障するものでなければならない。また社会的養護には、社会や国民の理解と支援が不可欠であるため、児童養護施設を社会に開かれたものとし、地域や社会との連携を深めていく努力が必要である。さらに、そこで暮らす子どもたちに一人一人の発達を保障する取組を創出していくとともに、児童養護施設が持っている支援機能を地域へ還元していく展開が求められる。

・家庭や地域における養育機能の低下が指摘されている今日、社会的養護のあり方には、養育のモデルを示せるような水準が求められている。子どもは子どもとして人格が尊重され、子ども期をより良く生きることが大切であり、また、子ども期における精神的・情緒的な安定と豊かな生活体験は、発達の基礎となると同時に、その後の成人期の人生に向けた準備でもある。

・この指針は、こうした考え方に立って、社会的養護の様々な担い手との連携の下で、社会的養護を必要とする子どもたちへの適切な支援を実現していくことを目的とする。

2.社会的養護の基本理念と原理

(1)社会的養護の基本理念

①子どもの最善の利益のために

・児童福祉法第1条で「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」と規定され、児童憲章では「児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、良い環境の中で育てられる。」とうたわれている。

・児童の権利に関する条約第3条では、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」と規定されている。

・社会的養護は、子どもの権利擁護を図るための仕組みであり、「子どもの最善の利益のために」をその基本理念とする。

②すべての子どもを社会全体で育む

・社会的養護は、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、公的責任で社会的に保護・養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うものである。

・子どもの健やかな育成は、児童福祉法第1条及び第2条に定められているとおり、すべての国民の努めであるとともに、国及び地方公共団体の責任であり、一人一人の国民と社会の理解と支援により行うものである。

・児童の権利に関する条約第20条では、「家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。」と規定されており、児童は権利の主体として、社会的養護を受ける権利を有する。

・社会的養護は、「すべての子どもを社会全体で育む」をその基本理念とする。

(2)社会的養護の原理

社会的養護は、これを必要とする子どもと家庭を支援して、子どもを健やかに育成するため、上記の基本理念の下、次のような考え方で支援を行う。

①家庭的養護と個別化

・すべての子どもは、適切な養育環境で、安心して自分をゆだねられる養育者に よって、一人一人の個別的な状況が十分に考慮されながら、養育されるべきである。

・一人一人の子どもが愛され大切にされていると感じることができ、子どもの育ちが守られ、将来に希望が持てる生活の保障が必要である。

・社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障していくことが重要であり、社会的養護を地域から切り離して行ったり、子どもの生活の場を大規模な施設養護としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「家庭的養護」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要である。

②発達の保障と自立支援

・子ども期のすべては、その年齢に応じた発達の課題を持ち、その後の成人期の人生に向けた準備の期間でもある。社会的養護は、未来の人生を作り出す基礎となるよう、子ども期の健全な心身の発達の保障を目指して行われる。

・特に、人生の基礎となる乳幼児期では、愛着関係や基本的な信頼関係の形成が重要である。子どもは、愛着関係や基本的な信頼関係を基盤にして、自分や他者の存在を受け入れていくことができるようになる。自立に向けた生きる力の獲得も、健やかな身体的、精神的及び社会的発達も、こうした基盤があって可能となる。

・子どもの自立や自己実現を目指して、子どもの主体的な活動を大切にするとともに、様々な生活体験などを通して、自立した社会生活に必要な基礎的な力を形成していくことが必要である。

③回復をめざした支援

・社会的養護を必要とする子どもには、その子どもに応じた成長や発達を支える支援だけでなく、虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

※ 回復をめざした支援は、心理療法担当職員の主な業務内容です。

・また、近年増加している被虐待児童や不適切な養育環境で過ごしてきた子どもたちは、虐待体験だけでなく、家族や親族、友達、近所の住人、保育士や教師など地域で慣れ親しんだ人々との分離なども経験しており、心の傷や深刻な生きづらさを抱えている。さらに、情緒や行動、自己認知・対人認知などでも深刻なダメージを受けていることも少なくない。

・こうした子どもたちが、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるようにしていくことが必要である。

④家族との連携・協働

・保護者の不在、養育困難、さらには不適切な養育や虐待など、「安心して自分をゆだねられる保護者」がいない子どもたちがいる。また子どもを適切に養育することができず、悩みを抱えている親がいる。さらに配偶者等による暴力(DV)などによって「適切な養育環境」を保てず、困難な状況におかれている親子がいる。

・社会的養護は、こうした子どもや親の問題状況の解決や緩和をめざして、それに的確に対応するため、親と子に、親を支えながら、あるいは親に代わって、子どもの発達や養育を保障していく包括的な取り組みである。

家庭支援専門相談員の役割が重要

⑤継続的支援と連携アプローチ

・社会的養護は、その始まりからアフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。

児童相談所等の行政機関、各種の施設、里親等の様々な社会的養護の担い手が、それぞれの専門性を発揮しながら、巧みに連携し合って、一人一人の子どもの社会的自立や親子の支援を目指していく社会的養護の連携アプローチが求められる。

・社会的養護の担い手は、同時に複数で連携して支援に取り組んだり、支援を引き継いだり、あるいは元の支援主体が後々までかかわりを持つなど、それぞれの機能を有効に補い合い、重層的な連携を強化することによって、支援の一貫性・継続性・連続性というトータルなプロセスを確保していくことが求められる。

・社会的養護における養育は、「人とのかかわりをもとにした営み」である。子どもが歩んできた過去と現在、そして将来をより良くつなぐために、一人一人の子どもに用意される社会的養護の過程は、「つながりのある道すじ」として子ども自身にも理解されるようなものであることが必要である。

⑥ライフサイクルを見通した支援

・社会的養護の下で育った子どもたちが社会に出てからの暮らしを見通した支援を行うとともに、入所や委託を終えた後も長くかかわりを持ち続け、帰属意識を持つことができる存在になっていくことが重要である。

・社会的養護には、育てられる側であった子どもが親となり、今度は子どもを育てる側になっていくという世代を繋いで繰り返されていく子育てのサイクルへの支援が求められる。

・虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切っていけるような支援が求められている。

(3)社会的養護の基盤づくり

・社会的養護は、かつては親のない、親に育てられない子どもを中心とした施策であったが、現在では、虐待を受けた子ども、何らかの障害のある子ども、DV被害の母子などが増え、その役割・機能の変化に、ハード・ソフトの変革が遅れている。

・社会的養護は、大規模な施設養護を中心とした形態から、一人一人の子どもをきめ細かく育み親子を総合的に支援していけるような社会的な資源として、ハード・ソフトともに変革していかなければならない。

・社会的養護は、家庭的養護を推進していくため、原則として、地域の中で養育者の家庭に子どもを迎え入れて養育を行う里親やファミリーホームを優先するとともに、児童養護施設、乳児院等の施設養護も、できる限り小規模で家庭的な養育環境(小規模グループケア、グループホーム)の形態に変えていくことが必要である。

・また、家庭的養護の推進は、養育の形態の変革とともに、養育の内容も刷新していくことが重要である。

・施設は、社会的養護の地域の拠点として、施設から家庭に戻った子どもへの継続的なフォロー、里親支援、社会的養護の下で育った人への自立支援やアフターケア、地域の子育て家庭への支援など、専門的な地域支援の機能を強化し、総合的なソーシャルワーク機能を充実していくことが求められる。

・ソーシャルワークとケアワークを適切に組み合わせ、家庭を総合的に支援する仕組みづくりが必要である。

・社会的養護の役割はますます大きくなっており、これを担う人材の育成・確保が重要な課題となっている。社会的養護を担う機関や組織においては、その取り組みの強化と運営能力の向上が求められている。

児童養護施設

3.児童養護施設の役割と理念 

・児童養護施設は、児童福祉法第41条の規定に基づき、保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設である。

・また、第48条の2の規定に基づき、地域の住民に対して、児童の養育に関する相談に応じ、助言を行うよう努める役割も持つ。

・児童養護施設における養護は、児童に対して安定した生活環境を整えるとともに、生活指導、学習指導、職業指導及び家庭環境の調整を行いつつ児童を養育することにより、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援することを目的として行う。

・生活指導は、児童の自主性を尊重しつつ、基本的生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養い、かつ、将来自立した生活を営むために必要な知識及び経験を得ることができるように行う。

・学習指導は、児童がその適性、能力等に応じた学習を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等の支援により行う。

・職業指導は、勤労の基礎的な能力及び態度を育てるとともに、児童がその適性、能力等に応じた職業選択を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等及び必要に応じ行う実習、講習等の支援により行う。

※ 職業訓練は、(岡山孤児院十二則 実業主義)からきています。

※ 生活指導、学習指導、職業訓練は、特に児童指導員および保育士の業務内容です。

・家庭環境の調整は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるように行う。

4.対象児童

(1)子どもの特徴と背景

①複雑な背景

・児童養護施設における入所理由は、父母の死別又は生死不明の児童、父母から遺棄された児童など保護者のない子どもは一部に過ぎず、半数以上は保護者から虐待を受けたために保護された子どもであり、次に、親の疾患、離婚等により親の養育が受けられない子どもも多い。

・また、子どもの入所理由の背景は単純ではなく、複雑・重層化している。ひとつの虐待の背景をみても、経済的困難、両親の不仲、精神疾患、養育能力の欠如など多くの要因が絡み合っている。そのため、入所に至った直接の要因が改善されても、別の課題が明らかになることも多い。

・こうしたことを踏まえ、子どもの背景を十分に把握した上で、必要な心のケアも含めて養育を行っていくとともに、家庭環境の調整も丁寧に行う必要がある。

②障害を有する子ども

・虐待は閉ざされた養育空間の中で、子育てに行き詰ったときに発生することが多く、発達上に問題を抱える子どもであれば、そのリスクはさらに高まることが指摘されている。

・障害を有する子どもについては、その高い養護性にかんがみて、障害への対応も含めて最大限の支援を行うことが必要である。その場合、医療や他の福祉サービスの利用など関連機関との連携が欠かせない。

(2)子どもの年齢等

①年齢要件と柔軟な対応

・児童養護施設は、乳児を除く18歳に至るまでの子どもを対象としてきたが、特に必要がある場合は乳児から対象にできる。

・また、20歳に達するまで措置延長ができることから、子どもの最善の利益や発達状況をかんがみて、必要がある場合は18歳を超えても対応していくことが望ましい。

・義務教育終了後、進学せず、又は高校中退で就労する者であっても、その高い養護性を考慮して、でき得る限り入所を継続していくことが必要である。

②高齢児への対応

・入所時の年齢が高くなるほど、その養護性の問題は見逃されがちだが、親からの虐待を自ら訴える子どもの存在、高校進学したくても行けなかった子どもの存在など、年齢は高くなっていても児童養護施設の養育を必要としている子どもたちへの対応が求められている。

③再措置への対応

・児童養護施設は、対象となる子どもの背景が多岐にわたっているとともに、子どもの年齢も幅広く、社会的養護を担う施設のなかでは中核的存在となっている。

・児童養護施設から里親、情緒障害児短期治療施設や児童自立支援施設などへの措置変更に際しては、そうした子どもが再び児童養護施設での養育が必要と判断された場合、養育の連続性の意味からも入所していた施設に再措置されることが望ましい。家庭復帰した場合も同様である。

・また、18歳に達する前に施設を退所し自立した子どもについては、まだ高い養護性を有したままであることを踏まえ、十分なアフターケアとともに、必要な場合には再入所の措置がとられることが望ましい。

5.養育のあり方の基本

(1)関係性の回復をめざして

・子どもにとって、大人は「共に居る」時間の長短よりも共に住まう存在であることが大切である。子どもは、「共に住まう」大人(「起居を共にする職員」)との関係性の心地よさを求めつつ自らを創っていく。

・社会的養護は、従来の「家庭代替」の機能から、家族機能の支援・補完・再生を重層的に果たすさらなる家庭支援(ファミリーソーシャルワーク)に向けた転換が求められている。親子間の関係調整、回復支援の過程は、施設と親とが協働することによって果たされる。

・児童養護施設では、多かれ少なかれ複数の子どもが生活空間を共有している。子どもと大人の関係だけでなく、子ども同士の関係にも十分に配慮したい。虐待体験や分離体験を経た子どもには、子ども同士の関係の中に力に基づく関係がみられたり、対人関係そのものを避ける傾向がみられたりする。

・児童養護施設の職員は、様々な工夫を凝らして、子ども同士の関係にも適切に働きかけなければならない。子どもは、ぶつかり合い、助け合い、協力し合うといった体験を通して、他者を信頼する気持ちが芽生え、社会性や協調性を身につけていくのである。

(2)養育のいとなみ

・社会的養護は〈養育のいとなみ〉である。子どもたちとともにする日々の生活の中から紡ぎ出されてくる、子どもたちの求めているもの、さらには子どもたちが容易には言葉にしえない思いをもくみ取ろうとするようないとなみが求められている。子どもにとっての「切実さ」「必要不可欠なもの」に気づいていくことが大切である。

・社会的養護のもとで養育される子どもにとって、その子にまつわる事実は、その多くが重く、困難を伴うものである。しかし、子どもが未来に向かって歩んでいくためには、自身の過去を受け入れ、自己の物語を形成することが極めて重要な課題である。

・子どもが自分の生を受けとめるためには、あるがままの自分を受け入れてもらえる大人との出会いが必要である。「依存」と「自立」はそうした大人との出会いによって導き出され、成長を促される。

・社会的養護には、画一化されたプログラムの日常ではなく、子どもたち個々の興味や関心を受けとめる環境が求められる。そこでは子どもの個性や能力が引き
出され、子どもが本来持っている成長力や回復力が促進される。

・子どもたちが将来に希望をもって、様々な体験を積み増しながら、夢をふくらませていくことは大切なことである。生活は、子どもにとって育ち(発達)の根幹となるものである。やがては子ども時代の生活を通して会得したこと、学習したことを意識的、無意識的な記憶の痕跡として再現していくことになる。

(3)養育を担う人の原則

・養育とは、子どもが自分の存在について「生まれてきてよかった」と意識的・無意識的に思い、自信を持てるようになることを基本の目的とする。そのためには安心して自分を委ねられる大人の存在が必要となる。

・子どもの潜在可能性は、開かれた大人の存在によって引き出される。子どもの可能性に期待をいだきつつ寄り添う大人の存在は、これから大人に向かう子どもにとってのモデルとなる。

・ケアのはじまりは、家庭崩壊や親からの虐待に遭遇した子どもたちの背負わされた悲しみ、苦痛に、どれだけ思いを馳せることができるかにある。子どもの親や家族への理解はケアの「引き継ぎ」や「連続性」にとって不可避的課題である。

子どもたちを大切にしている大人の姿や、そこで育まれ、健やかに育っている子どもの姿に触れることで、親の変化も期待される。親のこころの中に、子ども の変化を通して「愛」の循環が生まれるように支えていくことも大切である。

養育者は、子どもたちに誠実にかかわりコミュニケーションを持てない心情や理屈では割り切れない情動に寄り添い、時間をかけ、心ひらくまで待つこと、かかわっていくことを大切にする必要がある。分からないことは無理に分かろうと理論にあてはめて納得してしまうよりも、分からなさを大切にし、見つめ、かかわり、考え、思いやり、調べ、研究していくことで分かる部分を増やしていくようにする。その姿勢を持ち続けることが、気づきへの感性を磨くことになる。

子どもの養育を担う専門性は、養育の場で生きた過程を通して培われ続けなければならない。経験によって得られた知識と技能は、現実の養育の場面と過程のなかで絶えず見直しを迫られることになるからである。養育には、子どもの生活をトータルにとらえ、日常生活に根ざした平凡な養育のいとなみの質を追求する姿勢が求められる。

(4)家族と退所者への支援

①家庭支援

・被措置児童の家庭は、地域や親族からも孤立していることが多く、行政サービスとしての子育て支援が届きにくい。こうした家庭に対して施設は、その養育機能を代替することはもちろんのこと、養育機能を補完するとともに子育てのパートナーとしての役割を果たしていくことが求められている。その意味では、児童養護施設は、子どもの最善の利益を念頭に、その家庭も支援の対象としなければならない。その場合、地域の社会資源の利用や関係者との協働が不可欠である。

②退所した者への支援

・児童養護施設は、退所した者に対する相談その他の自立のための援助も目的としていることから、その施設を退所した者は支援の対象となる。家庭復帰にしても進学・就職にしても、退所後の生活環境は施設と比べて安定したものではなく、自立のための援助を適切に行うためにも、退所した者の生活状況について 把握しておく必要がある。

6.児童養護施設の将来像

(1)施設の小規模化と施設機能の地域分散化

・今日、社会的養護を必要とする子どもたちは、ますます大きな生きづらさや困難さを抱えて、児童養護施設へ入所している。児童養護施設は、こうした子どもたちの心身の健やかな成長と、子どもたちの生きづらさからの克服を支え続けていくことが求められる。

・児童養護施設には、配慮された生活の継続性が重要である。配慮のなされた生活体験は、将来に向かって子どもの人生に豊かさを育んでいく。日常の生活では特定の養育者が個別的な関係を持つとともに、生活感と温かみを実感できる居場所が必要である。社会的養護における生活は、その環境が子ども・大人相互の信頼に足るものであることが大切である。

・児童養護施設の将来像は、平成23年7月の社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会によるとりまとめ「社会的養護の課題と将来像」のように、本体施設のすべてを小規模グループケアにしていくとともに、本体施設の定員を少なくし、地域のグループホームに移していく方向に進むべきである。

・また、家庭養護を優先する社会的養護の原則の下、児童養護施設は、家庭養護の担い手である里親やファミリーホームを支援していく。

・小規模化と地域分散化の取り組みを進めていくためには、一人一人の職員に、養育のあり方についての理解や力量の向上が求められ、また、職員を孤立化させない組織運営力の向上やスーパーバイズの体制が必要となることから、中長期的計画を立てて、地域の中で養育の機能を果たす児童養護施設への転換を目指 していく。(岡山孤児院十二則 家族主義)

(2)施設機能の高度化と地域支援

・児童養護施設は、施設機能の地域分散化を図りながら、本体施設は、地域のセンター施設として、その機能を高度化させていく。

・児童養護施設では、虐待を受けたことや発達障害などのために専門的なケアを必要としている子どもの養育を行うことから、その専門性を高めていく。

・また、早期の家庭復帰を実現するための親子関係の再構築の支援、虐待防止のための親支援、地域の里親等への支援、ショートステイなどによる地域の子育て支援など、地域支援の機能を高めていく。

・ケアワークの機能に加えて、ソーシャルワークの機能を充実し、関係機関との連携を強めていく。

・親や家族から離れて生活する子どもへの、親や家族との心理的、物理的な関係の配慮や養育の過程のはからいは、子どもの生活を安心、安全の場とするために欠かせない。

続きの「第2 各論」はこちらへ

乳児院運営指針はこちら

母子生活支援施設はこちら

児童自立支援施設運営指針はこちら

情緒障害児短期治療施設運営指針はこちら

里親及びファミリーホーム養育指針はこちら

児童養護施設運営指針

過去問

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子ども家庭福祉 問13

次の【I群】の施設名と、【II群】の説明を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】
A 児童養護施設

【II群】
エ 保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養
護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行う。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 社会的養護 問35

次の文は、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)の「社会的養護の原理」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

社会的養護を必要とする子どもには、その子どもに応じた成長や発達を支える支援だけでなく、虐待体験や( A 分離 )体験などによる悪影響からの癒しや( B 回復 )をめざした専門的ケアや( C 心理的ケア )などの治療的な支援も必要となる。

【語群】
ア 分離  イ 貧困  ウ 克服  エ 回復  オ 医療的ケア  カ 心理的ケア

保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会的養護 問38

次の文のうち、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)において示されている「社会的養護の原理」に関する記述として最も適切な記述を一つ選びなさい。

○ 1.社会的養護は、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。

  • 2(2)⑤によると、「できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれ」ています。

× 2.社会的養護における養育は、つらい体験をした過去を現在、そして将来の人生と切り離すことを目指して行われる。

  • 2(2)③によると、「虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要」です。過去のつらい体験を、現在やこれからの人生と切り離すのではなく、治療的な支援とともに、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるようにしていくことが求められています。

× 3.社会的養護における養育は、効果的な専門職の配置ができるよう、大規模な施設において行う必要がある。

  • 2(2)①によると、大規模な施設養護としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境での養育が求められています。

× 4.社会的養護における支援は、子どもと緊密な関係を結ぶ必要があるので、他機関の専門職との連携は行わない。

  • 2(2)⑤によると、「社会的養護の担い手がそれぞれの専門性を発揮しながら巧みに連携し合う」ことで、子どもの自立や親子の支援を目指しています。

× 5.社会的養護は、措置または委託解除までにすべての支援を終結し、自立させる必要がある。

  • 2(2)⑤によると、「始まりからアフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれ」ています。また、⑥では、子どもたちが社会に出てから、あるいは子どもを育てる側になったときなど、ライフサイクルを通じた支援についても言及しています。

保育士試験 平成31年(2019年)前期 保育実習理論 問152

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
実習生のWさん(学生、女性)は、児童養護施設への実習を控えています。施設実習を行うにあたって、施設について知っておくことが必要であると考え、「児童養護施設運営指針」を読んで事前学習を行いました。

【設問】
次の文は、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)の一部である。( A )〜( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

施設は、社会的養護の地域の拠点として、施設から家庭に戻った子どもへの継続的なフォロー、( A 里親支援 )、社会的養護の下で育った人への自立支援や( B アフターケア )、地域の子育て家庭への支援など、専門的な地域支援の機能を強化し、総合的な( C ソーシャルワーク )機能を充実していくことが求められる。

1.A:里親支援   B:アフターケア  C:ソーシャルワーク

2.A:保護者支援  B:アフターケア  C:ソーシャルワーク

3.A:里親支援   B:リービングケア  C:ソーシャルワーク

4.A:保護者支援  B:リービングケア  C:マネジメント

5.A:保護者支援  B:アフターケア  C:マネジメント

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会的養護 問32

次の文は、「児童養護施設運営指針」の「養育のあり方の基本」の一部である。
( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

社会的養護は、従来の「( A 家庭代替 )」の機能から、( B 家族 )機能の支援・補完・再生を重層的に果たすさらなる( C 家庭支援(ファミリーソーシャルワーク) )に向けた転換が求められている。( D 親子間 )の関係調整、回復支援の過程は、施設と( E 親 )とが協働することによって果たされる。

【語群】
ア 児童救済
イ 家庭代替
ウ 家族
エ 虐待防止
オ 地域支援(コミュニティソーシャルワーク)
カ 家庭支援(ファミリーソーシャルワーク)
キ 親子間
ク 子ども間
ケ 行政
コ 親

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会的養護 問34

次の【Ⅰ群】の各施設種別の運営指針の内容と【Ⅱ群】の施設種別名を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A  将来的には、本体施設のすべてを小規模グループケアにしていくとともに、本体施設の定員を少なくし、地域のグループホームに移していく方向が示された。

  • 児童養護施設

B  養育の基本は、子どもが養育者とともに、時と場所を共有し、共感し、応答性のある環境のなかで、生理的・心理的・社会的に要求が充足されることである。

  • 乳児院

C  施設は、高校進学などで子どもが不利益を被らないよう、施設内学校はもとより、出身学校(原籍校)や関係機関と連携しながら、対応する。

  • 児童自立支援施設

【Ⅱ群】
ア   児童養護施設
イ   母子生活支援施設
ウ   乳児院
エ   児童自立支援施設

保育士試験 平成28年(2016年)後期 保育実習理論 問156

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
保育士を目指している大学生Pさんは、児童養護施設への実習を控えています。実習にあたり、「児童養護施設運営指針」を読んで、事前学習を行いました。

【設問】
施設実習を行うにあたっては、事前に施設について知っておくことが必要である。次の文は、「児童養護施設運営指針」の一部である。次の( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障していくことが重要であり、社会的養護を( A 地域 )から切り離して行ったり、子どもの生活の場を大規模な( B 施設養護 )としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「( C 家庭的養護 )」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「( D 個別化 )」が必要である。

【語群】
ア  集団指導
イ  家庭的養護
ウ  療育
エ  地域
オ  施設養護
カ  教育
キ  個別化
ク  連携

保育士試験 平成26年(2014年) 社会的養護 問38

次の文は、社会的養護の下にある子どもの「権利擁護」に関する記述である。適切な記述を選びなさい。

○ 1.社会的養護の施設等では、子どもの気持ちを受け入れつつ、子どもの置かれた状況や今後の支援について説明する。

○ 2.子どもの意見をくみ上げる仕組みとして、施設に設置された意見箱や、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員等を活用する。

○ 3.現在入所している子どもや退所した子どもの声を聞き、施設等の運営の改善や施策の推進に反映させていく取り組みが重要である。

○ 4.被措置児童等虐待の通報制度や、「被措置児童等虐待対応ガイドライン」に基づき、児童養護施設等の職員や里親による虐待の防止を徹底する。

DSM-5とかICD-10って一体なに?

文化省が行った調査によると、特別な支援を必要とする児童は、約6.5パーセントいるそうです。

周囲が気付かない、親が迷っているなどの理由で、適切でない環境で過ごしているかもしれません。

子どもが生活する上で何らかの困難や問題が生じているのであれば、医師の診断を待つのではなく、できる範囲で支援を考えていくことが大切です。

  • DSM
  • ICD
  • 発達障害者支援法

DSM-5とは

DSMとは、精神障害の診断・統計マニュアルで、うつ病などの精神疾患や発達障害の診断の際に、症状が当てはまるかどうか判断する世界的な診断基準です。

5は改訂の第5版という意味で最新版です。

ICDという分類もあり多少の違いはありますが、それぞれ覚えるのではなく、症名そのものを理解することが大事です。

分類できるようになる必要はありません。

名称も診断基準ごとに微妙に違うのできっちり覚える必要はありません。

DSM-5の分類

  • 知的能力障害
  • 吃音
  • 自閉スペクトラム症
  • 注意欠如・多動症
    • 混合型
    • 不注意優勢型
    • 多動-衝動優勢型
  • 限局性学習症
  • 発達性協調運動症
  • (ド・ラ・)トゥレット症候群
  • チック症…
  • 選択性緘黙
  • 遺糞症
  • 不安分離障害
  • 反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)
  • 脱抑制型対人交流障害
  • 反抗挑戦性障害
  • 統合失調症
  • 身体化障害
  • 強迫性障害
  • パニック障害
  • 外傷後ストレス障害
  • 性別違和

ICDによる分類(DSM-5以外)

  • 会話と言語の特異的発達障害
    • 表出性言語障害
    • 受容性言語障害
  • 常動運動障害

知的(能力)障害とは?

知的発達の障害です。

発達期に発症し、知的機能と適応機能両面の欠陥を含む障害のことです。

原因は、遺伝子異常、妊娠中の問題出産時期の問題、出生後に生じた健康障害があります。

胎児性アルコール症候群もふくまれます。

約8割が原因は明らかではないとされています。

軽度の知的障害のほとんどがこれに当たり、原因不明です。

知的障害は、知能指数だけで定義されるのではなく、日常生活能力、社会生活能力、社会適応性などの能力を測る指数と併せて診断します。

知的障害児数は、女児よりも男児が多いです。

また、DSM-5で知的能力障害と診断されたからといって、直接、知的障害者法に該当する訳ではなく、参考にするということです。

吃音とは?

吃音とは発音が流暢にできなく、「どもり」とも言います。

発症年齢の範囲は2~7歳です。

ほとんどの子ども達が回復するとされ、8歳時の重症度が青年期以降の回復に関連すると考えられています。

自閉スペクトラム症とは?自閉症とは別物?

これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものをまとめて自閉スペクトラムとされています。

社会的コミュニケーションが苦手で、行動、興味、または活動が限定された反復的な行動があります。

他者が自分と同じ「思い」をもつ存在ということは分かりづらく、一方通行に自分の言いたいことだけを言います。

また、特定の行動パターンや環境へのこだわりが強いため、普段通りの状況や手順が急に変わると混乱します。

意思表示をすることが難しいため、発達段階の指さしで興味のあるものを伝えません。

病理的要因・生理的要因・心理的要因が原因として大まかに分けられ、病理的要因に染色体異常かあります。

知的障害が伴うことがあります。

注意欠如・多動症とは?

「不注意AD」と「多動・衝動性HD」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。

「不注意AD」とは、活動に集中できない、気が散りやすい・ 、物をなくしやすい、順序だてて活動に取り組めないなどがよく見られます。

「多動・衝動性HD」とは、じっとしていられない・静かに遊べない、待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなどが見られます。

「不注意AD」または「多動・衝動性HD」の症状が、2つ以上の状況(例:家庭、学校)で存在します。

混合型・不注意優勢型・多動-衝動優勢型に分類するときもあります。

有病率は学齢期の小児の3~7%程度と考えられています。

成人期には多動傾向は軽減し、不注意症状が優性となり、男女の比率も小児期に比べると差異が少なくなります。

WISCなどの発達検査はアセスメントをする上で補助的ツールを使用して診断します。

病因として遺伝的関与が強く、出生体重が1,500g未満で生まれたときに発症しやすくなります。

自閉スペクトラム症の特徴が同時にみられることもあります。

支援・治療として、ソーシャルスキル・トレーニングや親へのペアレント・トレーニング、薬物療法などが有効です。

DSM-5

限局性学習症(学習障害)とは?

読み書き能力や計算力などの算数機能に関する、特異的な発達障害のひとつです。

発達性協調運動症とは?

麻痺などの運動障害がないにも関わらず、「ボールを蹴る」「字を書く」などの協調運動に困難さが見られます。

乳幼児期の運動面の発達においても定型発達のお子さんに比べて遅れがあったり、はいはいをあまりしない、転んだ時に手が出ないなどの特徴が見られたりします。

不器用さや運動技能の遂行における遅さと不正確さがみられる。

(ド・ラ・)トゥレット症

体質的にさまざまな運動チック、音声チックが1年以上にわたり強く持続し、日常生活に支障を来すほどになることもあり、その場合にはトゥレット症とよばれます。

チック症

チック症は、素早い身体の動きや発声を思わず起こってしまうことてます。

発声には、卑猥な単語や罵倒語などを言ってしまうチックも含みます。

チックといえばビートたけしさんを思い出しますが、それでもイメージがつかない方は下リンクが手早く理解できそうです。

広告がないチック症の動画はこちら

選択性緘黙とは?

言語能力が正常であるにもかかわらず、緊張により特定の場所で言葉を発することができなくなる症状で、発達障害には分類されません。

例えば、親や友達の前では流暢に話すのに、授業中に指されても発言できないなどです。

機能的遺糞症とは?

気付かないうちに便を漏らしてしまいます。

原因として慢性的な便秘のほか心理的ストレスが挙げられます。

便秘を放置すると排便時に苦痛を感じて排便を我慢するようになります。

あるいは、遊びに夢中になるなどして便意を我慢することを続けます。

その結果、排便反射が弱くなり、便意を感じにくくなります。

反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)

特定の養育者との間に適切な信頼関係ができなかったために現れる障害です。

周囲からの働きかけに反応しない無感情や、警戒して人に近づかなかったり、自分を制御できずに攻撃的になるなど、対人関係に支障をきたすほか、社会的な不適応を示す。

脱抑制型対人交流障害

初対面の見知らぬ大人にも警戒心なく近づき、過剰になれなれしい言葉や態度で接して、ためらいなくついて行くなどの行動がみられます。

反抗挑戦性障害とは?

怒りにもとづいた不服従、反抗、挑戦的行動の持続的様式と表現される児童期の精神障害である。

これらの行動は通常の児童の行動の範囲を越えたもので、権威的人物に向けられる。

統合失調症とは?

統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気です。

場面緘黙がある場合があります。

身体化障害とは?

症状は、消化器系の不調(痛み、おくび、嘔吐、悪心など)や、皮膚の不調(かゆみ、灼熱感、うずき、しびれ、痛み、できもの)がよくみられます。

強迫性障害

なにかをし忘れたかもしれない、など心配しすぎたり、妄想が強くなにかをしなくてはならないと思ってしまうこと。

パニック障害

強い不安感をもってしまうことです。

外傷後ストレス障害

事故など大きなストレスや負担がかかったあとに精神的な障害がでてくることをいいます。

外傷後ストレス障害の症状には、解離(例えば、短い時間呼びかけに全く反応せず、一点を見つめている)が含まれます。

また外傷後ストレス障害の症状には、社会的な引きこもりが含まれます。

子供の場合、「震災後、地震ごっこをする」など、トラウマ体験を遊びで再演することがあります。

これは気持ちを表現し、感情が開放される遊びと異なり、不安や緊張が継続しているということです。

陽性の情緒(満足感、幸福感等)を示すことがありますが、持続することができません。

性別違和

その人が体験し、または表出するジェンダーと指定されたジェンダーとの間の著しい不一致があります。

男の子の場合、女の子の服を身につけることを強く好んだり、ごっこ遊びにおいて、反対のジェンダーの役割を強く好み、自分の性器の構造を強く嫌悪します。

表出性言語障害とは?

どの大人とも相互的に最小限にしか関われず、特に苦痛時に慰めを求めることができないことである。また、陽性の情緒の表出が極端に少ないです。

受容性言語障害とは?

言葉の理解ができていないために発語にも障害を与えてしまい支障が出てしまう状態のことを言います

ついでに発達障害者支援法も!!

発達障害支援法には対象となるものとならないものがありますので、ついでに覚えましょう。

(定義)

第二条  この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。

アレルギーの完全除去と必要最小限除去の違い?5分でマスター!

アレルギーガイドラインは読もうとするとボリュームがあり、「基礎編」から「実践編」まであります。

保育士試験では実践編まで出題されており、すべて飲み込むには時間がかかりますので、過去問を参考に抜粋しました。

アレルギー疾患とは

アレルギー疾患とは、過剰な免疫反応と捉えることができます。

本来なら反応しなくてもよい無害なもの(ダニ、ホコリ、食物、花粉など)を異物として排除するため、IgE(免疫グロブリンE)抗体が作られ自分自身を攻撃します。

感染症に対する新生児の免疫I gA、Eの記事

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

食物アレルギー

食物アレルギーとは?

特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状のことをいう。そのほとんどは食物に含まれるタンパク質が原因で起こります。

食物アレルギーは経口摂取だけではなく、触ったり、吸い込んだり、注射を通したりして体内に入った場合にも起こります。

食物アレルギーの症状として最も多く見られるのは蕁麻疹や湿疹などの皮膚症状です。

食物アレルギーを有する子どもの割合は、0歳時で10%弱となり、以降、減少していきます。

食物アレルギーは0歳時にピークを迎える

何に気を付ければいいの?

食物アレルギーの場合、血液検査で特異的及び非特異的 IgE を測定します。

最終的には食物経口負荷テスト(OFC)を行い、食物摂取制限をします。

平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書 消費庁HP

0〜5歳の乳幼児全体の原因食品となるものは、鶏卵牛乳小麦であり、以下、ナッツ類、ピーナッツ、果物、魚卵と続きます。

また、0歳児の有病者のうち鶏卵、牛乳、小麦が原因食品となる場合が多いですが、幼児期以降に魚卵、果物、甲殻類、ピーナッツ、ナッツ類、そばを新規発症する傾向があります。

特にピーナッツ、ナッツ類、そばは誘発症状が重篤になる傾向があり、注意を要します。

鶏卵アレルギー

鶏卵タンパクが原因です。

鶏卵のアレルゲンの多くは、卵白に含まれるオボムコイド等のタンパク質です。

オボムコイド以外のタンパク質は、加熱すると変化するので、加熱をすれば鶏卵が食べられるということがあります。

ちなみに、卵殻は、鶏卵タンパクの混入はほぼなく、除去する必要は基本的にありません。

鶏肉、魚卵は除去しなければならないと勘違いされやすいですが、鶏卵アレルギーとは関係ありません。

牛乳アレルギー

牛乳アレルギーは、牛乳タンパクが原因です。

加熱すれば摂取してよいと勘違いされやすいですが、牛乳は加熱で変化を受けにくいため、アレルギーを起こす力はあまり弱まりません。

豆乳に代替えする場合は、カルシウムと鉄の含有量が少ないことに注意して摂取します。

ちなみに、母乳等にある乳糖(ラクトース)は、牛乳アレルギーであっても摂取できます。

小麦アレルギー

小麦アレルギーは、小麦タンパクが原因です。

醤油は小麦が使用されていますが、小麦タンパクは既に分解されていますので、基本的に小麦アレルギーであっても醤油を摂取することはできます。

に小麦が使用されている可能性がありますが、酢に含まれるタンパク量は非常に少なく(0.1g/100ml)、また一回摂取量も非常に少ないため、基本的には摂取することができす。

麦茶は、大麦の種子を煎じて作った飲み物であり、小麦と直接関係はありません。

しかし、小麦アレルギーのなかに麦類全般に除去指導されている場合があり、この場合に麦茶の除去が必要な場合が、まれにあります。

ナッツ類、ピーナッツアレルギー

ナッツ類とピーナッツ両者は別物です。

ちなみにナッツ類アレルギーだとしてもピーナッツアレルギーとは限りません。

どうすればいいの?

家庭ではまず食べてみよう!

家庭では、まだ食べたことがない食品を、心配だからという理由で除去をすることはしません。

子どもが初めて食べる食品は、家庭で安全に食べられることを確認してから、保育所での提供を行うことが重要です。

食べてみて異常があったら病院に行きます。

アレルギー疾患と診断された子どもの治療は、原因となる食物を、不必要な食物除去がなされることがないよう、最小限の除去とします。

その後、年齢が進むに連れて段階的に食べるようにします。

給食では完全除去が鉄則!

給食など集団生活で特別な配慮が必要な場合のみ、医師(子どものかかりつけ医)の診断及び指示に基づく生活管理指導表を保育所に提出します。

生活管理指導表は、アレルギーは症状が緩和したり悪化したり、新規の発症もあったりするため、定期的に見直しが必要です。

給食は、完全除去を行うことが基本です。

それは、調理や配膳が複雑になってしまい誤食を招くためであって、調理室の環境が整備されている、対応人員に余裕があるなど、対応環境が整っている保育所においては、一部除去を行うことを妨げるものではありません。

除去食品の解除は保護者からの書面申請を提出します。

保育所職員全員で対応!

加工食品は、納入のたびに原材料表示をよく確認します。

除去食や代替食を使用し、できるだけ他の子どもと同じテーブルで食事ができるように配慮します。

誤食の主な発生要因となる人的エラーを防ぐために、トレーの色を変えるなど保育所の職員全員で認識を共有し、対策を行うことが必要です。

食物アレルギー対策

アナフィラキシー

アナフィラキシーとは、アレルギー症状が複数の臓器において、同時かつ急激に出現した状態を言います。

ショック症状を伴うものをアナフィラキシーショックといい、血圧低下など循環器の症状が起こります。

そのときは、エピペン(アドレナリン自己注射)を保育所においても投与して、危険な症状に対処すべき場合もあります。

気管支ぜん息

小児の気管支ぜん息は、発作性にゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)を伴う呼吸困難を繰り返す疾患であり、呼吸困難は自然ないし治療により軽快、治癒しますが、ごく稀には死に至ることもあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚にかゆみのある湿疹が出たり治ったりすることを繰り返す疾患です。

乳幼児では、顔、首、肘の内側、膝の裏側などによく現れますが、ひどくなると全身に広がります。

悪化因子としては、ダニやホコリ、食物、動物の毛、汗、シャンプーや洗剤、プールの塩素、生活リズムの乱れや風邪などの感染症など、さまざまであり個々に異なります。

皮膚のバリア機能を高めるため、多くの場合は適切なスキンケアや治療によって症状のコントロール は可能で、基本的には、他の子どもと同じ生活を送ることができます。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、鼻に入ってくるアレルゲンに対しアレルギー反応を起こし、発作性で反復性のくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こす疾患です。

スギ花粉症などがあります。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜疾患とは、目の粘膜、特に結膜に、アレルギー反応による炎症(結膜炎)が起こり、目のかゆみ、なみだ目、異物感(ごろごろする感じ)、目やになどの特徴的な症状をおこす疾患です。

原因となる主なアレルゲンとしては、ハウスダストやダニ、動物の毛に加え、季節性に症状を起こすスギ、カモガヤ、ブタクサなどの花粉があります。

保育所保育指針では

1 子どもの健康支援

⑶ 疾病等への対応

ウ アレルギー疾患を有する子どもの保育については、保護者と連携し、医師の診断及び指示に基づき、適切な対応を行うこと。また、食物アレルギーに関して、関係機関と連携して、当該保育所の体制構築など、安全な環境の整備を行うこと。看護師や栄養士等が配置されている場合には、その専門性を生かした対応を図ること。

過去問

保育士試験 令和6年(2024年)前期 子どもの保健 問19

次のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(厚生労働省)における食物アレルギーに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

⚪︎ A 食物アレルギーとは、特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身に生じる症状のことをいう。
× B 食物アレルギーのある幼児の割合は、年齢が上がるにつれて上昇する。
⚪︎ C 最も多い症状は皮膚・粘膜症状である。
× D 治療の基本は薬物療法である。

(組み合わせ)
A B C D
2 ○ × ○ ×

保育士試験 令和6年(2024年)前期 子どもの食と栄養 問20

次のうち、食物アレルギーに関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 「食品表示法」により容器包装された加工食品において、アレルギー表示が義務づけられている原材料は、卵、乳、小麦、大豆の4品目である。
⚪︎ B 卵アレルギーの場合、基本的に鶏肉は除去する必要はない。
⚪︎ C 食物アレルギーであっても、離乳食の開始や進行を遅らせる必要はない。
D アレルギーを起こす原因物質をアナフィラキシーという。

(組み合わせ)
4 B C

保育士試験 令和5年(2023年)前期 子どもの食と栄養 問 18

次のうち、果物に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

1 「6つの基礎食品」において、果物は、緑黄色野菜とともに第3群に分類されている。

2 「食事バランスガイド」(平成17年 厚生労働省・農林水産省)に示されている5つの料理区分に「果物」は含まれていない。

3 「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版 厚生労働省)では、離乳開始前に果汁を与え、離乳の準備を行うことが推奨されている。

× 4 果物類は食物アレルギーの原因食物にならない。

  • なります。

5 「第4次食育推進基本計画」(農林水産省)では、実施最終年度までに、1日あたりの果物摂取量が100g未満の者の割合を30%以下とすることを目標値として設定している。

保育士試験 令和5年(2023年)前期 子どもの食と栄養 問 19

次のうち、食物アレルギーに関する記述として、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A 鶏卵アレルギーは卵黄のアレルゲンが主原因である。

○ B 小麦アレルギーの場合、米や他の雑穀類は摂取することができる。

○ C 鶏卵を材料とする天ぷらの衣やハンバーグのつなぎなどは、いも類やでんぷんで代替可能である。

× D 牛乳アレルギーの場合、基本的に牛肉も除去する。

(組み合わせ)
3 B C

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の原理 問19

次のうち、食物アレルギーに関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした 場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 免疫が外から体内に入る物質を異物として認識し排除する仕組みの中で、自分自身を攻撃する状態を作り出すことをアレルギー反応と呼ぶ。

× B アナフィラキシーショックは、食物アレルギーのある人に起こり、呼吸器や消化器など複数のアレルギー反応が起こるが、血圧低下など循環器の症状は起こらない。

× C 食物アレルギーのある子どもには、必ずエピペン®が処方されている。

× D 食物アレルギーの場合、血液検査で特異的及び非特異的 IgE を測定するが、アレルゲンとなる
食物摂取制限の決め手にはならない。

(組み合わせ) 
A B C D
1 ○ ○ × × 2 ○ × ○ × 3 ○ × × ○ 4 × ○ ○ × 5 × × ○ ○

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育の原理 問5

次のうち、乳児保育の内容の取扱いに関する記述として、「保育所保育指針」に照らし、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ B 和やかな雰囲気の中で食べる喜びや楽しさを味わい、進んで食べようとする気持ちが育つようにすることが大切であり、食物アレルギーのある子どもへの対応については、嘱託医等の指示や協力の下に適切に対応すること。

問5 次のうち、乳児保育の内容の取扱いに関する記述として、「保育所保育指針」に照らし、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A 心と体の健康は、相互に密接な関連があるものであることを踏まえ、温かい触れ合いの中で、心と体の発達を促すこと。B 和やかな雰囲気の中で食べる喜びや楽しさを味わい、進んで食べようとする気持ちが育つようにすることが大切であり、食物アレルギーのある子どもへの対応については、嘱託医等の指示や協力の下に適切に対応すること。C 保育士等との信頼関係に支えられて生活を確立していくことが人と関わる基盤となることを考慮して、子どもの多様な感情を受け止め、温かく受容的・応答的に関わり、一人一人に応じた適切な援助を行うようにすること。D 自分が大切にしている物だけではなく、友達の物も大切にする気持ちをもつようにすること。E 子どもの発語はその都度保育士が言い直し、正しい言葉をくり返すことで、言葉が獲得されていくようにすること。(組み合わせ)A B C D E1 ○ ○ ○ × ×2 ○ ○ × ○ ×3 ○ × × × ×4 × ○ ○ × ○5 × × × ○ ○

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの食と栄養 19

次の文は、食物アレルギーのある子どもの食に関する記述である。適切なものを○、不適切 なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 食物アレルギーのアレルゲンは、ほとんどが食品中に含まれるたんぱく質である。

× B 食物アレルギーに関与する主な抗体は、免疫グロブリンA(IgA)である。

  • E

○ C 乳幼児の食物アレルギーの原因食物として最も多いのは、エビ、カニなどの甲殻類である。

○ D 保育所では、乳幼児が食事の自己管理ができないために、除去食品の誤食が発生する可能性があり、保育士は注意が必要である。

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの保健 問6

次のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019 年改訂版)」(厚生労働省)に おける記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選び なさい。

○ A 医師の診断指示に基づき、保護者と連携し、適切に対応する。

○ B アトピー性皮膚炎の子どもの爪が長く伸びたままである場合、短く切ることを保護者に勧める。

× C 食物アレルギー児それぞれのニーズに細かく応えるため、食物除去は様々な除去法に対応する。

  • 調理や配膳が複雑になってしまい誤食を招くため完全除去を原則とします。

× D アレルギー疾患を有する子どもの対応法に関しては、個人情報の保護を優先し職員間での共有は控える。

  • 誤食の主な発生要因となる人的エラーを防ぐために、職員全員で認識を共有し、対策を行うことが必要です。

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの食と栄養 問16

次の文は、食物アレルギーに関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句を 【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 鶏卵アレルギーは( A 卵白 )のアレルゲンが主原因であり、オボムコイド以外は加熱や調理条件 によってアレルゲン性は( B 低下する)。

・ 牛乳アレルギーの場合、飲用乳の代替には、豆乳を用いることができるが、豆乳は牛乳と比較し て、( C )カルシウム含有量が少ないことに留意する。

【語群】

ア 卵黄 イ 卵白 ウ 低下する エ 上昇する

オ 変化しない カ カリウム キ カルシウム ク 鉄

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの食と栄養 問17

次のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(2019 年:厚生労働省)における 食物アレルギーに関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み 合わせを一つ選びなさい。

○ A 離乳開始前の子どもが入園し、食物アレルギー未発症、食物未摂取という場合も多くあるため、 保育所で初めて食べる食物がないように保護者と十分に連携する。

○ B 保育所における食物アレルギー対応の基本は、子どもが安全に保育所生活を送るという観点から、原因食品の「完全除去」か「解除」の両極で対応を進めるべきである。

× C 除去していた食品を解除する際には、保護者からの口頭での申し出でよい。

  • 除去食品の解除は保護者からの書面申請が必要です。

○ D 原因物質を食べるだけでなく、吸い込むことや触れることも食物アレルギー発症の原因となるた
め、食事以外での食材を使用する時(小麦粉粘土等を使った遊び、豆まきなど)は、それぞれの子どもに応じた配慮が必要である。

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの保健 問10

次のうち、保育所での事故防止対策として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合 の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× C 食物アレルギーの子ども用の代替食は、子どもの心情を配慮して、他児のものと見た目が変わらないように工夫する。

  • 他児と見た目が変わらないと、誤食の発生要因となります。

保育士試験 令和3年(2021年)前期 子どもの食と栄養 問135

次の文のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(2019年:厚生労働省)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  魚卵、果物、ナッツ類、ピーナッツ、甲殻類は、幼児期以降に新規発症する傾向がある。

× B  アレルギー食は、別献立で作った方が、作業効率が良い。

  • アレルギー食を全く別献立で作るよりも、一般食の調理過程で流用できるような献立にしたほうが、作業効率が良くなります。

○ C  加工食品は、納入のたびに使用材料を確認する。

× D  小麦アレルギーの場合、基本的に醤油も除去する。

  • 基本的に小麦アレルギーであっても醤油を摂取することはできると記載されています。

○ E  新規の食物は、家庭において可能であれば2回以上、何ら症状が誘発されないことを確認した上で、給食として提供することが理想的である。

保育士試験 令和元年(2019年)後期 子どもの保健 問109

次のA ~ Eは、子どものアレルギーに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  学童より0、1、2歳児の方が食物アレルギー児は多い。

× B  給食での食物除去は完全除去や部分除去など、段階的に細かく行う。

  • 保育所の食物アレルギー対応における原因食品の除去は、完全除去を行うことが基本となっています

○ C  生活管理指導表は、アレルギー疾患と診断された園児が保育所の生活において特別な配慮や管理が必要となった場合に限って作成する。

× D  アレルギー体質の子どもは、年齢によって様々な症状を起こすが、最初に起こりやすい症状はぜんそくである。

  • 食物アレルギー、アトピー性皮膚炎がおこりやすいです。

○ E  アトピー性皮膚炎の子どもの皮膚のバリア機能は低下している。

保育士試験 平成30年(2018年)前期 子どもの食と栄養 問139

次の文は、「食物アレルギー診療ガイドライン2016」( 日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会 )の食物アレルギーへの対応と食事に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  食物アレルギーの基本的栄養食事指導は、必要最小限の食物除去を心がける。

○ B  食物除去の開始後は定期的に栄養面を評価し、必要に応じて栄養士の協力を得て栄養指導をする。

○ C  鶏卵アレルギーがある場合、鶏肉は一般的に除去不要とされている。

× D  牛乳アレルギーがある場合、洋菓子やホワイトソースに用いられる牛乳は加熱されるので、一般的に除去不要とされている。

  • 牛乳のアレルギーは、加熱による変化を受けにくいため、アレルギーを起こす力はあまり弱まりません。

○ E  大豆アレルギーがある場合、醤油、味噌、大豆油は一般的に除去不要とされている。

保育士試験 平成29年(2017年)前期 子どもの保健 問116

次の文は、食物アレルギーに関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

× 1.食物アレルギーとは、ある食物を経口摂取した後に不快な症状を呈するものをいう。

  • 食物アレルギーは経口摂取だけではなく、触ったり、吸い込んだり、注射を通したりして体内に入った場合にも起こります。

× 2.平成21年度の日本保育園保健協議会での全国調査によると、食物アレルギーの有病率は約20%であった。

  • 1歳前のピークで10%弱てす。→今も同じ

○ 3.食物アレルギーの原因として保育所で除去されている食物のうち最も頻度の高いものは鶏卵であり、次いで乳製品である。

× 4.食物アレルギーの症状で最も多いものは呼吸器症状である。

  • 湿疹などの皮膚疾患が多いてす。

× 5.食物アレルギーの治療は原因食物の除去であり、乳児期からの早期除去が望まれる。

  • 食物アレルギーの治療の原則として「原因食品の最小限の除去」ということが言われています。食物アレルギーを起こした食品であっても、症状が引き起こされる量までは食べられる範囲であり、医師の判断のもと症状を誘発しない範囲の量の摂取や調理法によって症状なく摂取できるものについては除去せずに摂取します。心配だから、という理由だけで過剰な除去をすることはしません。

保育士試験 平成28年(2016年)後期 子どもの保健 問118

次の文は、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(厚生労働省)の「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」(生活管理指導表)に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

× 1.保護者は、入園面接時に生活管理指導表を提出しなければならない。

  • アレルギー疾患と診断された子どもで、集団生活で特別な配慮が必要な場合のみ、医師に記入してもらい園や学校に提出します。

× 2.生活管理指導表は、保育所で新たに配慮が必要と思われた時は次年度の始めに保護者から提出してもらう。

  • アレルギーは症状が緩和したり悪化したり、新規の発症もあったりするため、1年ごとに見直して提出しなければなりません。全国共通なので、転園や転校をしてもそのまま使えます。この書類を基に面談を行い、一人ひとりの症状をふまえたアレルギー対応を検討します。

× 3.生活管理指導表の記載は、アレルギー専門医が行う。

  • 性格管理指導表は、保護者の依頼を受けて、医師(子どものかかりつけ医)が記入します。

× 4.生活管理指導表をもとに、主治医が保育所での生活全般について具体的な指示をする。

  • 医師と保護者、保育所における重要なコミュニケーションツールとなるものであり、指示をするものではありません。

○ 5.生活管理指導表は、アレルギー疾患と診断された園児が、保育所の生活において特別な配慮や管理が必要となった場合に限って作成する。

保育士試験 平成28年(2016年)後期 子どもの食と栄養 問140

次の文は、食物アレルギーのある子どもの食に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  食物アレルギーを引き起こす抗体のことを免疫グロブリンA(IgA)という。

  • 食物に含まれている免疫系の抗体は免疫グロブリンE(IgE)といいます。

× B  食物アレルギーのアレルゲンは、ほとんどが食品中に含まれる糖質である。

  • 食物アレルギーの抗原の大多数はタンパク質です。乳幼児期には消化能力が未熟であったり、組織や局所免疫が不完全だと、タンパク質が十分消化されないまま循環系に入り、免疫系を刺激してアレルギーの症状を起こしてしまいます。

× C  乳幼児の食物アレルギーのアレルゲンは、エビ、カニなどの甲殻類が多い。

  • アレルゲンは卵、牛乳、小麦、そば、えび、ピーナッツ、大豆などが多いと言われています。

○ D  除去食や代替食を使用し、できるだけ他の子どもと同じテーブルで食事ができるように配慮する。

○ E  保育所等では、職員、保護者、主治医と十分な連携をとるようにする。

保育士試験 平成27年(2015年) 子どもの保健 問120

次の文は、子どものアレルギー疾患に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A 幼児はスギ花粉症にかからない。

  • 幼児でもスギ花粉症にかかることはあります。

○ B 気管支喘息は、喘鳴を伴う呼吸困難の発作を繰り返すことが特徴である。

× C 室内塵中のダニに感作されることがアトピー性皮膚炎の原因である。

  • アトピー性皮膚炎は、体質や環境など様々な条件が重なって発症するとされています。

○ D 乳幼児の食物アレルギーの原因食物は、鶏卵であることが多い。

× E 乳幼児の食物アレルギーの主な症状は、アナフィラキシーショックである。

  • 乳幼児の食物アレルギーの症状は、様々な症状があります。中でもアナフィラキシーショックは重篤な症状です。

保育士試験 平成27年(2015年) 子どもの保健 問120

次の文は、子どものアレルギー疾患に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A 幼児はスギ花粉症にかからない。

  • 幼児でもスギ花粉症にかかることはあります。

○ B 気管支喘息は、喘鳴を伴う呼吸困難の発作を繰り返すことが特徴である。

× C 室内塵中のダニに感作されることがアトピー性皮膚炎の原因である。

  • アトピー性皮膚炎は、体質や環境など様々な条件が重なって発症するとされています。

○ D 乳幼児の食物アレルギーの原因食物は、鶏卵であることが多い。

× E 乳幼児の食物アレルギーの主な症状は、アナフィラキシーショックである。

  • 乳幼児の食物アレルギーの症状は、様々な症状があります。中でもアナフィラキシーショックは重篤な症状です。

保育士試験 平成25年(2013年) 子どもの保健 問108

次の文は、食物アレルギーに関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○ 1.食物アレルギーとは、特定の食物を摂取した後に免疫学的機序を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状のことをいう。

○ 2.原因となる食物は多岐にわたるが、保育所で除去されている食物は、鶏卵や乳製品などが多い。

○ 3.皮膚・粘膜症状が比較的多いが、複数の臓器に症状が出現する状態をアナフィラキシーと呼ぶ。

○ 4.保育士でアナフィラキシーなどの重篤な反応が起きた場合、適切な処置をするとともに速やかに医療機関に救急搬送することが基本である。

× 5.心臓の働きを強めたり、血圧を上げたり、気管・気管支など気道を拡張する作用のある「エピペン」は、保育所では使用してはならない。

  • アナフィラキーショックが起こったときは、エピペン(アドレナリン自己注射)を保育所においても投与して、危険な症状に対処すべき場合もあります。

育児休業取得率(雇用均等基本調査)〜保育士試験用抜粋で即時に記憶〜

2022令和4年度前期試験に対応しています。

女性は8割強でわずかに上昇

在職中に出産した女性のうち育児休業を開始した者の割合は 83.0%(約8割)と、前回調査(平成 30 年度 82.2%)より 0.8 ポイント上昇しました。

育児休業取得率(女性)推移 雇用均等基本調査 厚生労働省HP

男性は1割弱で大分普及してきた!

配偶者が出産した男性のうち育児休業を開始した者の割合は 7.48%(約7%)と、前回調査(平成 30 年度 6.16%)より 1.32 ポイント上昇しました。

育児休業取得率(男性)グラフ 雇用均等基本調査 厚生労働省HP

いわゆる時短勤務は普及してる?

育児のための所定労働時間の短縮措置等の制度の導入状況(複数回答)で67.4%(約7割)です。

育児休業取得率

過去問

保育士試験 令和2年(2020年)後期 子ども家庭福祉 問40

次の文のうち、仕事と育児の両立支援策に関する記述として、不適切な記述を一つ選びなさい。

× 3.「平成29年度雇用均等基本調査」(厚生労働省)によると、男性の育児休業取得率は2017(平成29 )年度で約2割であった。

  • 「平成29年度 雇用均等基本調査」によると、男性の育児休業取得率は平成29年度は5.14%です。→約7%

○ 4.「平成29年度雇用均等基本調査」(厚生労働省)によると、女性の育児休業取得率は2017(平成29 )年度で約8割であった。 →約8割

保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会福祉 問78

次の文は、子育てと仕事に関する調査についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ B  仕事をしている女性の2016(平成28)年度の育児休業取得率は、8割以上である。→○

× C  仕事をしている男性の2016(平成28)年度の育児休業取得率は、2割以上である。

  • 平成 26 年 10 月1日から平成 27 年9月 30 日までの1年間に配偶者が出産した男性 のうち、平成 28 年 10 月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしてい る者を含む。)の割合は 3.16%となっています。→約7%

× D  育児のための短時間勤務制度を導入している事業所の割合は、2016(平成28)年の時点で9割以上である。

  • 育児のための所定労働時間の短縮措置等の制度がある事業所の割合は、69.6%となって おり、微増傾向です。→約7割

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 児童家庭福祉 問43

次の文は、わが国の仕事と育児の両立支援策に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  平成26年度の育児休業取得率は、男性が約10%、女性が約60%である。

  • 男性は2.3%、女性が86.6%でした。→7%、約8割

コンサルテーションとは一体なに?事例で簡単に理解する!

ソーシャルワーク体系

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

コンサルテーションとは

援助者が専門的な知識を必要とするときに、専門家から助言を受けたり話し合ったりすることです。

スーパービジョンと似ていますが、コンサルテーションには管理的機能がなく、助言はするけれど総合的な管理はしないというイメージです。

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

コンサルテーション事例

児童心理治療施設の退所が決まったEは、高校に入学することになりました。

高校は、Eに対してどのような対応する必要があるか検討するにあたり、児童心理治療施設にコンサルテーションを依頼することになりました。

児童心理治療施設の担当者は、高校へ訪問し、話を聞いたところ、以前にも同様の受け入れがあり、その児童は退学したとのことでした。

当時は児童の性格や個性が情報共有されておらず、マニュアルや研修体制がなく、教育担当者によって指導がばらばらでした。

そこで、児童心理治療施設の担当者は、マニュアルを整備することを提案しました。

その際には、Eの生育歴等を把握し、高校職員同士が役割分担をして、問題があった場合の連絡体制を明確にするよう助言しました。

高校は自分達で1か月モニタリングを実施することで、問題点を改めて把握します。

情緒障害運営指針にコンサルを行う旨記載があります。

社会福祉の目次

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

過去問

保育士試験 令和6年(2024年)前期「社会福祉」問20

次のうち、巡回相談に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

⚪︎ A 巡回相談は、アウトリーチ型支援として、保育や教育現場において重要で効果的なものである。

⚪︎ B コンサルテーションとは、異なる専門性をもつ複数の者が、支援対象である問題状況について検討し、よりよい支援のあり方について話し合う取り組みである。

× C 支援対象に、直接支援するのはコンサルタントであり、間接支援するのがコンサルティである。

⚪︎ D 保育における巡回相談では、知識の提供、精神的支え、新しい視点の提示、ネットワーキングの促進などが行われる。

(組み合わせ)
A B C D
2 ○ ○ × ○

保育士試験 令和3年(2022年)後期「社会福祉」問13

次の文のうち、相談援助の方法・技術に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ B コンサルテーションとは、異なる専門性をもつ複数の専門職者が、特定の問題について検討し、よりよい援助のあり方について話し合う過程をいう。

保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会的養護 問35

次の文は、施設職員に求められるソーシャルワークの援助技術に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。 

× 2.アウトリーチとは、支援において他領域の専門的知識や技術を要するときに、他の専門職から助言を受けることである。 

  • コンサルテーションの説明です。

保育士試験 平成31年(2019年)前期 保育の心理学 問93

次の文は、巡回相談に関する記述である。下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  巡回相談は、外部機関の子どもの発達に関する専門家である相談員が保育所等を訪問し、保育を支援するための相談活動である。園を訪れた相談員が支援を必要とする子どもと取り巻く保育状況についてアセスメントを行い、そのあとに保育士とケースカンファレンスを行う形式が多い。
B  保育士と相談員と協働しての保育の振り返りは、支援を必要とする子どもの行動を深く理解することにつながる。さらに園全体で子ども理解を共有することによって、その子どもと保育士との関わりが意味あるものへと発展していく。

C  相談員は、保育士が直面している問題を把握し、具体的な支援につなげる手立てを保育士と共に考える。このように保育と発達という異なる領域の専門家同士が互いの立場を尊重しながら自由で対等な話し合いを通して保育上の問題解決にあたることは発達臨床カウンセリングと呼ばれる。

  • コンサルテーションと呼ばれます。

2. ( A )○  ( B )○  ( C )×

保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問100

保育士が保育所嘱託の児童精神科医に対して、担当児についてのコンサルテーションを行う際に必要な情報として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  年齢・性別
○ B  家族構成
○ C  気になる行動
○ D  保育所でのアセスメント

保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会福祉 問76

次の文は、相談援助等に関する専門用語についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× B  スーパービジョンとは、援助者が、専門的な助言や知識を必要とするとき、主に外部の専門家から助言等を受けることである。

  • コンサルテーションの説明です。

保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会福祉 問63

次の文は、保育所が保護者支援を行う際の実際場面に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ D 保育士は、保護者に対する相談・助言を行う際には、必要に応じてより専門性の高い知識・技術を有する専門家などによるコンサルテーションやスーパーバイザーによるスーパービジョンを活用することがある。

保育士試験 平成25年(2013年) 社会福祉 問73

次の用語と解説は、相談援助に関する専門用語とその解説に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○ 3.コンサルテーション ―――― 専門的な助言や知識を必要とするときに、専門家から助言を受けることである。

吉田松陰は人を見る目がある?エピソードでの覚え方!

吉田松陰が黒船に乗る?

当時、ペリーは幕府に開国を要求しました。

ペリー率いる「黒船の来航」は有名な話です。

松陰もその知らせを聞くや否や、黒船を一目見ようと駆けつけます。

そこにあったのは見たこともない巨大な船。

これまで学んでいた兵法ではこんな相手に太刀打ち出来ないと悟った松陰は、今後は西洋のことを知って西洋の兵学を学ばなくてはならないと決意を固めます。

黒船に乗り込んでアメリカに渡ろうと考えました。

しかし計画はすぐに幕府の役人の耳に入り、日本国内は大騒ぎとなりました。

吉田松陰の牢獄での生活

しかし、半年後には謀反の罪で牢獄に入れられてしまいます。

その牢獄生活では、囚人達と付き合う中で、それぞれの囚人が得意な能力を持っていることを知りました。

そして松陰は、互いに得意なことを教え合うということをしていました。

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

吉田松陰、松下村塾をつくる!

自宅に戻った松陰は、松下村塾を開くとたくさんの若者が集まり、松陰は牢獄での経験を生かした教育を行うようになります。

萩市観光協会公式サイト
萩市観光協会公式サイト

講義だけでなく、共に話し合う討論会を重視し、今の日本には何が必要なのかを全員で考えていったのです。

塾生を平等に扱い共に学ぶ姿勢をとり、褒めて育てる、その人の才能、長所を伸ばす人間教育でした。

松蔭のベースにある儒学・史学・兵学を総合したものです。

この松下村塾の生徒達には、伊藤博文、高杉晋作、山県有朋、前原一誠などの有名人がいます。

ちなみに吉田松陰の「松」と松下村塾の「松」は何も関係ありません。

過去問

保育士試験 平成30年(2018年)後期 教育原理 問24

次の【I群】の思想家についての記述と【II群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】
B  松下村塾をひらき、儒学・史学・兵学を総合した人間教育を行った。

【II群】
ア  伊藤仁斎
イ  荻生徂徠
ウ  本居宣長
エ  吉田松陰
オ  緒方洪庵

オーエンの工場村は世界文化遺産?エピソードでの覚え方!

オーエンの思い

オーエンはイギリスの手工業者の家に生まれ、商店に店員として奉公しながら各地を転々としました。

若いころから工場の経営に加わり、産業革命の影響下での労働者の状態には心を痛めていました。

オーエン

労働者はなぜ貧困?

労働者とその家族は貧困であり、特に子供たちが働かされ、教育も受けられていない状態でした。

住まいは子育てには向かず、親が一日中働いている間、子供たちは邪魔にされ、ほったらかされていました。

さらに労働者の大多数が怠惰であり、毎日酒に浸ると担当の仕事はほってしまい、盗みなどはごく普通のことでした。

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

工場統治は教育が第一歩?

当時は小学校もない時代でした。

オーエンはこのような工場を統治するための第一歩は教育だと考えました。

この考えは、当時とても画期的でした。

オーエンは、自分の紡績工場に学校をつくり、性格形成学院としました。

性格形成学院 テーマのある一社会科教員の世界旅行HP

特に幼児教育が大切だと考え、世界初の幼稚園を性格形成学院の中につくりました。

小売店なども設けられ、工場村となっていきました。

今ではこの工場村は世界文化遺産です。

世界遺産

オーエンの教育

オーエンは若い教師たちに、「どんな訳があろうと子供を決して打つな、どんな言葉やしぐさででもおどすな、いつも親切に、言葉も優しく小児と話せ」とか、「小児を書物でいじめるな。身のまわりにころがっている物の使い方や本性・性質を教えるものだ、小児の好奇心が刺激され、それについて質問するようになった時に、うちとけた言葉で答えろ。」と命じ、その通りに実践されたことで、すぐに成果が出始めました。

これはペスタロッチの教えです。

性格形成学院でのお遊戯会の様子

工場はさまざまな技術改良を加えながら生産量を増やし、オーエンは富を得ました。

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

著書「新社会観」

代表作である『新社会観』( 1813年 )においては、幼児期における環境の影響の大切さを主張しました。

オーエン 新社会観

過去問

保育士試験 令和5年(2023年)後期 保育原理 問11

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A 経営する工場の労働者とその家族のために教育施設を開設し、そこに「幼児学校」をおいた。

・イ オーエン(Owen, R.)

B 最も恵まれない子どもを豊かに育む方法こそ、すべての子どもにとって最良の方法であるとする考えに基づき、「保育学校」を創設し、医療機関との連携を図って保育を進めた。

【Ⅱ群】
ア デューイ(Dewey, J.)イ オーエン(Owen, R.)ウ マクミラン(McMillan, M.)エ オーベルラン(Oberlin, J.F.)(組み合わせ)A B1 ア イ2 イ ア3 イ ウ4 エ ア5 エ ウ

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育原理 問18

次のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× B オーエン(Owen, R.)は、ドイツに「性格形成学院」を開設し、子どもの保護と教育を行った。

  • 保育士試験 平成25年(2013年)後期 保育原理 問1 に同じ

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育原理 問17

次の【Ⅰ群】の語句と最も関連の深い人名を【Ⅱ群】から選び、それぞれを結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
D  性格形成学院

【Ⅱ群】
ア  オーエン(Owen, R.)
イ  フレーベル(Fröbel, F.W.)
ウ  ルソー(Rousseau, J.-J.)
エ  ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育原理 問18

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

B  イギリスの産業革命期に、自ら経営する紡績工場の敷地内に「性格形成学院」を創設し、代表作である『新社会観』( 1813年 )においては、幼児期における環境の影響の大切さを主張した。

【Ⅱ群】
ア  エレン・ケイ( Key,E. )
イ  オーエン( Owen,R. )
ウ  シュタイナー( Steiner,R. )
エ  ヘファナン( Heffernan,H. )

保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会的養護 問30

次の文は、欧米の社会的養護の歴史に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ B オーエン(Owen, R.)は、木綿紡績工場主であったが、1816年に自分の工場内に「性格形成学院」という幼児施設をつくり、成長段階に応じた教育を行った。

保育士試験 平成25年(2013年)後期 保育原理 問1

次の文は、諸外国における保育の先駆者についての記述である。適切な記述を〇、不適切な記述を×とした場合の正しい組み答わせを一つ選びなさい。

× B オーエン(Owen, R.)は、ドイツに「性格形成学院」を開設し、子どもの保護と教育を行った。

  • オーエンはイギリスの社会改革運動家であり、「性格形成学院」は自ら経営するニューラナークの工場の敷地内に設立されました。幼児学校、昼間学校、夜間講義の3つからなり、1~5歳の子どもたちが学ぶ幼児学校は最初の保育所といわれます。人間の性格を環境の産物と考え、幼児期の環境が性格形成に及ぼす影響を重視しました。19世紀初頭当時は、産業革命の影響下で子どもが過酷な労働を強いられていました。

エレン・ケイは母性を重要視!でもルソーより消極的?!

「教育の最大の秘訣は、教育しないことだ」というルソーよりも消極的な名言がありますが、実は保育士試験では重要視されていません。

エレン・ケイ著書「児童の世紀」

エレン・ケイは、スウェーデンの名門で、自由主義政治家の下に育ち、ほとんど学校へ通わず、読書と知識人らとの交友を通じて自己の思想を確立しました。

エレン・ケイ

子供は大人の所有物でただの労働力だと思われ、子供への教育なんてなかった時代です。

エレン・ケイは、教職に就く傍ら、「児童の世紀」を書いていきました。

著書 児童の世紀

エレン・ケイは、子どもは大人のひな形ではない独自な存在であり、子どもへの関心を高めて心を理解することを主張しました。

また、子どもが教育を受ける権利を享受することによって主体的に育つことに大きな期待をかけました。

20世紀こそ児童の世紀として子どもが幸せに育つことのできる平和な社会を築くべきとしました。

さらに、女性( 母性 )と児童を保護するための立法を要求しました。

「児童の世紀」は各国語に翻訳されて世界的な注目を集めました。

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

エレン・ケイの女性開放運動

女性が母性を発揮することは,男性が労働で生産性を上げるのと同様であるとし、差別や不平等を解消しようとする女性開放運動に繋がりました。

大正デモクラシー期の日本にも絶大な影響をもたらしました。

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

児童の権利に関する条約へ

児童の世紀は、やがてジュネーブ宣言へつながり、児童の権利に関する条約になりました。

エレン・ケイの漫画

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

過去問

保育士試験 令和3年(2021年)前期 子ども家庭福祉 問41

次のうち、人物と関連の深い事項の組み合わせとして適切な組み合わせを一つ選びなさい。

× C  コルチャック(Korczak, J.) ―『児童の世紀』

  • 児童の世紀』は1990年にスウェーデンの女性思想家エレン・ケイによる著書です。

保育士試験 平成30年(2018年)前期 児童家庭福祉 問42

次の文は、子ども観の変遷に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○ 1.エレン・ケイ( Key,E. )は、1900年に著した『児童の世紀』において、子どもが教育を受ける権利を享受することによって主体的に育つ可能性を示した。

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育原理 問18

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  スウェーデン生まれの思想家で、自らの女性観と関連づけて新しい児童教育を提案し、代表作である『児童の世紀』( 1900年 )においては、 女性( 母性 )と児童を保護するための立法を要求した。

【Ⅱ群】

ア  エレン・ケイ( Key,E. )
イ  オーエン( Owen,R. )
ウ  シュタイナー( Steiner,R. )
エ  ヘファナン( Heffernan,H. )

保育士試験 平成29年(2017年)前期 教育原理 問23

次の文の著者として、正しいものを一つ選びなさい。

わたしたちは、わたしたちの意志と選択とは無関係に、わたしたちの先祖を通して、わたしたちの生命の一番奥の基礎となる運命が決っているのを知っている。わたしたちが自分でつくる子孫を通して、わたしたちはある程度は自由な存在として、種族の運命を決めることができるのである。
人類がすべて、これを全く新しい見方で認識しはじめ、これを発展の信仰の光のなかに見て、20世紀は児童の世紀になるのである。これは二重の意味をもっている。一つは、大人が子どもの心を理解することであり、一つは、子どもの心の単純性が大人によって維持されることである。そうなって初めて、古い社会が新しくなる。

○ 4.エレン・ケイ(Key,E.)

保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会的養護 問30

次の文は、欧米の社会的養護の歴史に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ C エレン・ケイ(Key, E.)は、1900年に著した『児童の世紀』で、20世紀こそ児童の世紀として子どもが幸せに育つことのできる平和な社会を築くべきであると主張した。

保育士試験 平成25年(2013年) 児童家庭福祉 問42

次の【I群】の児童家庭福祉の理念や思想に大きな影響を与えた人物と【II群】の業績を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】

A ルソー (Rousseau, J.-J.)
B フレーベル (Frobel, F.W.)
C オーウェン (Owen, R.)
D エレン・ケイ (Key, E.)
E コルチャック (Korczak, J.)

【II群】

工 「児童の世紀」の著者。

保育士試験 平成24年(2012年) 保育原理 問102

次の文は、保育の発展に寄与した人物とその主な功績についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ E エレン・ケイ(Key.E.)は、スウェーデンの女性解放運動家であり教職に就く傍ら多くの著作を世に出した。代表作に「児童の世紀」がある。