アレルギーの完全除去と必要最小限除去の違い?5分でマスター!

アレルギーガイドラインは読もうとするとボリュームがあり、「基礎編」から「実践編」まであります。

保育士試験では実践編まで出題されており、すべて飲み込むには時間がかかりますので、過去問を参考に抜粋しました。

目次

アレルギー疾患とは

アレルギー疾患とは、過剰な免疫反応と捉えることができます。

本来なら反応しなくてもよい無害なもの(ダニ、ホコリ、食物、花粉など)を異物として排除するため、IgE(免疫グロブリンE)抗体が作られ自分自身を攻撃します。

感染症に対する新生児の免疫I gA、Eの記事

食物アレルギー

食物アレルギーとは?

特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状のことをいう。そのほとんどは食物に含まれるタンパク質が原因で起こります。

食物アレルギーは経口摂取だけではなく、触ったり、吸い込んだり、注射を通したりして体内に入った場合にも起こります。

食物アレルギーの症状として最も多く見られるのは蕁麻疹や湿疹などの皮膚症状です。

食物アレルギーを有する子どもの割合は、0歳時で10%弱となり、以降、減少していきます。

食物アレルギーは0歳時にピークを迎える

何に気を付ければいいの?

食物アレルギーの場合、血液検査で特異的及び非特異的 IgE を測定します。

最終的には食物経口負荷テスト(OFC)を行い、食物摂取制限をします。

平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書 消費庁HP

0〜5歳の乳幼児全体の原因食品となるものは、鶏卵牛乳小麦であり、以下、ナッツ類、ピーナッツ、果物、魚卵と続きます。

また、0歳児の有病者のうち鶏卵、牛乳、小麦が原因食品となる場合が多いですが、幼児期以降に魚卵、果物、甲殻類、ピーナッツ、ナッツ類、そばを新規発症する傾向があります。

特にピーナッツ、ナッツ類、そばは誘発症状が重篤になる傾向があり、注意を要します。

鶏卵アレルギー

鶏卵タンパクが原因です。

鶏卵のアレルゲンの多くは、卵白に含まれるオボムコイド等のタンパク質です。

オボムコイド以外のタンパク質は、加熱すると変化するので、加熱をすれば鶏卵が食べられるということがあります。

ちなみに、卵殻は、鶏卵タンパクの混入はほぼなく、除去する必要は基本的にありません。

鶏肉、魚卵は除去しなければならないと勘違いされやすいですが、鶏卵アレルギーとは関係ありません。

牛乳アレルギー

牛乳アレルギーは、牛乳タンパクが原因です。

加熱すれば摂取してよいと勘違いされやすいですが、牛乳は加熱で変化を受けにくいため、アレルギーを起こす力はあまり弱まりません。

豆乳に代替えする場合は、カルシウムと鉄の含有量が少ないことに注意して摂取します。

ちなみに、母乳等にある乳糖(ラクトース)は、牛乳アレルギーであっても摂取できます。

小麦アレルギー

小麦アレルギーは、小麦タンパクが原因です。

醤油は小麦が使用されていますが、小麦タンパクは既に分解されていますので、基本的に小麦アレルギーであっても醤油を摂取することはできます。

に小麦が使用されている可能性がありますが、酢に含まれるタンパク量は非常に少なく(0.1g/100ml)、また一回摂取量も非常に少ないため、基本的には摂取することができす。

麦茶は、大麦の種子を煎じて作った飲み物であり、小麦と直接関係はありません。

しかし、小麦アレルギーのなかに麦類全般に除去指導されている場合があり、この場合に麦茶の除去が必要な場合が、まれにあります。

ナッツ類、ピーナッツアレルギー

ナッツ類とピーナッツ両者は別物です。

ちなみにナッツ類アレルギーだとしてもピーナッツアレルギーとは限りません。

どうすればいいの?

家庭ではまず食べてみよう!

家庭では、まだ食べたことがない食品を、心配だからという理由で除去をすることはしません。

子どもが初めて食べる食品は、家庭で安全に食べられることを確認してから、保育所での提供を行うことが重要です。

食べてみて異常があったら病院に行きます。

アレルギー疾患と診断された子どもの治療は、原因となる食物を、不必要な食物除去がなされることがないよう、最小限の除去とします。

その後、年齢が進むに連れて段階的に食べるようにします。

給食では完全除去が鉄則!

給食など集団生活で特別な配慮が必要な場合のみ、医師(子どものかかりつけ医)の診断及び指示に基づく生活管理指導表を保育所に提出します。

生活管理指導表は、アレルギーは症状が緩和したり悪化したり、新規の発症もあったりするため、定期的に見直しが必要です。

給食は、完全除去を行うことが基本です。

それは、調理や配膳が複雑になってしまい誤食を招くためであって、調理室の環境が整備されている、対応人員に余裕があるなど、対応環境が整っている保育所においては、一部除去を行うことを妨げるものではありません。

除去食品の解除は保護者からの書面申請を提出します。

保育所職員全員で対応!

加工食品は、納入のたびに原材料表示をよく確認します。

除去食や代替食を使用し、できるだけ他の子どもと同じテーブルで食事ができるように配慮します。

誤食の主な発生要因となる人的エラーを防ぐために、トレーの色を変えるなど保育所の職員全員で認識を共有し、対策を行うことが必要です。

食物アレルギー対策

アナフィラキシー

アナフィラキシーとは、アレルギー症状が複数の臓器において、同時かつ急激に出現した状態を言います。

ショック症状を伴うものをアナフィラキシーショックといい、血圧低下など循環器の症状が起こります。

そのときは、エピペン(アドレナリン自己注射)を保育所においても投与して、危険な症状に対処すべき場合もあります。

気管支ぜん息

小児の気管支ぜん息は、発作性にゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)を伴う呼吸困難を繰り返す疾患であり、呼吸困難は自然ないし治療により軽快、治癒しますが、ごく稀には死に至ることもあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚にかゆみのある湿疹が出たり治ったりすることを繰り返す疾患です。

乳幼児では、顔、首、肘の内側、膝の裏側などによく現れますが、ひどくなると全身に広がります。

悪化因子としては、ダニやホコリ、食物、動物の毛、汗、シャンプーや洗剤、プールの塩素、生活リズムの乱れや風邪などの感染症など、さまざまであり個々に異なります。

皮膚のバリア機能を高めるため、多くの場合は適切なスキンケアや治療によって症状のコントロール は可能で、基本的には、他の子どもと同じ生活を送ることができます。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、鼻に入ってくるアレルゲンに対しアレルギー反応を起こし、発作性で反復性のくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こす疾患です。

スギ花粉症などがあります。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜疾患とは、目の粘膜、特に結膜に、アレルギー反応による炎症(結膜炎)が起こり、目のかゆみ、なみだ目、異物感(ごろごろする感じ)、目やになどの特徴的な症状をおこす疾患です。

原因となる主なアレルゲンとしては、ハウスダストやダニ、動物の毛に加え、季節性に症状を起こすスギ、カモガヤ、ブタクサなどの花粉があります。

保育所保育指針では

1 子どもの健康支援

⑶ 疾病等への対応

ウ アレルギー疾患を有する子どもの保育については、保護者と連携し、医師の診断及び指示に基づき、適切な対応を行うこと。また、食物アレルギーに関して、関係機関と連携して、当該保育所の体制構築など、安全な環境の整備を行うこと。看護師や栄養士等が配置されている場合には、その専門性を生かした対応を図ること。

過去問

保育士試験 令和5年(2023年)前期 子どもの食と栄養 問 19

次のうち、食物アレルギーに関する記述として、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A 鶏卵アレルギーは卵黄のアレルゲンが主原因である。

○ B 小麦アレルギーの場合、米や他の雑穀類は摂取することができる。

○ C 鶏卵を材料とする天ぷらの衣やハンバーグのつなぎなどは、いも類やでんぷんで代替可能である。

× D 牛乳アレルギーの場合、基本的に牛肉も除去する。

(組み合わせ)
3 B C

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の原理 問19

次のうち、食物アレルギーに関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした 場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 免疫が外から体内に入る物質を異物として認識し排除する仕組みの中で、自分自身を攻撃する状態を作り出すことをアレルギー反応と呼ぶ。

× B アナフィラキシーショックは、食物アレルギーのある人に起こり、呼吸器や消化器など複数のアレルギー反応が起こるが、血圧低下など循環器の症状は起こらない。

× C 食物アレルギーのある子どもには、必ずエピペン®が処方されている。

× D 食物アレルギーの場合、血液検査で特異的及び非特異的 IgE を測定するが、アレルゲンとなる
食物摂取制限の決め手にはならない。

(組み合わせ) 
A B C D
1 ○ ○ × × 2 ○ × ○ × 3 ○ × × ○ 4 × ○ ○ × 5 × × ○ ○

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育の原理 問5

次のうち、乳児保育の内容の取扱いに関する記述として、「保育所保育指針」に照らし、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ B 和やかな雰囲気の中で食べる喜びや楽しさを味わい、進んで食べようとする気持ちが育つようにすることが大切であり、食物アレルギーのある子どもへの対応については、嘱託医等の指示や協力の下に適切に対応すること。

問5 次のうち、乳児保育の内容の取扱いに関する記述として、「保育所保育指針」に照らし、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A 心と体の健康は、相互に密接な関連があるものであることを踏まえ、温かい触れ合いの中で、心と体の発達を促すこと。B 和やかな雰囲気の中で食べる喜びや楽しさを味わい、進んで食べようとする気持ちが育つようにすることが大切であり、食物アレルギーのある子どもへの対応については、嘱託医等の指示や協力の下に適切に対応すること。C 保育士等との信頼関係に支えられて生活を確立していくことが人と関わる基盤となることを考慮して、子どもの多様な感情を受け止め、温かく受容的・応答的に関わり、一人一人に応じた適切な援助を行うようにすること。D 自分が大切にしている物だけではなく、友達の物も大切にする気持ちをもつようにすること。E 子どもの発語はその都度保育士が言い直し、正しい言葉をくり返すことで、言葉が獲得されていくようにすること。(組み合わせ)A B C D E1 ○ ○ ○ × ×2 ○ ○ × ○ ×3 ○ × × × ×4 × ○ ○ × ○5 × × × ○ ○

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの食と栄養 19

次の文は、食物アレルギーのある子どもの食に関する記述である。適切なものを○、不適切 なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 食物アレルギーのアレルゲンは、ほとんどが食品中に含まれるたんぱく質である。

× B 食物アレルギーに関与する主な抗体は、免疫グロブリンA(IgA)である。

  • E

○ C 乳幼児の食物アレルギーの原因食物として最も多いのは、エビ、カニなどの甲殻類である。

○ D 保育所では、乳幼児が食事の自己管理ができないために、除去食品の誤食が発生する可能性があり、保育士は注意が必要である。

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの保健 問6

次のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019 年改訂版)」(厚生労働省)に おける記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選び なさい。

○ A 医師の診断指示に基づき、保護者と連携し、適切に対応する。

○ B アトピー性皮膚炎の子どもの爪が長く伸びたままである場合、短く切ることを保護者に勧める。

× C 食物アレルギー児それぞれのニーズに細かく応えるため、食物除去は様々な除去法に対応する。

  • 調理や配膳が複雑になってしまい誤食を招くため完全除去を原則とします。

× D アレルギー疾患を有する子どもの対応法に関しては、個人情報の保護を優先し職員間での共有は控える。

  • 誤食の主な発生要因となる人的エラーを防ぐために、職員全員で認識を共有し、対策を行うことが必要です。

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの食と栄養 問16

次の文は、食物アレルギーに関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句を 【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 鶏卵アレルギーは( A 卵白 )のアレルゲンが主原因であり、オボムコイド以外は加熱や調理条件 によってアレルゲン性は( B 低下する)。

・ 牛乳アレルギーの場合、飲用乳の代替には、豆乳を用いることができるが、豆乳は牛乳と比較し て、( C )カルシウム含有量が少ないことに留意する。

【語群】

ア 卵黄 イ 卵白 ウ 低下する エ 上昇する

オ 変化しない カ カリウム キ カルシウム ク 鉄

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの食と栄養 問17

次のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(2019 年:厚生労働省)における 食物アレルギーに関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み 合わせを一つ選びなさい。

○ A 離乳開始前の子どもが入園し、食物アレルギー未発症、食物未摂取という場合も多くあるため、 保育所で初めて食べる食物がないように保護者と十分に連携する。

○ B 保育所における食物アレルギー対応の基本は、子どもが安全に保育所生活を送るという観点から、原因食品の「完全除去」か「解除」の両極で対応を進めるべきである。

× C 除去していた食品を解除する際には、保護者からの口頭での申し出でよい。

  • 除去食品の解除は保護者からの書面申請が必要です。

○ D 原因物質を食べるだけでなく、吸い込むことや触れることも食物アレルギー発症の原因となるた
め、食事以外での食材を使用する時(小麦粉粘土等を使った遊び、豆まきなど)は、それぞれの子どもに応じた配慮が必要である。

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子どもの保健 問10

次のうち、保育所での事故防止対策として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合 の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× C 食物アレルギーの子ども用の代替食は、子どもの心情を配慮して、他児のものと見た目が変わらないように工夫する。

  • 他児と見た目が変わらないと、誤食の発生要因となります。

保育士試験 令和3年(2021年)前期 子どもの食と栄養 問135

次の文のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(2019年:厚生労働省)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  魚卵、果物、ナッツ類、ピーナッツ、甲殻類は、幼児期以降に新規発症する傾向がある。

× B  アレルギー食は、別献立で作った方が、作業効率が良い。

  • アレルギー食を全く別献立で作るよりも、一般食の調理過程で流用できるような献立にしたほうが、作業効率が良くなります。

○ C  加工食品は、納入のたびに使用材料を確認する。

× D  小麦アレルギーの場合、基本的に醤油も除去する。

  • 基本的に小麦アレルギーであっても醤油を摂取することはできると記載されています。

○ E  新規の食物は、家庭において可能であれば2回以上、何ら症状が誘発されないことを確認した上で、給食として提供することが理想的である。

保育士試験 令和元年(2019年)後期 子どもの保健 問109

次のA ~ Eは、子どものアレルギーに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  学童より0、1、2歳児の方が食物アレルギー児は多い。

× B  給食での食物除去は完全除去や部分除去など、段階的に細かく行う。

  • 保育所の食物アレルギー対応における原因食品の除去は、完全除去を行うことが基本となっています

○ C  生活管理指導表は、アレルギー疾患と診断された園児が保育所の生活において特別な配慮や管理が必要となった場合に限って作成する。

× D  アレルギー体質の子どもは、年齢によって様々な症状を起こすが、最初に起こりやすい症状はぜんそくである。

  • 食物アレルギー、アトピー性皮膚炎がおこりやすいです。

○ E  アトピー性皮膚炎の子どもの皮膚のバリア機能は低下している。

保育士試験 平成30年(2018年)前期 子どもの食と栄養 問139

次の文は、「食物アレルギー診療ガイドライン2016」( 日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会 )の食物アレルギーへの対応と食事に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  食物アレルギーの基本的栄養食事指導は、必要最小限の食物除去を心がける。

○ B  食物除去の開始後は定期的に栄養面を評価し、必要に応じて栄養士の協力を得て栄養指導をする。

○ C  鶏卵アレルギーがある場合、鶏肉は一般的に除去不要とされている。

× D  牛乳アレルギーがある場合、洋菓子やホワイトソースに用いられる牛乳は加熱されるので、一般的に除去不要とされている。

  • 牛乳のアレルギーは、加熱による変化を受けにくいため、アレルギーを起こす力はあまり弱まりません。

○ E  大豆アレルギーがある場合、醤油、味噌、大豆油は一般的に除去不要とされている。

保育士試験 平成29年(2017年)前期 子どもの保健 問116

次の文は、食物アレルギーに関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

× 1.食物アレルギーとは、ある食物を経口摂取した後に不快な症状を呈するものをいう。

  • 食物アレルギーは経口摂取だけではなく、触ったり、吸い込んだり、注射を通したりして体内に入った場合にも起こります。

× 2.平成21年度の日本保育園保健協議会での全国調査によると、食物アレルギーの有病率は約20%であった。

  • 1歳前のピークで10%弱てす。→今も同じ

○ 3.食物アレルギーの原因として保育所で除去されている食物のうち最も頻度の高いものは鶏卵であり、次いで乳製品である。

× 4.食物アレルギーの症状で最も多いものは呼吸器症状である。

  • 湿疹などの皮膚疾患が多いてす。

× 5.食物アレルギーの治療は原因食物の除去であり、乳児期からの早期除去が望まれる。

  • 食物アレルギーの治療の原則として「原因食品の最小限の除去」ということが言われています。食物アレルギーを起こした食品であっても、症状が引き起こされる量までは食べられる範囲であり、医師の判断のもと症状を誘発しない範囲の量の摂取や調理法によって症状なく摂取できるものについては除去せずに摂取します。心配だから、という理由だけで過剰な除去をすることはしません。

保育士試験 平成28年(2016年)後期 子どもの保健 問118

次の文は、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(厚生労働省)の「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」(生活管理指導表)に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

× 1.保護者は、入園面接時に生活管理指導表を提出しなければならない。

  • アレルギー疾患と診断された子どもで、集団生活で特別な配慮が必要な場合のみ、医師に記入してもらい園や学校に提出します。

× 2.生活管理指導表は、保育所で新たに配慮が必要と思われた時は次年度の始めに保護者から提出してもらう。

  • アレルギーは症状が緩和したり悪化したり、新規の発症もあったりするため、1年ごとに見直して提出しなければなりません。全国共通なので、転園や転校をしてもそのまま使えます。この書類を基に面談を行い、一人ひとりの症状をふまえたアレルギー対応を検討します。

× 3.生活管理指導表の記載は、アレルギー専門医が行う。

  • 性格管理指導表は、保護者の依頼を受けて、医師(子どものかかりつけ医)が記入します。

× 4.生活管理指導表をもとに、主治医が保育所での生活全般について具体的な指示をする。

  • 医師と保護者、保育所における重要なコミュニケーションツールとなるものであり、指示をするものではありません。

○ 5.生活管理指導表は、アレルギー疾患と診断された園児が、保育所の生活において特別な配慮や管理が必要となった場合に限って作成する。

保育士試験 平成28年(2016年)後期 子どもの食と栄養 問140

次の文は、食物アレルギーのある子どもの食に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  食物アレルギーを引き起こす抗体のことを免疫グロブリンA(IgA)という。

  • 食物に含まれている免疫系の抗体は免疫グロブリンE(IgE)といいます。

× B  食物アレルギーのアレルゲンは、ほとんどが食品中に含まれる糖質である。

  • 食物アレルギーの抗原の大多数はタンパク質です。乳幼児期には消化能力が未熟であったり、組織や局所免疫が不完全だと、タンパク質が十分消化されないまま循環系に入り、免疫系を刺激してアレルギーの症状を起こしてしまいます。

× C  乳幼児の食物アレルギーのアレルゲンは、エビ、カニなどの甲殻類が多い。

  • アレルゲンは卵、牛乳、小麦、そば、えび、ピーナッツ、大豆などが多いと言われています。

○ D  除去食や代替食を使用し、できるだけ他の子どもと同じテーブルで食事ができるように配慮する。

○ E  保育所等では、職員、保護者、主治医と十分な連携をとるようにする。

保育士試験 平成27年(2015年) 子どもの保健 問120

次の文は、子どものアレルギー疾患に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A 幼児はスギ花粉症にかからない。

  • 幼児でもスギ花粉症にかかることはあります。

○ B 気管支喘息は、喘鳴を伴う呼吸困難の発作を繰り返すことが特徴である。

× C 室内塵中のダニに感作されることがアトピー性皮膚炎の原因である。

  • アトピー性皮膚炎は、体質や環境など様々な条件が重なって発症するとされています。

○ D 乳幼児の食物アレルギーの原因食物は、鶏卵であることが多い。

× E 乳幼児の食物アレルギーの主な症状は、アナフィラキシーショックである。

  • 乳幼児の食物アレルギーの症状は、様々な症状があります。中でもアナフィラキシーショックは重篤な症状です。

保育士試験 平成27年(2015年) 子どもの保健 問120

次の文は、子どものアレルギー疾患に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A 幼児はスギ花粉症にかからない。

  • 幼児でもスギ花粉症にかかることはあります。

○ B 気管支喘息は、喘鳴を伴う呼吸困難の発作を繰り返すことが特徴である。

× C 室内塵中のダニに感作されることがアトピー性皮膚炎の原因である。

  • アトピー性皮膚炎は、体質や環境など様々な条件が重なって発症するとされています。

○ D 乳幼児の食物アレルギーの原因食物は、鶏卵であることが多い。

× E 乳幼児の食物アレルギーの主な症状は、アナフィラキシーショックである。

  • 乳幼児の食物アレルギーの症状は、様々な症状があります。中でもアナフィラキシーショックは重篤な症状です。

保育士試験 平成25年(2013年) 子どもの保健 問108

次の文は、食物アレルギーに関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○ 1.食物アレルギーとは、特定の食物を摂取した後に免疫学的機序を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状のことをいう。

○ 2.原因となる食物は多岐にわたるが、保育所で除去されている食物は、鶏卵や乳製品などが多い。

○ 3.皮膚・粘膜症状が比較的多いが、複数の臓器に症状が出現する状態をアナフィラキシーと呼ぶ。

○ 4.保育士でアナフィラキシーなどの重篤な反応が起きた場合、適切な処置をするとともに速やかに医療機関に救急搬送することが基本である。

× 5.心臓の働きを強めたり、血圧を上げたり、気管・気管支など気道を拡張する作用のある「エピペン」は、保育所では使用してはならない。

  • アナフィラキーショックが起こったときは、エピペン(アドレナリン自己注射)を保育所においても投与して、危険な症状に対処すべき場合もあります。

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