里親及びファミリーホーム養育指針「第Ⅱ部 各論」の要点 5分で理解する!

里親及びファミリーホーム養育指針第Ⅰ部総論からの続き

ここでは、里親及びファミリーホーム養育指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、里親及びファミリーホーム養育指針の特有のことや、過去問題で出題された部分を太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

また児童養護施設と同様のものは背景にグレー表示をしています。

運営指針MAP

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1.養育・支援

(1)養育の開始

・里親及びファミリーホームにおける家庭養護は、子どもを養育者家族の生活の場である家庭に迎え入れて行う公的な養育であり、「中途からの養育」であることがその特徴である。
・養育者が子どもを迎え入れるとき、ともに生活する仲間として一緒に生活できることの喜びを子どもに伝えることから養育が始まる。
・子どもたちのそれまでの生活や人生を尊重し、不安や戸惑いがあることを前提として迎える。家庭に新しいメンバーが加わることによる変化は決して小さいものではなく、子どもたちが、養育者家庭の一員として落ちつくまでに要する時間も、子どもの個性や年齢、背景によって異なることを理解する。
・また、迎える家庭の構成員が、子どもを迎えることを望み、納得していることが重要である。
既に受託している子どもや実子を含む、生活を共にしている子どもへの事前の説明や働きかけを行うとともに、心の揺れ動きなどに十分に配慮する。

(2)「中途からの養育」であることの理解

・実親子関係は根源的な人間関係である。その関係から引き離され、あらたな養育者と関係を形成することの重要性と、それに伴う子どもの困難さや行動上の課題等を理解した上で、子どもの育ち直しの過程を適切な対応により十分に保障する。
・子どもは被虐待的環境から安心・安全な環境に身を置くことで、養育者との関係や許容範囲などを確かめる行動や、いわゆる「赤ちゃん返り」と言われる退行を示すことがある。
・養育者がこうした行動を否定することなく受け入れることは、子どもの育ち直しの過程において必要不可欠である。
・養育者として対応に苦慮するときや対応方法が見つからない時等は、社会的養護の担い手として速やかに他者に協力を求めることが大切である。
実子などを養育した過去の経験が、こうした子どもの養育過程において必ずしも有効に活用できないこともあり、むしろそうした体験が育ち直そうとしている子どもの養育を妨げる場合のあることを理解し、他者の助言や協力を求めることが必要である。
・子どもが抱えている否定的な自己認識を肯定的な認識に変化できるよう、子どもとともにそれまでの生育歴を反復して振り返り、整理することが必要である。

(3)家族の暮らし方、約束ごとについての説明

・「日課」や「規則」がなく、集団生活ではない、あるいは、その要素が緩やかなことが家庭養護の良さである。しかし、ルールが全く無い、あるいは必要はないということではなく、個々の家庭には、その家庭の暮らし方がある。
・迎える子どもに、最低限必要な家庭の決まりを説明して、その子どもの意見を聞いた上で、合意を得ることが必要である。
・子どもと合意を得ることは、迎える家庭が、その家庭らしさを保つためであり、また、家庭に迎える子どもの適応を助け、暮らしやすさを実現するためにも必要である。
・細かすぎるルールを養育者が子どもに強要するのではなく、子どもの年齢や状況に応じて、子ども自身の意見を参考にして、適宜見直すことが必要である。

(4)子どもの名前、里親の呼称等

・子どもの「姓」、子どもの「名前」は、その子ども固有のものであり、かけがえのないものである。
子どもを迎え入れた里親の姓を通称として使用することがあるが、その場合には、委託に至った子どもの背景、委託期間の見通しとともに、子どもの利益、子ども自身の意思、実親の意向の尊重といった観点から個別に慎重に検討する。
・里親の考え方もあるが、里親だけで決められるものではなく、関係者間での方針の確認が必要である。
・里父や里母の呼称について、お父さん、お母さん、おじさん、おばさん、○○(里親姓)のお父さん、お母さんなど受託された子どもの状況で決める。
里親として子どもを迎えたことを近隣にどう伝えるかは、養育里親である場合や養子縁組希望里親の場合とでは子どもの状況が異なるため、よく検討して進める必要がある。
・養子縁組を希望する場合などは、子どもの年齢に応じて里親姓である通称を使用し、近隣や地域、学校等の関係者への説明や理解を得るよう働きかけることも大切である。

(5)幼稚園や学校、医療機関等との関係

・学校等は、子どもが 1 日の多くの時間を過ごす大切な生活の場である。学校との良好な協力関係を築くことにより、保護者と教師という関係だけでなく、同じ支援者の立場でのより有効な子どもへの支援に結びつけることができる。
・子どもが通う幼稚園や学校には、社会的養護を必要とする子どもの養育であることを伝え、よき理解者となってもらえるよう、働きかけることが必要である。
・子どもも、新しい生活の場に移行したことで幼稚園・学校で落ち着かず、順調にいかないこともある。里親側が心を閉じると、養育上の様々なリスクを高めてしまい、子ども自身に負荷をかけることもある。
医療機関によっては、里親が社会的養護である家庭養護について説明しなくてはならない負担感を感じることがある。
・しかし、あきらめず必要な説明をするとともに、里親が抱えた思いを信頼できる人に聞いてもらったり、里親経験者の工夫や里親支援担当者からアイデアを聞いたりし、周囲に理解を求めていく姿勢を保つことが求められる。
児童相談所の職員等が、新規委託児童の通う幼稚園や学校に里親とともに出向き、園長、校長、担任らに里親養育の理解を求めるための事前説明をし、子どもの姓の扱いなど要点を含めて確認する機会をもつ取組がなされている。社会との関係形成のプロセスに、必要に応じて児童相談所等の関係機関に支援を求めること、説明する言葉を得るためにしおり等を活用することも有効である。

(6)子どもの自己形成

・子どもの人生は、生まれた時から始まっている。自己の生い立ちを知ることは自己形成において不可欠である。真実告知は行うという前提に立ち、子どもの発達や状況に応じて伝え、子どもがどう受け止めているかを確かめつつ、少しずつ内容を深めていくことが大切である。
・「真実告知」は、単に「血縁上の親が別にいること」「養育者と血のつながりがないこと」を告げるという意味ではなく、主たる養育者である里親等が、「この世に生を受けたことのすばらしさ」「あなたと共に暮らせるようになった喜び」や子どもの生い立ちなどについて、嘘の無い「真実」として子どもに伝えることである。その「真実」をどのように表現をするかを配慮しなければならない。
・思春期の場合や小学校で行われる「生い立ちについての授業」などには、他の里親の経験や児童相談所からのアドバイス等を参考にして、学校関係者とも必要な理解や配慮の共有に努めながら、具体的に対処する。そのためにも、教育関係者との連携を日常的に築いておくことが重要である。
・真実告知のタイミングは、里親等が児童相談所や支援機関と相談の上、行うことが望ましい。
・ライフストーリーワークなど子どもの生きてきた歴史や子どもに寄せられて来た思いを綴り、写真や数値、できるようになったこと、かかわってくれた人・物などとともに記録としてまとめることも、子どもが、自らを「他者と違う固有の存在」「尊厳をもった大切な自分」であると気づき、自分を大切にし、誇りをもって成長するために有効である。

(7)実親との関係

・子どもにとっての実親は、子どもが自身を確認する上での源である。子どもの前で子どもの親の否定をしない。また、子ども自身から実親のことが語られる場面では、どう語られるかに耳を傾けるとともに、話されたことに養育者がどう応答するかについて配慮する。
・一見身勝手に思える実親の行動や態度に対し、背景にある実親なりの事情や実親自身の思いが十分に理解できず、養育者として否定的な感情を持つこともある。そのことを実親も敏感に察し、積極的な子どもへのかかわりを躊躇することも考えられる。養育者として実親の状況の理解や共感に努める姿勢は、子どものためにも必要である。
・子どもが実親に怒りを持ったり、実親に会えないことを自己否定的にとらえたり、里親等への配慮から実親について尋ねたい気持ちに遠慮することもある。実親について語ることを家庭内でのタブーとしないことも重要である。
・子どもの実親についての受け止め方は、養育者との生活のなかで変化し、子どもの心や日常生活、生き方に大きな影響を与える。子どもの立場に立って実親への思いを理解することが、養育者に不可欠である。児童相談所とも情報を共有し、見通しを確認する。
・実親が複雑で深刻な事情を抱えている場合もあり、実親の子どもに対する思いも様々である。実親が子どもを養育できないことの背景にある個々の問題を踏まえ、実親の抱える課題や生活問題に、子どもと里親等が巻き込まれないようにしながら、子どもと実親との交流そのものは保証する。
・一定のルールのもとで、実親との面会、外出、一時帰宅などの交流を積極的に行う。実親とのかかわりが、子どもの生活や福祉、里親等とその家族の生活を脅かす場合に限り、交流が制限される。
・交流をどのように行うかについては、養育者と児童相談所が協議し、子ども自身の意見を踏まえて決定する。交流の実施状況を児童相談所が把握し、トラブルが生じた場合の対応を明確にしておくことも大切である。
・実親の状態が不明な場合、実親の状況が子どもに伝えられていない場合、望んでも実親との交流がかなわない場合、子どもが交流を希望しない場合や、虐待を受けた子どもの場合など、子どもの状況を踏まえて、適切な配慮を行う。
・実親との交流により、子どもが不安定になり、意欲の低下や体調等を崩す場合もある。交流後の子どもの様子を把握し、気持ちをくみ上げるコミュニケーションを心がけるなど、個々の子どもの状況に応じて対応する。

(8)衣食住などの安定した日常生活

・里親等が提供する養育だけが、子どもの心身を安定させ、成長させ、生きる力を増進させるのではなく、里親等と里親等家族の存在、家族間の関係、食事、生活習慣、余暇の過ごし方などあたりまえの生活や親族・友人・地域との関係など里親等家庭での暮らしそのものが子どもを育むことを理解する。
・子どもはこうした生活を通して将来の社会生活や成長して、家庭を作る場合に役立つ技術を身につけ、家庭生活のモデルを形成することができる。

(9)実子を含む家族一人一人の理解と協力

・家庭に子どもを迎え入れるため、家族の一部は生活に参加しないということができない。先に受託している子どもを含め、家族全員が新しく迎え入れる子どもとの生活に影響を受けることを受け止める必要がある。
・養育者や児童相談所は、新たな子どもを受け入れられる状況であるか否か、家庭や子どもの状況のアセスメントを前提としたマッチングを行い、双方が判断する。
・養育者や児童相談所は、家庭養護は実子の養育体験とは、必ずしも同じではないこと、一人の子どもが加わることによって変化する家庭内の力動の変化や個々人への影響があることを考慮する。
・養育者は受託している子どもとそれぞれ個別の時間やかかわりをもつように、実子と過ごしたり話したりする場面・時間も作ることが大切である。
・実子や既に受託している子どもに、適宜必要なことを説明する。生活を共有する立場である実子も、子どもとして意見表明できる雰囲気と関係を保つ。

(10)子どもの選択の尊重

・子どもが興味や趣味に合わせて、自発的な活動ができるよう工夫する。子ども一人一人の選択を尊重する。子どもが自分の好みや要望を表現できる雰囲気を生活の中につくる。
・子どもが自分の要望を表明するとともに、他者の要望も受け止めながら、対話ができていくように、ときには養育者が仲介しながらコミュニケーションの育ちを支える。

(11)健康管理と事故発生時の対応

・子どもの状態や発達段階に応じて、体の健康や衛生面に留意し、健康上特別な配慮を必要とする子どもについては、児童相談所や医療機関と連携する。
・事故や感染症の発生など緊急時には、子どもの安全を確保する。児童相談所と緊急の連絡方法などを確認しておく。
・災害時の避難方法や子どもの安全確保について、養育者らで確認する。食料や備品類など災害時の備蓄等を行う。
・災害などに対して備えていることを養育者の責任として子どもにも説明し、実際に見せて確認し、安心感をもって生活できるよう配慮する。

(12)教育の保障と社会性の獲得支援

・それまでの生育環境により、経験不足や基礎学力の不足など多くの課題を抱えている子どもにとって、学ぶ楽しさを取り戻し、さらには高校や大学などに進学する学力を獲得することは、子どもが自尊心を回復し、自立への歩みを踏み出す契機としても重要なことである。
・子どもの学力の状態に応じて、学習意欲を十分に引き出しながら、学習が安定に向かうよう工夫して支援する。必要に応じて、学習ボランティアや塾の活用を考える。
・年齢や発達状況など個々の状態に応じた社会性の獲得を目指し、体験の幅を広げるとともに、社会に出て行く子どもには、社会の一員であることが自覚できるよう支援を行う。

(13)行動上の問題についての理解と対応

・子どもが新しい環境や家族との関係に安心した時に表れる行動上の問題があることを理解する。
・子どもの行動にはメッセージが含まれていること、その子どもにとって何らかの意味があることを理解し、時には養育者同士で話すことで安心を得ることも大切である。心理的な支援を必要とする子どもについては、専門機関に相談する。
・性に関することをタブー視せず、子どもの年齢や発達状況に応じて、子どもの疑問や不安に答える。個別の状況に対応し、性の教育につながる支援を行う。

(14)進路選択の支援

・子ども自身の思いや要望によく耳を傾け、一緒に検討していく姿勢をもち、子どもの進路や就職支援など自己決定や自己選択ができるように判断材料を一緒に収集するなどして支援する。
・子どもにとって見通しがもてるよう、児童相談所や実親等と十分に話し合うことも大切である。

(15)委託の解除、解除後の交流

・円滑に委託解除できるよう、子どもの意向を尊重するとともに、児童相談所の里親担当者と子ども担当者を交え、十分に話し合う。
・進路決定後も可能な限り相談に応じ、つまずきや失敗など何らかの問題が生じた場合にも支援を心がける。
・進学や就職したあと、また成人したあとも、実家のようにいつでも訪問でき、また、相談に応じられるような交流を継続する。

(16)養子縁組

・養子制度の意義は、保護者のない子ども又は家庭での養育が望めない子どもに温かい家庭を与え、かつその子どもの養育に法的安定性を与えることにより、子どもの健全な育成を図るものである。

・普通養子縁組は、家庭裁判所の許可を受け、実親との法律上の関係は継続され、戸籍上は養子と記載される。特別養子縁組は、家庭裁判所の審判により、実親との親子関係は終了し、戸籍上は養親の長男・長女等と記載され、養子となる年齢に6歳未満という制限がある。
・養子制度は、永続的な養育が必要な子どもが、法的に親子関係を結び、より安定感を得ることができるようにする子どものための制度であり、跡継ぎを得るための制度ではないことを理解する必要がある。
・子どもを望みながら子どものない家庭や不妊治療を受けている家庭にとっては、里親制度や養子縁組制度が選択肢の一つとなるが、養育に困難さを覚えることもある。養親が子どもの最善の利益を実践することを理解するとともに、児童相談所や支援機関等で支えることが大切である。
養子縁組成立後、児童相談所や里親会と離れてしまう養親も多い。しかし、親子の関係を築くなかで、様々な課題や問題が生じてくる。生い立ちなどの真実告知や実親への思いや葛藤、ルーツを探すことなどに、親子で対峙し、乗り越えることになる。先輩の養親や里親との交流や児童相談所への相談など、関係者や関係機関の支援を受けることが、よりよい親子の関係を結ぶことになる。

里親及びファミリーホーム養育指針

2.自立支援計画と記録

(1)自立支援計画

・児童相談所は、子どもが安定した生活を送ることができるよう自立支援計画を作成し、養育者はその自立支援計画に基づき養育を行う。
・自立支援計画には、子どもが委託される理由や育ってきた環境、養育を行う上での留意点や委託期間、実親との対応などが記載されていで、気になることは児童相談所に相談し、必要に応じて説明を受け、見通しを確認しながら、より子どもやその家族のことを理解する。

(2)記録と養育状況の報告

・受託した子どもの養育状況を適切な文言で記録を書くことや報告することを通して、子どもや子どもに関係する状況に対する理解を深め、また、養育者自身が養育を客観的に振り返ることができる。
・また、記録は子どもが家庭引き取りになる場合は、実親にとって子どもを理解する手段となり、養子縁組をする場合は、成長の記録の一部となる。
・子どもの課題や問題点などだけでなく、できていること、良いところ、成長したところなど、ポジティブな側面も記録することは、子どものより正確な理解を促すことにもなる。
・子どもが行動上の問題を起こす場合もあるため、問題が生じた背景や状況を記録し、児童相談所から適切な支援を受ける。

・子どもの変化や状況を児童相談所に伝え、児童相談所と一緒に定期的に自立支援計画を見直す。

3.権利擁護

(1)子どもの尊重と最善の利益の考慮

・子どもを権利の主体として尊重する。子どもが自分の気持ちや意見を素直に表明することを保障するなど、常に子どもの最善の利益に配慮した養育・支援を行う。
・子どもが主体的に選択し、自己決定し、問題の自主的な解決をしていく経験をはじめ、多くの生活体験を積む中で、健全な自己の成長や問題解決能力の形成を支援する。
・つまずきや失敗の体験を大切にし、自主的な解決等を通して、自己肯定感を形成し、たえず自己を向上発展させるための態度を身につけられるよう支援する。
・子どもに対しては、権利の主体であることや守られる権利について、権利ノートなどを活用し、子どもに応じて、正しく理解できるよう随時わかりやすく説明する。

(2)子どもを尊重する姿勢

・社会的養護を担う養育者として理解する必要のある倫理を確認し、意識化するとともに、養育者らは子どもの権利擁護に関する研修に参加し、権利擁護の姿勢を持つ。
・独立した養育の現場で子どもに密にかかわる者として、子どもが、生活の中で自分が大切にされている実感を持てるようにする。

(3)守秘義務

・子どもが委託に至る背景や家族の状況など、養育者として知り得た子どもや家族の情報のうち、子どもを守るために開示できない情報については、境界線を決めて確認し、守秘義務を守り、知り得た情報を外部には非公開で保持する。
近隣に話をしにくかったり、里親として子どもを養育していることを周囲にどう言えばよいかわからなかったりする里親も多い。「特別な子ども」として認識されることが目的ではないので、ごくあたりまえの家庭生活を送り、養育していることの理解を得る。

(4)子どもが意見や苦情を述べやすい環境

・日常的に子どもが自分を表現しやすい雰囲気をつくり、自分の思いをいったん受け止めてもらえる安心感や養育者との関係を確保することが養育の要である。

・里親やファミリーホームが、課題の多い子どもを受託し、専門的な支援を行う場

4.関係機関・地域との連携

(1)関係機関等との連携

・子どもの最善の利益を実現するために、児童相談所や関係機関と連携し、子どもや家族の情報を相互に提供し、共有する。未成年後見人がある場合にも、連携し、情報を共有する。
・乳児院、児童養護施設、児童家庭支援センター等の施設は、地域の社会的養護の拠点であり、里親支援の役割も持つことから、里親等は、社会的養護の担い手として、施設等と良きパートナーシップを構築し、連携する。
・施設との関係を活かすには、施設側の里親理解、里親側の施設理解がともに必要である。
施設の里親支援専門相談員は、児童相談所の里親担当職員等とともに、里親等の家庭訪問や、相談への対応、レスパイトの調整など、施設機能を活かして里親等の支援を行う。
・ファミリーホームは、地域における社会的養護の一つの拠点として存在する。子どもたちが地域の子どもとしてあたりまえに生活することは、地域の子どもにとっても大切である。
・里親やファミリーホームが、課題の多い子どもを受託し、専門的な支援を行う場合には、地域にある社会資源を活用し、また、支援を得るため、関係機関等と特に密接に連携することが必要である。

(2)地域との連携

・社会的養護を必要とする子どもの養育に対して地域の人々の理解を得るために、子どもと地域との交流を大切にし、コミュニケーションを活発にする取り組みを行うなど、養育者の側から地域への働きかけを行う。
ファミリーホームでは、必要に応じ、ボランティアを受け入れる場合もあるが、実子や受託している子どもと同世代や、子どもが学校などで関係のある人材によるボランティアの受け入れには配慮する。

5. 養育技術の向上等

(1)養育技術の向上

・養育者らは、子どもの養育・支援及び保護者に対する養育に関する助言や支援が適切に行われるように、研修等を通じて、必要な知識及び技術の習得、維持及び向上に努める。
・社会的養護に携わる者として、養育者一人一人が課題を持って主体的に学ぶとともに、地域の関係機関など、様々な人や場とのかかわりの中で共に学び合い、活性化を図っていく。

研修などの場で養育者が「できていない」ことを開示できる安心感を確保する。
・ファミリーホームでは、主たる養育者は、養育者だけでなく補助者についても、資質向上のため研修会等への参加の機会を設ける。

(2)振り返り(自主評価)の実施

・養育者らは養育のあり方をより良くしていくためには、できていないことや課題の認識とともに、養育の中ですでにできていること、子どもに表れているよき変化等もあわせてとらえ、多面的に振りかえっていくことが必要である。
・ファミリーホームでは、運営や養育内容について、自己評価、外部の評価等、定期的に評価を行う。養育者だけなく、子どもも相談できる第三者委員を置くことは、ファミリーホームの養育の質を高める方法である。

過去問

保育士試験 令和4年 社会的養護 問2

次の文は、「里親及びファミリーホーム養育指針」(平成 24 年3月 厚生労働省)の一部であ る。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを 一つ選びなさい。

・ 子どもを( A 権利の主体)として尊重する。子どもが自分の気持ちや意見を素直に表明することを保障
するなど、常に子どもの( B 最善の利益)に配慮した養育・支援を行う。
(中略) ・ 子どもに対しては、( A 権利の主体)であることや守られる権利について、( C 権利ノート)などを活用し、子どもに応じて、正しく理解できるよう随時わかりやすく説明する。

ア 権利の主体 イ 権利の客体 ウ 最低限の生活保障
エ 最善の利益 オ 権利ノート カ 第三者評価

里親及びファミリーホーム養育指針「第Ⅱ部 各論①」の要点 5分で理解する!

里親及びファミリーホーム養育指針第Ⅰ部総論からの続き

ここでは、里親及びファミリーホーム養育指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、里親及びファミリーホーム養育指針の特有のことや、過去問題で出題された部分を太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

また児童養護施設と同様のものは背景にグレー表示をしています。

里親及びファミリーホーム養育指針 第Ⅱ部 各論
1.養育・支援

(1)養育の開始

・里親及びファミリーホームにおける家庭養護は、子どもを養育者家族の生活の場である家庭に迎え入れて行う公的な養育であり、「中途からの養育」であることがその特徴である。
・養育者が子どもを迎え入れるとき、ともに生活する仲間として一緒に生活できることの喜びを子どもに伝えることから養育が始まる。
・子どもたちのそれまでの生活や人生を尊重し、不安や戸惑いがあることを前提として迎える。家庭に新しいメンバーが加わることによる変化は決して小さいものではなく、子どもたちが、養育者家庭の一員として落ちつくまでに要する時間も、子どもの個性や年齢、背景によって異なることを理解する。
・また、迎える家庭の構成員が、子どもを迎えることを望み、納得していることが重要である。
既に受託している子どもや実子を含む、生活を共にしている子どもへの事前の説明や働きかけを行うとともに、心の揺れ動きなどに十分に配慮する。

(2)「中途からの養育」であることの理解

・実親子関係は根源的な人間関係である。その関係から引き離され、あらたな養育者と関係を形成することの重要性と、それに伴う子どもの困難さや行動上の課題等を理解した上で、子どもの育ち直しの過程を適切な対応により十分に保障する。
・子どもは被虐待的環境から安心・安全な環境に身を置くことで、養育者との関係や許容範囲などを確かめる行動や、いわゆる「赤ちゃん返り」と言われる退行を示すことがある。
・養育者がこうした行動を否定することなく受け入れることは、子どもの育ち直しの過程において必要不可欠である。
・養育者として対応に苦慮するときや対応方法が見つからない時等は、社会的養護の担い手として速やかに他者に協力を求めることが大切である。
実子などを養育した過去の経験が、こうした子どもの養育過程において必ずしも有効に活用できないこともあり、むしろそうした体験が育ち直そうとしている子どもの養育を妨げる場合のあることを理解し、他者の助言や協力を求めることが必要である。
・子どもが抱えている否定的な自己認識を肯定的な認識に変化できるよう、子どもとともにそれまでの生育歴を反復して振り返り、整理することが必要である。

(3)家族の暮らし方、約束ごとについての説明

・「日課」や「規則」がなく、集団生活ではない、あるいは、その要素が緩やかなことが家庭養護の良さである。しかし、ルールが全く無い、あるいは必要はないということではなく、個々の家庭には、その家庭の暮らし方がある。
・迎える子どもに、最低限必要な家庭の決まりを説明して、その子どもの意見を聞いた上で、合意を得ることが必要である。
・子どもと合意を得ることは、迎える家庭が、その家庭らしさを保つためであり、また、家庭に迎える子どもの適応を助け、暮らしやすさを実現するためにも必要である。
・細かすぎるルールを養育者が子どもに強要するのではなく、子どもの年齢や状況に応じて、子ども自身の意見を参考にして、適宜見直すことが必要である。

(4)子どもの名前、里親の呼称等

・子どもの「姓」、子どもの「名前」は、その子ども固有のものであり、かけがえのないものである。
子どもを迎え入れた里親の姓を通称として使用することがあるが、その場合には、委託に至った子どもの背景、委託期間の見通しとともに、子どもの利益、子ども自身の意思、実親の意向の尊重といった観点から個別に慎重に検討する。
・里親の考え方もあるが、里親だけで決められるものではなく、関係者間での方針の確認が必要である。
・里父や里母の呼称について、お父さん、お母さん、おじさん、おばさん、○○(里親姓)のお父さん、お母さんなど受託された子どもの状況で決める。
里親として子どもを迎えたことを近隣にどう伝えるかは、養育里親である場合や養子縁組希望里親の場合とでは子どもの状況が異なるため、よく検討して進める必要がある。
・養子縁組を希望する場合などは、子どもの年齢に応じて里親姓である通称を使用し、近隣や地域、学校等の関係者への説明や理解を得るよう働きかけることも大切である。

(5)幼稚園や学校、医療機関等との関係

・学校等は、子どもが 1 日の多くの時間を過ごす大切な生活の場である。学校との良好な協力関係を築くことにより、保護者と教師という関係だけでなく、同じ支援者の立場でのより有効な子どもへの支援に結びつけることができる。
・子どもが通う幼稚園や学校には、社会的養護を必要とする子どもの養育であることを伝え、よき理解者となってもらえるよう、働きかけることが必要である。
・子どもも、新しい生活の場に移行したことで幼稚園・学校で落ち着かず、順調にいかないこともある。里親側が心を閉じると、養育上の様々なリスクを高めてしまい、子ども自身に負荷をかけることもある。
医療機関によっては、里親が社会的養護である家庭養護について説明しなくてはならない負担感を感じることがある。
・しかし、あきらめず必要な説明をするとともに、里親が抱えた思いを信頼できる人に聞いてもらったり、里親経験者の工夫や里親支援担当者からアイデアを聞いたりし、周囲に理解を求めていく姿勢を保つことが求められる。
児童相談所の職員等が、新規委託児童の通う幼稚園や学校に里親とともに出向き、園長、校長、担任らに里親養育の理解を求めるための事前説明をし、子どもの姓の扱いなど要点を含めて確認する機会をもつ取組がなされている。社会との関係形成のプロセスに、必要に応じて児童相談所等の関係機関に支援を求めること、説明する言葉を得るためにしおり等を活用することも有効である。

(6)子どもの自己形成

・子どもの人生は、生まれた時から始まっている。自己の生い立ちを知ることは自己形成において不可欠である。真実告知は行うという前提に立ち、子どもの発達や状況に応じて伝え、子どもがどう受け止めているかを確かめつつ、少しずつ内容を深めていくことが大切である。
・「真実告知」は、単に「血縁上の親が別にいること」「養育者と血のつながりがないこと」を告げるという意味ではなく、主たる養育者である里親等が、「この世に生を受けたことのすばらしさ」「あなたと共に暮らせるようになった喜び」や子どもの生い立ちなどについて、嘘の無い「真実」として子どもに伝えることである。その「真実」をどのように表現をするかを配慮しなければならない。
・思春期の場合や小学校で行われる「生い立ちについての授業」などには、他の里親の経験や児童相談所からのアドバイス等を参考にして、学校関係者とも必要な理解や配慮の共有に努めながら、具体的に対処する。そのためにも、教育関係者との連携を日常的に築いておくことが重要である。
・真実告知のタイミングは、里親等が児童相談所や支援機関と相談の上、行うことが望ましい。
・ライフストーリーワークなど子どもの生きてきた歴史や子どもに寄せられて来た思いを綴り、写真や数値、できるようになったこと、かかわってくれた人・物などとともに記録としてまとめることも、子どもが、自らを「他者と違う固有の存在」「尊厳をもった大切な自分」であると気づき、自分を大切にし、誇りをもって成長するために有効である。

(7)実親との関係

・子どもにとっての実親は、子どもが自身を確認する上での源である。子どもの前で子どもの親の否定をしない。また、子ども自身から実親のことが語られる場面では、どう語られるかに耳を傾けるとともに、話されたことに養育者がどう応答するかについて配慮する。
・一見身勝手に思える実親の行動や態度に対し、背景にある実親なりの事情や実親自身の思いが十分に理解できず、養育者として否定的な感情を持つこともある。そのことを実親も敏感に察し、積極的な子どもへのかかわりを躊躇することも考えられる。養育者として実親の状況の理解や共感に努める姿勢は、子どものためにも必要である。
・子どもが実親に怒りを持ったり、実親に会えないことを自己否定的にとらえたり、里親等への配慮から実親について尋ねたい気持ちに遠慮することもある。実親について語ることを家庭内でのタブーとしないことも重要である。
・子どもの実親についての受け止め方は、養育者との生活のなかで変化し、子どもの心や日常生活、生き方に大きな影響を与える。子どもの立場に立って実親への思いを理解することが、養育者に不可欠である。児童相談所とも情報を共有し、見通しを確認する。
・実親が複雑で深刻な事情を抱えている場合もあり、実親の子どもに対する思いも様々である。実親が子どもを養育できないことの背景にある個々の問題を踏まえ、実親の抱える課題や生活問題に、子どもと里親等が巻き込まれないようにしながら、子どもと実親との交流そのものは保証する。
・一定のルールのもとで、実親との面会、外出、一時帰宅などの交流を積極的に行う。実親とのかかわりが、子どもの生活や福祉、里親等とその家族の生活を脅かす場合に限り、交流が制限される。
・交流をどのように行うかについては、養育者と児童相談所が協議し、子ども自身の意見を踏まえて決定する。交流の実施状況を児童相談所が把握し、トラブルが生じた場合の対応を明確にしておくことも大切である。
・実親の状態が不明な場合、実親の状況が子どもに伝えられていない場合、望んでも実親との交流がかなわない場合、子どもが交流を希望しない場合や、虐待を受けた子どもの場合など、子どもの状況を踏まえて、適切な配慮を行う。
・実親との交流により、子どもが不安定になり、意欲の低下や体調等を崩す場合もある。交流後の子どもの様子を把握し、気持ちをくみ上げるコミュニケーションを心がけるなど、個々の子どもの状況に応じて対応する。

(8)衣食住などの安定した日常生活

・里親等が提供する養育だけが、子どもの心身を安定させ、成長させ、生きる力を増進させるのではなく、里親等と里親等家族の存在、家族間の関係、食事、生活習慣、余暇の過ごし方などあたりまえの生活や親族・友人・地域との関係など里親等家庭での暮らしそのものが子どもを育むことを理解する。
・子どもはこうした生活を通して将来の社会生活や成長して、家庭を作る場合に役立つ技術を身につけ、家庭生活のモデルを形成することができる。

(9)実子を含む家族一人一人の理解と協力

・家庭に子どもを迎え入れるため、家族の一部は生活に参加しないということができない。先に受託している子どもを含め、家族全員が新しく迎え入れる子どもとの生活に影響を受けることを受け止める必要がある。
・養育者や児童相談所は、新たな子どもを受け入れられる状況であるか否か、家庭や子どもの状況のアセスメントを前提としたマッチングを行い、双方が判断する。
・養育者や児童相談所は、家庭養護は実子の養育体験とは、必ずしも同じではないこと、一人の子どもが加わることによって変化する家庭内の力動の変化や個々人への影響があることを考慮する。
・養育者は受託している子どもとそれぞれ個別の時間やかかわりをもつように、実子と過ごしたり話したりする場面・時間も作ることが大切である。
・実子や既に受託している子どもに、適宜必要なことを説明する。生活を共有する立場である実子も、子どもとして意見表明できる雰囲気と関係を保つ。

(10)子どもの選択の尊重

・子どもが興味や趣味に合わせて、自発的な活動ができるよう工夫する。子ども一人一人の選択を尊重する。子どもが自分の好みや要望を表現できる雰囲気を生活の中につくる。
・子どもが自分の要望を表明するとともに、他者の要望も受け止めながら、対話ができていくように、ときには養育者が仲介しながらコミュニケーションの育ちを支える。

(11)健康管理と事故発生時の対応

・子どもの状態や発達段階に応じて、体の健康や衛生面に留意し、健康上特別な配慮を必要とする子どもについては、児童相談所や医療機関と連携する。
・事故や感染症の発生など緊急時には、子どもの安全を確保する。児童相談所と緊急の連絡方法などを確認しておく。
・災害時の避難方法や子どもの安全確保について、養育者らで確認する。食料や備品類など災害時の備蓄等を行う。
・災害などに対して備えていることを養育者の責任として子どもにも説明し、実際に見せて確認し、安心感をもって生活できるよう配慮する。

(12)教育の保障と社会性の獲得支援

・それまでの生育環境により、経験不足や基礎学力の不足など多くの課題を抱えている子どもにとって、学ぶ楽しさを取り戻し、さらには高校や大学などに進学する学力を獲得することは、子どもが自尊心を回復し、自立への歩みを踏み出す契機としても重要なことである。
・子どもの学力の状態に応じて、学習意欲を十分に引き出しながら、学習が安定に向かうよう工夫して支援する。必要に応じて、学習ボランティアや塾の活用を考える。
・年齢や発達状況など個々の状態に応じた社会性の獲得を目指し、体験の幅を広げるとともに、社会に出て行く子どもには、社会の一員であることが自覚できるよう支援を行う。

(13)行動上の問題についての理解と対応

・子どもが新しい環境や家族との関係に安心した時に表れる行動上の問題があることを理解する。
・子どもの行動にはメッセージが含まれていること、その子どもにとって何らかの意味があることを理解し、時には養育者同士で話すことで安心を得ることも大切である。心理的な支援を必要とする子どもについては、専門機関に相談する。
・性に関することをタブー視せず、子どもの年齢や発達状況に応じて、子どもの疑問や不安に答える。個別の状況に対応し、性の教育につながる支援を行う。

(14)進路選択の支援

・子ども自身の思いや要望によく耳を傾け、一緒に検討していく姿勢をもち、子どもの進路や就職支援など自己決定や自己選択ができるように判断材料を一緒に収集するなどして支援する。
・子どもにとって見通しがもてるよう、児童相談所や実親等と十分に話し合うことも大切である。

(15)委託の解除、解除後の交流

・円滑に委託解除できるよう、子どもの意向を尊重するとともに、児童相談所の里親担当者と子ども担当者を交え、十分に話し合う。
・進路決定後も可能な限り相談に応じ、つまずきや失敗など何らかの問題が生じた場合にも支援を心がける。
・進学や就職したあと、また成人したあとも、実家のようにいつでも訪問でき、また、相談に応じられるような交流を継続する。

(16)養子縁組

・養子制度の意義は、保護者のない子ども又は家庭での養育が望めない子どもに温かい家庭を与え、かつその子どもの養育に法的安定性を与えることにより、子どもの健全な育成を図るものである。

・普通養子縁組は、家庭裁判所の許可を受け、実親との法律上の関係は継続され、戸籍上は養子と記載される。特別養子縁組は、家庭裁判所の審判により、実親との親子関係は終了し、戸籍上は養親の長男・長女等と記載され、養子となる年齢に6歳未満という制限がある。
・養子制度は、永続的な養育が必要な子どもが、法的に親子関係を結び、より安定感を得ることができるようにする子どものための制度であり、跡継ぎを得るための制度ではないことを理解する必要がある。
・子どもを望みながら子どものない家庭や不妊治療を受けている家庭にとっては、里親制度や養子縁組制度が選択肢の一つとなるが、養育に困難さを覚えることもある。養親が子どもの最善の利益を実践することを理解するとともに、児童相談所や支援機関等で支えることが大切である。
養子縁組成立後、児童相談所や里親会と離れてしまう養親も多い。しかし、親子の関係を築くなかで、様々な課題や問題が生じてくる。生い立ちなどの真実告知や実親への思いや葛藤、ルーツを探すことなどに、親子で対峙し、乗り越えることになる。先輩の養親や里親との交流や児童相談所への相談など、関係者や関係機関の支援を受けることが、よりよい親子の関係を結ぶことになる。

里親及びファミリーホーム養育指針

2.自立支援計画と記録

(1)自立支援計画

・児童相談所は、子どもが安定した生活を送ることができるよう自立支援計画を作成し、養育者はその自立支援計画に基づき養育を行う。
・自立支援計画には、子どもが委託される理由や育ってきた環境、養育を行う上での留意点や委託期間、実親との対応などが記載されていで、気になることは児童相談所に相談し、必要に応じて説明を受け、見通しを確認しながら、より子どもやその家族のことを理解する。

(2)記録と養育状況の報告

・受託した子どもの養育状況を適切な文言で記録を書くことや報告することを通して、子どもや子どもに関係する状況に対する理解を深め、また、養育者自身が養育を客観的に振り返ることができる。
・また、記録は子どもが家庭引き取りになる場合は、実親にとって子どもを理解する手段となり、養子縁組をする場合は、成長の記録の一部となる。
・子どもの課題や問題点などだけでなく、できていること、良いところ、成長したところなど、ポジティブな側面も記録することは、子どものより正確な理解を促すことにもなる。
・子どもが行動上の問題を起こす場合もあるため、問題が生じた背景や状況を記録し、児童相談所から適切な支援を受ける。

・子どもの変化や状況を児童相談所に伝え、児童相談所と一緒に定期的に自立支援計画を見直す。

3.権利擁護

(1)子どもの尊重と最善の利益の考慮

・子どもを権利の主体として尊重する。子どもが自分の気持ちや意見を素直に表明することを保障するなど、常に子どもの最善の利益に配慮した養育・支援を行う。
・子どもが主体的に選択し、自己決定し、問題の自主的な解決をしていく経験をはじめ、多くの生活体験を積む中で、健全な自己の成長や問題解決能力の形成を支援する。
・つまずきや失敗の体験を大切にし、自主的な解決等を通して、自己肯定感を形成し、たえず自己を向上発展させるための態度を身につけられるよう支援する。
・子どもに対しては、権利の主体であることや守られる権利について、権利ノートなどを活用し、子どもに応じて、正しく理解できるよう随時わかりやすく説明する。

(2)子どもを尊重する姿勢

・社会的養護を担う養育者として理解する必要のある倫理を確認し、意識化するとともに、養育者らは子どもの権利擁護に関する研修に参加し、権利擁護の姿勢を持つ。
・独立した養育の現場で子どもに密にかかわる者として、子どもが、生活の中で自分が大切にされている実感を持てるようにする。

(3)守秘義務

・子どもが委託に至る背景や家族の状況など、養育者として知り得た子どもや家族の情報のうち、子どもを守るために開示できない情報については、境界線を決めて確認し、守秘義務を守り、知り得た情報を外部には非公開で保持する。
近隣に話をしにくかったり、里親として子どもを養育していることを周囲にどう言えばよいかわからなかったりする里親も多い。「特別な子ども」として認識されることが目的ではないので、ごくあたりまえの家庭生活を送り、養育していることの理解を得る。

(4)子どもが意見や苦情を述べやすい環境

・日常的に子どもが自分を表現しやすい雰囲気をつくり、自分の思いをいったん受け止めてもらえる安心感や養育者との関係を確保することが養育の要である。

・里親やファミリーホームが、課題の多い子どもを受託し、専門的な支援を行う場

里親及びファミリーホーム養育指針
– 21 –
4.関係機関・地域との連携
(1)関係機関等との連携
・子どもの最善の利益を実現するために、児童相談所や関係機関と連携し、子ども
や家族の情報を相互に提供し、共有する。未成年後見人がある場合にも、連携
し、情報を共有する。
・乳児院、児童養護施設、児童家庭支援センター等の施設は、地域の社会的養護の
拠点であり、里親支援の役割も持つことから、里親等は、社会的養護の担い手
として、施設等と良きパートナーシップを構築し、連携する。
・施設との関係を活かすには、施設側の里親理解、里親側の施設理解がともに必要
である。
・施設の里親支援専門相談員は、児童相談所の里親担当職員等とともに、里親等の
家庭訪問や、相談への対応、レスパイトの調整など、施設機能を活かして里親
等の支援を行う。
・ファミリーホームは、地域における社会的養護の一つの拠点として存在する。子
どもたちが地域の子どもとしてあたりまえに生活することは、地域の子どもに
とっても大切である。
・里親やファミリーホームが、課題の多い子どもを受託し、専門的な支援を行う場
合には、地域にある社会資源を活用し、また、支援を得るため、関係機関等と
特に密接に連携することが必要である。
(2)地域との連携
・社会的養護を必要とする子どもの養育に対して地域の人々の理解を得るために、
子どもと地域との交流を大切にし、コミュニケーションを活発にする取り組み
を行うなど、養育者の側から地域への働きかけを行う。
・ファミリーホームでは、必要に応じ、ボランティアを受け入れる場合もあるが、
実子や受託している子どもと同世代や、子どもが学校などで関係のある人材に
よるボランティアの受け入れには配慮する。
5. 養育技術の向上等
(1)養育技術の向上
・養育者らは、子どもの養育・支援及び保護者に対する養育に関する助言や支援が
適切に行われるように、研修等を通じて、必要な知識及び技術の習得、維持及
び向上に努める。
・社会的養護に携わる者として、養育者一人一人が課題を持って主体的に学ぶとと
もに、地域の関係機関など、様々な人や場とのかかわりの中で共に学び合い、
活性化を図っていく。

里親及びファミリーホーム養育指針
– 22 –
・研修などの場で養育者が「できていない」ことを開示できる安心感を確保する。
・ファミリーホームでは、主たる養育者は、養育者だけでなく補助者についても、
資質向上のため研修会等への参加の機会を設ける。

(2)振り返り(自主評価)の実施
・養育者らは養育のあり方をより良くしていくためには、できていないことや課題
の認識とともに、養育の中ですでにできていること、子どもに表れているよき
変化等もあわせてとらえ、多面的に振りかえっていくことが必要である。
・ファミリーホームでは、運営や養育内容について、自己評価、外部の評価等、定
期的に評価を行う。養育者だけなく、子どもも相談できる第三者委員を置くこ
とは、ファミリーホームの養育の質を高める方法である。

城戸幡太郎は出題4回!視覚的に覚えて復習なんて不要!

子どもは放置すればただの動物!?

子どもは放置すればただの動物?

城戸幡太郎は、愛媛県出身の心理学者・教育学者で、戦前に保育問題研究会を結成し、その会長に就任しました。

城戸幡太郎

保育問題研究会とは、保母との共同研究会です。

現場の具体的な問題を科学的に研究保育問題研究会

研究は、大人ではなく、子どもを社会の主人公に育てるためのもので、当時、民主主義の方向性を持っていました。

これは社会中心主義と呼ばれ、倉橋惣三の児童中心主義に対した言葉です。

(これと似た言葉の関係に、ピアジェの構成主義とヴィゴツキーの社会構成主義があります。)

また、子どもを発展させるには、大人が指導していかなければならず、何もせず放置しておけば、子供の生活は動物の生活と余り変わらない状態になってしまうと主張しました。

民主主義を主張した城戸幡太郎は、戦争中に逮捕投獄され、活動を停止せざるを得なくなったのです。

戦後には再建されています。

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ルールがあるボール遊びで学べ!?

ルールがあるボール遊びで学べ?!

幼児教育論

著書『幼児教育論』において、幼稚園や保育所での集団生活は、子どもの自分中心の生活から「共同的生活」に変革していくための生活訓練の場としています。

また、幼稚園・保育所の保育は、ルールがあるボール遊びのように「社会協力」を最優先にし、幼稚園と保育所での教育を統一すべきと主張しています。

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過去問

過去問

保育士試験 令和3年(2021年)後期 教育原理 問5

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

B  愛媛県出身の心理学者・教育学者。1936(昭和 11)年に保育問題研究会を結成し、その会長に就任。研究者と保育者の共同による幼児保育の実証的研究を推進した。

【Ⅱ群】
ア  松野クララ
イ  野口幽香
ウ  倉橋惣三
エ  関信三

オ  城戸幡太郎

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育原理 問5

次の文章は、ある著書の一部である。これを読んで、問いに答えなさい。

「幼稚園や保育所もかかる意味で、もとより学校であるが、それが子どもの生活環境を改造していくための教育的計画であるからには、何よりもまず子どもの自然である利己的生活を、共同的生活へ指導していく任務を負わねばならない。
したがって幼稚園、保育所の保育案は「社会協力」ということを指導原理として作製されなければならないもので、幼稚園と保育所との教育はこの原理によって統一されるのである。」

この文章の著者として、正しいものを一つ選びなさい。

1.倉橋惣三

○ 2.城戸幡太郎

3.東基吉

4.坂元彦太郎

5.橋詰良一

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育原理 問16

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  1936( 昭和11 )年に「保育問題研究会」を設立し、著書『幼児教育論』において、幼稚園や託児所は「何よりも先ず子供の自然である利己的生活を共同的生活へ指導して行く任務を負わねばならぬ」と述べて、保育案は「社会協力」を指導原理として作成されるべきものであると主張した。

【Ⅱ群】
ア  倉橋惣三
イ  坂元彦太郎
ウ  城戸幡太郎
エ  和田実
オ  徳永恕

保育士試験 平成23年(2011年) 教育原理 問5

次の文は、倉橋惣三に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

× 4.彼は、子どもをおとなが導く必要性を主張し、「社会協力の訓練」を保育の目的、指導原理として明示した。

  • 記述の内容は、城戸幡太郎です。城戸幡太郎も倉橋と同じく昭和初期の教育学者ですが、城戸は社会中心主義で、子どもを大人が導くという考えを重視しました。

児童虐待!法律ができて虐待は減ったの?

この記事は2023年令和5年後期試験に対応しています。

福祉行政報告例の児童虐待件数と併せて、「死亡虐待による死亡事例等の検証結果等について」も一緒に学習すると覚えやすいと思い、記事にしました。

虐待相談は市町村などにもきますので、この記事は児童相談所においての記事であることを念頭において下さい。

児童の権利に関する条約に批准!

日本は平成6年に児童の権利に関する条約に批准しました。

児童の権利に関する条約には虐待に関しての条文があります。

現在の児童虐待相談対応件数は約21万件ですが、批准当時は2000件でした。

児童虐待相談対応件数:条約批准時は2000件
厚生労働省

児童虐待の防止等に関する法律制定!

条約に批准したので内容に即した法整備は必須です。

2000年(平成12)に「児童虐待の防止等に関する法律」が制定されました。

以下は法律の要約です。

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身体的虐待とは?

児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えることです。

身体のあざで発見されるときがあります。

性的虐待とは?

児童にわいせつな行為をすること、わいせつな行為をさせることです。

ネグレクトとは?

食事を与えない、長時間の放置、同居人による虐待の放置することなどです。

成長不良、虫歯の数、皮膚の乾燥や汚れなどから発見されることがあります。

心理的虐待とは?

著しい暴言、著しく拒絶的な対応、家庭内暴力など著しい心理的外傷を与える言動を行うことです。

いつどうやって通告すればいいの?

虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに市町村、福祉事務所もしくは児童相談所へ通告しなければいけません。

通告することは、保育士などの児童関係者に限らず、すべての国民の義務です。

(保育士などの児童関係者は早期発見に努めます。通告と早期発見は別物です。)

(義務化されたことにより、児童虐待件数が増加していきます)

組織に所属している場合は上司に報告し、組織の協議体制を整えることも有効な手段です。

また、身体のあざなどは、証拠として写真に残すのがよいです。

ただし、保護者に情報漏洩した場合には虐待が助長しかねないため、慎重に保管する必要があります。

児童相談所全国共通ダイヤル番号「189(いちはやく)」が運用されています。

厚生労働省HP

迷っている間に事件が起こってしまうため、可能性を感じた時点で、通告しなければなりません。

所属している組織が協議体制を整えないなどの場合は、個人の判断で通告する必要があります。

匿名で通告することも可能です。

学校は啓発活動をしなければならない!

学校及び児童福祉施設は、児童及び保護者に対して、児童虐待の防止のための教育または啓発に努めなければならないとされています。

毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と位置付け、関係府省庁や、地方公共団体、関係団体等が連携した集中的な広報・啓発活動を実施しています。

児童虐待防止推進月間 厚生労働省HP

児童虐待の防止等に関する法律改正!

児童虐待件数がなかなか減らないため改正されました。

市町村は、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行う母子健康包括支援センターの設置に努めるものとしました。

最悪の3虐待事件が起こる!

目黒区の事件

母親は19歳で女の子を出産した後に離婚し、別の相手と再婚して長男を出産しました。

5歳の女の子は新しい父親から日常的に暴力を受け、食事も十分に与えられませんでした。

当時住んでいた香川県の児童相談所に一時保護され、初回は約1カ月、2回目は3カ月余りで保護が解除されました。

警察は2度父親を傷害容疑で書類送検しましたが、いずれも不起訴となりました。

その後、一家は東京都目黒区に転居しました。

目黒区子ども家庭支援センターは、善通寺市からの引継ぎを受け、一家と関わりが始まりましたが、品川児童相談所と連携することはありません。

遅れて東京都の品川児童相談所は、香川県の児童相談所からの引継ぎを受けました。

香川県の医療機関からは直接、品川児童相談所へ情報提供がなされていましたが、件数が増えて人手が足りなくなっていたのもあり、緊急性が高い状況にあるとの判断にはなりませんでした。

その後、品川児童相談所は家庭訪問をしましたが、母親に拒否されては保護者との信頼関係が崩れてるのを恐れてしまい、強制的に女の子には会うことはしませんでした。

直後に119番通報で当該児童が救急搬送され、その後、死亡が確認されました。

野田市の事件

女の子が2歳の時に父親による母親に対するDVが原因で両親が離婚しました。

しかし両親は再婚し、一家は妻の故郷である沖縄県糸満市で暮らし、次女が生まれました。

その後父親のDV、女の子への恫喝(どうかつ)の情報が市に寄せられ、糸満市は家庭訪問をしましたが、父親は要請を拒みました。

その後、一家は千葉県野田市へ転居しました。

ある日女の子は、いじめに関する小学校のアンケートに「お父さんに暴力を受けています」と記入しました。

児童相談所が一時保護しましたが、親族宅で暮らすことなどを条件に保護を解除しました。

それを聞いた父親は、学校にアンケートの写しの提供を威圧的な態度で求め、学校はアンケートのコピーを渡してしまいました。

児童相談所は、母子が父親のもとに戻ったことを把握したものの、再度の一時保護を行いませんでした。

一家はさらに野田市内の別の小学校へ転校しました。

女の子は父親に満足な食事や睡眠を取れないまま、長時間立たされたり、何度も冷水を浴びせられました。

母親は自分へのDVを恐れて父親の行動を止めることができず、その後女の子は自宅で死亡してしまいました。

札幌市の事件

母親は未婚の18歳で出産し、札幌市は産前・産後の支援が特に必要な「特定妊婦」と認定していました。

母親と市の関わりは次第に薄れていきました。

数年後、母親は父親とは別の交際をしていました。

「子どもの泣き声がする」と住民から110番通報があり、警察から児童相談所に連絡かありました。

警察は児童相談所に面会への同行を要請しましたが、児童相談所は深夜で1人の当直体制であることを理由に断られました。

札幌市では、夜間や休日に虐待の通告があった場合は、児童家庭支援センターが対応することになっています。

ところが児童相談所も警察もセンターには連絡しませんでした。

警察はマンションに出向き、女の子の身体にあざが2か所あることを確認したものの、専門ではないため虐待と判断することができませんでした。

同じようなことがもう1度あり、3度目になりやっと虐待であることが判明しました。

母親と交際相手は逮捕され、直後に女の子は死亡してしまいました。

母親は「物を触ったことを注意したら態度が悪かった」「物入れに閉じ込めたのはしつけのつもりだった」などと話していました。

児童虐待の防止等に関する法律改正!

しつけであろうとなかろうと体罰はだめ!

児童虐待とは、自分の子どものしつけに際して、体罰を加えることや、必要以上の懲戒を行うことであると明確にしました。

関係機関の連携強化

児童相談所の人手不足から、児童相談所から市町村への事案送致を新設しましたた。

市町村が設置する要保護児童対策地域協議会の調整機関について、専門職を配置しなければならないとしました。

要保護児童対策地域協議会から情報提供等の求めがあった関係機関等は、これに応ずるよう努めなければならないこととされた。

児童相談所の権限強化

都道府県(児童相談所)の業務として、児童の安全確保が明文化された。

児童虐待の疑いがある保護者に対して、再出頭要求を経ずとも、裁判所の許可状により、児童相談所による臨検・捜索を実施できるものとした。

都道府県は、一時保護等の介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分ける等の措置を講ずることとされた。

児童福祉審議会において児童に意見聴取する場合、その児童の状況・環境等に配慮することとされた。

秘密厳守

学校、教育委員会、児童福祉施設等の職員は、正当な理由なく、その職務上知り得た児童に関する秘密を漏してはならないとされた。

結果、どうなったの?

結果、虐待件数が増えたというより、隠れ虐待が明るみになりました。

児童相談所への相談は児童虐待ばかり?

養護相談が多い 福祉行政報告例 厚生労働省

現在では、児童相談所における種類別対応件数で最も多いのは、養護相談です(全国57万件中半分の28万件)。

冒頭にあっように、28万件中21万件が虐待相談であり、これが年々増加しています。

全体の相談件数における養護相談の構成割合は年々増加しています。

養護相談が年々増加福祉行政報告例 厚生労働省
  1. 養護相談:虐待、離婚など
  2. 障害相談:各障害など
  3. 育成相談:不登校など
  4. 非行相談:問題行動など
  5. 保健相談:疾患など
  6. その他の相談:里親希望、措置変更など

被虐待者は3歳が多い!

3歳に虐待が多い
福祉行政福祉例 厚生労働省

被虐待者は、3歳が最も多いです。

心理的虐待の件数も割合も爆増!

児童相談所での虐待件数は、

  1. 心理的虐待(約60%)
  2. 身体的虐待(約25%)
  3. ネグレクト(約15%)
  4. 性的虐待 ( 数%)

の順に多いです。

近隣知人や家族親戚が通告するケースが増えた!

児童相談所での虐待件数の経路別(令和元年を見て下さい)厚生労働省

虐待の経路別件数は、

  1. 警察約10万件・約50%)
  2. 近隣知人(約 3万件・約10%強)
  3. 家族親戚(約 2万件・約10%弱)
  4. 学校等(約 2万件・約 7%)
  5. 都道府県(約 1万件・約 6%)
  6. 市町村 (約 1万件・約 5%)

の順に多いです。

一般国民の意識が変わってきたといえます。

ついでに死亡事例も覚えよう!

(死亡虐待による死亡事例等の検証結果等について)

虐待死した子どもの年齢(心中以外)

心中以外の虐待死で最も多いのが「0歳」です。

主たる加害者(心中以外)

主たる加害者で最も多いのが「実母」(約6割) です。

加害の動機(心中以外)

加害の動機で最も多いのが「子どもの世話・養育をする余裕がない」(約1割) です。

母親の特徴

・妊婦健康診査未受診

予期しない妊娠/計画していない妊娠

親子共に心中した場合の加害の動機

親子共に心中した場合の加害動機で最も多いのが「保護者自身の精神疾患、精神不安」(約4割)です。

情緒障害児短期治療施設運営指針「第Ⅱ部 各論②」の要点 5分で理解する!

情緒障害児短期治療施設運営指針の「第Ⅱ部 各論①」の続き

児童養護施設運営指針「第Ⅱ部 各論②」と同じ場合はグレー表示しています。

運営指針MAP

[toc heading_levels=”2,3″]

①事故、感染症の発生時などの緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させる。

・事故発生対応マニュアル、衛生管理マニュアル等を作成し、職員に周知する。定期的に見直しを行う。

②災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行う。

・立地条件等から災害の影響を把握し、建物・設備類の必要な対策を講じる。
・災害時の対応体制を整える。
・食料や備品類などの備蓄リストを作成し、備蓄を進める。

③子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためのリスクを把握し、対策を実施する。

・安全確保・事故防止に関する研修を行う。
・災害や事故発生に備え、危険箇所の点検や避難訓練を実施する。
・外部からの不審者等の侵入防止のための対策や訓練など不測の事態に備えて対応を図るとともに、地域の関係機関等と連携し、必要な協力が得られるよう努める。

6 関係機関連携・地域支援

(1)関係機関等の連携

①施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有する。

・地域の社会資源に関するリストや資料を作成し職員間で情報の共有化を図る。

②児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な課題や事例検討を行う。

・子どもや家族の支援について、関係機関と協働して取り組む体制を確立する。

地域の関係機関・団体のネットワーク内での共通の課題に対して、ケース会議や情報の共有等を行い、解決に向けて協働して具体的な取組を行う。
通所機能や短期入所機能を活用し、心理的問題を起こしている子どもの一時的な支援など、社会的養護の分野における心理的ケアのセンター的な役割として他施設等への支援を行う。

・児童相談所と施設は子どもや家族の情報を相互に提供する。
・要保護児童対策地域協議会などへ参画し、地域の課題を共有する。

(2)地域との交流

①子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを適切に行う。

・子どもが地域の行事や活動に参加する際、必要があれば職員やボランティアが支援を行う体制を整える。

②施設が有する機能を、地域に開放・提供する取組を積極的に行う。

・地域へ向けて、理念や基本方針、施設で行っている活動等を説明した印刷物や広報誌等を配布し、地域の人々の理解を得ることやコミュニケーションを活発にする取組を行う。
・地域へ施設を開放するための規程を設け、施設のスペースを開放し、地域の活動の場として提供する。

通所、外来機能を活用し、地域の心理治療を要する子どもへの支援を行う。

③ボランティアの受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備する。

・ボランティア受入れについて、登録手続き、事前説明等に関する項目などマニュアルを整備する。
・ボランティアに対して必要な研修を行う。

(3)地域支援

①地域の具体的な福祉のニーズを把握するための取組を積極的に行う。

・地域住民に対する相談事業を実施すること等を通じて、具体的な福祉ニーズの把握を行う。
・社会的養護の施設の責務を果たすべく、開かれた施設運営を行う。

②地域の福祉のニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行う。

・施設が有する専門性を活用し、地域の子育ての相談・助言や市町村の子育て事業の協力をする。
・地域の里親支援、子育て支援等に取組など、施設のソーシャルワーク機能を活用し、地域の拠点となる取組を行う。

7 職員の資質向上

①組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢を明示する。

・施設が目指す治療・支援を実現するため、基本方針や中・長期計画の中に、施設が職員に求める基本的姿勢や意識、専門性や専門資格を明示する。

②職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画を策定し、計画に基づいた具体的な取組を行う。

・職員一人一人の援助技術の水準、知識の質や量、専門資格の必要性などを把握する。
・施設内外の研修を体系的、計画的に実施するなど、職員の自己研鑽に必要な環境を確保する。
・職員一人一人が課題を持って主体的に学ぶとともに、他の職員や関係機関など、様々な人とのかかわりの中で共に学び合う環境を醸成する。

医学、心理学などの専門家の助言を受けられるようにする。

③定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させる。

・研修を終了した職員は、報告レポートの作成や研修内容の報告会などで発表し、共有化する。
・研修成果を評価し、次の研修計画に反映させる。

④スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援する。

・施設長、基幹的職員などの立場にある人に、いつでも相談できる体制を確立する。
・職員がひとりで問題を抱え込まないように、組織として対応する。
・職員相互が評価し、助言し合うことを通じて、職員一人一人が援助技術を向上させ、施設全体の治療・支援の質を向上させる。

8 施設運営

(1)運営理念、基本方針の確立と周知

①法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割を反映させる。

・理念には子どもの権利擁護の推進の視点を盛り込み、施設の使命や方向、考え方を反映させる。

②法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針を明文化する。

・基本方針は、「情緒障害児短期治療施設運営指針」を踏まえて、理念と整合性があり、子どもの権利擁護の視点を盛り込み、職員の行動規範となる具体的な内容とする。

③運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

④運営理念や基本方針を子どもや保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

情緒障害児短期治療施設運営指針

(2)中・長期的なビジョンと計画の策定

①施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画を策定する。

・理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)を明確にし、治療・支援の内容や組織体制等の現状分析を行う。

・専門的機能の充実や社会的養護の分野での心理支援のセンター的な役割、また、通所機能を活用した地域支援などの計画を明確にする。

②各年度の事業計画を、中・長期計画の内容を反映して策定する。

③事業計画は、職員等の参画のもとで策定するとともに、実施状況の把握や評価・見直しを組織的に行う。

・事業計画の実施状況については、子ども等の意見を聞いて、評価を行う。

④事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

・事業計画をすべての職員に配布し、会議や研修において説明する。

⑤事業計画を子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

・事業計画をわかりやすく説明した資料を作成し、子どもや保護者への周知の方法に工夫や配慮をする。

(3)施設長の責任とリーダーシップ

①施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮する。

・施設長は、社会的養護の使命を自覚し、自らの役割と責任について文書化するとともに、会議や研修において表明する。
・施設長は、職員の模範となるよう自己研鑽に励み、専門性の向上に努める。

②施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードする。

・施設長は、法令遵守の観点での施設運営に関する研修又は勉強会等に参加する。
・施設長は、職員に対して遵守すべき法令等を周知し、また遵守するための具体的な取り組みを行う。

③施設長は、治療・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮する。

・施設長は、治療・支援の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行う。
・施設長は、治療・支援の質の向上について職員の意見を取り入れるとともに、施設内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画する。

④施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮する。

・施設長は、施設の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境整備等を行う。
・施設長は、経営や業務の効率化や改善のために施設内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画する。

(4)経営状況の把握

①施設運営を取りまく環境を的確に把握するための取組を行う。

・施設運営を長期的視野に立って進めていくために、社会的養護の全体の動向、施設が位置する地域での福祉ニーズの動向、子どもの状況の変化、ニーズ等を把握する。

②運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行う。

・経営状況や改善すべき課題について、職員に周知し、職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定する等、施設全体での取組を行う。

③外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善を実施する。

・事業規模等に応じ、2年あるいは5年に1回程度、外部監査を受けることが望ましい。

(5)人事管理の体制整備

①施設が目標とする養育・支援の質の確保をするため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランを確立させ、それに基づいた人事管理を実施する。

・各種加算職員の配置に積極的に取り組み、人員体制の充実に努める。
・職員が、各職種の専門性や役割を理解し合い、互いに連携して組織として支援に取り組む体制を確立する。
・基幹的職員、家庭支援専門相談員等の機能を活かす。

②客観的な基準に基づき、定期的な人事考課を行う。

③職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みを構築する。

・勤務時間、健康状況を把握し、職員が常に仕事に対して意欲的にのぞめるような環境を整える。
・困難ケースの抱え込みの防止や休息の確保などに取り組む。

④職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行う。

・職員の心身の健康に留意し、定期的に健康診断を行う。
・臨床心理士や精神科医などに職員が相談できる窓口を施設内外に確保するなど、職員のメンタルヘルスに留意する。

(6)実習生の受入れ

①実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的に取り組む。

・受入れの担当者やマニュアルを整えるとともに、受入れの意義や方針を全職員が理解する。
・学校等と連携しながら、実習内容全般を計画的に学べるプログラムを準備する。

(7)標準的な実施方法の確立

①治療・支援について標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行う。

・標準的な実施方法を職員に周知し、共通の認識を持って一定の治療・支援を行う
・マニュアルは、子どもの状態に応じて職員が個別に柔軟に対応できるものにする。

②標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行う。

・標準的な実施方法の見直しは、職員や子ども等からの意見や提案、子どもの状況等に基づいて治療・支援の質の向上という観点から行う。
・見直しの時期は、少なくとも1年に1回は検証し必要な見直しを行う。

(8)評価と改善の取組

①施設運営や治療・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制を整備し、機能させる。

・3年に1回以上第三者評価を受けるとともに、定められた評価基準に基づいて、毎年自己評価を実施する。
・職員の参画による評価結果の分析・検討する場を設け、実行する。

②評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施する。

・分析・検討した結果やそれに基づく課題を文書化し、職員間で共有し、改善に取り組む。

情緒障害児短期治療施設運営指針「第Ⅱ部 各論①」の要点 5分で理解する!

情緒障害児短期治療施設運営指針総論からの続き

ここでは、情緒障害児短期治療施設運営指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、乳児院の特有のことや、過去問題で出題された部分を太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

また児童養護施設と同様のものは背景にグレー表示をしています。

運営指針MAP

1 治療・支援

(1)治療

①子どもに対して適切な心理治療を行う。

・子ども個々に心理治療の担当者を決め、定期的に実施し、効果について査定する。
・心理治療を必要とする保護者に対して、その解決に向けた心理治療方針を策定し、実施、結果について評価する。
・必要に応じて心理検査などを行い、ケース会議を通じて、治療結果について評価する。
・外部の専門家等によるスーパービジョンを必要に応じて受ける。
・治療的な観点から集団活動など活動を控えさせるなど特別な対応を行う場合は、権利侵害に当たらないか十分に職員間で吟味し、子ども、保護者及び児童相談所等へ目的、対応の内容、予想される期間等を明示し、同意をとるようにする。

②子どもの心身の状況や、生活状況等を正確に把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示する。

・子どもの心身の状況や生活状況、保護者の状況など家庭環境等の必要な情報を把握し、統一した様式に則って記録する。
・把握した情報を総合的に分析・検討し、課題を適切に把握する。
・アセスメントは、子どもの担当職員をはじめ、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などが参加するケース会議で合議して行う。必要に応じて医学的、心理学的、社会学的な観点からのスーパービジョンをうける。
・発達段階や情緒・行動上の問題を課題とする場合は、子どもにとって、理解できる目標として言語化することが大切である。
・子どもの心身状況や、生活状況等を正確に把握するため、手順を定めて計画的なアセスメントを行う。
・アセスメントの定期的な見直しの時期と手順を定める。
・アセスメントに当たり、必要に応じて児童相談所と調整を行う。

③心理治療は、自立支援計画に基づき子どもの課題の解決に向けた心理治療方針を策定する。

・心理治療方針において個別・具体的方法を明示し、実施する。
・心理治療方針は子ども、保護者への説明と同意に基づいて行う。
・必要に応じて医学、心理学などの専門家から直接的支援を受ける体制を整える。

④ケース会議を必要に応じて実施する。

・ケース会議には、心理療法担当職員、児童指導員や保育士、医師のほか、必要に応じて児童相談所、学校の関係者の参加を求めて行う。

・ケース会議は、必要に応じて外部のスーパーバイザーの参加を求め、指導や助言を受けながら行う。

⑤医師による治療が必要な子どもに対する適切な治療及び職員の支援を実施する。

・子どもに対する心理治療等について医師による職員へのスーパービジョンや研修を実施し、生活・心理治療など各部門の職員とともに心理治療計画の策定・見直しを行う。
・医療的ケアの必要な子どもに対して定期的かつ必要に応じて児童精神科医等の診療を行い、緊急時等には医師を中心としてチーム対応ができる体制を確保する。
・入院治療が必要となる場合に備え、外部の医療機関と連携し、必要に応じて話し合い等を行う。
・子どもの症状、行動によって児童精神科領域での治療や服薬が必要となる場合、子どもの訴えに基づき、保護者及び児童相談所等に対して目的や治療内容等を理解できるように説明をし、同意をとるようにする。

(2)生活の中での支援

①子どもと職員との間に信頼関係を構築し、常に子どもの発達段階や課題に考慮した支援を行う。

・生活する場所が安全であることを子どもが意識できるようにする。
・施設における支援は子どもの信頼感を構築することが不可欠であり、職員の高い専門性に基づく受容的・支持的なかかわりや課題把握と対応を安定的・持続的に行う。
・子どもの発達段階や課題に対する正しい理解のもと、子どもの個別性に十分配慮したかかわりを行う。

②子どもの協調性を養い、社会的ルールを尊重する気持ちを育てる。

・普段から職員が振る舞いや態度で模範を示す。
・施設生活・社会生活の規範等守るべきルール、約束ごとを理解できるよう子どもに説明し、責任ある行動をとるよう支援する。
・他者への心づかいや配慮する心が育まれるよう支援する。

③多くの生活体験を積む中で、子どもがその課題の自主的な解決等を通して、子どもの健全な自己の成長や問題解決能力を形成できるように支援する。
・生活体験(創作活動など)を通して、ものごとを広い視野で具体的総合的にとらえる力や、豊かな情操が育まれるような活動を行う。
・つまずきや失敗の体験を大切にし、子どもが主体的に解決していくプロセスを通して、自己肯定感などを形成し、自己を向上発展させるための態度を身につけられるよう支援する。

(3)食生活

①食事をおいしく楽しく食べられるよう工夫し、栄養管理にも十分な配慮を行う。

・子どもの年齢、障害のある子ども等の個人差や食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。
・定期的に残食の状況や子どもの嗜好を調査し、嗜好や栄養摂取量を勘案し、献立に反映する。
・栄養士を中心に、日々提供される食事内容や食事環境に十分に配慮するとともに、子どもに対する献立の提示等食に関する情報提供を行う。

②子どもの生活時間にあわせた食事の時間の設定を含め、子どもの発達段階に応じて食習慣を習得するための支援を適切に行う。

・クラブ活動等子どもの事情に応じて、食事時間以外の時間でも個別の食事を提供する。
・無理なく楽しみながら食事ができるように、年齢や個人差に応じた食事時間に配慮する。
・子どもが日々の食生活に必要な知識及び判断力を習得し、基本的な食習慣を身につけることができるよう食育を推進する。

・食事の準備や配膳、食後の後片付けなどの習慣や簡単な調理など基礎的な調理技術を習得できるよう支援する。

・施設外での食事の機会など、多様な機会を設け、食事を楽しむとともに、食習慣の習得ができるようにする。

・郷土料理、季節の料理、伝統行事の料理などに触れる機会を持ち、食文化を継承できるようにする。

(4)衣生活

①衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものを提供する。

・常に衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものが着用できるようにする。

②子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援する。

・気候、生活場面、汚れなどに応じた選択、着替えや衣類の整理、保管などの衣習慣の習得を支援する。
・発達段階や好みに合わせて、子ども自身が衣服を購入する機会を設ける。

(5)住生活

①居室等施設全体を、生活の場として安全性や快適さに配慮したものにする。

・くつろげる空間を確保する。
・居室の清掃をはじめ、施設内外の保健的環境の維持及び向上に努める。

②発達段階に応じて居室等の整理整頓、掃除等の習慣が定着するよう支援する。

・子どもの自立に向けては、基本的生活習慣・生活技術を身につけることが必要であり、個々の子どもの発達段階等に応じて支援する。

(6)健康と安全

①発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援する。

・常に良好な健康状態を保持できるよう、職員が把握する。
・発達段階に応じて、排泄後の始末や手洗い、うがい、洗面、入浴、歯磨きなど清潔を保つことを自ら行えるように支援する。
・寝具や衣類などを清潔に保つなど、自ら健康管理できるよう支援する。

②医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応する。

・健康上特別な配慮を要する子どもについて、医療機関と連携するなど、子どもの心身の状態に応じて、健康状態並びに心身の状態について、定期的、継続的に、また、必要に応じて随時、把握する。
・受診や服薬が必要な場合、子どもがその必要性を理解できるよう説明する。
・感染症に関する対応マニュアル等を作成し、感染症や食中毒が発生し、まん延しないように必要な措置を講じる。また、あらかじめ関係機関の協力が得られるよう体制整備をする。

(7)性に関する教育

①子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設ける。

・性をタブー視せず、子どもの疑問や不安に答える。
・日頃から職員間で性教育のあり方等を検討し、職員の学習会を行う。
・必要に応じて外部講師を招いて、学習会などを職員や子どもに対して実施する。

(8)行動上の問題及び問題状況への対応

①子どもが暴力、不適応行動など行った場合に適切に対応する。

・子どもの特性等あらかじめ職員間で情報を共有化し、連携して対応する。
・子どもの行動上の問題に対しては、子どもが訴えたいことを受けとめるとともに、多角的に検証して原因を分析した上で、適切に対応する。また、記録にとどめ、以後の対応に役立てる。
・パニックなどで自傷や他害の危険度が高い場合に、その場から離すなどして、子どもの心身を傷つけずに対応するとともに、周囲の子どもの安全を図る。

②施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体に徹底する。

・問題の発生予防のために、施設内の構造、職員の配置や勤務形態のあり方についても点検を行うとともに、課題を持った子ども、入所間もない子どもについては観察を密にし、個別支援を行う。

・暴力やいじめについての対応マニュアルを作成するなど、問題が発覚した場合は、全職員が適切な対応ができる体制を整える。

③虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努める。

・強引な引き取りのための対応について、施設で統一的な対応が図られるよう周知徹底する。

(9)自主性、主体性を尊重した日常生活

①日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援する。

・行事などの企画・運営に子どもが主体的にかかわり、子どもの意見を反映させる。
・子ども一人一人の選択を尊重する。
・施設内の子ども会、ミーティング等が行えるよう支援する。

②子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など様々な生活技術が身につくよう支援する。

・計画的な小遣いの使用、金銭の自己管理ができるように支援する。

・地域での生活を見据えて、様々な生活技術を学ぶプログラムを実施する。

(10)学習支援、進路支援等

①学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行う。

・できる限り公平なスタートラインに立って社会に自立していけるよう、支援する。
・学習権を保障し、学習に主体的に取り組む意欲を十分に引き出し、適切な学習機会を確保する。
・子どもの学力、学習態度に応じた個別の教育的な対応を受けられるように、個別の支援など適切な学校教育の場を設ける。

②「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援する。

・進路選択に必要な資料を収集し、子どもに判断材料を提供するとともに、子ども・学校・施設関係者だけではなく、保護者を含め十分に話し合い決定する。
・進路決定後のフォローアップを行う。

③施設と学校との親密な連携のもとに子どもに対して学校教育を保障する。

・学校・施設間で日々の子どもの状況の変化等に関する情報を確実に伝達するシステムを確立し、生活支援、学習支援及び進路支援等を相互に協力して実施する。
・学校で生じた子どもの行動上の問題に対しては、学校に協力して対応する。

・学校との協議に基づいて個々の子どもの学習支援計画を立て、それに応じた支援や計画の見直しを行う。
・個別のケース会議には原則として施設と学校の担当者が参加するなど、適切な連携をとる。

(11)継続性とアフターケア

①子どもの状況に応じて退所後の生活を見据えた見立てを行い支援する。

・退所後の地域での生活を見通して、年齢、発達や治療の状況など個々の状態に応じた社会性の獲得ができるよう、子どもの自主性や主体性を尊重した支援を計画的に行う。
・社会人としての生活を目標にする場合は、社会人としての自覚が持てる様な取り組みを行い、困った時に頼れる人、機関があるという認識が持てるように支援する。

②措置変更又は受入れを行うに当たり、継続性に配慮した対応を行う。

・子どもの特性を理解するための情報の共有化やケース会議を実施し、切れ目のない養育・支援に努める。
・措置変更等に当たり、引き継ぎを行う施設、里親等と丁寧な連携を行う。そのため日頃より、それぞれの施設や里親の役割を十分に理解し、連絡協議会や合同研修会の開催など相互に連携に努める。
・継続的な支援を行うための育ちの記録を作成する。
・前任の養育者や施設の担当者から後任の者へ適切に引き継ぐ。

③家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行う。

・退所に当たってはケース会議を開催し、子ども本人や保護者の意向を踏まえて、児童相談所や関係機関等と協議の上、適切な退所時期や退所後の生活を検討する。

・家庭引き取りの場合は、子どもや家庭の状況把握や支援など関係機関との役割を明確にする。

・退所後も施設として子どもが相談できる窓口を設置し、子どもと保護者に伝える
・子どもや家庭の状況の把握に努め、退所後の記録を整備する。

④子どもが安定した生活を送ることができるよう退所後の支援を行う。

・通所機能や外来機能を利用して、退所後の支援を継続して行う。

・アフターケアは施設の業務であり、退所後何年たっても施設に相談できることを伝える。
・退所者の状況を把握し、退所後の記録を整備する。
・子どもとともに退所する地域の関係機関と連携し、退所後の生活の支援体制の構築に努める。
・施設退所者が集まれるような機会を設ける。

(12)通所による支援

①施設の治療的機能である生活支援や心理的ケアなどにより、通所による支援を行う。

・子どもの生活実態を的確にとらえ、在宅支援として適切な通所支援を実施する。
・必要に応じて訪問による支援を実施する。
・様々なプログラム課程を策定し、子どもの社会性の向上や自立を支援する。

情緒情緒児短期治療施設運営指針

2 家族への支援

(1)家族とのつながり

①児童相談所と連携し、子どもと家族との関係調整や家族からの相談に応じる体制づくりを行う。

・家庭支援専門相談員を独立した専門職として配置し、その役割を明示する。
・家族との関係調整については、定例的かつ必要に応じて児童相談所と家族の状況や入所後の経過について情報を共有し、協議、連携を行う。

・自立支援計画、心理治療方針、服薬などの医療等について、入所後も適宜、家族と確認する機会を設けるなど家族への働きかけを行い、親子関係の継続や修復に努める。

②子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的、かつ適切に行う。

・一時帰宅は児童相談所と協議を行う。

・面会、外出、一時帰宅後の子どもの様子を注意深く観察し、家族からその時の様子を聞くなどして、家族関係を把握する。

・親子が必要な期間を一緒に過ごせるような設備を施設内に設ける。
・家族等との交流の乏しい子どもには、週末里親やボランティア家庭等での家庭生活を体験させるなど配慮する。

(2)家族に対する支援

①親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組む。

・子どもと保護者の安定した関係に配慮し、保護者の養育力の向上に資するよう、適切に支援を行う。

・家族支援計画を立てたり、家族等と定期的に面接やカウンセリングを行うなど、家族の抱える課題に対して、具体的な支援を行う。
・家族療法事業の実施など、子どもと家族との関係回復に向けた支援を行う。
・子どもが早期に家庭復帰が可能となるように、児童相談所と協力して家庭復帰等のプログラムを継続的に実施する。

3 自立支援計画、記録

(1)自立支援計画の策定

①アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させる。

・自立支援計画策定の責任者(基幹的職員等)を設置する。
・児童相談所と援助方針について打ち合わせ、自立支援計画に反映させる。また、策定した自立支援計画を児童相談所に提出し、共有する。
・自立支援計画は、ケース会議で合議して策定する。
・自立支援計画には、支援上の課題と、課題解決のための支援目標と、目標達成のための具体的な支援内容・方法を定める。
・支援目標は、子どもに理解できる目標として表現し、努力目標として子どもに説明する。
・策定された自立支援計画は、全職員で共有し、支援は統一かつ統合されたものとする。

②自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施する。

・自立支援計画の見直しは、子どもとともに生活を振り返り、子どもの意向を確認し、併せて保護者の意向を踏まえて、それらを反映させつつ、子どもの最善の利益を考慮して行う。
・計画の見直し時には、支援方法を振り返り、自己評価し、支援の成果について分析、検証を行い、専門性や技術の向上に努め、施設全体の支援の向上に反映させる仕組みを構築する。
・アセスメントと計画の評価・見直しは少なくとも半年ごとに定期的に行い、かつ緊急の見直しなど必要に応じて行う。

(2)子どもの治療・支援に関する適切な記録

①子ども一人一人の治療・支援の実施状況を適切に記録する。

・入所からアフターケアまでの支援の実施状況を家族及び関係機関とのやい取り等を含めて適切に記録する。
・記録内容について職員間でばらつきが生じないよう工夫する。

②子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行う。

・記録の管理について個人情報保護と情報開示の観点から、研修を実施する。
・守秘義務の遵守を職員に周知する。

③子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行う。

・施設における情報の流れを明確にし、情報の分別や必要な情報が的確に届く仕組みを整備する。
・施設の特性に応じて、ネットワークシステム等を利用して、情報を共有する仕組みを作る。

4 権利擁護

(1)子どもの尊重と最善の利益の考慮

①子どもを尊重した治療・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行う。

・施設長や職員が子どもの権利擁護に関する施設内外の研修に参加し、人権感覚を磨くことで、施設全体で権利擁護の姿勢を持つ。

・子どもを尊重した姿勢を、個々の治療・支援の標準的な実施方法等に反映させる。

②社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の治療・支援において実践する。

・職員一人一人の倫理観、人間性並びに職員としての職務及び責任の理解と自覚を持つ。

・施設全体の質の向上を図るため、職員一人一人が、治療実践や研修を通じて専門性などを高めるとともに、治療実践や治療の内容に関する職員の共通理解や意見交換を図り、協働性を高めていく。

・職員同士の信頼関係とともに、職員と子ども及び職員と保護者との信頼関係を形成していく中で、常に自己研鑽に努め、意欲を持って治療・支援に当たる。

・子どもの意向に沿うことが結果として子どもの利益につながらないこともあることを踏まえ、子どもにそのことを説明し理解を得るなど適切に導く。
・受容的・支持的なかかわりを基本としながらも毅然とすべきところでは毅然と対応するなど、子どもの状況に応じて適切な対応ができるよう、常に子どもの利益を考慮し真摯に向き合う。

③子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせる。

・子どもの発達段階や治療過程に応じて、可能な限り事実を伝える。


・家族の情報の中には子どもに知られたくない内容があることも考慮し、伝え方等は職員会議等で確認し、共有し、また、児童相談所と連携する。

④子どもの行動の自由などの規制については、子どもの安全の確保等のために、他に取るべき方法がない場合であって子どもの最善の利益になる場合にのみ、適切に実施する。

・やむを得ず子どもの行動の自由や無断で居室に立ち入るなどのプライバシーを最小限の範囲で規制するケア等について、マニュアルなどを作成し、職員の共通認識のもとに対応する。
・マニュアル等は、定期的な検証や必要な見直しを行う。
・子どもが納得できない場合、苦情解決制度を通じて意見を述べることができることを知らせる。

⑤子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行う。

・通信、面会に関するプライバシー保護や、生活場面等のプライバシー保護について、規程やマニュアル等の整備や設備面等の工夫などを行う。

⑥子どもや保護者の思想や信教の自由を保障する。

・子どもの思想・信教の自由については、最大限に配慮し保障する。
・保護者の思想・信教によってその子どもの権利が損なわれないよう配慮する。

(2)子どもの意向や主体性への配慮

①子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、治療や支援の内容の改善に向けた取組を行う。

・日常的な会話のなかで発せられる子どもの意向をくみ取り、また、子どもの意向調査、個別の聴取等を定期的に行い、改善課題の発見に努める。
・改善課題については、子どもの参画のもとで検討会議等を設置し、改善に向けて具体的に取り組む。

②子ども自身が生活全般について自主的に考える活動を推進し、施設における生活改善に向けて積極的に取り組む。

・活動を通して、子どもの自己表現力、自律性、責任感などが育つよう、必要な支援を行う。

③施設が行う支援について事前に説明し、子どもが主体的に選択(自己決定)できるよう支援する。

・子どもの知る権利を守り、主体的に問題解決に立ち向かう力を高めるため、子どもに対して適切な情報提供を行う。
・子どもの発達段階に応じて自己決定できるよう支援する。

(3)入所時の説明等

①子どもや保護者等に対して、治療・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報の提供を行う。

・施設の内容がわかりやすく紹介された印刷物を作成し、希望があれば見学に応じるなど治療内容や集団生活上での守るべきルールなどが正しく理解できるような工夫を行う。

・子どもや保護者等、又は関係機関が、情報を簡単に入手できるような取組を行う。

②入所時に、施設で定めた様式に基づき治療・支援の内容や施設での約束ごとについて子どもや保護者等にわかりやすく説明する。

・子どもの不安を解消し、施設生活や入所中の面会や外泊等を理解できるよう説明を加えながら、担当者が子どもに安心感を与えるように適切に支援する。
・子どもが施設における治療を主体的に受けられるように動機付けを行う。
・保護者が子どもの治療の協力者となるように動機付けを行う。

(4)権利についての説明

①子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明する。

・権利ノートやそれに代わる資料を使用して施設生活の中で守られる権利について随時わかりやすく説明する。
・子どもの状態に応じて、権利と義務、責任の関係について、理解できるように説明する。

(5)子どもが意見や苦情を述べやすい環境

①子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行う。

・複数の相談方法や相談相手の中から自由に選べることを、わかりやすく説明した文書を作成・配布する。
・子どもや保護者等に十分に周知し、日常的に相談窓口を明確にした上で、内容をわかりやすい場所に掲示する。

②苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させる。

・苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受け付け担当者の設置、第三者委員の設置)を整備する。
・苦情解決の仕組みを文書で配布するとともに、わかりやすく説明したものを掲示する。

③子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応する。

・苦情や意見・提案に対して迅速な対応体制を整える。
・苦情や意見を治療や施設運営の改善に反映させる。
・子どもの希望に応えられない場合には、その理由を丁寧に説明する。

(6)被措置児童等虐待対応

①いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底する。

・就業規則等の規程に体罰等の禁止を明記する。

・子どもや保護者に対して、体罰等の禁止を周知する。
・体罰等の起こりやすい状況や場面について、研修や話し合いを行ない、体罰等を伴わない支援技術を職員に習得させる。

②子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組む。

・暴力、人格的辱め、心理的虐待などの不適切なかかわりの防止について、具体的な例を示し、職員に徹底する。
・子ども間の暴力等を放置することも不適切なかかわりであり、防止する。
・不適切なかかわりを防止するため、日常的に会議等で取り上げ、行われていないことの確認や、職員体制や密室・死角等の建物構造の点検と改善を行う。
・子どもが自分自身を守るための知識、具体的な方法について学習する機会を設ける。

③被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応する。

・被措置児童等虐待の事実が明らかになった場合、都道府県市の指導に従い、施設内で検証し、第三者の意見を聞くなど、施設運営の改善を行い、再発防止に努める。

(7)他者の尊重

①様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援する。

・信頼感を獲得するなど良好な人間関係を築くために職員と子どもが個別的にふれあう時間を確保する。
・同年齢、上下の年齢関係などの人間関係を日常的に経験できる生活環境を用意し、人格の尊厳を理解し、自他の権利を尊重できる人間性を育成する。

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過去問

保育士試験 令和3年 後期 社会的養護 問4

次のうち、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)におい て、児童自立支援計画の策定が義務づけられている施設として、正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 乳児院
B 児童厚生施設
C 児童家庭支援センター

○ D 児童心理治療施設

児童自立支援施設運営指針の「第Ⅱ部 各論①」の要点 5分で終わる!

児童自立支援施設運営指針 総論からの続き

ここでは、児童自立支援施設運営指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、児童自立支援施設の特有のことや、過去問題で出題された部分を太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

また児童養護施設と同様のものは背景にグレー表示をしています。

ボリュームはありますが、難しい内容ではないので、太字を中心に1度読んみるだけでマスターできることを目指しています。

運営指針MAP

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1 支援

(1)支援の基本

①子どもを理解・尊重し、その思い・ニーズをくみ取りながら、子どもの発達段階 や課題に考慮した上で,子どもと職員との信頼関係の構築を目指す。

・施設での支援は子どもの基本的信頼感を構築することが不可欠であり、職員の高い専門性に基づく受容的・支持的かかわりを行う。
・子どもの発達段階や課題に対する正しい理解のもと、子どもの個別性に十分配慮したかかわりを行う。

②子どものニーズをみたすことのできる日常的で良質なあたりまえの生活を営みつつ、職員がモデルとなることで,子どもの協調性を養い、社会的ルールを尊重する気持ちを育てる。

・普段から職員が振る舞いや態度で模範を示す。
・施設生活・社会生活の規範等守るべきルール、約束ごとを理解できるよう子どもに説明し、責任ある行動をとるよう支援する。
・他者への心づかいや配慮する心が育まれるよう支援する。

③集団生活の安定性を確保しながら、施設全体が愛情と理解のある雰囲気に包まれ、子どもが愛され大切にされていると感じられるような家庭的・福祉的アプローチを行う。

規則の押し付けや過度の管理に陥ることなく、支援基盤というべき一定の「枠のある生活」である集団生活の安定性を確保するように取り組む。
・職員は被包感のある雰囲気づくりを行い、子どもが愛され大切にされていると感じることができる支援を行う。

④発達段階に応じて食事、睡眠、排泄、服装、掃除等の基本的生活習慣や生活技術が定着するよう支援する。

・子どもの自立に向けては、基本的生活習慣・生活技術を身につけることが必要であり、個々の子どもの発達段階等に応じて支援する。
・子どもが社会生活を営む上での必要な知識や技術を日常的に伝え、子どもがそれらを習得できるよう支援している。

⑤多くの生活体験を積む中で、子どもがその問題や事態の自主的な解決等を通して、子どもの健全な自己の成長や問題解決能力を形成できるように支援する。

・生活体験(創作活動など)を通して、ものごとを広い視野で具体的総合的にとらえる力や、豊かな情操が育まれるような活動を行う。
・つまずきや失敗の体験を大切にし、子どもが主体的に解決していくプロセスを通して、自己肯定感などを形成し、自己を向上発展させるための態度を身につけられるよう支援する。

⑥子どもの行動上の問題を改善するために、自ら行った加害行為などと向き合う取組を通して自身の加害性・被害性の改善や被害者への責任を果たす人間性を形成できるように支援する。

・子どもが入所前に行った行動上の問題により被害を受けた人や自分自身に対する影響について深く考えさせ、人間性の回復や開発に結びつくよう支援する。
・個別的な時間を確保し、子どもと職員との信頼関係形成や家族調整を行うことにより、自己肯定感などを体得させるように努める。
・子どもの発達段階や状態に配慮し、加害行為を行った子どもに自分の非行について振り返り、向き合わせる取組を行う。

(2)食生活

①団らんの場として和やかな雰囲気の中で、食事をおいしく楽しく食べられるよう工夫し、子どもの嗜好や栄養管理にも十分な配慮を行う。

・和気あいあいとした会話のある食事に心がけるなど、団らんの場として明るく楽しい雰囲気の中で食事ができるように工夫する。
・温かいものは温かく、冷たいものは冷たくという食事の適温提供への配慮など、食を通して、個々の子どもがその存在を大切にされていることを実感できるように工夫する。
・子どもの年齢、障害のある子ども、また、食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。
・定期的に残食の状況や子どもの嗜好を調査し、栄養摂取量を勘案し献立に反映する。

②子どもの生活時間にあわせた食事の時間の設定を含め、子どもの発達段階に応じて食習慣を習得するための支援を適切に行う。

高校通学、就職実習等子どもの事情に応じて、食事時間以外の時間でも個別の食事を提供する。
・無理なく楽しみながら食事ができるよう年齢や個人差に応じた食事時間に配慮する。
・子どもが日々の食生活に必要な知識及び判断力を習得し、基本的な食習慣を身につけることができるよう食育を推進する。
・食事の準備や配膳、簡単な調理など基礎的な調理技術を習得できるよう援助する。
・施設外での食事の機会など、多様な機会を設け、食事を楽しむとともに、食習慣の習得ができるようにする。
・郷土料理、季節の料理、伝統行事の料理などに触れる機会をもち、食文化を継承できるようにする。
・子どもが農作業で収穫した作物を使い、作業・収穫のよろこびや達成感をより味わえる食事を提供する。

③自立に向けた食育への支援を行う。

・調理実習などを通して、一人で簡単な食事をつくることができるように支援する。

(3)衣生活

①衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものを提供し、衣習慣を習得できるよう支援する。

・常に衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものが着用できるようにする。
・年齢に応じて、TPOに合わせた服装ができるよう配慮する。

(4)住生活

①居室等施設全体を、子どもの居場所となるように、安全性、快適さ、あたたかさなどに配慮したものにする。

・建物の内外装、設備、家具什器、庭の樹木、草花など、子どもの取り巻く住環境から、そこにくらす子どもが大切にされているというメッセージを感じられるようにする。

・小規模グループケアを行う環境づくりに配慮する。
・家庭的な環境としてくつろげる空間を確保する。

(5)健康と安全

①発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援する。

・常に良好な健康状態を保持できるよう、睡眠、食事摂取、排泄等の状況を職員がきちんと把握する。
・発達段階に応じて、排泄後の始末や手洗い、うがい、洗面、洗髪、歯磨きなどの身だしなみ等について、自ら行えるよう支援する。
・寝具や衣類などを清潔に保つなど、自ら健康管理ができるよう支援する。

②医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応する。

・健康上特別な配慮を要する子どもについて、医療機関と連携するなど、子どもの心身の状態に応じて、健康状態並びに心身の状態について、定期的、継続的に、また、必要に応じて随時、把握する。
・受診や服薬が必要な場合、子どもがその必要性を理解できるよう説明する。
・感染症に関する対応マニュアル等を作成し、感染症や食中毒が発生し、又は、まん延しないように必要な措置を講じるよう努める。また、あらかじめ関係機関の協力が得られるよう体制整備をしておく。

(6)性に関する教育

①子どもの年齢、発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設ける。

・性をタブー視せず、子どもの疑問や不安に答える。
・日頃から職員間で児童自立支援施設に相応しい性教育のあり方等を検討し、職員の学習会を行う。
・必要に応じて外部講師を招いて、学習会などを職員や子どもに対して実施する。

(7)行動上の問題に対しての対応

①子どもが暴力、不適応行動・無断外出などの行動上の問題を行った場合には、関係のある子どもも含めて適切に対応する。

・子どもの特性等あらかじめ職員間で情報を共有化し、連携して対応する。
・行動上の問題は子どもからの必死なサインであることを理解する。
・子どもの行動上の問題に対しては、子どもが訴えたいことを受けとめるとともに、多角的に検証して原因を分析した上で、適切に検討する。また、記録とどめ、以後の対応に役立てる。
・パニックなどで自傷や他害の危険度の高い場合に、タイムアウトを行うなどして、子どもの心身を傷つけずに対応するとともに、周囲の子どもの安全を図る。
・緊急事態に対する対応マニュアル等を作成し、組織的な対応を行う。
・児童相談所、警察機関などの関係機関と日常的に連絡を取るなど、緊急事態への対応が円滑に進むよう対策を図る。

②施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体に徹底する。

・日頃から他人に対する配慮の気持ちや接し方を職員が模範となって示す。
・特に弱い子どもに対する暴力、いじめ、差別などに対しては、状況に応じた適切な対応をとり、重大な人権侵害であることを理解させ、職員は人権意識を持って子どもにかかわる。
・暴力やいじめについての対応マニュアルを作成するなど、問題が発覚した場合は、全職員が適切な対応ができる体制を整える。

③虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努める。

・強引な引き取りのための対応について、施設で検討し、統一的な対応が図られるよう周知徹底する。
・生活する場所が安全であることを、子どもが意識できるようにする。

(8)心理的ケア

①被虐待児など心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行う。

・心理的な支援を必要とする子どもには、自立支援計画に基づきその解決に向けた心理支援プログラムを策定する。

・心理支援プログラムにおいて個別・具体的方法を明示し、実施する。

(9)主体性、自律性を尊重した日常生活

①日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援する。

・行事などの企画・運営に子どもが主体的にかかわり、子どもの意見を反映させる。

②子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念や生活技術が身につくよう支援する。

・様々な生活技術の習得を子どもの発達段階に応じて支援する。
・計画的な小遣いの使用等、金銭の自己管理ができるように支援する。
・退所を見据え、一定の生活費の範囲で生活することを学ぶプログラムを実施する。

(10)学習支援、進路支援、作業支援等

①学習環境の整備を行い、個々の学力等に応じた学習支援を行う。

・学習権を保障し、よりよき自己実現に向けて学習意欲を十分に引き出し、適切な学習機会を確保する。

②「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援する。

・進路選択に必要な資料を収集し、子どもに判断材料を提供し、十分に話し合う。
・進路決定後のフォローアップや失敗した場合に対応する。

③作業支援、職場実習や職場体験等の機会を通して、豊かな人間性や職業観の育成に取り組む。

・事業主等と密接に連携するなど、職場実習の効果を高めるよう支援する。
・子どもが、作物などの育成過程を通して、協働して作業課題を達成する喜びを体験し、勤労意欲の向上、心身の鍛練を図れるように支援する。
・仲間との共同作業などを通して、人間的ふれあいや生命の尊厳及び相互理解を深め、社会性や協調性などを培うように支援する。
・働く体験を積み重ねることで、根気よく最後まで取組む姿勢など社会人として自立するために必要な態度や行動を育てる。
・自然の環境の中での作業体験を通して、情操の育成が図られるように支援する。

④施設と学校との親密な連携のもとに子どもに対して学校教育を保障する。

・日々の子どもの状況の変化等に関する情報が、学校・施設間で確実に伝達するシステムを確立し、生活支援、学習支援及び進路支援等を相互に協力して実施する。
原籍校との連携を図り、子どもが不利益を被らないように、学習・進路等の支援を行う。
・学校との協議に基づいて個々の子どもの学習計画を立て、それに応じた支援や計画の見直しを行う。

⑤スポーツ活動や文化活動を通して心身の育成を図るとともに、忍耐力、責任感、協調性、達成感などを養うように支援する。

・子どもの持っている興味・関心を把握し、子どもの個性を伸ばせるように、スポーツ・文化活動を実施して、豊かな人間性の育成に努める。
・ルールを尊重するとともに、子ども間の協力やチームワークなど、子どもの社会性の発達を支援する。
・子どもが自主性や自発性を持った活動を行い、最後までやり通せるように支援する。

(11)継続性とアフターケア

①措置変更又は受入れを行うに当たり、継続性に配慮した対応を行う。

・子どもの特性を理解するための情報の共有化やケース会議を実施し、切れ目のない養育・支援に努める。
・措置変更に当たり、引き継ぎを行う相手の施設、里親等と丁寧な連携を行う。そのため日頃より、それぞれの施設や里親の役割を十分に理解し、連絡協議会や合同研修会の開催など相互に連携に努める。
・社会人としての生活を目標にする場合は、社会の一員であり、信頼できる人に支えられていることの自覚が持てるように支援する。
・継続的な支援を行うための育ちの記録を作成する。
・前任の養育者や担当者から後任の者へ適切に引き継ぐ。

②家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行う。

・退所に当たってはケース会議を開催し、子ども本人や保護者の意向を踏まえて、児童相談所や関係機関等と協議の上、適切な退所時期や退所後の生活を検討する。
・家庭引き取りの場合は、子どもや家庭の状況把握や支援など関係機関との役割を明確にする。
・退所後も施設として子どもが相談できる窓口を設置し、子どもと保護者に伝える。

③子どもが安定した社会生活を送ることができるよう通信、訪問、通所などにより、退所後の支援を行う。

・アフターケアは施設の業務であり、退所後何年たっても施設に相談できることを伝える。
・必要に応じて、児童相談所と協議の上、市町村の担当課と情報共有し、地域の関係機関、団体等と積極的な連携を図る。

・退所した子どもに対して、定期的かつ必要に応じて、手紙、訪問、通所や短期間の宿泊などの支援を行う。

・子どもとともに退所する地域の関係機関と連携し、退所後の生活支援体制の構築に努める。
・施設退所者が集まれるような機会を設け、退所した子どもの来所を温かく受け入れる。

(12)通所による支援

①地域の子どもの通所支援を行う。

・施設が蓄積してきた非行相談等の知見や経験をいかし、通所機能を活用して地域や他の施設の子どもについての相談支援などを実施する。

児童自立支援施設運営指針

2 家族への支援

(1)家族とのつながり

①児童相談所と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行う。

・家庭支援専門相談員をケアワークとは独立した専門職として配置し、その役割を明示する。
・家族との関係調整については、定例的かつ必要に応じて児童相談所と家族の状況や入所後の経過について情報を共有し、協議を行う。

②子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行う。

・面会、外出、一時帰宅については、施設の定める規程に基づいて実施する。
・一時帰宅は児童相談所と協議を行う。
・親子が必要な期間を一緒に過ごせるような宿泊設備を施設内に設ける。

家族との関係づくりが困難な子どもに対しては、特別な配慮をする。

(2)家族に対する支援

①親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組む。

・児童相談所と協力して、退所後の家族と子どもを支えるためのサポート体制づくりに取り組む。
・子どもと保護者の安定した関係に配慮し、保護者の養育力の向上に資するよう、適切に支援を行う。
・子どものために行う保護者への援助を支援として位置付け、積極的に取り組む。

・家族療法事業の実施など、子どもと保護者との関係回復に向けた支援を行う。

3 自立支援計画、記録

(1)アセスメントの実施と自立支援計画の策定

①子どもの心身の状況や、生活状況等を正確に把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、アセスメントに基づき、子どもの個々の課題を具体的に明示する。

・子どもが抱えている非行等の行動上の問題や課題を受け止め、児童相談所等との連携のもと、自立支援計画策定のための総合的なアセスメントを組織的に行う。

・子どもの心身の状況や、生活状況を、保護者の状況など家庭環境等の必要な情報を把握し、統一した様式に則って記録する。

・把握した情報を総合的に分析・検討し、課題を適切に把握する。
・アセスメントは、子どもの担当職員をはじめ、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などが参加するケース会議で合議して行う。

②アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させる。

・自立支援計画策定の責任者(基幹的職員等)を設置する。
・児童相談所と支援方針について打ち合わせ、自立支援計画に反映させる。また、策定した自立支援計画を児童相談所に提出し、共有する。
・自立支援計画は、ケース会議で合議して策定する。
・自立支援計画には、支援上の課題と、課題解決のための支援目標と、目標達成のための具体的な支援内容・方法を定める。
・支援目標は、子どもに理解できる目標として表現し、努力目標として子どもに説明する。
・策定された自立支援計画は、全職員で共有し、支援は統一かつ統合されたものとする。

③自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施する。

・自立支援計画の見直しは、子どもとともに生活を振り返り、子どもの意向を確認し、併せて保護者の意向を踏まえて、それらを反映させつつ、子どもの最善の利益を考慮して行う。
・計画の見直し時には、支援方法を振り返り、自己評価し、支援の成果について分析、検証を行い、専門性や技術の向上に努め、施設全体の支援の向上に反映させる仕組みを構築する。
・アセスメントと計画の評価・見直しは少なくとも半年ごとに定期的に行い、かつ緊急の見直しなど必要に応じて行う。

(2)子どもの支援に関する適切な記録

①子ども一人一人の支援の実施状況を適切に記録する。

・入所からアフターケアまでの支援の実施状況を、家族及び関係機関とのやりとり等を含めて適切に記録し、確認する。
・記録内容について職員間でばらつきが生じないよう工夫する。

・行動上の制限等を行った時など個別支援に関する記録を整備する。

②子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行う。

・記録の管理について個人情報保護と情報開示の観点から、研修を実施する。

・守秘義務の遵守を職員に周知する。

③子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行う。

・施設における情報の流れを明確にし、情報の分別や必要な情報が的確に届く仕組みを整備する。
・施設の特性に応じて、ネットワークシステム等を利用して、情報を共有する仕組みを作る。

4 権利擁護

(1)子どもの尊重と最善の利益の考慮

①子どもを尊重した支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行う。

・施設長や職員が子どもの権利擁護に関する施設内外の研修に参加し、人権感覚を磨くことで、施設全体で権利擁護の姿勢を持つ。
・子どもを尊重した姿勢を、個々の支援の標準的な実施方法等に反映させる。

②社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の支援において実践する。

・人権に配慮した養育・支援を行うために、職員一人一人の倫理観、人間性並びに職員としての職務及び責任の理解と自覚を持つ。
・施設全体の質の向上を図るため、職員一人一人が、実践や研修を通じて専門性などを高めるとともに、養育・支援実践や養育・支援の内容に関する職員の共通理解や意見交換を図り、協働性を高めていく。
・職員同士の信頼関係とともに、職員と子ども及び職員と保護者との信頼関係を形成していく中で、常に自己研鑽に努め、喜びや意欲を持って支援に当たる。
・子どもの意向に沿うことが結果として子どもの利益につながらないこともあることを踏まえ、適切に導く。
・受容的・支持的なかかわりを基本としながらも、養育者として伝えるべきメッセージはきちんと伝えるなど、子どもの状況に応じて適切な対応ができるよう、常に子どもの利益を考慮し真摯に向き合う。

③子どもの発達段階に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせる。

・子どもの発達段階等に応じて、可能な限り事実を伝える。

・家族の情報の中には子どもに知られたくない内容があることも考慮し、伝え方等は職員会議等で確認し、共有し、また、児童相談所と連携する。

④特別プログラムなど子どもの行動の自由などの規制については、子どもの安全の確保等のために、他に取るべき方法がない場合であって子どもの最善の利益になる場合にのみ、適切に実施する。

・やむを得ず子どもの行動の自由などを規制するケアについて、マニュアルなどを作成し、職員の共通認識のもとに対応する。
・マニュアル等は定期的な検証や必要な見直しを行う。
・子どもが納得できない場合、苦情解決制度を通じて意見を述べることができることを知らせる。

⑤子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行う。

・通信、面会に関するプライバシー保護や、生活場面等のプライバシー保護について、規程やマニュアル等の整備や設備面等の工夫などを行う。

⑥子どもや保護者の思想や信教の自由を保障する。

・子どもの思想・信教の自由については、最大限に配慮し保障する。
・保護者の思想・信教によってその子どもの権利が損なわれないよう配慮する。

(2)子どもの意向や主体性への配慮

①子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、支援内容の改善に向けた取組を行う。

・日常的な会話のなかで発せられる子どもの意向をくみ取り、また、子どもの意向調査、個別の聴取等を行い、改善課題の発見に努める。

・子どもの意向調査、個別の聴取、面接など、定期的に行い、改善課題の発見、対応策を実施する。

・改善課題については、子どもの参画のもとで検討会議等を設置し、改善に向けて具体的に取り組む。

②子ども自身が自分たちの生活全般について自主的に考える活動を推進し、施設における生活改善や自立する力の伸長に向けて積極的に取り組む。

・活動を通して、子どもの自己表現力、自律性、責任感などが育つよう支援を行う。

③施設が行う支援について事前に説明し、子どもが主体的に選択(自己決定)できるよう支援する。

・子どもの知る権利を守り、主体的に問題解決を行う力を高めるため、子どもに対して適切な情報提供を行う。
・子どもの発達段階に応じて自己決定できる力が備わるよう支援する。

(3)入所時の説明等

①子どもや保護者等に対して、支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報提供する。

・施設の内容がわかりやすく紹介された印刷物を作成し、希望かあれば見学に応じるなど養育内容を正しく理解できるような工夫を行う。

②入所時に、施設で定めた様式に基づき支援の内容や施設での約束ごとについて、子どもや保護者等にわかりやすく説明する。

・子どもの不安を解消し安心感を与えるように、担当者が温かみのある雰囲気の中で施設生活や入所中の面会や外泊等を理解できるよう説明する。
・施設生活における規則や行動に一定の制限があることについても説明し、事前に理解してもらうようにする。
・家庭裁判所の審判決定により入所する子どもについては、抗告の手続について説明し、抗告の意思表示があれば適正に取り扱うなど、配慮ある対応をする。

(4)権利についての説明

①子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明する。

・権利ノートやそれに代わる資料を使用して施設生活の中で守られる権利について随時わかりやすく説明する。
・子どもの状態に応じて、権利と義務・責任の関係について理解できるように説明する。

(5)子どもが意見や苦情を述べやすい環境

①子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行う。

・複数の相談方法や相談相手の中から自由に選べることを、わかりやすく説明した文書を作成・配布する。
・子どもや保護者等に十分に周知し、日常的に相談窓口を明確にした上で、内容をわかりやすい場所に掲示する。

②苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させる。

・苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受け付け担当者の設置、第三者委員の設置)を整備する。
・苦情解決の仕組みを文書で配布するとともに、分かりやすく説明したものを掲示する。

③子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応する。

・苦情や意見・提案に対して迅速な対応体制を整える。
・苦情や意見を養育や施設運営や支援の改善に反映させる。
・子どもの希望に応えられない場合には、その理由を丁寧に説明する。

(6)被措置児童等虐待対応

①いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底する。

・就業規則等の規程に体罰の禁止を明記する。
・子どもや保護者に対して、体罰の禁止を周知する。
・体罰の起こりやすい状況や場面について、研修や話し合いを行ない、体罰を伴わない援助技術を職員に習得させる。

・施設内の常識を常に麻痺化させない努力や体罰や子どもの人格を辱めるような行為へと気づかないうちに発展していかないように十分な振り返りを行う。
・職員が相互に,迷いや過剰な対応をいさめ指摘できる関係を作る。
・子どもの挑発に乗らないでその背景にある痛みを見据えて対応できるようにする。

②子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組む。

・暴力、人格的辱め、心理的虐待などの不適切なかかわりの防止について、具体的な例を示し、職員に徹底する。
・子ども間の暴力等を放置することも不適切なかかわりであり、防止する。
・不適切なかかわりを防止するため、日常的に会議等で取り上げ、行われていないことの確認や、職員体制や密室・死角等の建物構造の点検と改善を行う。
・子どもが自分自身を守るための知識、具体的な方法について学習する機会を設ける。

③被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応する。

・被措置児童等虐待の事実が明らかになった場合、都道府県市の指導に従い、施設内で検証し、第三者の意見を聞くなど、施設運営の改善を行い、再発防止に努める。

(7)他者の尊重

①様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援する。

・信頼感を獲得するなど良好な人間関係を築くために職員と子どもが個別的にふれあう時間を確保する。

・同年齢、上下の年齢関係などの人間関係を日常的に経験できる生活環境を用意し、人格の尊厳を理解し、自他の権利を尊重して共生できる人間性を育成する。

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福祉型障害児入所施設の職員配置!施設イメージから紐解く!

配置職員はどこまで覚えればよいかわからなくなったため、過去問を分析してみたところ、施設目的と入所理由しか出題されていませんでした。

施設の職員配置MAP

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福祉型障害児入所施設とはどんな施設?

まずは児童養護施設入所児童等調査結果(厚生労働省HP)によりどんな施設なのかイメージします。保育士試験にはここまでは出題されないと思いますが、施設をイメージするのに役立ちます。深入りせずに考え方のみを確立させましょう。

障害児入所施設には小学校で入所する児童が多い
障害児入所施設の平均在所期間は長い
社会的養護施設とは違い、契約により入所ができる。措置との割合は半々。

入所理由

福祉型障害児入所施設の入所理由は、措置の場合、虐待が多いのが特徴。
契約では、保護者の養育力不足が多くなっている。 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課障害児・発達障害者支援室調べ
ほとんどが交流あり
退所後は障害施設への移行がほとんど
福祉型障害児入所施設の職員配置

過去問

保育士試験 令和3年(2021年)後期 子ども家庭福祉 問12

次の図は、「厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課障害児・発達障害者支援室調べ(平成31年1月17日時点)」において報告された、福祉型障害児入所施設における措置、及び契約による入所理由である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • A 保護者の疾病
  • B 保護者の養育力不足
  • C 虐待(疑いあり)

5.A:オ  B:イ  C:キ

保育士試験 平成26年(2014年) 社会的養護 問19

次の文は、主として知的障害のある児童を入所させる福祉型障害児入所施設に関する記述である。適切な記述を選びなさい。

○ 1.個別支援計画書を作成し、それぞれの障害の状況に応じた支援を提供する。

○ 2.生活基盤が施設内にあるため、児童が食事、睡眠、入浴などの日常生活を快適に、安心しておくることができるような養護実践が重要である。

○ 3.保育士や児童指導員は、食事や排泄等の基本的生活習慣の自立を目指した支援に取り組むことが求められる。

× 4.入所児童に対する学校教育の保障のため、すべての施設内に分校または分教室が設置され、学校教育を実施している。

  • 福祉型障害児入所施設では地域の学校への通学や訪問学級での学校教育など、障害の程度や発達段階に合わせて個別的な対応が行われています。

人口推計・人口動態統計の覚えるポイント!統計に強くなる!「最新版」

この記事は2023令和5年後期試験に対応しています。

人口推計・人口動態統計からはいろんな科目から毎年のように出題されますが、数値をどこまで暗記すればよいかわからなくなってきます。

この記事は過去問ででてくる範囲を覚えやすいように構成したものです。

総人口・自然増減・将来総人口

総人口は減少

人口推計 厚生労働省

総人口1.23億人で11年連続で減少しています。

  • 2005(平成17)年に戦後初めて前年を下回り
  • 2011(平成23)年以降は継続して減少

自然増減は減少

自然増減15年連続の自然減少となり,減少幅は拡大しています。

自然増減とは、住居の移動を除いた人口の増減。死亡数から出生数を減じた数です。

男女別総人口

人口推計 総務省

65歳までは男女比にそれ程差はありませんが、高齢者の男女比をみると、女性の割合の方が高いです。

将来の総人口は減少

日本の将来人口は長期にわたり減少する
日本の将来推計人口報告書

総人口は、長期の人口減少過程に入ります。

年齢区分別人口〜生産人口は減少〜

人口推計 総務省

15歳未満(年少人口)は1割強、過去最低

15~64歳(生産人口)6割弱過去最低

65 歳以上75歳以上含は3割弱、過去最高

75 歳以上     は1割強、過去最高

年齢定義の記事はこちら

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出生数・合計特殊出生率

全国の出生数・合計特殊出生率

人口推計 総務省

出生数約81万人で前年より減少し、合計特殊出生率(人口千対)1.30低下しました。

年次推移をみると、

  • 昭和24年(1949)総人口約270万人をピークに減少
  • 昭和48年(1973)総人口約210万人をピークに減少
  • 平成17年(2005)合計特殊出生率1.26を過去最低後上昇傾向
  • 平成28年(2016)初めて総人口100万人を割り再び低下。
  • 令和2年(2020)合計特殊出生率1.34 で前年より低下

出生率とは、人口千人に対する出生数の割合をいいます。

合計特殊出生率とは、15 歳から 49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したものです。

都道府県別の合計特殊出生率

都道府県別に合計特殊出生率をみると、沖縄県(1.80)と東京都(1.08)の最高値と最低値の差は0.5以上あります。

母の年齢別の合計特殊出生率

厚生労働省 人口動態統計

母の年齢(5歳階級)別にみると、全ての年齢階級で低下しており、最も合計特殊出生率が高いのは、30~34 歳となっています。

出生率とは、人口千人に対する出生数の割合をいいます。

合計特殊出生率とは、15 歳から 49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したものです。

ちなみにニッポン一億総活躍社会の希望出生率とは別物です。

将来の合計特殊出生率

合計特殊出生率の推移

現在の少子化の傾向が続けば、2065 年には1年間に生まれる子どもの数が現在の4分の1程度になってしまいます。

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死亡数・死亡率・主な死因

全国の死亡数

人口動態統計 厚生労働省

死亡数は前年より増加しました。

主な死因

人口動態統計 厚生労働省

死因別にみると、悪性新生物<腫瘍>が、前年と同様死因順位の第1位となりました。

いわゆるガンです。

年代別の主な死因

人口動態統計 厚生労働省

15歳~19歳、20〜24歳、25〜29歳の男女とも、死因の第1位は自殺です。

若者は病気になる確率が低いので当然です。

警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等

警察庁 自殺統計

年間の累計自殺者数(約2万人)は、対前年比で微増です。

このうち女性の自殺者数は約7千人であり、前年から3年連続で増加しています。

年間の自殺者数は、平成15年に最多の3万4427人を記録してから、平成24年に3万人を割り、以降前年より減少傾向していました。

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死産数・死産率・主な死因

死産・死産率は減少・上昇

死産数は前年より減少し、死産率(出産(出生+死産)千対)は前年より下降しました。

死産とは、妊娠12週以降に死亡した胎児を出産することです。

周産期死亡率は増加

周産期死亡率増加しました。

周産期死亡とは、妊娠満 22週(154日)以後の死産と,生後 1週未満の早期新生児死亡(→新生児死亡)を合わせたものです。

乳児死亡の主な死因

人口動態統計 厚生労働省

乳児が死亡する死因で、乳幼児突然死症候群は男女とも3位です

乳児死亡は生後1年未満の死亡をいい、乳児死亡率は出生千対で表します。

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婚姻件数

人口動態統計 厚生労働省

婚姻件数約50万組で、前年より減少しています。

50歳時の未婚割合の推移厚生労働白書

2015(平成27)年の男性の50歳時の未婚割合(50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合)は、16%程度です。

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離婚件数

離婚件数は約18万組で、前年より減少しています。

離婚件数の年次推移をみると、平成に入ってから増加傾向にあったが、平成 14 年ピークに減少傾向が続いています。

人口動態統計 厚生労働省

また、「子どものいる離婚件数」は、「子どものいない離婚件数」よりも多いです。

「結婚と家族をめぐる基礎データ」(令和4年3月内閣府男女共同参画局)
ひとり親世帯数と離婚が多いという記事はこちら
社会福祉の目次
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過去問

保育士試験 令和5年(2023年)後期 社会福祉 問20

次のうち、多様化する地域生活課題に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)によると、令和3年度における小学生・中学生の不登校児童生徒数は約25万人であり、平成24年度から令和3年度にかけて、9年連続で増加している。

B 「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」では、ひきこもりについて、様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には1年以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態と定義している。

⚪︎ C 「令和3年中における自殺の状況」(厚生労働省自殺対策推進室)によると、令和3年における自殺者数は約2万人であった。このうち女性の自殺者数は約7千人であり、令和2年から2年連続で増加している。

D ヤングケアラーの行っているケアの内容として、家族に代わり、幼いきょうだいの世話をすることについては含まれていない。(組み合わせ)1 A B2 A C3 B C4 B D5 C D

保育士試験 令和5年(2023年)後期 子ども家庭福祉 問9

次のうち、「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」(2022(令和4)年 厚生労働省)に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 2021(令和3)年の婚姻件数は、2020(令和2)年に比べて増加している。
⚪︎ B 2021(令和3)年の出生数は、2020(令和2)年に比べて減少している。
× C 2021(令和3)年の離婚件数は、2020(令和2)年に比べて増加している。

(組み合わせ)
  A B C
4 × ○ ×

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の心理学 問13

次のうち、ひとり親世帯に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。ただし、ここでいう「子ども」とは、20歳未満で未婚の者とする。

× A  「結婚と家族をめぐる基礎データ」(令和4年3月内閣府男女共同参画局)によると、「子どものいる離婚件数」は、「子どものいない離婚件数」よりも少ない。

B  「ひとり親家庭の現状と支援施策について」(令和2年11月厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課)によると、近年ひとり親世帯は増加傾向にあり、ひとり親世帯になった理由は、母子世帯、父子世帯ともに「離婚」が最も多い。
C  「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、父子世帯は、母子世帯に比べると、年収が高いものの、子どものいる全世帯の年間収入よりは低い。
D  「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、ひとり親世帯の子どもについての悩みは、母子世帯、父子世帯ともに、「しつけ」が最も多く、次いで「教育・進学」となっている。

4. A:×  B:○  C:○  D:×

保育士試験 令和4年(2022年)後期 子どもの保健 問1

次のうち、母子保健に関して人口動態統計に用いられている指標の記述として、適切なものを ○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 人口千人に対する出生数の割合を出生率という。

× B 周産期死亡とは、妊娠満 22 週以後の死産と生後4週未満の新生児死亡を合わせたものをいう。

  • 周産期死亡とは、妊娠満 22週(154日)以後の死産と,生後 1週未満の早期新生児死亡(→新生児死亡)を合わせたものです。

○ C 乳児死亡は生後1年未満の死亡をいい、乳児死亡率は出生千対で表す。

○ D 合計特殊出生率とは、15 歳から 49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したものである。

保育士試験 令和4年(2022年)後期 子ども家庭福祉 問3

次のうち、少子社会の現状に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場 合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 日本の合計特殊出生率は 2005(平成 17)年に 0.98 になった。

  • 1.26

保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会福祉 問3

次の文は、「日本の将来推計人口(平成 29 年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)および 「平成 29(2017)年人口動態統計(確定数)」(厚生労働省)に基づく、日本の人口動態に関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

日本の総人口は 2010(平成 22)年が増加のピークで、その後は減少している。この状況には ( A 老年人口の増加)だけでなく、( B 出生数の減少)が影響を与えている。これまで様々な対策が講じられてきたが、 ( C 合計特殊出生率)は 2016(平成 28)年には 1.44 と低く、人口減少の状況は続いている。

(組み合わせ)
A B C

× 1 老年人口の増加 年少人口の増加 合計特殊出生率

× 2 老年人口の増加 年少人口の増加 高齢化率

○ 3 老年人口の増加 出生数の減少 合計特殊出生率

× 4 生産年齢人口の増加 出生数の減少 合計特殊出生率

× 5 生産年齢人口の増加 年少人口の増加 高齢化率

保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会福祉 問77

次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  総務省の人口推計(2018年10月1日現在)によると、日本の総人口は、2005(平成17)年に戦後初めて前年を下回り、2011(平成23)年以降は継続して減少を続けている。

○ B  厚生労働省の人口動態統計の概況(2016年)によると、日本の出生数の動向をみると、1947(昭和22)年以降、2016(平成28)年に初めて100万人を割った。

× C  総務省の人口推計(2018年10月1日現在)によると、日本の15~64歳の生産年齢人口は、1950(昭和25)年以降、2018(平成30)年に初めて総人口の4割を切った。

  • 2018(平成30)年10月1日現在の人口推計によると、2018年の日本の15〜64歳の生産年齢人口は、1950(昭和25)年と同じ59.7%でした。これは、1950年以降で過去最低となっています。

保育士試験 令和3年(2021年)前期 保育の心理学 問91

次のA~Dのうち、子育てを取り巻く社会的状況に関する記述として、適切な組み合わせを一つ選びなさい。

× C  ひとり親家庭になる原因の一つである離婚に関して、「平成29年(2017)人口動態統計の年間推計」(厚生労働省)によると、日本の年間婚姻件数と離婚件数の割合は、ほぼ4:1である。

  • 「平成29年(2017)人口動態統計の年間推計」によると、日本の年間婚姻件数は607,000組、離婚件数は212,000組であり、およそ3:1でした。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 子ども家庭福祉 問56

次の文のうち、「平成29年人口動態統計」(厚生労働省)から読み取れる家庭の状況についての記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 離婚率は、2001(平成13 )年に最も高くなり、その後減少するも、2010(平成22 )年以降は再び増加する傾向にある。

  • 離婚率は、2002(平成14)年に最も高くなり、その後は概ね減少傾向にあります。

○ B 合計特殊出生率は、1947(昭和22 )年以降最低の1.26を2005(平成17 )年に記録した。その後は若干の増減を繰り返しながらゆっくり上昇し、2016(平成28 )年には1.44となっている。

○ C 死産率は、1960(昭和35 )年前後をピークとし、多少の増減はあるものの減少する傾向にある。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 子どもの保健 問111

次の文は、日本人の自殺に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 年間の自殺者数は、平成10年以降、現在まで3万人台が続いている。

  • 2万人台が続いています。

○ C 平成30年の人口動態統計によれば、15歳~19歳の死因の第1位は自殺である。

保育士試験 平成30年(2018年)後期 社会福祉 問79

次の文は、「人口推計」(平成30年3月総務省)における、平成29年10月1日現在(確定値)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  老年人口では、男性の人口より女性の人口の方が多い。

× B  年少人口の方が生産年齢人口より多い。

  • 年少人口とは15歳未満の人口のことを言います。平成29年10月1日現在(確定値)の年少人口は総人口の12.3%を占めています。一方、生産人口とは生産活動に従事しうる年齢の人口のことを言い、主に15歳以上の人口がこれに当たります。平成29年10月1日現在(確定値)の生産人口は総人口の60%を占めているため、日本では年少人口より生産人口の方が多いことがわかります。

× C  総人口は、1億2千万人を下回っている。

  • 総人口は1億2670万8千人です。

× D  後期高齢者の人口は、老年人口全体の約3割を占めている。

  • 平成29年10月1日現在(確定値)の後期高齢者の人口は、老人人口全体の約5割を占めています。

保育士試験 平成30年(2018年)後期 子どもの保健 問102

次の文は、子どもの成長発達と母子保健についての記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

○→× C  乳幼児突然死症候群(SIDS)は、平成25年〜平成28年の0歳児の死亡原因の3位以内に見られている。

  • 今は4位です。

○ D  我が国では、平成28年の第1子出生時の母親の平均年齢は、30歳を超えている。

人口推計・将来人口推計・人口動態統計・自殺統計

保育士試験 平成30年(2018年)前期 社会福祉 問79 )

次の文は、「平成27年( 2015 )人口動態統計( 確定数 )」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  合計特殊出生率は、最近10年間減少し続けている。

  • 合計特殊出生率は多少の変動はあるものの上昇傾向にあります。減少していますが10 年も続いていません

× B  周産期死亡率は、最近10年間増加し続けている。

  • 周産期死亡率は減少しています。

○ C  都道府県別の合計特殊出生率をみると、最高値と最低値の差は0.5以上である。

○ D  死亡原因の第1位は、悪性新生物である。

保育士試験 平成27年(2015年) 社会福祉 問79

次の文は、わが国の人口動態統計に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 総人口は、2011(平成23)年より減少を続けており、今後も減少することが予測されている。

○ B 2014(平成26)年10 月現在の高齢化率は、25%を超えている。

○ C 2014(平成26)年10 月現在の高齢者人口の男女比をみると、女性の割合の方が高い。

× D 生産年齢人口とは、18 歳以上65 歳未満の者の人口を示している。

  • 生産年齢人口は15歳以上65歳未満の者を示しているため×です。

保育士試験 平成27年(2015年) 子どもの保健 問101

次の文は、2012(平成24)年までの日本の人口動態統計に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

○→× A 合計特殊出生率は、2005(平成17)年以降、ほぼ毎年増加し続けた。

  • 平成2年は減少したので×

× B 死亡率は、2005(平成17)年以降、ほぼ毎年減少し続けた。

  • 令和2年は減少

○→× C 乳児死亡率は、1995(平成7)年以降、ほぼ毎年減少し続けた。

  • 減少傾向てすが続いていません。

× D 出生数は、1995(平成7)年以降、ほぼ変わらない。

  • 出生数は1995(平成7)年以降、減少しています。

× E 人口は、1995(平成7)年以降、ほぼ毎年減少し続けた。

  • 人口が増加している年もあります。

図や表は厚生労働省HPからの出典です。

人口推計・人口動態統計の覚えるポイント!統計に強くなる!

この記事は2022令和4年後期試験に対応しています。

人口推計・人口動態統計からはいろんな科目から毎年のように出題されますが、数値をどこまで暗記すればよいかわからなくなってきます。

この記事は過去問ででてくる範囲を覚えやすいように構成したものです。

総人口・自然増減・将来総人口

総人口は減少

人口推計 厚生労働省

総人口1.26億人で10年連続で減少しています。

  • 2005(平成17)年に戦後初めて前年を下回り
  • 2011(平成23)年以降は継続して減少

自然増減は減少

自然増減14年連続の自然減少となり,減少幅は拡大しています。

自然増減とは、住居の移動を除いた人口の増減。死亡数から出生数を減じた数です。

男女別総人口

人口推計 総務省

65歳までは男女比にそれ程差はありませんが、高齢者の男女比をみると、女性の割合の方が高いです。

将来の総人口は減少

日本の将来人口は長期にわたり減少する
日本の将来推計人口(平成29年推計)報告書 [7MB]

総人口は、長期の人口減少過程に入ります。

年齢区分別人口〜生産人口は減少〜

人口推計 総務省
  •   15歳未満(年少人口)は過去最低(1割強
  • 15~64歳  (生産人口)過去最低6割弱
  • 65  歳以上75歳以上含 は過去最高(3割弱
  • 75  歳以上      は過去最高(1割強

出生数・合計特殊出生率

全国の出生数・合計特殊出生率

厚生労働省 人口動態統計

出生数約84万人で前年より減少し、合計特殊出生率(人口千対)は1.34低下しました。

年次推移をみると、

  • 昭和24年(1949)総人口約270万人をピークに減少
  • 昭和48年(1973)総人口約210万人をピークに減少
  • 平成17年(2005)合計特殊出生率1.26を過去最低後上昇傾向
  • 平成28年(2016)初めて総人口100万人を割り再び低下。
  • 令和2年(2020)合計特殊出生率1.34 で前年より低下

都道府県別の合計特殊出生率

都道府県別にみると、沖縄県(1.86)と東京都(1.13)の最高値と最低値の差は0.5以上です。

母の年齢別の合計特殊出生率

厚生労働省 人口動態統計

母の年齢(5歳階級)別にみると、全ての年齢階級で低下しており、最も合計特殊出生率が高いのは、30~34 歳となっています。

ニッポン一億総活躍社会の希望出生率とは別物です。

死亡数・死亡率・主な死因

全国の死亡数

人口動態統計 厚生労働省

死亡数は前年より減少しました。

主な死因

人口動態統計 厚生労働省

死因別にみると、悪性新生物<腫瘍>が、前年と同様死因順位の第1位となりました。

年代別の主な死因

人口動態統計 厚生労働省

15歳~19歳、20〜24歳、25〜29歳の男女とも、死因の第1位は自殺です。

警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等

警察庁 自殺統計

年間の累計自殺者数(約2万人)は、対前年比74人減っています。

年間の自殺者数は、平成15年に最多の3万4427人を記録してから、平成24年に3万人を割り、以降前年より減少傾向です。

死産数・死産率・主な死因

死産・死産率は減少・上昇

死産数は前年より減少し、死産率(出産(出生+死産)千対)は前年より下降しました。

死産とは、妊娠12週以降に死亡した胎児を出産することです。

周産期死亡率は増加

周産期死亡率減少しました。

周産期死亡とは、妊娠満 22週(154日)以後の死産と,生後 1週未満の早期新生児死亡(→新生児死亡)を合わせたものです。

乳児死亡の主な死因

人口動態統計 厚生労働省

乳幼児突然死症候群は男女とも4位で、数年前は3位でした

婚姻件数

人口動態統計 厚生労働省

婚姻件数約55万組で、前年より減少しています。

離婚件数

離婚件数は約19万組で、前年より減少しています。

離婚件数の年次推移をみると、平成に入ってから増加傾向にあったが、平成 14 年ピークに減少傾向が続いています。

人口動態 厚生労働省

ひとり親世帯数と離婚が多いという記事はこちら

過去問

保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会福祉 問3

次の文は、「日本の将来推計人口(平成 29 年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)および 「平成 29(2017)年人口動態統計(確定数)」(厚生労働省)に基づく、日本の人口動態に関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

日本の総人口は 2010(平成 22)年が増加のピークで、その後は減少している。この状況には ( A )だけでなく、( B )が影響を与えている。これまで様々な対策が講じられてきたが、 ( C )は 2016(平成 28)年には 1.44 と低く、人口減少の状況は続いている。

(組み合わせ)
  A B C

× 1 老年人口の増加 年少人口の増加 合計特殊出生率

× 2 老年人口の増加 年少人口の増加 高齢化率

○ 3 老年人口の増加 出生数の減少 合計特殊出生率

× 4 生産年齢人口の増加 出生数の減少 合計特殊出生率

× 5 生産年齢人口の増加 年少人口の増加 高齢化率

保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会福祉 問77

次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  総務省の人口推計(2018年10月1日現在)によると、日本の総人口は、2005(平成17)年に戦後初めて前年を下回り、2011(平成23)年以降は継続して減少を続けている。

○ B  厚生労働省の人口動態統計の概況(2016年)によると、日本の出生数の動向をみると、1947(昭和22)年以降、2016(平成28)年に初めて100万人を割った。

× C  総務省の人口推計(2018年10月1日現在)によると、日本の15~64歳の生産年齢人口は、1950(昭和25)年以降、2018(平成30)年に初めて総人口の4割を切った。

  • 2018(平成30)年10月1日現在の人口推計によると、2018年の日本の15〜64歳の生産年齢人口は、1950(昭和25)年と同じ59.7%でした。これは、1950年以降で過去最低となっています。

保育士試験 令和3年(2021年)前期 保育の心理学 問91

次のA~Dのうち、子育てを取り巻く社会的状況に関する記述として、適切な組み合わせを一つ選びなさい。

× C  ひとり親家庭になる原因の一つである離婚に関して、「平成29年(2017)人口動態統計の年間推計」(厚生労働省)によると、日本の年間婚姻件数と離婚件数の割合は、ほぼ4:1である。

  • 「平成29年(2017)人口動態統計の年間推計」によると、日本の年間婚姻件数は607,000組、離婚件数は212,000組であり、およそ3:1でした。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 子ども家庭福祉 問56

次の文のうち、「平成29年人口動態統計」(厚生労働省)から読み取れる家庭の状況についての記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 離婚率は、2001(平成13 )年に最も高くなり、その後減少するも、2010(平成22 )年以降は再び増加する傾向にある。

  • 離婚率は、2002(平成14)年に最も高くなり、その後は概ね減少傾向にあります。

○ B 合計特殊出生率は、1947(昭和22 )年以降最低の1.26を2005(平成17 )年に記録した。その後は若干の増減を繰り返しながらゆっくり上昇し、2016(平成28 )年には1.44となっている。

○ C 死産率は、1960(昭和35 )年前後をピークとし、多少の増減はあるものの減少する傾向にある。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 子どもの保健 問111

次の文は、日本人の自殺に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 年間の自殺者数は、平成10年以降、現在まで3万人台が続いている。

  • 2万人台が続いています。

○ C 平成30年の人口動態統計によれば、15歳~19歳の死因の第1位は自殺である。

保育士試験 平成30年(2018年)後期 社会福祉 問79

次の文は、「人口推計」(平成30年3月総務省)における、平成29年10月1日現在(確定値)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  老年人口では、男性の人口より女性の人口の方が多い。

× B  年少人口の方が生産年齢人口より多い。

  • 年少人口とは15歳未満の人口のことを言います。平成29年10月1日現在(確定値)の年少人口は総人口の12.3%を占めています。一方、生産人口とは生産活動に従事しうる年齢の人口のことを言い、主に15歳以上の人口がこれに当たります。平成29年10月1日現在(確定値)の生産人口は総人口の60%を占めているため、日本では年少人口より生産人口の方が多いことがわかります。

× C  総人口は、1億2千万人を下回っている。

  • 総人口は1億2670万8千人です。

× D  後期高齢者の人口は、老年人口全体の約3割を占めている。

  • 平成29年10月1日現在(確定値)の後期高齢者の人口は、老人人口全体の約5割を占めています。

保育士試験 平成30年(2018年)後期 子どもの保健 問102

次の文は、子どもの成長発達と母子保健についての記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。


○→× C  乳幼児突然死症候群(SIDS)は、平成25年〜平成28年の0歳児の死亡原因の3位以内に見られている。

  • 今は4位です。

○ D  我が国では、平成28年の第1子出生時の母親の平均年齢は、30歳を超えている。

人口推計・将来人口推計・人口動態統計・自殺統計

保育士試験 平成30年(2018年)前期 社会福祉 問79 )

次の文は、「平成27年( 2015 )人口動態統計( 確定数 )」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  合計特殊出生率は、最近10年間減少し続けている。

  • 合計特殊出生率は多少の変動はあるものの上昇傾向にあります。減少していますが10 年も続いていません

× B  周産期死亡率は、最近10年間増加し続けている。

  • 周産期死亡率は減少しています。

○ C  都道府県別の合計特殊出生率をみると、最高値と最低値の差は0.5以上である。

○ D  死亡原因の第1位は、悪性新生物である。

保育士試験 平成27年(2015年) 社会福祉 問79

次の文は、わが国の人口動態統計に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 総人口は、2011(平成23)年より減少を続けており、今後も減少することが予測されている。

○ B 2014(平成26)年10 月現在の高齢化率は、25%を超えている。

○ C 2014(平成26)年10 月現在の高齢者人口の男女比をみると、女性の割合の方が高い。

× D 生産年齢人口とは、18 歳以上65 歳未満の者の人口を示している。

  • 生産年齢人口は15歳以上65歳未満の者を示しているため×です。

保育士試験 平成27年(2015年) 子どもの保健 問101

次の文は、2012(平成24)年までの日本の人口動態統計に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

○→× A 合計特殊出生率は、2005(平成17)年以降、ほぼ毎年増加し続けた。

  • 平成2年は減少したので×

× B 死亡率は、2005(平成17)年以降、ほぼ毎年減少し続けた。

  • 令和2年は減少


○→× C 乳児死亡率は、1995(平成7)年以降、ほぼ毎年減少し続けた。

  • 減少傾向てすが続いていません。

× D 出生数は、1995(平成7)年以降、ほぼ変わらない。

  • 出生数は1995(平成7)年以降、減少しています。


× E 人口は、1995(平成7)年以降、ほぼ毎年減少し続けた。

  • 人口が増加している年もあります。

図や表は厚生労働省HPからの出典です。