乳児院運営指針の「第Ⅱ部 各論②」の要点 1分で済ませる!

乳児院運営指針の「第Ⅱ部 各論①」の続き

すべて児童養護施設運営指針「第Ⅱ部 各論②」と同じです。

運営指針MAP

[toc heading_levels=”2,3″]

5 事故防止と安全対策

①事故、感染症の発生時などの緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させる。

・事故発生対応マニュアル、衛生管理マニュアル等を作成し、職員に周知する。定期的に見直しを行う。

②災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行う。

・立地条件等から災害の影響を把握し、建物・設備類の必要な対策を講じる。
・災害時の対応体制を整える。
・食料や備品類などの備蓄リストを作成し、備蓄を進める。

③子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためのリスクを把握し、対策を実施する。

・安全確保・事故防止に関する研修を行う。
・災害や事故発生に備え、危険箇所の点検や避難訓練を実施する。

・外部からの不審者等の侵入防止のための対策や訓練など不測の事態に備えて対応を図るとともに、地域の関係機関等と連携し、必要な協力が得られるよう努める。

6 関係機関連携・地域支援

(1)関係機関等の連携

①施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有する。

・地域の社会資源に関するリストや資料を作成し、職員間で情報の共有化を図る。

②児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な課題や事例検討を行う。

・子どもや家族の支援について、関係機関等と協働して取り組む体制を確立する。
・地域の関係機関・団体のネットワーク内での共通の課題に対して、ケース会議や情報の共有等を行い、解決に向けて協働して具体的な取組を行う。
・児童相談所と施設は子どもや家族の情報を相互に提供する。
・要保護児童対策地域協議会などへ参画し、地域の課題を共有する。

(2)地域との交流

①子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行う。

・子どもが地域の行事や活動に参加する際、必要があれば職員やボランティアが支援を行う体制を整える。
・町内会、子ども会、老人会など地域の諸団体と連絡を取り、施設の行事に地域住民を招待する。

②施設が有する機能を、地域に開放・提供する取組を積極的に行う。

・地域へ向けて、理念や基本方針、施設で行っている活動等を説明した印刷物や広報誌等を配布し、地域の人々の理解を得ることやコミュニケーションを活発にする取組を行う。
・地域へ施設を開放するための規程を設け、施設のスペースを開放し、地域の活動の場として提供する。

③ボランティアの受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備する。

・ボランティア受入れについて、登録手続き、事前説明等に関する項目などマニュアルを整備する。
・ボランティアに対して必要な研修を行う。

(3)地域支援

①地域の具体的な福祉のニーズを把握するための取組を積極的に行う。

・地域住民に対する相談事業を実施すること等を通じて、具体的な福祉ニーズの把握を行う。
・社会的養護の施設の責務を果たすべく、地域に対して開かれた施設運営を行う。

②地域の福祉のニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行う。

・施設が有する専門性を活用し、地域の子育ての相談・助言や市町村の子育て事業の協力をする。
・地域の里親支援、子育て支援等に取組など、施設のソーシャルワーク機能を活用し、地域の拠点となる取組を行う。

乳児院運営指針

7 職員の資質向上

①組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢を明示する。

・施設が目指す養育を実現するため、基本方針や中・長期計画の中に、施設が職員に求める基本的姿勢や意識を明示する。

②職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画を策定し、計画に基づいた具体的な取組を行う。

・職員一人一人について、援助技術の水準、知識の質や量、専門資格の必要性などを把握する。
・施設内外の研修を体系的、計画的に実施するなど、職員の自己研鑽に必要な環境を確保する。
・職員一人一人が課題を持って主体的に学ぶとともに、他の職員や関係機関など、様々な人とのかかわりの中で共に学び合う環境を醸成する

③定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させる。

・研修を終了した職員は、報告レポートの作成や研修内容の報告会などで発表し、共有化する。
・研修成果を評価し、次の研修計画に反映させる。

④スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援する。

・施設長、基幹的職員、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などのスーパーバイザーに、いつでも相談できる体制を確立する。
・職員がひとりで問題を抱え込まないように、組織として対応する。
・職員相互が評価し、助言し合うことを通じて、職員一人一人が援助技術を向上させ、施設全体の養育・支援の質を向上させる。

8 施設運営

(1)運営理念、基本方針の確立と周知

①法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割を反映させる。

・理念には子どもの権利擁護や家庭的養護の推進の視点を盛り込み、施設の使命や方向、考え方を反映させる。

②法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針を明文化する。

・基本方針は、「乳児院運営指針」を踏まえて、理念と整合性があり、子どもの権利擁護や家庭的養護の推進の視点を盛り込み、職員の行動規範となる具体的な内容とする。

③運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

④運営理念や基本方針を保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

(2)中・長期的なビジョンと計画の策定

①施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画を策定する。

・理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)を明確にし、養育・支援の内容や組織体制等の現状分析を行う。
・養育単位の小規模化による家庭的養護の推進や早期に家庭復帰が見込めない乳幼児には個々の状況に応じて里親委託を推進し、併せて里親支援機能の充実などの計画を明確にする。
・医療や療育の必要な子どもに対する専門的ケアや地域支援の拠点機能を強化し、地域の里親支援やショートステイなど家庭支援を行う体制を充実させる。

②各年度の事業計画を、中・長期計画の内容を反映して策定する。

③事業計画を、職員等の参画のもとで策定するとともに、実施状況の把握や評価・見直しを組織的に行う。

④事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

・事業計画をすべての職員に配布し、会議や研修において説明する。

⑤事業計画を保護者に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

・事業計画をわかりやすく説明した資料を作成し、保護者への周知の方法に工夫や配慮をする。

(3)施設長の責任とリーダーシップ

①施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮する。

・施設長は、社会的養護の使命を自覚し、自らの役割と責任について文書化するとともに、会議や研修において表明する。
・施設長は、職員の模範となるよう自己研鑽に励み、専門性の向上に努める。

②施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードする。

・施設長は、法令遵守の観点での施設運営に関する研修や勉強会に参加する。
・施設長は、職員に対して遵守すべき法令等を周知し、また遵守するための具体的な取り組みを行う。

③施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮する。

・施設長は、養育・支援の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行う。
・施設長は、養育・支援の質の向上について職員の意見を取り入れるとともに、施設内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画する。

④施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮する。

・施設長は、施設の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境整備等を行う。
・施設長は、経営や業務の効率化や改善のために施設内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画する。

(4)経営状況の把握

①施設運営を取りまく環境を的確に把握するための取組を行う。

・施設運営を長期的視野に立って進めていくために、社会的養護の全体の動向、施設が位置する地域での福祉ニーズの動向、子どもの状況の変化、ニーズ等を把握する。

②運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行う。

・運営状況や改善すべき課題について、職員に周知し、職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定する等、施設全体での取り組みを行う。

③外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善を実施する。

・事業規模に応じ、2年あるいは5年に1回程度、外部監査を受けることが望ましい。

(5)人事管理の体制整備

①施設が目標とする養育・支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランを確立させ、それに基づいた人事管理を実施する。

・各種加算職員の配置に積極的に取り組み、人員配置の充実に努める。
・職員が、各職種の専門性や役割を理解し合い、互いに連携して組織として養育・支援に取り組む体制を確立する。
・基幹的職員、家庭支援専門相談員、心理療法担当職員、里親支援専門相談員等の機能を活かす。

②客観的な基準に基づき、定期的な人事考課を行う。

③職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善する仕組みを構築する。

・勤務時間、健康状況を把握し、職員が常に仕事に対して意欲的にのぞめるような環境を整える。

④職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行う。

・職員の心身の健康に留意し、定期的に健康診断を行う。

(6)実習生の受入れ

①実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的に取り組む。

・受入れの担当者やマニュアルを整えるとともに、受入れの意義や方針を全職員が理解する。
・学校等と連携しながら、実習内容全般を計画的に学べるプログラムを準備する。

(7)標準的な実施方法の確立

①養育・支援について、標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行う。

・標準的な実施方法を職員に周知し、共通の認識を持って一定の水準の養育・支援を行う。
・マニュアルは、子どもの状態に応じて職員が個別に柔軟に対応できるものにする。

②標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行う。

・標準的な実施方法の見直しは、職員や保護者等の意見や提案、子どもの状況等に基づいて養育・支援の質の向上の観点から行う。
・見直しの時期は、少なくとも1年に1回は検証し必要な見直しを行う。

(8)評価と改善の取組

①施設運営や養育・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価 を行う体制を整備し、機能させる。

・3年に1回以上第三者評価を受けるとともに、定められた評価基準に基づいて、毎年自己評価を実施する。
・職員の参画による評価結果の分析・検討する場を設け、実行する。

②評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施する。

・分析・検討した結果やそれに基づく課題を文書化し、職員間で共有し、改善に取り組む。

乳児院運営指針の「第Ⅱ部 各論②」の要点 5分で済ませる!

乳児院運営指針の「第Ⅱ部 各論①」の続き

すべて児童養護施設運営指針「第Ⅱ部 各論②」と同じです。

5 事故防止と安全対策

①事故、感染症の発生時などの緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させる。

・事故発生対応マニュアル、衛生管理マニュアル等を作成し、職員に周知する。定期的に見直しを行う。

②災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行う。

・立地条件等から災害の影響を把握し、建物・設備類の必要な対策を講じる。
・災害時の対応体制を整える。
・食料や備品類などの備蓄リストを作成し、備蓄を進める。

③子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためのリスクを把握し、対策を実施する。

・安全確保・事故防止に関する研修を行う。
・災害や事故発生に備え、危険箇所の点検や避難訓練を実施する。

・外部からの不審者等の侵入防止のための対策や訓練など不測の事態に備えて対応を図るとともに、地域の関係機関等と連携し、必要な協力が得られるよう努める。

6 関係機関連携・地域支援

(1)関係機関等の連携

①施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有する。

・地域の社会資源に関するリストや資料を作成し、職員間で情報の共有化を図る。

②児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な課題や事例検討を行う。

・子どもや家族の支援について、関係機関等と協働して取り組む体制を確立する。
・地域の関係機関・団体のネットワーク内での共通の課題に対して、ケース会議や情報の共有等を行い、解決に向けて協働して具体的な取組を行う。
・児童相談所と施設は子どもや家族の情報を相互に提供する。
・要保護児童対策地域協議会などへ参画し、地域の課題を共有する。

(2)地域との交流

①子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行う。

・子どもが地域の行事や活動に参加する際、必要があれば職員やボランティアが支援を行う体制を整える。
・町内会、子ども会、老人会など地域の諸団体と連絡を取り、施設の行事に地域住民を招待する。

②施設が有する機能を、地域に開放・提供する取組を積極的に行う。

・地域へ向けて、理念や基本方針、施設で行っている活動等を説明した印刷物や広報誌等を配布し、地域の人々の理解を得ることやコミュニケーションを活発にする取組を行う。
・地域へ施設を開放するための規程を設け、施設のスペースを開放し、地域の活動の場として提供する。

③ボランティアの受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備する。

・ボランティア受入れについて、登録手続き、事前説明等に関する項目などマニュアルを整備する。
・ボランティアに対して必要な研修を行う。

(3)地域支援

①地域の具体的な福祉のニーズを把握するための取組を積極的に行う。

・地域住民に対する相談事業を実施すること等を通じて、具体的な福祉ニーズの把握を行う。
・社会的養護の施設の責務を果たすべく、地域に対して開かれた施設運営を行う。

②地域の福祉のニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行う。

・施設が有する専門性を活用し、地域の子育ての相談・助言や市町村の子育て事業の協力をする。
・地域の里親支援、子育て支援等に取組など、施設のソーシャルワーク機能を活用し、地域の拠点となる取組を行う。

乳児院運営指針

7 職員の資質向上

①組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢を明示する。

・施設が目指す養育を実現するため、基本方針や中・長期計画の中に、施設が職員に求める基本的姿勢や意識を明示する。

②職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画を策定し、計画に基づいた具体的な取組を行う。

・職員一人一人について、援助技術の水準、知識の質や量、専門資格の必要性などを把握する。
・施設内外の研修を体系的、計画的に実施するなど、職員の自己研鑽に必要な環境を確保する。
・職員一人一人が課題を持って主体的に学ぶとともに、他の職員や関係機関など、様々な人とのかかわりの中で共に学び合う環境を醸成する

③定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させる。

・研修を終了した職員は、報告レポートの作成や研修内容の報告会などで発表し、共有化する。
・研修成果を評価し、次の研修計画に反映させる。

④スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援する。

・施設長、基幹的職員、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などのスーパーバイザーに、いつでも相談できる体制を確立する。
・職員がひとりで問題を抱え込まないように、組織として対応する。
・職員相互が評価し、助言し合うことを通じて、職員一人一人が援助技術を向上させ、施設全体の養育・支援の質を向上させる。

8 施設運営

(1)運営理念、基本方針の確立と周知

①法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割を反映させる。

・理念には子どもの権利擁護や家庭的養護の推進の視点を盛り込み、施設の使命や方向、考え方を反映させる。

②法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針を明文化する。

・基本方針は、「乳児院運営指針」を踏まえて、理念と整合性があり、子どもの権利擁護や家庭的養護の推進の視点を盛り込み、職員の行動規範となる具体的な内容とする。

③運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

④運営理念や基本方針を保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

(2)中・長期的なビジョンと計画の策定

①施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画を策定する。

・理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)を明確にし、養育・支援の内容や組織体制等の現状分析を行う。
・養育単位の小規模化による家庭的養護の推進や早期に家庭復帰が見込めない乳幼児には個々の状況に応じて里親委託を推進し、併せて里親支援機能の充実などの計画を明確にする。
・医療や療育の必要な子どもに対する専門的ケアや地域支援の拠点機能を強化し、地域の里親支援やショートステイなど家庭支援を行う体制を充実させる。

②各年度の事業計画を、中・長期計画の内容を反映して策定する。

③事業計画を、職員等の参画のもとで策定するとともに、実施状況の把握や評価・見直しを組織的に行う。

④事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

・事業計画をすべての職員に配布し、会議や研修において説明する。

⑤事業計画を保護者に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

・事業計画をわかりやすく説明した資料を作成し、保護者への周知の方法に工夫や配慮をする。

(3)施設長の責任とリーダーシップ

①施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮する。

・施設長は、社会的養護の使命を自覚し、自らの役割と責任について文書化するとともに、会議や研修において表明する。
・施設長は、職員の模範となるよう自己研鑽に励み、専門性の向上に努める。

②施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードする。

・施設長は、法令遵守の観点での施設運営に関する研修や勉強会に参加する。
・施設長は、職員に対して遵守すべき法令等を周知し、また遵守するための具体的な取り組みを行う。

③施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮する。

・施設長は、養育・支援の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行う。
・施設長は、養育・支援の質の向上について職員の意見を取り入れるとともに、施設内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画する。

④施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮する。

・施設長は、施設の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境整備等を行う。
・施設長は、経営や業務の効率化や改善のために施設内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画する。

(4)経営状況の把握

①施設運営を取りまく環境を的確に把握するための取組を行う。

・施設運営を長期的視野に立って進めていくために、社会的養護の全体の動向、施設が位置する地域での福祉ニーズの動向、子どもの状況の変化、ニーズ等を把握する。

②運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行う。

・運営状況や改善すべき課題について、職員に周知し、職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定する等、施設全体での取り組みを行う。

③外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善を実施する。

・事業規模に応じ、2年あるいは5年に1回程度、外部監査を受けることが望ましい。

(5)人事管理の体制整備

①施設が目標とする養育・支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランを確立させ、それに基づいた人事管理を実施する。

・各種加算職員の配置に積極的に取り組み、人員配置の充実に努める。
・職員が、各職種の専門性や役割を理解し合い、互いに連携して組織として養育・支援に取り組む体制を確立する。
・基幹的職員、家庭支援専門相談員、心理療法担当職員、里親支援専門相談員等の機能を活かす。

②客観的な基準に基づき、定期的な人事考課を行う。

③職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善する仕組みを構築する。

・勤務時間、健康状況を把握し、職員が常に仕事に対して意欲的にのぞめるような環境を整える。

④職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行う。

・職員の心身の健康に留意し、定期的に健康診断を行う。

(6)実習生の受入れ

①実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的に取り組む。

・受入れの担当者やマニュアルを整えるとともに、受入れの意義や方針を全職員が理解する。
・学校等と連携しながら、実習内容全般を計画的に学べるプログラムを準備する。

(7)標準的な実施方法の確立

①養育・支援について、標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行う。

・標準的な実施方法を職員に周知し、共通の認識を持って一定の水準の養育・支援を行う。
・マニュアルは、子どもの状態に応じて職員が個別に柔軟に対応できるものにする。

②標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行う。

・標準的な実施方法の見直しは、職員や保護者等の意見や提案、子どもの状況等に基づいて養育・支援の質の向上の観点から行う。
・見直しの時期は、少なくとも1年に1回は検証し必要な見直しを行う。

(8)評価と改善の取組

①施設運営や養育・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価 を行う体制を整備し、機能させる。

・3年に1回以上第三者評価を受けるとともに、定められた評価基準に基づいて、毎年自己評価を実施する。
・職員の参画による評価結果の分析・検討する場を設け、実行する。

②評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施する。

・分析・検討した結果やそれに基づく課題を文書化し、職員間で共有し、改善に取り組む。

乳児院運営指針の「第Ⅱ部 各論①」の要点 5分で済ませる!

乳児院運営指針総論からの続き

ここでは、乳児院運営指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、乳児院の特有のことや、過去問題で出題された部分を太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

また児童養護施設と同様のものは背景にグレー表示をしています。

ボリュームはありますが、難しい内容ではないので、太字を中心に1度読んみるだけでマスターできることを目指しています。

運営指針MAP

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1 養育・支援 

(1)養育・支援の基本

①子どものこころによりそいながら、子どもとの愛着関係を育む。

・保護者から離れて暮らす乳幼児が心身の成長のために欠かせない、特定のおとなとの愛着関係を築くために、保護者や担当養育者、里親等との個別のかかわりを持つことができる体制を整備する。
・日常の養育において「担当養育制」を行い、特別な配慮が必要な場合を除いて、基本的に入所から退所まで一貫した担当制とする。
・乳幼児に対する受容的・応答性の高いかかわりを心がける。
・被虐待経験のある乳幼児など特別な配慮が必要な乳幼児に対しては、個々の状態に応じた関係づくりを行う。

②子どもの遊びや食、生活体験に配慮し、豊かな生活を保障する。

・個々に応じて柔軟に遂行される日々のいとなみを心がける。
・安全で使いやすい遊具、満足しきれる養育者との遊びの時間や自然と触れ合える外遊びを養育者との十分な交流を交えて提供する。
・他児と区別された「自分のもの」といえる玩具、食器、衣類、戸棚など個別化を図る。


③子どもの発達を支援する環境を整える。

・子どもの心の発達が順調に進み、心理的に健康であるよう、子どもが安全であると感じ、安心感を持てるように配慮する。
・養育者は子どもの情緒の表出に心を響かせ、タイミングよく、仕草や言葉で応答し、子どもが、自分の思いを共有してもらう他者の存在を獲得できるようにする。

(2)食生活

①乳幼児に対して適切な授乳を行う。

・発達に応じた量や時間の間隔、排気のさせ方などの基本的な援助方法についてマニュアル等を作成し、施設内での共通理解を持つ。
・一人一人の乳幼児の個性やその日の体調などに合わせて個別に対応し、乳幼児が安心した状態でいられるように配慮する。
・乳幼児を抱きながら、目を合わせ、優しく言葉をかけ、授乳を行う。

②離乳食を進めるに際して十分な配慮を行う。

・基本的な知識・離乳食の意義・具体的な援助方法などについてマニュアル等を作成し、施設内での共通理解を持つ。

・個々の状態に合わせて離乳を開始し、様々な食べ物に慣れさせる。
・在胎期間も含め、入所に至るまでの経過や発育、発達状況を踏まえ、一人一人に合わせた食の取組を行う。

③食事がおいしく楽しく食べられるよう工夫する。

・乳幼児が自分で食べようとする意欲を育てられるように、おいしい食事をゆっくりと、くつろいで楽しい雰囲気で食べることができる環境づくりや配慮を行う。
・乳幼児の嗜好を把握し、献立に反映する。
・栄養士、調理員等が、食事の様子をみたり、介助するなか、一人一人の発育状況や体調を考慮した調理を工夫する。
・日々の食生活を通じて、①お腹がすくリズムがもてる、②食べたいもの、好きなものが増える、③一緒に食べたい人がいる、④食事づくり、準備にかかわる、

⑤食べ物を話題にする子どもを育てる。

・食後の歯みがきが習慣として定着するよう支援する。

④栄養管理に十分な注意を払う。

・乳幼児の体調、疾病、アレルギー等に配慮しながら、栄養士の専門的知識に基づいた献立作成を行う。
・残食調査を行うなど栄養摂取量の把握に努め、献立に反映する。

(3)衣生活

①気候や場面、発達に応じた清潔な衣類を提供し、適切な衣類管理を行う。

・気候や場面の変化や心身の発達に応じて清潔な衣類を提供し、乳幼児が常に快適な状態でいられるように支援する。
・材質、サイズ、動きやすさ、着脱のしやすさなどに配慮し、個々の発達状態に応じた衣類管理を行う。
・一人一人の乳幼児に個別に衣類を用意する。

(4)睡眠環境等

①乳幼児が十分な睡眠をとれるように工夫する。

・睡眠時の状況を観察し、安定した睡眠のために、個々の乳幼児の発達・心理や安全に配慮した支援を行う。
・安心した心地よい入眠やさわやかな目覚めを支援する。

②快適な睡眠環境を整えるように工夫する。

・環境面での不備が皮膚疾患や呼吸器系の疾病など直接健康を害する原因となり、心身の発達を妨げる要因となることを防ぐために、ベッド、寝具、照明、換気、室内の温度・湿度などについて環境整備を行う。

③快適な入浴・沐浴ができるようにする。

・乳幼児の年齢に適した入浴方法をとり、適切な入浴・沐浴によって清潔を保つ。
・養育者(担当職員)とのふれあいや心地よい体験から、基本的な信頼関係の育みや精神的安定・成長を支援する。

(5)発達段階に応じた支援

①乳幼児が排泄への意識を持てるように工夫する。

・おむつ交換のときに、言葉をかけながら身体をさするなどして、おむつ交換が心地よいものであることを伝える。
・発達段階に応じて、排泄への興味が持てるように配慮する。
・発達段階に応じて、おむつが濡れていないときは、便座に誘導するなど自分から便座に座る意欲を持てるように配慮する。
・発達段階に応じて、個々の幼児のリズムに合わせて誘導を行う。

②発達段階に応じて乳幼児が楽しく遊べるように工夫する。

・個々の乳幼児の発達状況や個性に配慮し、専門的視点から遊びの計画や玩具を用意し、遊びを通じた好奇心の育みや身体機能の発達を支援する。
・模倣遊びや職員や他の乳幼児とのふれあい遊びを通して、情緒の育成を図り、人との豊かなかかわりができるように配慮する。
・一部の玩具について個別化をするなど、家庭と異なる環境にある乳幼児に対しての細やかな配慮を行う。
・おもちゃの個別化を認め、個人別に収納場所を設け、自分の所有物という認識・喜びを与え、自分で片づけるという意欲を育てる。

(6)健康と安全

①一人一人の乳幼児の健康を管理し、異常がある場合には適切に対応する。

・体温測定やその評価法などの日常的な健康管理に関するマニュアルを作成するとともに、日々の健康観察記録を行い、一人一人の健康状態の変化を把握する。
・身体発育の状態や精神・運動発達・情緒的問題等について嘱託医による定期的・総合的な診察を行い、日常生活において異常所見が見られた場合には速やかに医師に相談するなど、医療機関との連携に取り組む。

②病・虚弱児等の健康管理について、日常生活上で適切な対応策をとる。

・日々の健康状態の把握や、服薬その他留意すべき事項の確実な実施に取り組み、状態が変化した場合には速やかに対応できる体制を整える。
・専門医との連携により、乳幼児の健康状態に応じた発達支援プログラムの作成や支援の実施、定例的な診断を行う。

③感染症などへの予防策を講じる。

・感染症に関する対応マニュアル等を作成し、感染症や食中毒が発生し、又は、まん延しないように必要な措置を講じるよう努める。また、あらかじめ関係機関の協力が得られるよう体制整備をしておく。
・乳幼児突然死症候群(SIDS)や窒息の予防策に関するマニュアルを整備し、職員の知識習得や応急処置のスキル向上のための取組を行う。

乳児院運営指針

(7)心理的ケア

①乳幼児と保護者に必要な心理的支援を行う。

・心理的な支援を必要とする乳幼児については、保護者への支援も視野に入れて、自立支援計画に基づき心理支援プログラムを策定する。
・施設で生活する乳幼児への心理的ケアだけでなく、親子関係の構築、家族との再統合など保護者への支援を行う。
・心理士を配置したり、必要に応じて外部の専門家から支援を受けるなどの体制を整備する。

(8)継続性とアフターケア

①措置変更又は受入れに当たり、継続性に配慮した対応を行う。

・子どもの特性を理解するための情報の共有化やケース会議を実施し、切れ目のない養育・支援に努める。
・退所先の地域の関係機関と連携し、退所後の生活が安定するよう努める。
・措置変更等に当たり、引き継ぎを行う施設、里親等と丁寧な連携を行う。そのため日頃より、それぞれの施設や里親の役割を十分に理解し、連絡協議会や合同研修会の開催など相互の連携に努める。
・継続的な支援を行うための育ちの記録を作成する。
・前任の養育者や施設の担当者から後任の者へ適切に引き継ぐ。

②家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰の支援を行う。

・退所に当たってはケース会議を開催し、保護者の意向を踏まえて、児童相談所や関係行政機関と協議のうえ、適切な退所時期や退所後の生活を検討する。
・子どもが退所する地域の関係機関と連携し、退所後の生活の支援体制の構築に努める。
・退所後も施設として保護者や子どもが相談できる窓口を設置し、保護者や子どもに伝える。

③子どもが安定した生活を送ることができるよう退所後の支援を行う。

・児童相談所との連携のなかで、退所後のリスクアセスメントを踏まえて十分な検討を行い、復帰後の安全性への確認と、危機的状況が生じた場合の対応について検討し、具体的な手立てを明確化しておく。
・子どもの状況や家庭の状況を把握し、退所後の記録を整備する。

2 家族への支援 

(1)家族とのつながり

①児童相談所と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行う。

・家庭支援専門相談員をケアワークとは独立した専門職として配置し、その役割を明示する。
・家族との関係調整については、定例的かつ必要に応じて児童相談所と家族の状況や入所後の経過について情報を共有し、適切な支援に向けた協議を行う。
・児童相談所と協働し、乳幼児と家族及び施設と家族とのつながりの維持と関係の調整を図る。
・乳幼児の協働養育者として、日常生活の様子を伝えたり、家庭訪問をする等して家族との協力関係を構築する。
・児童相談所と協働し、家庭内で虐待の発生につながるようなリスク要因を取り除くための手立てを検討する。
・児童相談所を中心とした他機関との協働により、虐待の未然防止と家族機能の再生に向けてのサービス資源の提供などのソーシャルワークを行う。

②子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行う。

・一時帰宅は児童相談所と協議を行う。

面会、外出、施設宿泊、一時帰宅などを計画的に設定し、乳幼児と保護者との関係性が好転し、保護者の養育意欲が向上するよう支える。
帰宅や面会前後などの乳幼児の様子や保護者の言動に注意をはらい、不適切な状況に素早く気づけるよう努める。

(2)家族に対する支援

①親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組む。

・保護者の相談に積極的に応じるための保護者面接の設定等、専門的なカウンセリング機能の充実に努める。
・保護者と子どもとの愛着関係が築けるよう関係調整に向けた専門的アプローチを行う。
・課題の内容によっては適切な機関につなげられるよう、地域の精神、心理相談のできる機関を十分に把握し、連携をとる。
・家族の不安や抱えた心理的課題を受け止め、寄り添い、解決に向けた具体的な示唆ができるよう専門性を高める。
・面会時に親子関係再構築のために、保護者に適切な助言ができるよう専門性を高める。

3 自立支援計画、記録 

(1)アセスメントの実施と自立支援計画の策定

・子どもの心身の状況や生活状況、保護者の状況など家庭環境等の必要な情報を収集し、統一した様式に則って記録する。
・乳幼児については、かかわりながらの行動観察、保護者からの聞き取り、関係機関からの情報が重要であるため、児童相談所と連携し、乳幼児の疾患や障害の有無、妊娠期の状況、出産後の生育歴、乳幼児が生活していた家庭環境等の情報を把握する。
・家族についても、児童相談所と協働し、家族構成、家族状況等必要な情報を把握する。
・把握した情報を総合的に分析・把握し、課題を適切に把握する。
・アセスメントは、乳幼児の担当職員をはじめ、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などが参加するケース会議で合議して行う。

②アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させる。

・自立支援計画策定の責任者(基幹的職員等)を設置する。

・発達理論、障害に関する等様々な科学的知見に基づいて、乳幼児の抱えている課題について理解を深める。
・関係性に関する理論や虐待発生のリスクやメカニズム等の知見に基づいて、家族の抱えている課題について理解を深める。
・乳幼児や家族の抱えている課題の理解に基づいて、自立支援計画をケース会議で合議して策定する。
・自立支援計画には、支援上の課題と、課題解決のための支援目標と、目標達成のための具体的な支援内容・方法を定める。
・策定された自立支援計画を、全職員で共有し、養育や支援は統一かつ総合されたものとする。
・アセスメントについて適切な理解を深めるために、職員は様々な理論や知見について学び、専門性を高めておく必要がある。施設はそのための職員研修の充実に努める。

③自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施する。

・自立支援計画の見直しは、保護者の意向を踏まえて、それらを反映させつつ、子どもの最善の利益を考慮して行う。
・計画の見直し時には、支援方法を振り返り、自己評価し、支援の成果について分析、検証を行い、専門性や技術の向上に反映させる仕組みを構築する。

・アセスメントと計画の評価・見直しは、少なくとも半年ごとに定期的に行い、かつ緊急の見直しなど必要に応じて行う。

(2)子どもの養育・支援に関する適切な記録

①子ども一人一人の養育・支援の実施状況を適切に記録する。

・入所からアフターケアまでの養育・支援の実施状況を、保護者等及び関係機関とのやりとり等を含めて適切に記録する。
・記録内容について職員間でばらつきが生じないよう工夫する。

②子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行う。

・記録の管理について個人情報保護と情報開示の観点から、研修を実施する。
・守秘義務の遵守を職員に周知する。

③子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行う。

・施設における情報の流れを明確にし、情報の分別や必要な情報が的確に届く仕組みを整備する。
・施設の特性に応じて、ネットワークシステム等を利用して、情報を共有する仕組みを作る。

4 権利擁護 

(1)子どもの尊重と最善の利益の考慮

①子どもを尊重した養育・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行う。

・施設長や職員が子どもの権利擁護に関する施設内外の研修に参加し、人権感覚を磨くことで、施設全体で権利擁護の姿勢を持つ。
・子どもを尊重した姿勢を、個々の養育・支援の標準的な実施方法等に反映させる。

②社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解 し、日々の養育・支援において実践する。

・人権に配慮した養育・支援を行うために、職員一人一人の倫理観、人間性並びに職員としての職務及び責任の理解と自覚を持つ。
・施設全体の養育・支援の質の向上を図るため、職員一人一人が、養育実践や研修
を通じて専門性などを高めるとともに、養育実践や養育の内容に関する職員の共通理解や意見交換を図り、協働性を高めていく。
・職員同士の信頼関係とともに、職員と子ども及び職員と保護者との信頼関係を形
成していく中で、常に自己研鑽に努め、喜びや意欲を持って養育・支援に当たる。

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過去問

保育士試験 令和3年(2021年)後期 社会的養護 問4

次のうち、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)におい て、児童自立支援計画の策定が義務づけられている施設として、正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 乳児院
B 児童厚生施設
C 児童家庭支援センター
D 児童心理治療施設

保育士試験 平成30年(2018年)前期 社会的養護 問18

次の文のうち、「乳児院運営指針」の一部として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

⚪︎ A  日常の養育において「担当養育制」を行い、特別な配慮が必要な場合を除いて、基本的に入所から退所まで一貫した担当制とする。

× B  施設の備品である玩具、食器、戸棚などは措置費で購入しているため、入所児童には自分の所有物という認識を持たせず、共有のものとして利用させる。

  • 施設で購入した備品でも、食器などは共有にせず個人で分けて使うことが望ましい。

⚪︎ C  個々の乳幼児の発達状況や個性に配慮し、専門的視点から遊びの計画や玩具を用意し、遊びを通じた好奇心の育みや身体機能の発達を支援する。

× D  施設は集団での生活であり、自立を目指しているため、日課で決められた食事の時間内に残さず食べることができるように訓練する。

  • 食べ方や食べるペースは個人差が大きいため、個々人に合わせて食事を進めることが望ましいです。

ピアジェは思想を理解して丸暗記しない!part1

試験によく出るのに、考え方がモヤッとしてて、段階がたくさんあり覚えるのが大変だなと思っていましたが、過去問を分析すると、覚えるというより、考え方を理解する方が近道であることがわかります。

細かい段階名まで保育士試験にでませんが、段階ごとの絵で理解するとわかりやすいので、まとめてみました。

ピアジェの感覚運動期(0~2歳)

ピアジェは、認知発達理論で子どもが世界を認識する過程には質的(身長、体重ではなく認知能力など)に異なる4つの段階があると唱えました。

ピアジェ

第1段階(〜生後1か月)

原始反射が発達のきっかけ

生まれながらに持っている、吸う、声を出す、手のひらにふれたものをつかむといった原始反射を行って環境に働きかけます。

さわられた感覚に反応して手足をばたつかせる

シェマを何度もをつくりなおす!

シェマを獲得し、同化調節を繰り返します。

シェマとは、認識の枠組み、心の中にある認知構造です。

同化とは、持っているシェマを外界のものにあてはめようとすること。

調節とは、シェマをつくりなおすことです。

シェマのつくりなおし事例

ある幼児が自宅にある自動車を「自動車のシェマ」として持っていました。

その幼児が隣の家の自動車を初めて見たとき、積極的にそれを「自動車のシェマ」にあてはめようとしますが、うまくはあてはまらなりません

その時、幼児は「自動車のシェマ」をつくりなおし、自宅の自動車も隣の家の自動車も自動車として取り込めるような「自動車のシェマ」をつくりなおします。

「自動車のシェマ」をつくり上げる。

ピアジェは構成主義?

このように、子どもが活動を通して知識を構成していくという能動性を重視し、主に物理的環境との相互作用を中心とする子ども個人の知的構成の理論を構成主義といいます。

簡単にいうと、子ども本人がシェマを同化して調節して構成していくことです。

これに対してヴィゴツキーの理論は社会構成主義といいます。

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第2段階(1~4カ月)

シェマとシェマを組合せる!

シェマの協応がみられます。

シェマの協応とは、いくつかの動作を組み合わせるようになることです。

例えば、物をつかんで口元に持ってきて、しゃぶるようなことです。

一般的に協応を協調運動といったりします。

自分の身体を繰り返し確かめます。

第一次循環反応

第一次循環反応が形成されます。

自分の身体に限った感覚運動の繰り返しのことを指します。

例えば、自分の手や足の指をしゃぶる、手を握ったままかざして見つめたり(ハンドリガード)、首振りや、手の開閉、同じ声を繰り返し出すなどといい、繰り返し確かめ身体的自己を発見します。

ハンドリガード

第3段階(4~9カ月)

手を伸ばすようになる!

自分の外部にある興味を持った物に向かって手を伸ばしてつかむ(リーチング)ようになっていきます。

第二次循環反応

第二次循環反応が形成されます。

リーチングすることにより生じる感覚を楽しみ、物を使って同じ行動を繰り返します。

例えば、ボールを繰り返し投げてみたり、ガラガラを繰り返し振るなどといった、

そばにある色々なものを振ったりたたいたりすると音が鳴ったのでを面白がって何度もくり返す。

第4段階(9~12カ月)

目的と手段が分化!

目的と手段が分化し、個々ばらばらであった反応が新しい意図的な行動体系に組み込まれるようになります。

例えば、手づかみ食べは、食べ物を目で確かめて、手指でつかんで、口まで運び口に入れます。

ふたつの異なる玩具を組み合わせてみる。

ついに対象の永続性が!

対象の永続性」が成立しはじめます。

手で隠しても、手を取ってその下にあるおもちゃをつかむことができるようになる。サイコロブログ

ただし、3ヶ月半の乳児でも対象の永続性を獲得していることがその後の研究によりわかってきています。

この段階で1歳ちょうどです。

「発達過程は1歳を基準にする」という記事ではここを基準としています

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第5段階(12~18カ月)

目的を達する強い意志が!

目的を達するためにさまざまな手段を試してみます。

第三次循環反応

第三次循環反応が形成されます。

やり方をいろいろ変えてみるというような、バリエーションに富んだ繰り返します。

例えば、おもちゃを高いところから落として低いところからも落としてみる、ボールを近いところへ投げて遠いところにも投げてみるなどです。

物によって音がちがう様子に興味をもって、次々に物をこすったりたたいたりします。

第6段階(18カ月~2年)

ついに表象が成立!

表象が成立します。

表象とは、目の前にない事物を頭の中で再現する能力です。

実際に試してみなくても、頭の中で考えることができるようになります。

簡単にいうと、イメージとか画像のことです。

対象の永続性、表象が成立すると、母親が外出してもまた帰ってくることを理解できるようになります。ボウルビィの愛着獲得

積み木と穴を見比べ、積み木の形にあった穴を探すようになる。

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過去問

保育士試験 令和5年(2023年)後期 保育の心理学 問6

次のうち、認知の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 延滞模倣とは、自分の外部にある物理的対象である物に働きかけ、その結果として生じる感覚を楽しみ、それを再現しようとして繰り返すような行動をいう。

  • 第二次循環行動にみられます。

B 最初期に出現する指さしは、他者から問われたことに指さしで応じる「応答の指さし」である。

C ヒトは、生後間もない頃は母語にない音を区別できるが、生後6か月頃から、次第に母語にない音を区別できなくなる。例えば、日本語母語話者の場合、1歳頃には「L」と「R」の音の区別ができなくなる。

D 脱中心化によって、複数の視点で物事を捉えることができるようになると、保存課題に正答できるようになる。

(組み合わせ)
A B C D
4 × × ○ ○

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の心理学 問4

次のうち、自己の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A ホフマン(Hoffman, M.L.)によれば、1歳頃までは自他の区別が未分化であり、他児が転んで泣くのを見て、自分も泣きそうになるなど、他者に起こったことが自分自身に起こったことのように振る舞う。

B 幼児期後半に社会的比較が可能になることにより、幼児期から学童期にかけて自己評価が否定的になり、自尊感情が低下する。

× C 乳児期前半に自分の手を目の前にかざし、その手をじっと見つめるというショーイングと呼ばれる行動がみられる。

  • ハンドリガードです。

D 客体的自己の理解は、鏡に映った自分の姿を理解できるかという課題を用いて調べることができる。

(組み合わせ)
A B C D
3 ○ × × ○

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の心理学 問3

次のA~Cの記述について、子どもの姿に関連する用語の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A タオルを掴むことに慣れた子どもが、ボールを上手く掴めず、何度か働きかけるうちに手を大き
く開いて掴むようになる。

(組み合わせ) ABC
○ 1 調節 協同遊び 応答の指さし
× 2 同化 連合遊び 叙述の指さし
× 3 調節 協同遊び 叙述の指さし
× 4 同化 協同遊び 応答の指さし
× 5 調節 連合遊び 応答の指さし

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問8

次の【事例】を読んで、下線部(a)~(e)に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【事例】
・1歳半を過ぎたYちゃんは、(a)目にした物を自分の知っている言葉で表そうとして、例えば、
「ワンワン」をイヌだけでなく、あらゆる四つ足の動物に使っている。また、物には名前があるこ とを理解して、(b)「これは?」とさかんに指さしをして尋ねるようになり、保育士との言葉を 使ったやりとりを通して、(c)Yちゃんの語彙は急激に増加していった。

・4歳のG君は、友達のH君のお父さんの職業が“カメラマン”であると聞いて、(d)「“○○マン” はヒーロー」という自分のもつ枠組みで捉えて「それって強い?」と尋ねた。そこで、保育士がカ メラマンはヒーローではなく、職業であることを説明すると、G君は(e)保育士から聞いた情報 に合うように、既存の枠組みを修正して、「ヒーローではなくても“○○マン”ということがある」 という枠組みを再構成した。

【語群】
ア 置き換え
イ 同化
ウ 語彙爆発(vocabulary spurt)
エ 一語文期

オ 調節
カ 語の過小般用/語彙縮小(over-restriction)
キ 同一視
ク 命名期
ケ 語の過大般用/語彙拡張(over-extension)


(組み合わせ)
a b c d e
1 ウ エ ケ イ ア
2 ウ ク ケ イ オ
3 カ エ ウ キ ア
4 ケ エ ウ キ ア

5 ケ ク ウ イ オ

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問3

次のうち、ピアジェ( Piaget, J.)の理論の前操作期に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  太いコップに入っていた水を細長いコップに入れ替えて水位が前より高くなっても、水の量は変わらないと判断する。
B  水や風のような無生物にも生命があり、精神や意識を持つと考える。
C  積み木を車に見立てて走らせて遊ぶなど、あるものによって別のものを表象する。


× D  子どもの前におもちゃを置き、そのおもちゃに布をかけて見えなくすると、おもちゃに対する関心は失われる。

  • ピアジェは感覚運動期には対象物の永続性を理解できるようになると考えていました。そのため設問文は感覚運動期のことになるため不適切です。

3.  A:×  B:○  C:○  D:×

保育士試験 令和3年(2021年)前期 子どもの食と栄養 問125

次の文のうち、幼児期の摂食機能と食行動に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  摂食機能の発達過程では、手づかみ食べが上達し、目と手と口の協働ができていることによって、食器・食具が上手に使えるようになっていく。

○ B  スプーンの握り方は、手のひら握りから鉛筆握りへと発達していく。

× C  2歳頃には、箸を使って自分で上手に食べられるようになる。

○ D  「平成27年度乳幼児栄養調査」(厚生労働省)によると、「現在子どもの食事について困っていること」(回答者:2~6歳児の保護者)で、「遊び食べをする」と回答した者は、子どもの年齢が高くなるにつれて減少する。

2.  A:○  B:○  C:×  D:○

保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育の心理学 問83

次の文は、認知の発達に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ピアジェ(Piaget, J.)は、子どもが世界を認識する過程には、( A 質的 )に異なる4つの段階があると考えた。まず、誕生から2歳頃までは「感覚運動期」と呼ばれ、子どもは身近な環境に身体の感覚や動作を通して関わり、外界を知っていく。次に、2~7歳頃は「( B )」と呼ばれ、イメージや言葉を用いて世界を捉えることが可能になるが、物の見かけに捉われやすく論理的な思考には至らない。学童期に相当する「( C )」では、量や数の( D )を理解して脱中心的な思考が可能になる。その後、おおよそ12歳以降は最終段階である「( E )」にあたり、記号や数字といった抽象的な事柄についても論理的な思考が可能になっていく。

【語群】
ア:質的  イ:前操作期  ウ:量的
エ:形式的操作期  オ:抽象的操作期
カ:保存  キ:永続性  ク:具体的操作期

○ 2.  A:ア B:イ C:ク D:カ E:エ

保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育の心理学 問84

次の文は、幼児の認知発達についての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

・ 2歳頃になると、心の中に( A 表象 )が形成され、直接経験していない世界について考えられるようになり、その場にいないモデルの真似をしたり、見立てる遊びをしたりする姿が見られる。
・ 幼児には、自分の体験を離れて、他者の立場から見え方や考え方、感じ方を推測することが難しい( B )がみられる。
・ 幼児は、人が内面の世界を持っているということ、心あるいは精神を持っているということに気付きはじめ、その理解を( C )と呼ぶ。
・ 幼児の思考は、直接の知覚や行為に影響を受けやすく、例えば( D )課題では、物の知覚が変化しても物の本質は変わらないということを考慮できず、見え方が変化すると数や量まで変化すると判断する。

【語群】
ア 内言イ 表象ウ 象徴理論  エ 保存
オ 実存  カ 自己実現性  キ 心の理論   ク 自己中心性

5.  A:イ  B:ク  C:キ  D:エ

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育の心理学 問5

次のうち、ピアジェ(Piaget, J.)の考え方に関する記述として、適切なものを○、不適切なも のを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× C 子どもが世界を認識していく過程には、量的に異なる4つの段階がある。

  • 量的→質的

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育の心理学 問81

次の文において、ピアジェ(Piaget, J.)理論とその後の展開として( A )~( D )の用語が適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ピアジェの理論に基づく(×A社会的構成主義→構成主義)では、子どもが活動を通して知識を構成していくという能動性を重視する。主に物理的環境との相互作用を中心とする子ども個人の知的構成の理論である。発達の主体はあくまでも子ども自身である。子どもの内的な枠組みである(○B シェマ)と環境が与える情報とのズレを解消することで認知発達が促される。これを(×C同化→調節)と呼ぶ。
ある発達段階に到達した子どもは、物理的事象でも社会的事象でも、共通した思考が適応できるとされ、領域一般性と名付けられた。しかしその後、領域によって発達の様相が異なることが多くの研究から明らかになってきた。これは(×D 領域特殊性)と呼ばれる。

4.A:×  B:○  C:×  D:×

保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問84

次の文は、乳幼児期の自己の発達に関する記述である。初期から発達の順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  大人が自分の意図したように行動しないと、かんしゃくを起こすことがみられるようになる。
B  一人ずつ順番に名前を呼ばれる場面では、自分の名前に対してのみ応える。

C  自分の手や足の指をしゃぶる感覚を経験することによって、身体的自己を発見する。
D  鏡に映った自分の姿を「自分である」と理解できるようになる。

4.  C → A → B → D

  • ハンドリガードと言われ生後2~3か月ごろに自分の手を注視したり口に入れたりしたりする行動です。

保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問87

次の文は、乳児期の微細運動の典型的な発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A ガラガラなどのおもちゃを両手に持たせると、持っていられるようになるのは3〜4か月頃、自発的におもちゃに手を伸ばすようになるのは4〜5か月頃である。

× B 6〜7か月頃には、小さな物を5本の指を全部使って引き寄せてつかもうとし、8〜9か月頃には、親指と人差し指の2本だけでつまんで持ち上げることができるようになる。

○ C 6か月頃には、両手に持った物を一方の手に持ち替え、また両手で持って、次にはもう一方の手へという持ち替えを盛んに行う。

× D 満1歳を過ぎると、ティッシュを繰り返し取り出したり、複数の積み木を寄せ集めたりすることがみられるようになる。

3.  ○  ×  ○  ×

保育士試験 平成30年(2018年)前期 保育の心理学 問85

次の文は、乳児期の発達に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

・( A )ができるようになると、自らの意志で自由に探索行動をするようになる。
・舌、唇、あごの筋肉を協調して動かすことができるようになると、( B )が出現する。

・( C 物の対称性)を獲得すると、遊んでいたおもちゃを隠されて見えなくても存在していることを理解している。
・快・不快の表出から、次第に、喜び、悲しみ、嫌悪、( D )など、感情表出が豊かになる。

4. ( A )歩行  ( B )喃語     ( C )物の永続性  ( D )怒り

保育士試験 平成28年(2016年)後期 保育の心理学 問90

次の下線部(a)~(d)に関連の深い用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

乳児は手をしゃぶったり、(a)手を握ったままかざして見つめたりハンドリガード、また、声を発するといった行動をしばしば繰り返し行う。乳児期半ばでは、(b)興味や関心のあるものに手を伸ばす行動リーチングがみられる。また、手にもった物を振り動かすなど、(c)物を介して同じ行動を繰り返す第二次循環反応ようになる。さらに、1歳頃になると、(d)ほしい物を手に入れるために様々なことをしてみる試行錯誤ようになる。

【語群】
ア  ハンドリガード
イ  ハンドサッキング
ウ  第3次循環反応
エ  第2次循環反応
オ  試行錯誤
カ  暗中模索
キ  クーイング
ク  リーチング 

3. ( a )ア  ( b )ク  ( c )エ  ( d )オ

保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問3

次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の理論に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 物は隠れていても存在し続けているという物の永続性の理解は、ピアジェ(Piaget, J.)が提唱した月齢よりも早い時期であることがその後の研究によって示されている。

× B 誕生から3歳頃までの子どもは、触る、叩く、なめる等の感覚運動を通して世界を理解している。

  • 誕生から2歳頃までと考えられています。この時期、自他の区別はありません。

× D 外界の対象に働きかける際に、その対象を自分に合うように変化させて、自分の内部に取り入れることを調節という。

  • ピアジェは人が生まれてからいろいろなものを認知し、学んでいく過程を「シェマ」「同化」「調節」の3段階に分けました。このうち「調節」は、対象に合わせて自分の方を変えて、対象を取り込みやすくする働きです。

3.(A)○ (B)× (C)○ (D)×

保育士試験 平成26年(2014年) 保育の心理学 問84

次の文は、保育場面でみられる乳幼児の行動についての記述である。A~Dの行動の基盤となる認知発達に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

A おもちゃに手を伸ばした時に、布でおもちゃを覆って隠すと、キョロキョロと辺りを見まわす。

B 他児が机をたたくのを見て、「つくえさんが いたい、いたいっていってるよ!」と言う。
C 遊びのなかで、母親が普段よくしている仕草や話し方をする。
D 積み木を片づける時に、大きさの順に積み木を並べている。

【語群】
ア 保存の概念
イ 物の永続性
ウ 延滞(遅延)模倣
エ 共鳴動作
オ アニミズム
カ 自己中心性
キ 均衡化
ク 系列化

4.  ( A )イ ( B )オ ( C )ウ ( D )ク

保育士試験 平成24年(2012年) 小児保健 問68

次の文は、手づかみ食べについての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。 

○ 1. 手づかみ食べは、食べ物を目で確かめて、手指でつかんで、口まで運び口に入れるという目と手と口の協調運動である。

× 2. 手づかみ食べは、手でつかむことによって、食べられるものかどうかを判断する能力の発達を促す。

  • 硬さや温度を知ることによって、かじる強さやどのくらいの量を口に入れればよいかを知ることができますが、食べられるかどうかの判断は手づかみ食べではできません。

○ 3. 手づかみ食べは、精神運動機能の発達と密接な関係を有している。

○ 4. 手づかみ食べのできる食事の工夫が必要であり、おにぎりにしたり、野菜の切り方を適切にするなどの工夫が必要である。

○ 5. 手づかみ食べは、自分で食べる機能の発達を促す観点からも重要である。

里親及びファミリーホーム養育指針 「第Ⅰ部 総論」5分で終わる

ここでは、里親及びファミリーホーム養育指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、里親及びファミリーホームの特有のことを太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。ボリュームはありますが、児童養護施設運営指針を読んでいればほとんどが共通の内容で、太字を中心に1度読んみるだけでマスターできることを目指しています。また児童養護施設と同様のものは背景にグレー表示をしています。

運営指針MAP

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1.目的 

・この「養育指針」は、里親及びファミリーホームにおける養育の内容と運営に関する指針を定めるものである。社会的養護を担う里親及びファミリーホームにおける養育の理念や方法、手順などを社会に開示し、質の確保と向上に資するとともに、また、説明責任を果たすことにもつながるものである。
・この指針は、そこで暮らし、そこから巣立っていく子どもたちにとって、よりよく生きること(well-being)を保障するものでなければならない。また社会的養護には、社会や国民の理解と支援が不可欠であるため、里親及びファミリーホームを社会に開かれたものとし、地域や社会との連携を深めていく努力が必要である。
・家庭や地域における養育機能の低下が指摘されている今日、社会的養護のあり方には、養育のモデルを示せるような水準が求められている。子どもは子どもとして人格が尊重され、子ども期をより良く生きることが大切であり、また、子ども期における精神的・情緒的な安定と豊かな生活体験は、発達の基礎となると同時に、その後の成人期の人生に向けた準備でもある。
・この指針は、こうした考え方に立って、社会的養護の様々な担い手との連携の下で、社会的養護を必要とする子どもたちへの適切な支援を実現していくことを目的とする。

2.社会的養護の基本理念と原理 

(1)社会的養護の基本理念

①子どもの最善の利益のために

・児童福祉法第1条で「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」と規定され、児童憲章では「児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、良い環境の中で育てられる。」とうたわれている。
・児童の権利に関する条約第3条では、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」と規定されている。
・社会的養護は、子どもの権利擁護を図るため

②すべての子どもを社会全体で育む
・社会的養護は、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、公的責任で社会的に保護・養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うものである。
・子どもの健やかな育成は、児童福祉法第1条及び第2条に定められているとおり、すべての国民の努めであるとともに、国及び地方公共団体の責任であり、一人一人の国民と社会の理解と支援により行うものである。
・児童の権利に関する条約第20条では、「家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。」と規定されており、児童は権利の主体として、社会的養護を受ける権利を有する。
・社会的養護は、「すべての子どもを社会全体で育む」をその基本理念とする。
(2)社会的養護の原理
社会的養護は、これを必要とする子どもと家庭を支援して、子どもを健やかに育成するため、上記の基本理念の下、次のような考え方で支援を行う。
①家庭的養護と個別化
・すべての子どもは、適切な養育環境で、安心して自分をゆだねられる養育者によって、一人一人の個別的な状況が十分に考慮されながら、養育されるべきである。
・一人一人の子どもが愛され大切にされていると感じることができ、子どもの育ちが守られ、将来に希望が持てる生活の保障が必要である。
・社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障していくことが重要であり、社会的養護を地域から切り離して行ったり、子どもの生活の場を大規模な施設養護としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「家庭的養護」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要である。
②発達の保障と自立支援
・子ども期のすべては、その年齢に応じた発達の課題を持ち、その後の成人期の人生に向けた準備の期間でもある。社会的養護は、未来の人生を作り出す基礎となるよう、子ども期の健全な心身の発達の保障を目指して行われる。
・特に、人生の基礎となる乳幼児期では、愛着関係や基本的な信頼関係の形成が重要である。子どもは、愛着関係や基本的な信頼関係を基盤にして、自分や他者の存在を受け入れていくことができるようになる。自立に向けた生きる力の獲得も、健やかな身体的、精神的及び社会的発達も、こうした基盤があって可能となる。
・子どもの自立や自己実現を目指して、子どもの主体的な活動を大切にするとともに、様々な生活体験などを通して、自立した社会生活に必要な基礎的な力を形成していくことが必要である。

③回復をめざした支援
・社会的養護を必要とする子どもには、その子どもに応じた成長や発達を支える支援だけでなく、被虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要となる。
・また、近年増加している被虐待児童や不適切な養育環境で過ごしてきた子どもたちは、被虐待体験だけでなく、家族や親族、友達、近所の住人、保育士や教師など地域で慣れ親しんだ人々との分離なども経験しており、心の傷や深刻な生きづらさを抱えている。さらに、情緒や行動、自己認知・対人認知などでも深刻なダメージを受けていることも少なくない。
・こうした子どもたちが、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるようにしていくことが必要である。
④家族との連携・協働
・保護者の不在、養育困難、さらには不適切な養育や虐待など、「安心して自分をゆだねられる保護者」がいない子どもたちがいる。また子どもを適切に養育することができず、悩みを抱えている親がいる。さらに配偶者等による暴力(DV)などによって「適切な養育環境」を保てず、困難な状況におかれている親子がいる。
・社会的養護は、こうした子どもや親の問題状況の解決や緩和をめざして、それに的確に対応するため、親と共に、親を支えながら、あるいは親に代わって、子どもの発達や養育を保障していく包括的な取り組みである。
⑤継続的支援と連携アプローチ
・社会的養護は、その始まりからアフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。
・児童相談所等の行政機関、各種の施設、里親等の様々な社会的養護の担い手が、それぞれの専門性を発揮しながら、巧みに連携し合って、一人一人の子どもの社会的自立や親子の支援を目指していく社会的養護の連携アプローチが求められる。
・社会的養護の担い手は、同時に複数で連携して支援に取り組んだり、支援を引き継いだり、あるいは元の支援主体が後々までかかわりを持つなど、それぞれの機能を有効に補い合い、重層的な連携を強化することによって、支援の一貫性・継続性・連続性というトータルなプロセスを確保していくことが求められる。
・社会的養護における養育は、「人とのかかわりをもとにした営み」である。子どもが歩んできた過去と現在、そして将来をより良くつなぐために、一人一人の子どもに用意される社会的養護の過程は、「つながりのある道すじ」として子ども自身にも理解されるようなものであることが必要である。
⑥ライフサイクルを見通した支援
・社会的養護の下で育った子どもたちが社会に出てからの暮らしを見通した支援を行うとともに、入所や委託を終えた後も長くかかわりを持ち続け、帰属意識を持つことができる存在になっていくことが重要である。
・社会的養護には、育てられる側であった子どもが親となり、今度は子どもを育てる側になっていくという世代を繋いで繰り返されていく子育てのサイクルへの支援が求められる。
・虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切っていけるような支援が求められている。

(3)社会的養護の基盤づくり
・社会的養護は、かつては親のない、親に育てられない子どもを中心とした施策であったが、現在では、虐待を受けた子ども、何らかの障害のある子ども、DV被害の母子などが増え、その役割・機能の変化に、ハード・ソフトの変革が遅れて
いる。
・社会的養護は、大規模な施設養護を中心とした形態から、一人一人の子どもをきめ細かく育み、親子を総合的に支援していけるような社会的な資源として、ハード・ソフトともに変革していかなければならない。
・また、家庭的養護の推進は、養育の形態の変革とともに、養育の内容も刷新していくことが必要である。
・社会的養護は、家庭的養護を推進していくため、原則として、地域の中で養育者の家庭に子どもを迎え入れて養育を行う里親やファミリーホームを優先するとともに、児童養護施設、乳児院等の施設養護も、できる限り小規模で家庭的な養育環境(小規模グループケア、グループホーム)の形態に変えていくことが必要である。
・施設は、社会的養護の地域の拠点として、施設から家庭に戻った子どもへの継続的なフォロー、里親支援、社会的養護の下で育った人への自立支援やアフターケア、地域の子育て家庭への支援など、専門的な地域支援の機能を強化し、総合的なソーシャルワーク機能を充実していくことが求められる。
・ソーシャルワークとケアワークを適切に組み合わせ、家庭を総合的に支援する仕組みづくりが必要である。
・社会的養護の役割はますます大きくなっており、これを担う人材の育成・確保が重要な課題となっている。社会的養護を担う機関や組織においては、その取り組みの強化と運営能力の向上が求められている。

3.里親・ファミリーホームの役割と理念

(1)里親・ファミリーホームの役割

・里親は、児童福祉法第6条の4の規定に基づき、要保護児童を養育することを希望する者であって、都道府県知事が児童を委託する者として適当と認めるものをいう。
・ファミリーホームは、児童福祉法第6条の3第8項の規定に基づき、要保護児童の養育に関し相当の経験を有する者の住居において養育を行うものをいう。
・里親及びファミリーホームが行う養育は、委託児童の自主性を尊重し、基本的な生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養い、かつ、将来自立した生活を営むために必要な知識及び経験を得ることができるように行わなければならない。

(2)里親・ファミリーホームの理念

・里親及びファミリーホームは、社会的養護を必要とする子どもを、養育者の家庭に迎え入れて養育する「家庭養護」である。
・また、社会的養護の担い手として、社会的な責任に基づいて提供される養育の場である。
・社会的養護の養育は、家庭内の養育者が単独で担えるものではなく、家庭外の協力者なくして成立し得ない。養育責任を社会的に共有して成り立つものである。
また、家庭内における養育上の課題や問題を解決し或いは予防するためにも、養育者は協力者を活用し、養育のありかたをできるだけ「ひらく」必要がある。
・里親制度は、養育里親、専門里親、養子縁組里親、親族里親の4つの類型の特色を生かしながら養育を行う。また、ファミリーホームは、家庭養護の基本に立って、複数の委託児童の相互の交流を活かしながら養育を行う。

4.対象児童 

・里親及びファミリーホームに委託される子どもは、新生児から年齢の高い子どもまで、すべての子どもが対象となる。
・保護者のない子どもや、親から虐待を受けた子ども、親の事情により養育を受けられない子どもなど、子ども一人一人の課題や状況に則し、最も適合した里親等へ委託される。
・また、保護者による養育が望めず養子縁組を検討する子どもや、実親との関係も保ちながら長期間の養育を必要とする子ども、あるいは、保護者の傷病などで短期間の養育を必要とする子どもなど、社会的養護を必要とする期間も多様である。
・障害のある子どもや非行の問題がある子どもなど個別的な支援を必要とする子どもは、適切に対応できる里親等に委託される。
・里親及びファミリーホームは、18歳に至るまでの子どもを対象としており、必要がある場合は20歳に達するまでの措置延長をとることができる。
・里親等は、委託された子どもの背景を十分に把握し、その子どもを理解して、必要な心のケアを含めて、養育を行わなければならない。

5.家庭養護のあり方の基本

(1)基本的な考え方(家庭の要件)

・家庭は子どもの基本的な生活を保障する場である。家庭のあり方やその構成員である家族のあり方は多様化してきているが、子どもの養育について考慮した場合、家庭には養育を担う上での一定の要件も存在する。
・社会的養護における「家庭養護」は、次の5つの要件を満たしていなければならない。

一貫かつ継続した特定の養育者の確保

・同一の特定の養育者が継続的に存在すること。
・子どもは安心かつ安全な環境で永続的に一貫した特定の養育者と生活することで、自尊心を培い、生きていく意欲を蓄え、人間としての土台を形成できる。

②特定の養育者との生活基盤の共有

・特定の養育者が子どもと生活する場に生活基盤をもち、生活の本拠を置いて、子どもと起居をともにすること。
・特定の養育者が共に生活を継続するという安心感が、養育者への信頼感につながる。そうした信頼感に基づいた関係性が人間関係形成における土台となる。

③同居する人たちとの生活の共有

・生活の様々な局面や様々な時をともに過ごすこと、すなわち暮らしをつくっていく過程をともに体験すること。
・これにより、生活の共有意識や、養育者と子ども間、あるいは子ども同士の情緒的な関係が育まれていく。そうした意識や情緒的関係性に裏付けられた暮らしの中での様々な思い出が、子どもにとって生きていく上での大きな力となる。
・また、家庭での生活体験を通じて、子どもが生活上必要な知恵や技術を学ぶことができる。

④生活の柔軟性

・コミュニケーションに基づき、状況に応じて生活を柔軟に営むこと。
・一定一律の役割、当番、日課、規則、行事、献立表は、家庭になじまない。
・家庭にもルールはあるが、それは一定一律のものではなく、暮らしの中で行われる柔軟なものである。
・柔軟で相互コミュニケーションに富む生活は、子どもに安心感をもたらすとともに、生活のあり方を学ぶことができ、将来の家族モデルや生活モデルを持つことができる。
・日課、規則や献立表が機械的に運用されると、子どもたちは自ら考えて行動するという姿勢や、大切にされているという思いを育むことができない。
・生活は創意工夫に基づき営まれる。そうした創意工夫を養育者とともに体験することは、子どもの自立に大きく寄与し、子どもにとって貴重な体験となる。

地域社会に存在

・地域社会の中でごく普通の居住場所で生活すること。
・地域の普通の家庭で暮らすことで、子どもたちは養育者自身の地域との関係や社会生活に触れ、生活のあり方を地域との関係の中で学ぶことができる。
・また、地域に点在する家庭で暮らすことは、親と離れて暮らすことに対する否定的な感情や自分の境遇は特別であるという感覚を軽減し、子どもを精神的に安定させる。

(2)家庭養護における養育

①社会的養護の担い手として

・里親及びファミリーホームにおける家庭養護とは、私的な場で行われる社会的かつ公的な養育である。
・養育者の家庭で行われる養育は、気遣いや思いやりに基づいた営みであるが、その担い手である養育者は、社会的に養育を委託された養育責任の遂行者である。
・養育者は、子どもに安心で安全な環境を与え、その人格を尊重し、意見の表明や主体的な自己決定を支援し、子どもの権利を擁護する。
養育者は子どもにとって自らが強い立場にあることを自覚し、相互のコミュニケーションに心がけることが重要である。
・養育者は独自の子育て観を優先せず、自らの養育のあり方を振り返るために、他者からの助言に耳を傾ける謙虚さが必要である。
・家庭養護の養育は、知識と技術に裏付けられた養育力の営みである。養育者は、研修・研鑽の機会を得ながら、自らの養育力を高める必要がある。
養育者が、養育がこれでよいのか悩むことや思案することは、養育者としてよりよい養育を目指すからこそであり、恥ずべきことではない。養育に関してSOSを出せることは、養育者としての力量の一部である。
・養育が困難な状況になった場合、一人で抱え込むのではなく、社会的養護の担い手として速やかに他者の協力を求めることが大切である。
・児童相談所、里親支援機関、市町村の子育て支援サービス等を活用し、近隣地域で、あるいは里親会や養育者同士のネットワークの中で子育ての悩みを相談し、社会的つながりを持ち、孤立しないことが重要である。
・家庭養護では、養育者が自信、希望や意欲を持って養育を行う必要がある。そのために自らの養育を「ひらき」、社会と「つながる」必要がある。

②家庭の弱さと強さの自覚

・子どもを迎え入れるどの家庭にも、その家庭の歴史があり、生活文化がある。養育者の個性、養育方針、養育方法等にはそれぞれ特色がある。また、地域特性もある。そして、これらには「弱さ」も「強さ」もある。
新たに子どもが委託されたり、委託人数が減るなど構成員に変化が加わることで、不安定さが現れたり、安定性が増す変化があったり、養育者に柔軟な工夫が求められることもある。また、養育者が子どもの養育に心身の疲れを覚えたり、家族構成員の変化から養育力に影響が出る場合もある。
・それぞれの養育の場に含まれる「弱さ」の部分も自覚し、支援やサポートを受け、研修等を通して養育力を高めるとともに、ごく当たりまえの日常生活の中に含まれる、養育の「強さ(Strength)」をより発揮できるよう意識的に取り組む姿勢
が求められる。養育者と子どもの日々の生活が養育者の成長にもなり得る。

③安心感・安全感のある家庭での自尊心の育み

・子どもにとって自尊心は、生きていく上で必要不可欠な自信、意欲や希望をもたらし、他者に対する寛容性や共感性、困難に立ち向かう力、粘り強さ、忍耐力の形成に結び付く。
・子どもが自分の存在について、「大切にされている」「生まれてきてよかった」と感じられるように、養育者の家庭は、子どもに安心感・安全感とともに、心地よさを提供することが重要である。
・生活が落ち着いてくると、子どもは、養育者との関係や許容範囲などを確かめる行動や退行を示すことがある。そのような時に、養育者は無力感を感じ、子どもに否定的感情を抱き、子どもとの関係が悪循環に陥ることもある。
・どうにか改善したいという思いが、子どもへの叱咤激励や、問題点の指摘に傾斜し、子どもにとって、あるがままの自分の存在が受け入れられないことに対する思いが、自尊心とは対極にある自己否定感を生み出すこともある。
・生活の中では、すぐに実感できる改善はみられなくても、変化を無理に求めず、子どもの実像を受けとめる。安心と安全のある家庭で、子どもと時間を共有し、思い出を積み重ねることで、子どもは変化していく。

④自立して生活できる力を育む

・自立とは、誰にも頼らないで生きていくことではなく、適宜他者の力を借りながら他者と関係を結びながら自分なりに生きていくことである。そのことを子どもが認識できるよう、まずは日常生活の中での安心感・安全感に裏付けられた信頼感を育むことが重要である。
・子どもには、あるがままの自分を受け入れてもらえるという依存の体験が必要である。日々自然にくり広げられ、くり返される家庭の中での日常生活のなかで、子どもの可能性を信じつつ寄り添うおとなの存在と歩みが、子どもにとって将来のモデルになる。
・子どもが生活を通して体験したこと、学習したことは、意識的、無意識的な記憶となり、生活の実体験が子どもに根づき、再現していくこととなる。
・困難な出来事があった際にどのように乗り超えていくかなどは、すべて子どもにとって重要な暮らしの体験であり、困ったとき、トラブルがあったときにはとくに他者に協力を求めるという姿勢が持てるよう、ともに生活する中でそうした体験を子どもに提供する。

⑤帰ることができる家

・措置解除後においても、養育者と過ごした時間の長短にかかわりなく、子どもが成人した時、結婚する時、辛い時、困った時、どんな時でも立ち寄れる実家 のような場になり、里親家庭やファミリーホームがつながりを持ち続けられることが望ましい。
・養育の継続が難しくなり、委託の解除となった場合でも、成長過程の一時期に特定の養育者との関係と家庭生活の体験を得たことは、子どもにとって意味を持つ原体験となるので、いつでも訪ねて来られるよう門戸を開けて待つことも大切である。

⑥ファミリーホームにおける家庭養護

・ファミリーホームは、養育者の住居に子どもを迎え入れる家庭養護の養育形態である。里親家庭が大きくなったものであり、施設が小さくなったものではない。
・ファミリーホームの養育者は、子どもにとって職員としての存在ではなく、共に生活する存在であることが重要である。したがって養育者は生活基盤をファミリーホームにもち、子どもたちと起居を共にすることが必要である。
・ファミリーホームの基本型は夫婦型であり、生活基盤をそこに持たない住み込み職員型ではない。児童養護施設やその勤務経験者がファミリーホームを設置する場合には、家庭養護の特質を十分理解する必要がある。
・養育者と養育補助者は、養育方針や支援の内容を相互に意見交換し、共通の理解を持ち、より良い養育を作り出す社会的責任を有している。
・養育補助者は、家事や養育を支援するとともに、ファミリーホーム内での養育が密室化しないよう、第三者的な視点で点検する役割も担うことを理解する。
補助者が養育者の家族である場合には、養育がひらかれたものとなるよう、特に意識化することが必要である。
・ファミリーホームは、複数の子どもを迎え入れ、子ども同士が養育者と一緒に創る家庭でもある。子ども同士の安定を図るため、子どもを受託する場合は、子どもの構成や関係性を考慮し、児童相談所との連携が大切になる。また、養育者が子ども同士の関係を活かし、子ども同士が成長しあうために、どのようなかかわりが必要かという観点を持ちながら養育にあたることが必要となる。

(3)地域とのつながりと連携

①地域や社会へのひろがり

・子どもの育ちには、家庭が必要であると同時に、地域の人々や機関・施設の関与や支援が必要である。
・私的な生活の営みを軸とする家庭に子どもを迎え入れる場合であっても、公的な養育となる里親、ファミリーホームにおける養育には、地域社会と関係を結び、必要に応じて助け、助けられる関係を作る社会性が必要である。
・関係機関との協働はもとより、子どもの通園・通学先の職員、近隣住民が、委託されている子どもの状況を理解し養育を応援してくれる関係づくりを試みていくことが養育者に求められる。
・また、日頃から里親等も地域住民の一人として、近隣との良好な関係を築いておくことや、社会的養護の理解を深めてもらう働きかけをすることが重要である。
・なぜならば、子どもにとって養育者は地域に生き、社会に生きる大人のモデルであり、また、子どもの生活は、人々の社会的養護への理解度によって大きく影響されるからである。
・養育者の中には、社会的な状況や養育者の思いから地域の中に「里親家庭」として溶け込むことを求めず、ひっそりと生活したい里親もいるが、里親であることをオープンにしながら、近隣住民、関係者、関係機関、地域、社会に働きかけ、地域とのかかわりの中で養育を展開していく里親もいる。
・里親等における養育は、あくまで社会的養護であるため、地域や社会に対してクローズなものになってはならない。諸事情により近隣等との関係形成が困難な場合にも、地域の里親会や里親支援を行う民間団体、あるいはその他の子育て支援のネットワークなどのつながりの中に身をおき、孤立しないよう、独善的な養育に陥らないよう養育をひらくことが求められる。
養子縁組里親の場合や親族による里親の場合は、地域との関係の持ち方が養育里親の場合とは異なる。しかし、それぞれの事情は踏まえた上でもなお、孤立した養育、独善的な養育とならないようにすることは同様である。また、親族による里親の場合、親族であるがゆえに、里親も子どももお互いに無理を強いられる場合がある。養育上の悩みや困難を共有できる場や人材を確保し、社会資源を活用しながら養育にあたることが望ましい。

②里親会等への参加

・日々の暮らしの中で起こる養育者としての悩み等は、時に社会的養護に携わる養育者の立場でしか共有できない、あるいは理解されにくいこともある。同じ立場で話すことができる里親会や当事者のネットワークを活用することは大切である。
・一方、他の養育者の体験談やアドバイスが、自己の養育に有効でない場合もある。このことに留意しながら、養育者同士による活動を活かすことが必要である。
・里親サロンなどでは、子どもの状況が具体的に語られることが少なくない。活動の前提として、語られた内容を活動の終了後どう扱うかを確認しておくことも必要である。
・里親会は、社会的養護の仕組みの中で重要な役割を持つことから、すべての里親は、里親会の活動に参加する必要がある。また、すべてのファミリーホームは里親会やファミリーホームの協議会に参加する必要がある。

③市町村の子育て支援事業の活用

・家庭養護は、保護者として地域で生活していることを理解し、市町村の子育て支援が必要であることを養育者自身や関係機関が受け止め、積極的に活用する。

・生活が根ざしている身近な市町村の地域子育て支援につながることや利用できるサービスを活用していくことも、養育のサポートとしては有効である。また、地域子育て支援の活動等において力量を発揮し、支援する側として活躍する里親もいる。
・福祉事務所や関係機関と連携し、保育所や放課後児童クラブの活用やショートステイなど、レスパイト・ケアと併せて養育者は周囲の支援や協力を受けることは養育者の安定につながることを理解する。
・児童相談所から地域子育て支援機関に、里親等の情報が自動的に提供されることはないため、地域子育て支援機関に必要なかかわりは求めていくことが必要である。ただし、委託されている子どもの養育上の困難等は、地域子育て支援機関よりも、里親支援機関や支援担当者、児童相談所等に伝える方が適切な内容もあることを意識化しておく。

6.里親等の支援

①支援の必要性

・里親とファミリーホームは、地域に点在する独立した養育である。このため、閉鎖的で孤立的な養育となるリスクがある。
・里親とファミリーホームが社会的養護としての責任を果たすためには、外からの支援を受けることが大前提である。家庭の中に「風通しの良い部分」を作っておく必要がある。

②関係機関・支援者との養育チーム作り

・里親・ファミリーホームにおける養育は、家庭の中で行うが、決して自己完結型では行うことができないので、関係機関との連携・協働が不可欠である。関係機関・支援者とともに養育のチームを作っていく意識が必要である。
・一人一人抱えている状況や課題の異なる子どもの委託の目的・支援目標を理解し、その子どもの社会的養護の担い手、日々の養育者として、関係機関から支援を受け、随時状況を報告・相談しながら社会的養護を進めていくことが求められる。
・養育が難しいと感じる子どもについての専門的な助言や診断、治療的ケアの必要性の検討等、関係機関の見解がとくに必要な場合も、助言や連携を求めていくことが必要である。
・養育の「応援団」を確保していくことで社会的養護は成り立つことを常に意識したい。
・児童相談所や支援機関等は、定期的な家庭訪問を行うなど、日頃から里親と顔なじみになり、子どもと里親のことを理解する必要がある。里親もこれを受け入れることが必要である。

続きはこちら

里親及びファミリーホーム養育指針

過去問

保育士試験 令和5年 後期 社会的養護 問2

次のうち、「里親及びファミリーホーム養育指針」(平成24年3月 厚生労働省)の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 社会的養護を必要とする子どもを、養育者の家庭に迎え入れて養育する「家庭的養護」である。

× B 養育者の個人的な責任に基づいて提供される養育の場である。

⚪︎ C 家庭内における養育上の課題や問題を解決し或いは予防するためにも、養育者は協力者を活用し、養育のありかたをできるだけ「ひらく」必要がある。

⚪︎ D 里親制度は、養育里親、専門里親、養子縁組里親、親族里親の4つの類型の特色を生かしながら養育を行う。

(組み合わせ)
 A B C D
4 × × ○ ○

保育士試験 令和4年 社会的養護 問3

次のうち、「里親及びファミリーホーム養育指針」(平成 24 年3月 厚生労働省)における 「家庭養護」の要件として、( A )~( C )の語句が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  • (○ A 一貫かつ継続)した特定の養育者の確保
  • 特定の養育者との生活基盤の共有
  • 同居する人たちとの生活の共有
  • 生活の(○ B 柔軟性)
  • (○ C 地域社会)に存在

情緒障害児短期治療施設運営指針「第Ⅰ部 総論」もついでにマスター

ここでは、情緒障害児短期治療施設運営指針そのものを掲載しました。

児童福祉法等に共通していることは当たり前として、情緒障害児短期治療施設の特有のことを太字にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

ボリュームはありますが、児童養護施設運営指針を読んでいればほとんどが共通の内容で、太字を中心に1度読んみるだけでマスターできることを目指しています。

また児童養護施設と違うものは背景を色表示をしています。

運営指針MAP

[toc heading_levels=”2,3″]

1.目的

・この「運営指針」は、情緒障害児短期治療施設(通称、児童心理治療施設)における治療・支援の内容と運営に関する指針を定めるものである。社会的養護を担う情緒障害児短期治療施設における運営の理念や方法、手順などを社会に開示し、
質の確保と向上に資するとともに、また、説明責任を果たすことにもつながるものである。
・この指針は、心理的困難や苦しみを抱え日常生活の多岐にわたり生きづらさを感じて心理治療を必要とする子どもたちが、地域で生き生きと自信を持って生活していけるような心理治療・支援を保障するものでなければならない。また社会的養護には、社会や国民の理解と支援が不可欠であるため、施設等を社会に開かれたものとし、地域や社会との連携を深めていく努力が必要とされ、施設が持っている支援機能を地域へ還元していく展開が求められる。
・家庭や地域における養育機能の低下が指摘されている今日、社会的養護のあり方には、養育のモデルを示せるような水準が求められている。子どもは子どもとして人格が尊重され、子ども期をより良く生きることが大切であり、また、子ども期における精神的・情緒的な安定と豊かな生活体験は、発達の基礎となると同時に、その後の成人期の人生に向けた準備でもある。
・この指針は、こうした考え方に立って、社会的養護の様々な担い手との連携の下で、社会的養護を必要とする子どもたちへの適切な支援を実現していくことを目的とする。

2.社会的養護の基本理念と原理
(1)社会的養護の基本理念
①子どもの最善の利益のために
・児童福祉法第1条で「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」と規定され、児童憲章では「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、良い環境の中で育てられる。」とうたわれている。
・児童の権利に関する条約第3条では、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」と規定されている。
・社会的養護は、子どもの権利擁護を図るための仕組みであり、「子どもの最善の利益のために」をその基本理念とする。
②すべての子どもを社会全体で育む
・社会的養護は、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、公的責任で社会的に保護・養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うものである。
・子どもの健やかな育成は、児童福祉法第1条及び第2条に定められているとおり、すべての国民の努めであるとともに、国及び地方公共団体の責任であり、一人一人の国民と社会の理解と支援により行うものである。
・児童の権利に関する条約第20条では、「家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。」と規定されており、児童は権利の主体として、社会的養護を受ける権利を有する。
・社会的養護は、「すべての子どもを社会全体で育む」をその基本理念とする。

(2)社会的養護の原理
社会的養護は、これを必要とする子どもと家庭を支援して、子どもを健やかに育成するため、上記の基本理念の下、次のような考え方で支援を行う。
①家庭的養護と個別化
・すべての子どもは、適切な養育環境で、安心して自分をゆだねられる養育者によって、一人一人の個別的な状況が十分に考慮されながら、養育されるべきである。
・一人一人の子どもが愛され大切にされていると感じることができ、子どもの育ちが守られ、将来に希望が持てる生活の保障が必要である。
・社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障していくことが重要であり、社会的養護を地域から切り離して行ったり、子どもの生活の場を大規模な施設養護としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「家庭的養護」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要である。
②発達の保障と自立支援
・子ども期のすべては、その年齢に応じた発達の課題を持ち、その後の成人期の人生に向けた準備の期間でもある。社会的養護は、未来の人生を作り出す基礎となるよう、子ども期の健全な心身の発達の保障を目指して行われる。
・特に、人生の基礎となる乳幼児期では、愛着関係や基本的な信頼関係の形成が重要である。子どもは、愛着関係や基本的な信頼関係を基盤にして、自分や他者の存在を受け入れていくことができるようになる。自立に向けた生きる力の獲得も、健やかな身体的、精神的及び社会的発達も、こうした基盤があって可能となる。
・子どもの自立や自己実現を目指して、子どもの主体的な活動を大切にするとともに、様々な生活体験などを通して、自立した社会生活に必要な基礎的な力を形成していくことが必要である。

③回復をめざした支援
・社会的養護を必要とする子どもには、その子どもに応じた成長や発達を支える支援だけでなく、虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要となる。
・また、近年増加している被虐待児童や不適切な養育環境で過ごしてきた子どもたちは、虐待体験だけでなく、家族や親族、友達、近所の住人、保育士や教師など地域で慣れ親しんだ人々との分離なども経験しており、心の傷や深刻な生きづらさを抱えている。さらに、情緒や行動、自己認知・対人認知などでも深刻なダメージを受けていることも少なくない。
・こうした子どもたちが、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるようにしていくことが必要である。

④家族との連携・協働
・保護者の不在、養育困難、さらには不適切な養育や虐待など、「安心して自分をゆだねられる保護者」がいない子どもたちがいる。また子どもを適切に養育することができず、悩みを抱えている親がいる。さらに配偶者等による暴力(DV)などによって「適切な養育環境」を保てず、困難な状況におかれている親子がいる。
・社会的養護は、こうした子どもや親の問題状況の解決や緩和をめざして、それに的確に対応するため、親と共に、親を支えながら、あるいは親に代わって、子どもの発達や養育を保障していく包括的な取り組みである。
⑤継続的支援と連携アプローチ
・社会的養護は、その始まりからアフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。
・児童相談所等の行政機関、各種の施設、里親等の様々な社会的養護の担い手が、それぞれの専門性を発揮しながら、巧みに連携し合って、一人一人の子どもの社会的自立や親子の支援を目指していく社会的養護の連携アプローチが求められる。
・社会的養護の担い手は、同時に複数で連携して支援に取り組んだり、支援を引き継いだり、あるいは元の支援主体が後々までかかわりを持つなど、それぞれの機能を有効に補い合い、重層的な連携を強化することによって、支援の一貫性・継続性・連続性というトータルなプロセスを確保していくことが求められる。
・社会的養護における養育は、「人とのかかわりをもとにした営み」である。子どもが歩んできた過去と現在、そして将来をより良くつなぐために、一人一人の子どもに用意される社会的養護の過程は、「つながりのある道すじ」として子ども自身にも理解されるようなものであることが必要である。
⑥ライフサイクルを見通した支援
・社会的養護の下で育った子どもたちが社会に出てからの暮らしを見通した支援を行うとともに、入所や委託を終えた後も長くかかわりを持ち続け、帰属意識を持つことができる存在になっていくことが重要である。
・社会的養護には、育てられる側であった子どもが親となり、今度は子どもを育てる側になっていくという世代を繋いで繰り返されていく子育てのサイクルへの支援が求められる。
・虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切っていけるような支援が求められている。

(3)社会的養護の基盤づくり
・社会的養護は、かつては親のない、親に育てられない子どもを中心とした施策であったが、現在では、虐待を受けた子ども、何らかの障害のある子ども、DV被害の母子などが増え、その役割・機能の変化に、ハード・ソフトの変革が遅れて
いる。
・社会的養護は、大規模な施設養護を中心とした形態から、一人一人の子どもをきめ細かく育み、親子を総合的に支援していけるような社会的な資源として、ハード・ソフトともに変革していかなければならない。
・社会的養護は、家庭的養護を推進していくため、原則として、地域の中で養育者の家庭に子どもを迎え入れて養育を行う里親やファミリーホームを優先するとともに、児童養護施設、乳児院等の施設養護も、できる限り小規模で家庭的な養育環境(小規模グループケア、グループホーム)の形態に変えていくことが必要である。
・また、家庭的養護の推進は、養育の形態の変革とともに、養育の内容も刷新していくことが重要である。
・施設は、社会的養護の地域の拠点として、施設から家庭に戻った子どもへの継続的なフォロー、里親支援、社会的養護の下で育った人への自立支援やアフターケア、地域の子育て家庭への支援など、専門的な地域支援の機能を強化し、総合的なソーシャルワーク機能を充実していくことが求められる。
・ソーシャルワークとケアワークを適切に組み合わせ、家庭を総合的に支援する仕組みづくりが必要である。
・社会的養護の役割はますます大きくなっており、これを担う人材の育成・確保が重要な課題となっている。社会的養護を担う機関や組織においては、その取り組みの強化と運営能力の向上が求められている。

3.情緒障害児短期治療施設の役割と理念

(1)情緒障害児短期治療施設の役割

・情緒障害児短期治療施設(以下、情短施設と記す。)は、児童福祉法第43条の5の規定に基づき、軽度の情緒障害を有する児童を、短期間、入所させ、又は保護者のもとから通わせて、その情緒障害を治し、あわせて退所したものについて相談その他の援助を行うことを目的とする施設である。

・また、第48条の2の規定に基づき、地域の住民に対して児童の養育に関する相談に応じ、助言を行うよう努める役割も持つ。

・情短施設における心理療法及び生活指導は、児童の社会的適応能力の回復を図り、施設を退所した後、健全な社会生活を営むことができるように行う。
・治療は、心を癒す体験を積み上げながら、健全な社会生活を営むことができるようになることを目指して行う。

・生活指導は、治療的観点から、児童の自主性を尊重しつつ、安定した生活の場を提供し、基本的生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養い、かつ、将来自立した生活を営むために必要な知識及び経験を得ることができるように行う。

・学校教育、学習指導は、児童がその適性、能力等に応じ、主体的に学習に取り組むことができるよう、特別な支援を行う学校教育の場を用意して行う。

・家庭環境の調整は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の緊張を緩和し、親子関係の再構築等が図られるように行う。

(2)情緒障害児短期治療施設の運営理念と「児童心理治療施設」の通称

・情短施設は、心理的困難や苦しみを抱え日常生活の多岐にわたり生きづらさを感じて心理治療を必要とする子どもたちを入所又は通所させて治療を行う施設である。入所治療は原則として数か月から2~3年程度の期間とし、家庭復帰、児童養護施設などへの措置変更を行い、通所、アフターケアとしての外来治療を行いながら地域で生活していくことを支援していく。
・「情緒障害児短期治療施設」という名称に関して、本来「情緒をかき乱されている」といった意味の英語 emotionally disturbed を「情緒障害」と訳したため、どういう子どもを表すのかが伝わりにくい。障害という言葉で心理的な困難を抱える子どもたちを表してよいのか、また、子どもたちや家族がその名称を嫌うなどの問題がある。また、平均在所期間が 2 年半を超えている現状で「短期」と名乗ることが誤解を与える。
・このような理由から、名称変更を求める意見が多く、当面、「児童心理治療施設」という通称を用いることができることとする。

児童養護施設入所児童等調査結果

児童養護施設入所児童等調査の記事はこちら

4.対象児童

(1)子どもの特徴と背景

・情短施設の対象は、心理的困難や苦しみを抱え日常生活に生きづらさを感じている子どもたちであり、心理治療が必要とされる子どもたちである。
・知的障害児や重度の精神障害児は、他の支援機関を検討する。発達障害児の入所は増えているが、虐待や発達障害などを背景とする問題に対する治療・支援が主となる。
・子どもの家族や退所した子どもたちは、アフターケアとしての通所や外来治療を中心とした治療・支援の対象となる。

(2)子どもの年齢等

・情短施設は、概ね学童期から18歳に至るまでの子どもを対象としている。必要がある場合は、20歳に達するまでの措置延長ができる。就学前の子どもについては、設備等の整備も含め今後検討していく必要がある。
・広い年齢層の子どもが対象であり、心身の発達や発育、成長は個々様々である。発達が滞っていたり、アンバランスである子どもも多い。
・情短施設の平均入所期間は、概ね2.5年であるが、在籍期間の長い子どももいる。
治療はできるだけ短期間で終え、家庭復帰や児童養護施設等へ措置変更することが望ましいが、子どもの状態によっては高校を卒業するまで特別な配慮のある環境が必要であることもあり、自立まで支援する必要のある子どももいる。

5.治療・支援のあり方の基本

(1)基本的な考え方

①治療の原理

・情短施設で行われる治療は、心理的困難を抱え生きづらさを感じている子どもに、まずは生きやすいと感じられる生活の場を提供することから始まる。
・それまでの生活から、例えば、周囲の人は自分を責め脅かすと感じ警戒心を解けない子どもが、この場は安全で安心できると感じられるようになるためには、一般に安全と考えられる環境を整えるだけでは足りず、その子どもに合わせた特別に配慮された生活と個別の支援が必要である。子どもはそのような環境で安全か確かめ、徐々に安心した生活を送ることができるようになり、周囲に心を開くようになる。そして、施設の中の職員や子どもたちとの生活の中で、相手や状況に合わせて自分をコントロールする力、お互いに折り合う力また人に頼り相談する力など、地域社会で暮らしていくための力を身につけていく。
・しかし、特別な配慮のある生活環境でも、眠れない、強い不安がある、些細なきっかけでパニックになる、虐待を受けたことによる後遺症などの症状がある場合は、精神科治療や心理治療を行う。また、心の動きを落ち着いて見つめることができない、自分の思いや感じたことを言葉にできないなど、人とのかかわりから学ぶために必要な能力が育っていない場合は、その力がつくような長期にわたる特別な配慮と支援を行う。
・虐待を受けた子どもは、将来の夢を持ち前向きに生きていくために、今まで生きてきた過去を振り返り、その中で生き抜いてきた自分を見出すことが必要になることが多く、そのための心理支援が必要になる。

②総合環境療法

・情短施設における治療は、福祉、医療、心理、教育の協働により、施設での生活を治療的な経験にできるように、日常生活、学校生活、個人心理治療、集団療法、家族支援、施設外での社会体験などを有機的に結びつけた総合的な治療・支援(総合環境療法)である。
・情短施設の治療の基盤は、治療的に配慮された日々の生活にある。生活支援は治療的観点からそれぞれの子どものニーズに沿ったかかわりを行う。
・治療には、教育的な支援も重要であり、教育機関とも綿密な連携を保ちながら、それぞれの子どもに応じた特別な教育支援を行う。

③治療目標

・心理療法は個人療法、集団療法など様々な技法から治療目標に合わせて組み合わされるほか、心理教育や性教育プログラムなど特別なプログラムも必要に応じて行われる。
・治療目標は子どもの状況に応じて子ども、保護者及び児童相談所等の関係者と相談しながら決めていく。それぞれの子どもの治療目標はあるが、共通の目標は、子どもの心の葛藤や混乱を和らげながら、子どもが社会の中でいきいきと自信をもって自分の生活を送れるようになることである。
・子どもへの治療は、医学的、心理学的、社会学的アセスメントに基づき、個別のニーズに沿って、説明と同意のもとに行われる。治療は、子どもの同意のみならず、保護者を治療協力者ととらえ、保護者に児童の状態及び能力を説明し治療方針の同意を得ながら進めていく。

運営指針

(2)治療の場といとなみ

①養育とは

・情短施設における養育は、治療的な観点から行われるが、養育の基本を意識することが必要である。養育の基本は、「人とのかかわりをもとにした営み」であり、「ともに成長しようとする大人」の存在がまず求められる。
・幼少期に良い人間関係を心地よく経験すると、子どもはその心地よさを保っていく。本施設には、これを経験できなかった、また継続できなかった子どもが多い。

・家庭から分離された子どもは、不安や落胆、悲しみ、苦痛、怒りを抱えながらも、安心して自分を委ねられる「おとなの存在」を求めている。養育のはじまりの時期には、子どもが大人の手助けを表面的に拒むようなことがあっても、手助けを求めたくても大人から手助けを受けることに恐れを抱いてしまう子どもの心情を理解し、慎重に関係を築いていくことが必要である。

②日常生活

・子どもたちが、安心感、安全感を抱けるような生活、雰囲気を作ることが何よりも必要である。子どもが脅かされたと感じないように、睡眠や休息が妨げられないこと、一人でのんびりできる時間空間が保証されること、できないことをやらされると感じないような日課の設定などが必要である。
・ほぼ変わらずに流れ、子どもたちが見通しを持って行動ができる日課が、安心感につながる。生活のルールは明確で公平であり、原則として職員によって対応が変わることが無いようにする。
・子どもがいきいきと自信をもって生活を送ることができるように支援することが治療的な養育の基本である。そのために、自分の生活に関して選択できる機会を多く取り入れることが必要である。
・相談できる力を養うことも生きていくために必要である。子どもが、日常生活で迷ったり困ったりした時に相談できる関係を築いていく。

③建物、設備等

・自分の居場所が確保され、安全、安心を感じることができるための工夫が必要である。いじめや支配被支配関係が起きにくいように目の届かない死角を減らすなどの工夫も考えられる。
・他の子どもたちから離れ、落ち着きを取り戻せるような空間、部屋を確保することも必要である。

④子ども集団の中での経験

・子ども集団の中に居場所を得て、「みんなと一緒」という感覚を持つ経験が、子どもの成長には欠かせない。子どもは他の子どもとのかかわりの中で、自分をコントロールし、対人関係技能を習得する。
・遊びやレクリエーション、サークル活動は、自由で創造的な思考・活動を醸成したり、単調になりがちな日常生活に潤いをもたらす。また、職員が子どもと体験や心情を共有することで、関係性の構築が図られる。
・仲間との活動を通じて集団への帰属意識を醸成するが、一方でいじめなどの人間関係上の問題を内在しやすいため、大人の配慮が必要である。
・食事場面は、人間関係形成上の大きな要素である。食卓を囲み、一緒に食べることは、コミュニケーションの基本であり社会生活を営む上で必要となる。家庭での食生活が偏っていたり、豊かでなかった子どもたちにとって、食を楽しめるようになることは治療的にも大変重要である。日々の食事の他にも調理を職員と行い周りの人に振る舞うなどの経験が子どもの成長を促す。

⑤学校教育、学習

・それまでの生育環境に恵まれず、基礎学力の不足など多くの課題を抱えている子どもにとって、主体的に学ぶ姿勢を養い、さらには高校や大学などに進学する学力を獲得することは、自尊心や自信を回復し、自立への歩みを踏み出す契機として重要な課題である。
・個々子どもの学力等に応じた教育的支援が必要であり、小集団での教育保障と習熟度別学習システムの導入が望ましい。

・退所後の進路決定に際しては、子どもの力や希望を考慮し、子どもを取り巻く状況と照らし合わせ最善の選択ができるよう支援する。
・子どもが退所後の生活にうまく適応できるように環境を調整する。
・高校生など高学齢児の場合、自立を視野に入れた疑似自立体験が行える活動プログラム及び設備も必要である。また、社会生活におけるマナーや食事場面での適切な振る舞いが身につけられるような工夫も必要である。
・治療の場における日々の暮らしの中で十分な信頼関係を構築することによって、退所後も気軽に相談でき、ときには支援してもらえるという安心感を築く。

⑥退所を視野に入れた支援

(3)治療・支援を担う人

①ケアワーカーに求められること

・施設職員は、自分自身の基準で子どもを評価的にとらえるのではなく、全体として子どもを尊重し、受け止めようとする姿勢が求められる。まず、その子の今の現実を事実として、見つめ、考え、思いやることからはじめる。
・人は自分に向けられる他者のまなざしには敏感である。欠点ばかりに目を向けず、子どもの潜在的な可能性に気づこうとするまなざしが、子どもの自尊心の回復に必須の意味を持つ。
・子どもが未来に向かって歩んでゆくためには、自分が歩んできた過去があって今があるという感覚が必要である。子ども自身の成育の過程、親の病気や不具合、施設で生活することとなった理由について、子どもが事実を受け入れ、受けとめることが必要である。そのためには、施設職員が、子どもの心情を理解し、寄り添うことが必要である。
・子どもの可能性に期待をいだきつつ寄り添うおとなの歩みは、子どもにとっての将来のモデルになる。
・施設の職員は、子どもと一緒に行動してくれる人、生活に根ざした知恵や感性をもち、ユーモアのセンスのある人、善悪の判断をきっぱりと示し、いざという時に頼りになる存在であることが望まれる。
・子どもが生きている幸せを感じられるようなさりげない配慮がこもった日常生活が営めるための創意工夫が望まれる。そのための職員間の協力、スーパービジョン、マネジメントが必要である。
・ケアワークの専門性は、現場での子どもたちとの日常生活の過程の中で子どもを理解し、より適切なかかわりを獲得し、たえず見直さなければならない。そのためには、繰り返し研修を重ね、自らの経験や行き詰まりに対しての理解や納得を得ることや、ケースカンファレンス、養育の実践と研究の並列的な推進が必要である。

②心理士に求められるもの

・情短施設の心理士に求められるものは、総合的な治療・支援の中心的な役割を担うことであり、そのために、
(a) 医師と協働して、発達的、精神病理学的観点から子どものアセスメントを行い、生活の場の様子、家族や施設の職員、子どもたちとの関係を考慮して、治療方針を考えること(ケースフォーミュレーション)、
(b) 家族、施設のケアワーカー、医師、児童相談所の児童福祉司や学校の教員など、子どもの関係者に治療方針を伝え、それぞれの支援者の子どもへの支援が齟齬がなく協働できるように調整すること(ケースコーディネート)、
(c) このような総合的な治療を進めていくこと(ケースマネージメント)、
(d) そして、子どもとどうかかわるかなどについて、ケアワーカーや学校の教員の相談にのること(コンサルテーションなどが求められる。
・心理士は、子どもや家族がどのように周りの世界を見て感じているか、そのような状況でどう振舞おうとするかを常に理解しようとする真摯な態度を保つことが基本として求められる。そして、考えるたことを相手に理解できるように伝えることが求められる。また、その子どもや家族が様々な困難や苦境の中今まで生きてきたことに対する畏敬の念を持って、かかわることが基本である。
・その上で、治療方針を立て、治療を進めるために、スーパービジョンを受けたり、研修、研究を積み重ねて、自分の実践を振り返り、専門性を高めることが必要である。

③職員のチームワーク

・治療は、多職種の専門家による協働作業であり、それぞれの専門性を生かせるようなシステム作りが必要である。
・職員はお互いに尊重し支えあい、子どもが自然と人にかかわってみたくなるような雰囲気を作り、子どもが人にかかわることを促す。そして、子どもはそのような職員の姿をモデルにし、人と協調することを身につけていく。
・特定職員による子どもの抱え込みや職員の孤立化を避けるためにも、相互補完的な関係のチームワークが必要である。

(4)家族と退所児童への支援

①家族への支援

・保護者への支援も子どもの治療には不可欠である。児童相談所や関係諸機関等と連携しながら、福祉的、心理的支援を行っていく。家族は社会的に孤立していることが多いので、親とのつながりを断たないように支援を進める。
・親を心の中でどう受けとめているかは、個人のあり方を大きく特色づける。子どもの立場に立った親子関係への理解は、子どものケアに避けられない課題である。
・社会的養護は、従来の家庭の代替だけでなく、家族機能の支援・補完・回復のための家庭支援を行う。施設と親とが子どもの養育を協働し、親子の関係が回復することを目標に支援する。また、家族が孤立せずコミュニティの一員として生活できるような支援も行う。そのような親と施設の協働の姿が、子どもたちの周りの大人たちへの安心感を取り戻し、社会参加を促す。

②退所児童への支援

・入所による治療を終えた後、通所機能や、外来機能を使って治療を続けることが必要である。また、その後も、アフターケアを行っていく必要がある。
・退所児童だけでなく、家族への支援も続け、必要に応じ学校、児童相談所などの関係機関との連携を行う。

(5)地域支援・地域連携

・情短施設は都道府県、政令市単位の広域な地域を基盤とし、児童相談所や社会的養護関連の施設との連携が必要である。
・施設のアセスメント機能、蓄積された治療・支援の知見などを地域に還元することが必要であり、様々な施設、機関へのコンサルテーション、実習の受け入れや研修会の講師派遣などを積極的に行う。
・外来機能などを充実させ、地域の子どもや家族、関係機関の相談に応じる。

6.情緒障害児短期治療施設の将来像

(1)設置推進と専門的機能の充実

・情短施設の将来像は、平成23年7月の社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会によるとりまとめ「社会的養護の課題と将来像」にあるように、各都道府県に最低1カ所、人口の多い地域では複数設置を推進する。
・情短施設は、現在、主に学童期以上の子どもを対象としているが、子どもの問題が低年齢化しており、低年齢のうちから手厚い治療をすることが重要であることから、幼児期への対応も検討する。
・情短施設はこれまで、不登校、家庭内暴力、被虐待児の心理的不調、発達障害を背景にした問題と、時代の中で注目される子どもの心の問題の治療に先駆的に
取り組んできた。これからも新たな問題に対応し治療法を開拓できる体制の充実を図る。
・情短施設は、都道府県、政令市単位の広域の中核施設として、社会的養護機関の相談を受けたり、心理支援のネットワークの中心的な役割を目指す。社会的養護の分野における心理支援のセンターとして、特別支援学校や子どもの心の診療拠点病院など他領域のセンターとのネットワークを作り、支援の幅を広げるとともに、研究や研修などを行うことを目指す。

(2)短期入所、通所機能の活用、外来機能の充実

児童養護施設や里親で一時的に不安定となり不適応を起こしている子どもを、短期間一時的に、情短施設に措置変更してケアし、落ち着きがみられるようになってから元の施設等に戻すといった短期利用も有意義である。
・通所の子どもは、施設内の分級など学校教育を利用することもできる。入所前や退所後の子どもへの支援だけでなく、地域の心理的問題の大きい子どもへの支援機能としても重要である。また、児童養護施設や里親などで心理的問題を起こしている子どもの一時的な支援の場としても活用できる。
・入所前や退所後の支援、家族への支援、また、地域の子育て支援のためにも、児童精神科の診療所を併設し、外来機能を充実させることが望まれる。社会的養護の施設の生活に詳しい医師がいることで、児童養護施設や里親の下で暮らす子どもにも適切な診療ができる。

つづきはこちら

情緒障害児短期治療施設

過去問

保育士試験 令和4年(2022年)前期 子ども家庭福祉 問13

次の【I群】の施設名と、【II群】の説明を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】
B 児童心理治療施設

【II群】
イ 家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となった
児童を、短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて、社会生活に適応するために必要な心理
に関する治療及び生活指導を主として行い、あわせて退所した者について相談その他の援助を行う。

保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会的養護 問14

次の文は、「情緒障害児短期治療施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)における治療目標に関する記述の一部である。正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A  子どもへの治療は、経験主義的アセスメントに基づき、個別のニーズに沿って、説明と同意のもとに行われる。

  • 「情緒障害児短期治療施設運営指針」5-(1)-③において、「子どもへの治療は、医学的、心理学的、社会学的アセスメントに基づき、個別のニーズに沿って、説明と同意のもとに行われる。」と記載されています。したがって問題文の「経験主義的アセスメント」という箇所は誤りです。

○ B  治療目標は子どもの状況に応じて子ども、保護者及び児童相談所等の関係者と相談しながら決めていく。

  • 「情緒障害児短期治療施設運営指針」5-(1)-③において、「治療目標は子どもの状況に応じて子ども、保護者及び児童相談所等の関係者と相談しながら決めていく。それぞれの子どもの治療目標はあるが、共通の目標は、子どもの心の葛藤や混乱を和らげながら、子どもが社会の中でいきいきと自信をもって自分の生活を送れるようになることである。」と記載されています。

○ C  治療は、子どもの同意のみならず、保護者を治療協力者ととらえ、保護者に児童の状態及び能力を説明し治療方針の同意を得ながら進めていく。

  • 「情緒障害児短期治療施設運営指針」5-(1)-③において、「子どもへの治療は、医学的、心理学的、社会学的アセスメントに基づき、個別のニーズに沿って、説明と同意のもとに行われる。治療は、子どもの同意のみならず、保護者を治療協力者ととらえ、保護者に児童の状態及び能力を説明し治療方針の同意を得ながら進めていく。」と記載されています。

× D  心理療法は個人療法、集団療法など様々な技法から保護者の意向に合わせて組み合わされるほか、心理教育や性教育プログラムなど特別なプログラムも必要に応じて行われる。

  • 「情緒障害児短期治療施設運営指針」5-(1)-③において、「子どもへの治療は、医学的、心理学的、社会学的アセスメントに基づき、個別のニーズに沿って、説明と同意のもとに行われる。治療は、子どもの同意のみならず、保護者を治療協力者ととらえ、保護者に児童の状態及び能力を説明し治療方針の同意を得ながら進めていく。」と記載されています。したがって問題文の「保護者の意向に合わせて」という箇所は誤りです。

保育所保育指針には「…的」が多い 〜違った視点で覚える〜

保育所保育指針は法令、通達とは違い、独特の保育所らしい表現の文章です。

「…的」が多く、過去問にも穴埋め問題として出題されています。そこで該当部分をピックアップしてみました。

すると「…的」の後にくる述語が共通していたり、問題を解くときのヒントがありましたので参考にして下さい。

過去問出題歴あり

計画的 4か所

  • 計画的に構成する 2か所
  • 体系的・計画的な研修機会を確保する

個別的 1か所

  • 子どもの入所時の保育に当たっては、できるだけ個別的に対応

長期的 2か所

  • 長期的な見通し

一体的 3か所

  • 養護及び教育を一体的に行う 2か所
  • 資質・能力を一体的に育む 1か所

集団的 1か所

  • 集団的な遊び

協同的 2か所

  • 協同的な活動 2か所

自発的 3か所

  • 子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成
  • 自発的に(な)活動 2か所

主体的 9か所

  • (子どもの)主体的な活動 7か所
  • 主体的な生活態度などの基礎を培う
  • 職員同士が主体的に学び合う

保健的 3か所

  • 保健的で安全な保育環境の維持する
  • 適切な判断に基づく保健的な対応をする 2か所

意欲的 2か所

  • 子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成する
  • 子どもが意欲的に生活する

総合的 2か所

  • 総合的に展開する
  • 総合的に保育する

専門的 1か所

  • 倫理観に裏付けられた専門的知識

創造的 1か所

  • 創造的な思考

組織的 3か所

  • 保育の内容が組織的・計画的に構成
  • 保育の質の向上に向けた組織的な取組
  • 保育の質の向上に向けた課題に組織的に対応

受容的 5か所

  • 受容的な関わり 5か所

応答的 11か所

  • 応答的な関わり 8か所
  • 応答的な触れ合い 2か所
  • 応答的に行われる
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過去問出題歴なし

積極的 12か所

  • 福祉を積極的に増進
  • 子どもの健康増進が、積極的に図られる
  • 身近な事象に積極的に関わる
  • 積極的に言葉のやり取りを楽しむ
  • 積極的に受け止める 2か所
  • 友達と積極的に関わる
  • 地域の資源を積極的に活用
  • 保護者の積極的な参加
  • 支援を積極的に行う
  • 積極的に連携を図る 2か所

具体的 10か所

  • 具体的な保育
  • 具体的な子どもの日々の生活
  • 具体的なねらい 2か所
  • 具体的な活動
  • 具体的な姿 2か所
  • 具体的に把握
  • 具体的な内容 2か所

全体的 8か所

  • 全体的な計画 8か所

定期的 4か所

  • 定期的に避難訓練を実施する
  • 定期的・継続的に把握する
  • 定期的に健康診断を行う
  • 定期的に安全点検を行う

基本的 3か所

  • 基本的事項 3か所

社会的 3か所

  • 保育所の社会的責任 2か所
  • 社会的発達に関する視点

身体的 3か所

  • 身体的発達
  • 身体的機能
  • 身体的な育ち

生理的 3か所

  • 生理的欲求 2か所
  • 生理的・身体的な育ち

日常的 3か所

  • 地域の関係機関等との日常的な連携を図る 2か所
  • 日常的に職員同士が主体的に学び合う

体系的 3か所

  • 体系的な研修計画 3か所

継続的 2か所

  • 子どもとの継続的な信頼関係
  • 定期的・継続的に、また、必要に応じて随時、把握する

伝統的 2か所

  • 我が国の伝統的な行事
  • 我が国の伝統的な遊び

継続的 2か所

  • 継続的な信頼関係を築く
  • 定期的・継続的に把握する

精神的 1か所

  • 精神的発達

短期的 1か所

  • 短期的な指導計画

包括的 1か所

  • 全体的な計画は、保育所保育の全体像を包括的に示す

場所的 1か所

  • 場所的感覚

固定的 1か所

  • 固定的な意識

意識的 1か所

  • 意識的な保育の計画

人的 1か所

  • 保育士等や子どもなどの人的環境

物的 1か所

  • 施設や遊具などの物的環境
保育所保育指針

過去問

保育士試験 令和5年(2023年)後期 保育原理 問3

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育士等との( A )関係に支えられて生活を確立していくことが人と関わる基盤となることを考慮して、子どもの多様な感情を受け止め、温かく( B 受容 )的・( C 応答 )的に関わり、一人一人に応じた適切な援助を行うようにすること。(組み合わせ) A   B   C1 信頼  受容  応答2 愛着  共感  協応3 愛着  共感  応答4 愛着  受容  応答5 信頼  受容  協応

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育原理 問2

次のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」(4)「保育の環境」に関する記述として、適切 なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や
社会の事象などがある。
B 保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動できる場となるように
配慮すること。

○ C 子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること。

× D 保育士自らが積極的に環境に関わり、子どもに遊びを提供するよう配慮すること。

  • 保育所保育指針では、保育士が何かに積極的になることはありません。

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育原理 問4

次のうち、1歳以上3歳未満児の保育に関する記述として、「保育所保育指針」に照らし、適 切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育のねらい及び内容について、「健康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」としてまとめ、 示している。

× B 指導計画は一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して作成し、個別的な計画は必要に応じて作成する。

○ C 自分でできることが増えてくる時期であることから、保育士等は、子どもの生活の安定を図りながら、自分でしようとする気持ちを尊重し、温かく見守るとともに、愛情豊かに応答的に関わる。

D 基本的な生活習慣の形成にあたっては、家庭での生活経験に配慮し、家庭からの要望を第一に優
先して進めるようにする。

E 保育士等が仲立ちとなって、自分の気持ちを相手に伝えることや相手の気持ちに気付くことの大
切さなど、友達の気持ちや友達との関わり方を丁寧に伝えていく。

(組み合わせ)
A B C D E
2 ○ × ○ × ○

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育原理 問5

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」(1)「全体的な計画の作成」の一部である。 ( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所は、(中略)、各保育所の保育の方針や( A )に基づき、子どもの( B )を踏まえて、 保育の内容が( C組織 )的・計画的に構成され、保育所の生活の全体を通して、総合的に( D 展開) されるよう、全体的な計画を作成しなければならない。

(組み合わせ) ABCD
○ 1 目標 発達過程 組織 展開
× 2 理念 家庭状況 組織 展開
× 3 理念 家庭状況 個別 達成
× 4 目標 発達過程 組織 達成
× 5 理念 発達過程 個別 達成

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育実習理論 問 17

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及 び内容」(1)「基本的事項」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組 み合わせを一つ選びなさい。

この時期においては、運動機能の発達により、基本的な動作が一通りできるようになるとともに、 基本的な生活習慣もほぼ自立できるようになる。理解する語彙数が急激に増加し、知的興味や関心も 高まってくる。仲間と遊び、仲間の中の一人という自覚が生じ、( A 集団的な )遊びや( B 協同的な)活動も 見られるようになる。これらの発達の特徴を踏まえて、この時期の保育においては、( C )と集 団としての活動の充実が図られるようにしなければならない。

(組み合わせ) ABC
1 集団的な 一斉 個の支援
○ 2 集団的な 協同的な 個の成長
3 ごっこ 協同的な 個の支援
4 集団的な 一斉 個の成長
5 ごっこ 一斉 個の支援

保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育実習理論 問148

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」3「保育の計画及び評価」の一部である。
( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・全体的な計画は、子どもや家庭の状況、地域の実態、保育時間などを考慮し、子どもの育ちに関する( A 長期的 )見通しをもって適切に作成されなければならない。

・全体的な計画は、保育所保育の全体像を包括的に示すものとし、これに基づく指導計画、( B 保健計画 )、食育計画等を通じて、各保育所が( C 創意工夫 )して保育できるよう、作成されなければならない。

× 1.A:短期的  B:保育計画  C:創意工夫

× 2.A:長期的  B:保育計画  C:地域連携

× 3.A:短期的  B:保健計画  C:地域連携

○ 4.A:長期的  B:保健計画  C:創意工夫

× 5.A:短期的  B:保育計画  C:地域連携

保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育実習理論 問151

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」3「保育の計画及び評価」( 2 )「指導計画の作成」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、( A 個別的 )な計画を作成すること。

・ 3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や( B 協同的 )な活動が促されるよう配慮すること。

・ 異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や経験、発達過程などを把握し、適切な援助や( C 環境構成 )ができるよう配慮すること。

× 1.A:個別的  B:並行的  C:環境構成

× 2.A:総合的  B:並行的  C:指導計画

○ 3.A:個別的  B:協同的  C:環境構成

× 4.A:総合的  B:協同的  C:指導計画

× 5.A:個別的  B:並行的  C:指導計画

保育士試験 令和2年(2020年)後期 教育原理 問20

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」に関する記述である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

平成29( 2017 )年の改正では、保育所は「( A )を行う施設」として新たに明示され、共有すべき事項として「育みたい資質・能力」が示された。その内容として、「保育所においては、生涯にわたる生きる力の基礎を培うため、資質・能力を( B )に育むよう努めるものとする」とされた。 

○ 1. A:幼児教育  B:一体的

× 2. A:幼児教育  B:領域別

× 3. A:幼児教育  B:総合的

× 4. A:養護    B:一体的

× 5. A:養護    B:領域別

保育士試験 平成31年(2019年)前期 保育原理 問15

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の4「保育の実施に関して留意すべき事項」(2)「小学校との連携」の一部である。次の文の( a )∼( d )の下線部分が正しい記述を○、誤った記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 保育所においては、保育所保育が、小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに配慮し、幼児期に( a )×育ってほしい姿を通じて、( b )○創造的な思考や( c )○主体的な生活態度などの基礎を培うようにすること。

・ 子どもに関する( d )○情報共有に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること。

  • 育ってほしい→ふさわしい

保育士試験 平成31年(2019年)前期 保育原理 問15

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「保育所の役割」の一部である。
(A)~(C)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所は、その目的を達成するために、保育に関する(A)を有する職員が、(B)との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における環境を通して、養護及び教育を(C)に行うことを特性としている。 

× 1. (A)知識・技術 (B)家庭 (C)一体的

× 2. (A)専門性 (B)保護者 (C)家庭的

× 3. (A)素養 (B)地域 (C)専門的

× 4. (A)知識・技術 (B)家庭 (C)専門的

○ 5. (A)専門性 (B)家庭 (C)一体的

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育原理 問5

次の文のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」の( 2 )「保育の方法」の一部として、A ~ Eの部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもが自発的、意欲的に関われるような⚪︎[ A ]環境を構成し、子どもの⚪︎[ B ]主体的な活動や×[ C ]子どもと特定の大人との関わりを大切にすること。特に、乳幼児期に×[ D ]貴重な体験が得られるように、⚪︎[ E ]生活や遊びを通して総合的に保育すること。

保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育原理 問2

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の(3)「保育の環境」の一部である。
( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、( A )や遊具などの物的環境、更には自然や社会の( B )などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が( C )に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、( D )に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。 

× 1. ( A )保育室 ( B )事象 ( C )適切 ( D )快適

× 2. ( A )施設 ( B )出来事 ( C )相互 ( D )家庭的

× 3. ( A )園舎 ( B )現象 ( C )適切 ( D )系統的

○ 4. ( A )施設 ( B )事象 ( C )相互 ( D )計画的

× 5. ( A )保育室 ( B )現象 ( C )相互 ( D )教育的

保育士試験 平成24年(2012年) 保育原理 問110

次の文は、「保育所保育指針J第4章「保育の計画及び評価」の(2)「指導計画」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・子ども一人一人の( A )や状況を十分に踏まえること。
・保育所の生活における子どもの( A )を見通し、( B )の連続性、季節の変化などを考慮し、( C )に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。
・具体的なねらいが達成されるよう、子どもの( B )する姿や( D )を大切にして適切な環境を構成し、子どもが( E )に活動できるようにすること。 

× 1. A興味や関心  B生活  C遊び      D意欲  E積極的

× 2. A発達過程   B発達  C保育課程    D発想  E活発

○ 3. A発達過程   B生活  C子どもの実態  D発想  E主体的

× 4. A発達過程   B生活  C保育課程    D意欲  E意欲的

× 5. A興味や関心  B発達  C子どもの実態  D生活  E主体的

児童養護施設入所児童等調査結果はイメージで覚える!保育士試験用抜粋「最新版」

2023年令和5年度前期試験に対応しています。

どこをどう覚えるかわかるように、また見やすく理解しやすいよう作成しました。

また、太字は過去問で出題されたことを意味します。

施設数

施設数

社会的養育の推進に向けて 厚生労働省
  • 母子生活支援施設    約 250か所
  • 乳児院         約 150か所
  • 児童心理施設      約 50か所
  • 児童自立支援施設    約 60か所
  • 児童養護施設      約 600か所  
  • 里親          約4200か所
  • ファミリーホーム    約 350か所
  • 自立援助ホーム     約 150か所
  • 小規模グループケア   約1600か所
  • 地域小規模児童養護施設 内約 400か所

施設数の多い順に並べられる程度の暗記でよいです。

里親委託率は、5施設/里親=20%程度です。

児童養護施設、地域小規模児童養護施設は1県に10か所程度ある計算となり、児童養護施設は飛び抜けて多いです。

児童心理治療施設、児童自立支援施設や乳児院等は県に1〜3か所程度で、後からできた特別な理由による入所児童のための施設なので、受け皿も限られています。

里親の登録数は増えてきたという記事

委託総数

委託総数

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 母子生活支援施設 約 5,500名
  • 乳児院      約 3,000名
  • 児童心理施設   約 1,500名
  • 児童自立支援施設 約 1,500名
  • 児童養護施設   約27,000名
  • 里親       約 5,500名
  • ファミリーホーム 約 1,500名
  • 自立援助ホーム  約   500名

      計 約45,000名

児童心理施設、児童自立支援施設、児童養護施設のような施設は、1施設あたり30〜50人いるイメージです。

乳児院はさすがにもう少し少なく20人程度です。

入所時平均と最多・現在平均年齢

入所時平均と最多・現在平均年齢

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省

     入所時平均・最多・現在平均
乳児院      0歳・ 0歳・1歳
児童心理治療施設11歳・12歳・13歳
児童自立支援施設13歳・13歳・14歳
児童養護施設   6歳・ 2歳・12歳
里親       6歳・ 2歳10歳
ファミリーホーム 8歳・ 2歳・12歳
自立援助ホーム 18歳・18歳・18歳

就学状況

就学状況

  • 母子生活支援施設 就学前が最多約5割
  • 児童心理治療施設 中学校が最多約5割
  • 児童自立支援施設 中学校が最多約8割
  • 児童養護施設   中学校が最多約2割
  • 里親       就学前が最多約3割
  • ファミリーホーム    高校,就職が最多約2割
  • 自立援助ホーム 高校,就職が最多約8割

乳児院を2歳で退所し、児童養護施設かファミリーホームに所属するのが定型のようです。

ただし、児童養護施設とファミリーホームには高年齢で入所するケースも多いです。

児童心理施設では、保護者による監護が困難になった児童が多いため、ある程度成長して体が大きくなっていることが想像できます。

児童自立支援施設は非行少年のための施設ですので、やはり中学生が多いでしょう。

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省

委託(在所)期間

委託(在所)期間

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
母子生活支援施設の在所期間
  • 母子生活支援施設 1年未満
  • 乳児院      約1年
  • 児童心理治療施設 約2年
  • 児童自立支援施設 約1年
  • 児童養護施設   約5年
  • 里親       約5年
  • ファミリーホーム 約4年
  • 自立援助ホーム  約1年

基本的にはどの施設も「1 年未満」が多く、期間が長くなるに従い児童数が漸減する傾向となっています。

また、児童心理治療施設の委託期間は1〜2年が多いです。運営指針にも記載があります。

しかし、児童養護施設は家庭復帰や里親委託の予定もなく、満期まで過ごす子どもがいるため委託期間か長いです。

家庭から措置された児童数

家庭から措置された児童数

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      約6割
  • 児童心理治療施設 約6割
  • 児童自立支援施設 約6割
  • 児童養護施設   約6割
  • 里親       約4割
  • ファミリーホーム 約4割
  • 自立援助ホーム  約4割

すべての施設で「家庭から」が最も多いです。

障害がある児童・うちADHD・自閉

障害がある児童・うちADHD・自閉

厚生労働省の資料が差し替えられていたので、赤字で修正しました。10/15

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省

母子生活支援施設約2割・わずか・わずか
乳児院     約3割・わずか・わずか
児童心理治療施設約9割約3割約4割
児童自立支援施設約6割・約3割約2割
児童養護施設  約4割・約1割・約1割
里親      約2割・約1割・約1割
ファミリーホーム約5割・約1割・約1割
自立援助ホーム 約5割・約1割・約1割

ほとんどの施設で該当する児童は増加しています。

児童心理治療施設は、どの状況にも高い割合で当てはまっており、「治療施設」なのを実感します。

児童養護施設は、知的障害が一番多いです。

里親は、障害がある児童に対応する場合は専門里親に委託します。

ちなみに障害がある児童と虐待経験のある児童は別物です。

ADHDの診断基準はDSM5

自閉スペクトラム症の記事はこちら

学業の状況

学業の状況

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 児童心理治療施設「遅れがある」約6割
  • 児童養護施設 「特に問題なし」約6割
  • 里親     「特に問題なし」約6割
  • ファミリーホーム   「特に問題なし」約5割

児童心理治療施設は、障害がある児童が多いため、学業に遅れがあるのは想像がつきます。

虐待が理由で入所する児童・虐待経験のある児童・虐待の種類

虐待が理由で入所する児童・虐待経験のある児童・虐待の種類

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省

母子生活支援施 ーーー・約6割心8割
乳児院     約3割・約4割7割
児童心理治療施 約4割・約8割・身7割
児童自立支援施 約2割・約6割・身6割
児童養護施設  約5割・約7割・ネ6割
里親      約4割・約4割・ネ7割
ファミリーホー 約4割・約5割・ネ6割
自立援助ホーム 約5割・約7割・心6割

乳児院では、失業や離婚がもとでうつ病等の「母の精神疾患等」となる場合が最も多いため「親の精神疾患による子の放置」等のネグレクトが多いことが想像できます。

児童心理施設と児童自立支援施設は、児童の問題による監護困難で入所してきたはずなのに、実は虐待が多いということが想像できます。

児童養護施設は、親の精神疾患や放任、怠だも多く、親の力不足で入所が必要になってしまった場合がほとんどであることが想像できます。

母子生活支援施設の入所理由

母子生活支援施設の入所理由

母子生活支援施設の入所理由

配偶者からの暴力」が原因で母子生活支援施設に入所し、「離婚」して母子世帯(ひとり親)になったパターンが多いです。

委託(入所)時の「両親又は一人親あり」の割合

委託(入所)時の「両親又は一人親あり」の割合

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      約10割
  • 児童心理治療施設 約9割
  • 児童自立支援施設 約9割
  • 児童養護施設   約8割
  • 里親       約8割(最も低い)
  • ファミリーホーム 約8割
  • 自立援助ホーム  約9割

親がいなくて入所するのは、もはや戦後の話です。

児童養護施設運営指針にもそのような記述があります。

今は虐待が理由で入所する児童が多いため、どの子供も「両親ともいない」ケースはごくわずかです。

しかし、里親・自立援助ホームは例外で、家庭復帰の予定がない者を委託するため、割合か低くなっています。

家族と交流がない児童

家族と交流がない児童

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      約2割
  • 児童心理治療施設 約2割
  • 児童自立支援施設 約1割
  • 児童養護施設   約2割
  • 里親       約7割
  • ファミリーホーム 約4割
  • 自立援助ホーム  約5割

親子が別れることを決意した場合は、児童相談所は里親を手配するでしょう。

一時帰宅をしている児童

一時帰宅をしている児童

  • 乳児院      約5割
  • 児童心理治療施設 約4割
  • 児童自立支援施設 約3割
  • 児童養護施設   約3割

児童の今後の見通し

児童の今後の見通し

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院
    • 現在の乳児院で養育    約4割
  • 児童心理治療施設
    • 保護者のもとへ復帰    約4割
  • 児童自立支援施設
    • 保護者のもとへ復帰    約6割
  • 児童養護施設
    • 自立まで現在の施設で養育 約6割
  • 里親
    • 自立まで現在の施設で養育 約7割
    • 保護者のもとへ復帰    約1割
  • ファミリーホーム
    • 自立まで現在の施設で養育 約7割
  • 自立援助ホーム
    • 自立まで現在の施設で養育 約8割

児童心理治療施設や児童自立支援施設で「保護者のもとへ復帰」が多いのは、入所理由が「児童の問題による監護困難」なので、比較的解消しやすいと言えます。

ですが、実は虐待が多いのに復帰させて大丈夫でしょうか…

児童養護施設入所児童等調査の結果(平成30年2月1日現在)厚生労働省

関連している過去問はこちら

児童養護施設入所児童等調査結果はイメージで覚える!保育士試験用抜粋

2022令和4年度後期試験に対応しています。

どこをどう覚えるかわかるように、また見やすく理解しやすいよう作成しました。

また、太字は過去問で出題されたことを意味します。

施設数

社会的養育の推進に向けて 厚生労働省
  • 母子生活支援施設    約 230か所
  • 乳児院         約 140か所
  • 児童心理施設      約 50か所
  • 児童自立支援施設    約 60か所
  • 児童養護施設      約 600か所
  • 里親          約4200か所
  • ファミリーホーム    約 350か所
  • 自立援助ホーム     約 150か所
  • 小規模グループケア   約1600か所
  • 地域小規模児童養護施設 約 400か所

児童養護施設、地域小規模児童養護施設は県に10か所程度で、児童養護施設は飛び抜けて多いです。

児童心理治療施設、児童自立支援施設や乳児院等は県に1〜3か所程度で、後からできた特別な理由による入所児童のための施設なので、受け皿も限られています。

児童の委託総数

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 母子生活支援施設 約 5,300名
  • 乳児院      約 3,000名
  • 児童心理施設   約 1,400名
  • 児童自立支援施設 約 1,500名
  • 児童養護施設   約27,000名
  • 里親       約 5,400名
  • ファミリーホーム 約 1,500名
  • 自立援助ホーム  約   600名

          計 約45,000名

児童養護施設のような施設は、1施設あたり30〜50人いるイメージですね。

児童の委託時または入所時の平均年齢

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      0歳・最多 0歳
  • 児童心理治療施設11歳・最多12歳
  • 児童自立支援施設13歳・最多13歳
  • 児童養護施設   6歳・最多 2歳
  • 里親       6歳・最多 2歳
  • ファミリーホーム 8歳・最多 2歳
  • 自立援助ホーム 18歳・最多18歳)

児童の平均年齢・就学状況

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省

平均年齢

  • 母子生活支援施設 約 7歳
  • 乳児院      約 1歳
  • 児童心理施設   約13歳
  • 児童自立支援施設 約14歳
  • 児童養護施設   約12歳
  • 里親       約10歳
  • ファミリーホーム 約12歳
  • 自立援助ホーム  約18歳

就学状況

  • 母子生活支援施設 就学前が最多約5割
  • 児童心理治療施設 中学校が最多約5割
  • 児童自立支援施設 中学校が最多約8割
  • 児童養護施設   中学校が最多約2割
  • 里親       就学前が最多約3割
  • ファミリーホーム    高校,就職が最多約2割
  • 自立援助ホーム 高校,就職が最多約8割

児童心理施設では、保護者による監護が困難になった児童が多いため、ある程度成長して体が大きくなっていることが想像できます。

児童自立支援施設は非行少年のための施設ですので、やはり中学生が多いでしょう。

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省

児童の委託(在所)期間

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      約1年
  • 児童心理治療施設 約2年
  • 児童自立支援施設 約1年
  • 児童養護施設   約5年
  • 里親       約5年
  • ファミリーホーム 約4年
  • 自立援助ホーム  約1年

基本的にはどの施設も「1 年未満」が多く、期間が長くなるに従い児童数が漸減する傾向となっています。

また、児童心理治療施設の委託期間は1〜2年が多いです。運営指針にも記載があります。

しかし、児童養護施設は家庭復帰や里親委託の予定もなく、満期まで過ごす子どもがいるため委託期間か長いです。

「家庭から」措置された児童数

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      約6割
  • 児童心理治療施設 約6割
  • 児童自立支援施設 約6割
  • 児童養護施設   約6割
  • 里親       約4割
  • ファミリーホーム 約4割
  • 自立援助ホーム  約4割

障害がある児童

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 母子生活支援施設 約5割
  • 乳児院      約3割
  • 児童心理治療施設 約4割
  • 児童自立支援施設 約6割
  • 児童養護施設   約4割
  • 里親       約2割
  • ファミリーホーム 約5割
  • 自立援助ホーム  約5割

障害がある児童のうち注意欠陥多動性障害(ADHD)がある児童

  • 母子生活支援施設 ごくわずか
  • 乳児院      ごくわずか
  • 児童心理施設   約5割
  • 児童自立支援施設 約2割
  • 児童養護施設   約1割
  • 里親       約1割
  • ファミリーホーム 約1割
  • 自立援助ホーム  約1割

障害がある児童のうち広汎性発達障(自閉症スペクトラム)

  • 母子生活支援施設 ごくわずか
  • 乳児院      ごくわずか
  • 児童心理施設   約4割(最も多い
  • 児童自立支援施設 約3割
  • 児童養護施設   約1割
  • 里親       約1割
  • ファミリーホーム 約1割
  • 自立援助ホーム  約1割
児童心理治療施設は、どの状況にも高い割合で当てはまっています。「治療施設」なのを実感します。

学業の状況

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 児童心理治療施設「遅れがある」約6割
  • 児童養護施設 「特に問題なし」約6割
  • 里親     「特に問題なし」約6割
  • ファミリーホーム   「特に問題なし」約5割

児童心理治療施設は、障害がある児童が多いため、学業に遅れがあるのは想像がつきます。

虐待が理由で入所する児童

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      約3割
  • 児童心理治療施設 約4割
  • 児童自立支援施設 約2割
  • 児童養護施設   約5割
  • 里親       約4割
  • ファミリーホー ム 約4割
  • 自立援助ホーム  約5割
児童養護施設は、親の精神疾患や放任、怠だも多く、親の力不足で入所が必要になってしまった場合がほとんどであることが想像できます。子どもが小さいときからそうであれば、入所が長期化するでしょう。

乳児院では、「母の精神疾患等」が最も多い。

乳児を母から引き離すことはよっぽどのことです

「精神疾患」はうつ病が多く、失業や離婚がもとで子どもを育てられなくなる場合が多いです。

虐待経験のある児童

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 母子生活支援施設 約6割
  • 乳児院      約4割
  • 児童心理治療施設 約8割
  • 児童自立支援施設 約6割
  • 児童養護施設   約7割
  • 里親       約4割
  • ファミリーホーム 約5割
  • 自立援助ホーム  約7割
児童心理施設と児童自立支援施設は、親による監護困難で入所してきたはずなのに、実は虐待が多いということが想像できます。

虐待の種類

  • 母子生活支援施設 心理的虐待 約8割
  • 乳児院      ネグレクト 約7割
  • 児童心理治療施設 身体的虐待 約7割
  • 児童自立支援施設 身体的虐待 約6割
  • 児童養護施設   ネグレクト 約6割
  • 里親       ネグレクト 約7割
  • ファミリーホーム ネグレクト 約6割
  • 自立援助ホーム  心理的虐待 約6割

乳児院のネグレクトは、「親の精神疾患による子の放置」が多いことが想像できます。

委託(入所)時の「両親又は一人親あり」の割合

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      約10割
  • 児童心理治療施設 約9割
  • 児童自立支援施設 約9割
  • 児童養護施設   約8割
  • 里親       約8割(最も低い)
  • ファミリーホーム 約8割
  • 自立援助ホーム  約9割

親がいなくて入所するのは、もはや戦後の話です。

今は虐待が理由で入所する児童が多いため、どの子供も「両親ともいない」ケースはごくわずかです。

しかし、里親は例外で、家庭復帰の予定がない児童を委託するため、割合か低くなっています。

家族と交流がない児童

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院      約2割
  • 児童心理治療施設 約2割
  • 児童自立支援施設 約1割
  • 児童養護施設   約2割
  • 里親       約7割
  • ファミリーホーム 約4割
  • 自立援助ホーム  約5割
親子が別れることを決意した場合は、児童相談所は里親を手配するでしょう。

一時帰宅をしている児童

  • 乳児院      約5割
  • 児童心理治療施設 約4割
  • 児童自立支援施設 約3割
  • 児童養護施設   約3割

児童の今後の見通し

児童養護施設入所児童等調査結果 厚生労働省
  • 乳児院
    • 現在の乳児院で養育    約4割
  • 児童心理治療施設
    • 保護者のもとへ復帰    約4割
  • 児童自立支援施設
    • 保護者のもとへ復帰    約6割
  • 児童養護施設
    • 自立まで現在の施設で養育 約6割
  • 里親
    • 自立まで現在の施設で養育 約7割
    • 保護者のもとへ復帰    約1割
  • ファミリーホーム
    • 自立まで現在の施設で養育 約7割
  • 自立援助ホーム
    • 自立まで現在の施設で養育 約8割
児童心理治療施設や児童自立支援施設で「保護者のもとへ復帰」が多いのは、入所理由が「親の監護困難」なので、比較的解消しやすいと言えます。ですが、実は虐待が多いのに復帰させて大丈夫でしょうか…

児童養護施設入所児童等調査の結果(平成30年2月1日現在)

児童養護施設入所児童等調査結果

過去問

保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会的養護 問2

次の文のうち、「児童養護施設入所児童等調査の概要(平成 30 年2月1日現在)」(厚生労働 省)における、児童養護施設の入所児童の状況に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

× 1 6歳未満で入所した児童が約8割である。

  • 入所平均年齢は6歳なので5割程度となります。

× 2 児童の平均在所期間は、10 年を超えている。

  • 5年です。

○ 3 児童の入所経路では、「家庭から」が約6割である。

× 4 心身の状況において障害等を有する児童は、約7割である。

  • 約4割

× 5 虐待を受けた経験がある児童のうち、心理的虐待は約6割である。

  • ネグレクトが約6割です。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 社会的養護 問13

次の文のうち、「社会的養育の推進に向けてわ」(平成31年1月 厚生労働省)に関する記述として、適切な記述を一つ選びなさい。

× 1.社会的養護の対象となっている児童は、約1万5千人である。

  • 約4万5千人です。

○ 2.児童養護施設は、約600か所ある。

× 3.委託里親数は、1万世帯を超える。

  • 約4千200世帯です。令和2年の調査では約4千400世帯となっています。1万世帯を超えるのは、里親の登録者数です。

× 4.自立援助ホームは、約400か所ある。

  • 約150カ所です。令和2年の調査では約180カ所に増えています。

× 5.地域小規模児童養護施設は、約100か所ある。

  • 約390カ所です。令和2年の調査では約420カ所に増えています。

保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会的養護 問15

次の文のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」(厚生労働省)における、児童養護施設入所児童の状況に関する記述として正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A  入所児童のうち、心身の状況について「障害等あり」とされた児童は、全体の約5割であった。

  • 入所児童のうち、心身の状況について「障害等あり」とされた児童は、28.5%です。全体の約3割なので問題文の記述は不適切です。→30年版は約4

× B  入所児童の「被虐待経験あり」は全体の約3割であった。

  • 入所児童の「被虐待経験あり」は59.5%です。全体の約6割なので問題文の記述は不適切です。→30年版は約7割

○ C  入所児童の、入所時の年齢で最も多いのは2歳であった。

○ D  入所児童の、入所時の保護者の状況について「両親又は一人親」とされた児童は、全体の約8割であった

保育士試験 平成31年(2019年)前期 児童家庭福祉 問14

次の【Ⅰ群】の種別と【Ⅱ群】の里親の委託児童数及び児童福祉施設の現員(平成28年10月現在、厚生労働省家庭福祉課調べ)を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A  里親委託(ファミリーホームを除く)

  • 里親委託(ファミリーホームを除く)された児童の数は(イ)5,190人→最新値は約5,400名

B  乳児院

  • 乳児院の利用者は(ア)2,901人最新値は約 3,000名

C  児童心理治療施設

  • 児童心理治療施設の利用者は(エ)1,399人→最新値は約1,400名

D  児童養護施設

  • 児童養護施設の利用者は(ウ)27,288人→最新値は約27,000名

【Ⅱ群】
ア 2,901人
イ 5,190人
ウ 27,288人
エ 1,399人

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 児童家庭福祉 問18

次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果( 平成25年2月1日現在 )」による、児童自立支援施設に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○→× 1.全国に58か所設置され、全国で1,600名を超える児童が入所している。 →30年版は60か所1,500名

○ 2.入所児童の入所時の平均年齢は約13歳である。

○ 3.在所期間は平均約1.0年で8割以上が2年未満の利用である。

× 4.入所児童で「障害等あり」のうち、広汎性発達障害のある児童が4割以上を占めている。

  • 入所児童で「障害等あり」のうち、広汎性発達障害のある児童の割合は14.7%となっています。→平成30年は3割

○ 5.入所児童のうち、被虐待経験のある児童が半数以上を占めている。

保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会的養護 問18

次のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」(厚生労働省)の各施設(里親)における児童の入所(委託)時の年齢の構成割合が最も高いものとして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

×→△ A  母子生活支援施設 ―― 約10歳

  • 0歳が最も多いです。母子生活支援施設での入所に占める割合は、年齢が小さいほど多く、10歳の割合は、0歳の30%程度になります。平成30年は調査対象外

○ B  児童自立支援施設 ―― 約13歳

○ C  里親 ―― 約2歳

× D  児童養護施設 ―― 約6歳

  • 2歳が最も多いです。一般的に満2歳になると、乳児院から児童養護施設に措置変更されるためです。次いで多いのは3歳ですが、2歳の約半分です。

児童養護施設入所児童等調査結果 過去問編

こちらからの続きです。

過去問

保育士試験 令和5年(2023年)前期 社会福祉 問8

次のうち、児童心理治療施設に関する記述として、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成 30 年2月1日現在)」では、被虐待経験がある児童の 占める割合は、7割を超えている。

B 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成 30 年2月1日現在)」では、児童の委託(入所)経路 は、半数以上が児童養護施設からの入所となっている。

C 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づく障害者支援施設に定 められている。

D 2017(平成 29)年に施行された「児童福祉法」等の一部改正によって、「情緒障害児短期治療施 設」から名称変更された。

(組み合わせ)
3 A D

保育士試験 令和4年(2022年)後期 社会的養護 問3

次のうち、「児童養護施設入所児童等調査の概要(平成 30 年2月1日現在)」(厚生労働省)に おける母子生活支援施設入所世帯(母親)の状況に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

× 1 入所理由は「経済的理由による」が最も多い。

  • 配偶者からの暴力によるが最も多い。

× 2 在所期間は「10 年以上」が最も多い。

  • 一年未満が最も多い。

× 3 母子世帯になった理由は、「未婚の母」が最も多い。

  • 離婚が最も多い。

○ 4 平均所得金額(不明を除く)はおおよそ「166 万円」である。

× 5 母の従業上の地位は、「常用勤労者」が最も多い。

  • 臨時・日雇・パートが最も多い。

保育士試験 令和4年(2022年)後期 子ども家庭福祉 問10

次のうち、「児童養護施設入所児童等調査の概要(平成 30 年2月1日現在)」(2020(令和2) 年1月 厚生労働省)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正し い組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 0歳で委託された児童の委託先は、里親より乳児院が多い。

× B 児童養護施設に委託された児童の在所平均期間は、10 年を超える。

  • 約5年です。

○ C 児童養護施設の「児童の委託(入所)経路」で最も多いのは、「家庭から」である。

○ D 児童養護施設の「委託(入所)時の保護者の状況」では、「両親又は一人親あり」の割合が 90%を超える。

保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会的養護 問2

次の文のうち、「児童養護施設入所児童等調査の概要(平成 30 年2月1日現在)」(厚生労働省)における、児童養護施設の入所児童の状況に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

× 1 6歳未満で入所した児童が約8割である。

  • 入所平均年齢は6歳なので5割程度となります。

× 2 児童の平均在所期間は、10 年を超えている。

  • 5年です。

○ 3 児童の入所経路では、「家庭から」が約6割である。

× 4 心身の状況において障害等を有する児童は、約7割である。

  • 約4割

× 5 虐待を受けた経験がある児童のうち、心理的虐待は約6割である。

  • ネグレクトが約6割です。

保育士試験 令和3年(2021年)後期 子ども家庭福祉 問46

次のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成30年2月1日現在)」(厚生労働省)において、委託(入所)時に被虐待経験のある入所児童の割合が高い順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  児童心理治療施設
B  乳児院
C  自立援助ホーム
D  児童養護施設
E  母子生活支援施設

2. A → C → D → E → B

A:児童心理治療施設 78.1%(身体的虐待が最も多い)

B:乳児院40.9%(ネグレクトが最も多い)

C:自立援助ホーム 71.6%(心理的虐待が最も多い)

D:児童養護施設 65.6%(ネグレクトが最も多い)

E:母子生活支援施設 57.7%(心理的虐待が最も多い)

保育士試験 令和3年(2021年)後期 社会的養護 問31

次のうち、「児童養護施設入所児童等調査(平成30年2月1日現在)」(厚生労働省)における社会的養護の現状についての記述として、最も不適切なものを一つ選びなさい。 

○ 1. 児童養護施設入所児童のうち、被虐待経験のある子どもは6割を超える。

○ 2. 里親委託児童のうち、家族との交流がない子どもは7割を超える。

○ 3. 母子生活支援施設への入所理由では、「配偶者からの暴力」が最も多い。

× 4. 障害児入所施設入所児童の心身の状況において「広汎性発達障害」が最も多い。

  • 障害児入所施設入所児童の心身の状況において最も多いのは「広汎性発達障害」ではなく、知的障害等があげられます。また、障害児入所施設には医療型と福祉型があり、それぞれ内容や実施体制が違います。施設ごとの役割を意識しながら不適切なものを選べるようにしましょう。

○ 5. 自立援助ホームの入所児童等のうち、「LGBT」は1%程度である。

保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会的養護 問33

次の文のうち、「社会的養育の推進に向けて(平成31年4月)」(厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課)における、社会的養護の状況に関する記述として正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。なおファミリーホームとは、小規模住居型児童養育事業を指す。

× A  里親、ファミリーホーム、社会的養護関係施設に委託・措置されている児童の数は、10万人を超えている。

  • 里親、ファミリーホーム、社会的養護関係施設に委託・措置されている児童の数は、約4万5千人です。

× C  里親等委託率(児童養護施設、乳児院、里親、ファミリーホームの委託・措置児童数の合計に占める、里親およびファミリーホームの委託児童数の割合)は、約40%である。

  • 平成30年3月末(平成29年度末)の里親等委託率(乳児院、児童養護施設、里親、ファミリーホームへの措置児童の合計に対する里親およびファミリーホーム措置児童数の割合)は19.7%です。

○ D  ファミリーホームの委託児童数は3千人に満たない。

○ 4. B D

保育士試験 令和2年(2020年)後期 社会的養護 問32

次の文は、乳児院に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 乳児院は、保育所等訪問支援事業の訪問対象の施設である。
B 乳児院の長は、施設の所在する地域の住民につき、児童の養育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めなければならない。
× C 乳児院は、「児童福祉法」に定める「乳児」のみを対象とした施設である。
○ D 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成30年2月1日現在)」(令和2年1月 厚生労働省)によると、被虐待経験のある乳児院入所児が受けた虐待の種類は、「ネグレクト」が最も多い。

1. A:○  B:○  C:×  D:○

保育士試験 令和2年(2020年)後期 社会的養護 問33

次の文のうち、「社会的養育の推進に向けてわ」(平成31年1月 厚生労働省)に関する記述として、適切な記述を一つ選びなさい。

× 1.社会的養護の対象となっている児童は、約1万5千人である。

  • 約4万5千人です。

○ 2.児童養護施設は、約600か所ある。

× 3.委託里親数は、1万世帯を超える。

  • 約4千200世帯です。1万世帯を超えるのは、里親の登録者数です。

× 4.自立援助ホームは、約400か所ある。

  • 約150カ所です。

× 5.地域小規模児童養護施設は、約100か所ある。

  • 約390カ所です。

保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会的養護 問15

次の文のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」(厚生労働省)における、児童養護施設入所児童の状況に関する記述として正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A  入所児童のうち、心身の状況について「障害等あり」とされた児童は、全体の約5割であった。

  • 入所児童のうち、心身の状況について「障害等あり」とされた児童は、28.5%です。全体の約3割なので問題文の記述は不適切です。→30年版は約4

× B  入所児童の「被虐待経験あり」は全体の約3割であった。

  • 入所児童の「被虐待経験あり」は59.5%です。全体の約6割なので問題文の記述は不適切です。→30年版は約7割

○ C  入所児童の、入所時の年齢で最も多いのは2歳であった。

○ D  入所児童の、入所時の保護者の状況について「両親又は一人親」とされた児童は、全体の約8割であった。

保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会的養護 問35

次の文のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」(厚生労働省)における、児童養護施設入所児童の状況に関する記述として正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。

× A  入所児童のうち、心身の状況について「障害等あり」とされた児童は、全体の約5割であった。

  • 入所児童のうち、心身の状況について「障害等あり」とされた児童は、28.5%です。全体の約3割なので問題文の記述は不適切です。約4割です。

× B  入所児童の「被虐待経験あり」は全体の約3割であった。

  • 入所児童の「被虐待経験あり」は59.5%です。全体の約6割なので問題文の記述は不適切です。約4割です。

○ C  入所児童の、入所時の年齢で最も多いのは2歳であった。

○ D  入所児童の、入所時の保護者の状況について「両親又は一人親」とされた児童は、全体の約8割であった

5. C, D

保育士試験 令和元年(2019年)後期 児童家庭福祉 問52

次の文は、里親制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× D  保護者のない児童、被虐待児など家庭環境上養護を必要とする児童のうち、里親及びファミリーホームに委託(里親等委託)されている児童は、約半数(平成28年度末現在)であった。

  • 保護者のない児童、被虐待児など家庭環境上養護を必要とする児童は約4万5千人いると言われています。そのうち、里親及びファミリーホームに委託されている児童は約6千人で、全体の半数には達していません。

○ 2. A:○  B:○  C:× D:×

保育士試験 平成31年(2019年)前期 児童家庭福祉 問14

次の【Ⅰ群】の種別と【Ⅱ群】の里親の委託児童数及び児童福祉施設の現員(平成28年10月現在、厚生労働省家庭福祉課調べ)を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A  里親委託(ファミリーホームを除く)

  • 里親委託(ファミリーホームを除く)された児童の数は(イ)5,190人→最新値は約5,00名

B  乳児院

  • 乳児院の利用者は(ア)2,901人最新値は約 3,000名

C  児童心理治療施設

  • 児童心理治療施設の利用者は(エ)1,399人→最新値は約1,00名

D  児童養護施設

  • 児童養護施設の利用者は(ウ)27,288人→最新値は約27,000名

【Ⅱ群】
ア 2,901人
イ 5,190人
ウ 27,288人
エ 1,399人

保育士試験 平成30年(2018年)前期 児童家庭福祉 問48

次の文は、児童自立生活援助事業についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。 

○ 1. 自立援助ホームは、「児童福祉法」に規定された児童自立生活援助事業を行う施設である。

○ 2. 厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課の調べによると、平成28年10月1日現在、児童自立生活援助事業を行う施設は、全国に約140か所設置されている。

× 3. 児童自立生活援助事業の対象者には、児童養護施設の対象となる18歳未満の児童は含まれない。

○ 4. 「児童養護施設入所児童等調査結果( 平成2530年2月1日現在 )」( 厚生労働省 )では、自立援助ホーム入所児の67割以上に被虐待経験があった。

○ 5. 「児童養護施設入所児童等調査結果( 平成25年2月1日現在 )」( 厚生労働省 )では、自立援助ホーム入所児の保護者の状況について、「両親ともいない」、「両親とも不明」が、合わせて約31割であった。

保育士試験 平成30年(2018年)前期 児童家庭福祉 問49

次の図は、「児童養護施設入所児童等調査結果( 平成2530年2月1日現在 )」( 厚生労働省 )における、児童養護施設に入所している児童の心身の状況に関する調査結果である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× 1. ( A )知的障害  ( B )身体虚弱

○ 2. ( A )知的障害  ( B )広汎性発達障害

× 3. ( A )身体虚弱  ( B )知的障害

× 4. ( A )身体虚弱  ( B )ADHD

× 5. ( A )LD( 学習障害 )( B )知的障害

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 児童家庭福祉 問18

次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果( 平成25年2月1日現在 )」による、児童自立支援施設に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○→× 1.全国に58か所設置され、全国で1,600名を超える児童が入所している。 →30年版は60か所1,500名

○ 2.入所児童の入所時の平均年齢は約13歳である。

○ 3.在所期間は平均約1.0年で8割以上が2年未満の利用である。

× 4.入所児童で「障害等あり」のうち、広汎性発達障害のある児童が4割以上を占めている。

  • 入所児童で「障害等あり」のうち、広汎性発達障害のある児童の割合は14.7%となっています。→平成30年は3割

○ 5.入所児童のうち、被虐待経験のある児童が半数以上を占めている。

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 児童家庭福祉 問58

次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果( 平成2530年2月1日現在 )」による、児童自立支援施設に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

→× 1. 全国に58か所設置され、全国で1,600名を超える児童が入所している。

  • かつては1600名は超えていましたが、今は減って約1500名です。

○ 2. 入所児童の入所時の平均年齢は約13歳である。

○ 3. 在所期間は平均約1.0年で8割以上が2年未満の利用である。

× 4. 入所児童で「障害等あり」のうち、広汎性発達障害のある児童が4割以上を占めている。

  • 入所児童で「障害等あり」のうち、広汎性発達障害のある児童の割合は14.724.7%となっています。

○ 5. 入所児童のうち、被虐待経験のある児童が半数以上を占めている。

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会的養護 問37

次のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)の各施設における児童の現在の年齢の平均年齢として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  乳児院―約3歳

乳児院における児童の平均年齢は1.21歳となっています。「約3歳」は誤りです。

× B  ファミリーホーム―約5歳

ファミリーホームに委託されている児童の平均年齢は11.212歳となっています。「約5歳」は誤りです。

○ C  児童養護施設―約1112

× D  自立援助ホーム―約22歳

  • 自立援助ホームに入居している児童の平均年齢は17.518歳となっています。「約22歳」は誤りです。

4. ( A )× ( B )× ( C )○ ( D )×

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会的養護 問38

次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)に基づく、ある施設の児童の状況である。この内容に該当する施設種別として正しいものを一つ選びなさい。

·「入所時の年齢」で最も多いのは「0歳」である。
·「心身の状況」で「障害あり」が約1854%である。
·「児童の就学状況」は、「就学前」が約4448%である。
·「被虐待経験あり」のうち、「心理的虐待」が約80%である。
·「在所期間」は、「5年未満」が約8587%である。

× 1. 乳児院
× 2. 情緒障害児短期治療施設
× 3. ファミリーホーム
○ 4. 母子生活支援施設
× 5. 児童自立支援施設

保育士試験 平成29年(2017年)前期 児童家庭福祉 問55

次の文は、児童自立支援施設に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。 

× 2. 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)によると、児童自立支援施設入所児の被虐待経験の有無について、「虐待経験あり」の割合は約3割である。

  • 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」によると、児童自立支援施設に入所している児童の約6割が何らかの理由で虐待を受けた経験があるという結果になっています。

○ 3. 児童自立支援施設は平成26年10月1日現在、全国に約60か所設置されており、在所率は約4割である。

× 5. 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)によると、児童自立支援施設の平均在所期間は約4年である。

  • 5.「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)によると、児童自立支援施設の平均在所期間は約1年になっていますのでこの記述は誤りです。

保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会的養護 問18

次のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)の各施設(里親)における児童の入所(委託)時の年齢の構成割合が最も高いものとして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ B  児童自立支援施設 ―― 約13歳

× D  児童養護施設 ―― 約6歳

  • 2歳が最も多いです。一般的に満2歳になると、乳児院から児童養護施設に措置変更されるためです。次いで多いのは3歳ですが、2歳の約半分です。

○ C  里親 ―― 約2歳

保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会的養護 問38

次のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)の各施設(里親)における児童の入所(委託)時の年齢の構成割合が最も高いものとして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  母子生活支援施設 ―― 10
○ B  児童自立支援施設 ―― 約13歳
○ C  里親 ―― 約2歳
× D  児童養護施設 ―― 約6歳

  • 2歳が最も多いです。一般的に満2歳になると、乳児院から児童養護施設に措置変更されるためです。次いで多いのは3歳ですが、2歳の約半分です。

4. ( A )× ( B )○ ( C )○ ( D )×

保育士試験 平成28年(2016年)後期 児童家庭福祉 問47

次の【I群】の施設種別と【II群】の施設数(平成26年10月現在)を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】
A  児童自立支援施設    58
B  乳児院 140
C  母子生活支援施設 227
D  情緒障害児短期治療施設 46
E  児童養護施設 605

【II群】
3846
133 140
602 605
エ  58
243 227

○ 4. (A)エ(B)イ(C)オ(D)ア(E)ウ

施設数が多いのは、順に、
・児童養護施設
・母子生活支援施設
・乳児院
・児童自立支援施設
・情緒障害児短期治療施設

数がとびでて多いのが児童養護施設です。
比べてかなり少ないのが児童自立支援施設・情緒障害児短期治療施設です。

保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会的養護 問39

次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)に基づく、ある施設種別の状況である。この内容に該当する施設種別として正しいものを一つ選びなさい。

・「就学状況」は、「中学校」が約80%である。
・「心身の状況」の「障害等あり」のうち、「ADHD」が約15%である。
・「学業の状況」で「遅れがある」が約60%である。
・「養護問題発生理由」で一般的に「虐待」とされるものが約40%である。
・「児童の今後の見通し」では「保護者のもとへ復帰」が約60%である。 

× 1. 情緒障害児短期治療施設
× 2. 児童発達支援センター
× 3. 児童養護施設
× 4. 児童厚生施設

○ 5. 児童自立支援施設

回答のポイントは、
・「就学状況」は、「中学校」が約80%である。
という記述です。
年齢層が高めなことが1番分かりやすいです。
・「学業の状況」で「遅れがある」が約60%である。
という記述で、遅れの割合が全児童福祉施設の中で1番高いのも児童自立支援施設にかかる児童の特徴です。

保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会的養護 問36

次の文は、施設の小規模化と家庭養護の実態に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 児童養護施設の小舎形態は、平成20年3月時点で約2割であったが、平成2430年3月現在では約4 6割となっている。

○ B 平成2430年3月現在、児童養護施設の半数以上が小規模グループケアを導入している。

× C 平成24年3月現在、地域小規模児童養護施設(グループホーム)を有する児童養護施設数は、平成20年3月時点に比べて約2倍に増加している。

  • 平成20年3月から2430年3月の地域小規模児童養護施設の数は、111(22.7%)から13624.6%) 400となっています。

× D 里親と小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)への平成2430年3月現在の委託児童数は、平成22年3月時点に比べて約5倍に増加している。

(D) 里親と小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)への委託児童数は、平成22年度末から25年度末では、4,313人(12.0%)から5407人(14.8%)となっています。
そのため、設問の記述にある5倍に増加したという点が誤りです。よって【×】。

3. (A)○ (B)○ (C)× (D)×

保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会的養護 問37

次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」(厚生労働省)の児童の心身の状況に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 里親委託、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設において「障害等あり」の割合は、いずれも前回調査(平成2025年)よりも増えている。

○ B 児童自立支援施設に入所している児童のうち、障害等がある児童の割合は4割を超えている。

× C 里親に委託されている児童のうち、障害等がある児童の割合は4割を超えている。

×→○ D 母子生活支援施設に入所している児童のうち、障害等がある児童の割合は4割を超えている。

1. (A)○ (B)○ (C)× (D)×

保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会的養護 問39

次の文は、情緒障害児短期治療施設に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 心理的困難や苦しみを抱え日常生活の多岐にわたり生きづらさを感じて、心理治療を必要とする子どもたちを入所又は通所させて治療を行う施設である。

→× B 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)によると、入所している児童の約7割が虐待経験を有していた。

  • 「虐待経験あり」の割合をみると、情緒障害児で71.2%とあります。すなわち、約割なので【○】

× C 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)によると、児童の平均在所期間は、約6か月であった。

  • 平均在所期間は、情緒障害児 2.1 とあります。よって、【×】約2年

× D 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)によると、入所している児童のうち、小学生が約8割、中学生が約1割、その他が約1割であった。

  • 12 歳以上で入所した児童は、情緒障害児で 39.6%とあります。約5割

2. (A)○ (B)○ (C)× (D)×

保育士試験 平成27年(2015年) 児童家庭福祉 問42

次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530 年2月1日現在)」(厚生労働省)についての記述である。誤ったものを一つ選びなさい。

○ 1. 里親、ファミリーホーム委託児童及び乳児院、児童養護施設入所児童の総数は、約40,000 45,000人であった。

○ 2. 児童養護施設入所児童のうち、約3 4割が「障害等あり」であった。

○ 3. 被虐待経験の有無について「虐待経験あり」は、里親委託児で約3 4割、児童養護施設児で約6 5割であった。

○ 4. 委託(入所)経路としては、里親、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、乳児院、ファミリーホーム、自立援助ホームのすべてにおいて「家庭から」の割合が最も多い。

× 5. 里親の年齢は、里父、里母共に50 歳未満が半数以上を占める。

  • 里親制度の現状として、若い子育て世代の受け入れに比べ、50歳以上が多くなっています。

保育士試験 平成27年(2015年) 社会的養護 問38

次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成2530年2月1日現在)」(厚生労働省)の児童の状況に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 児童養護施設入所児の平均年齢は、児童自立支援施設入所児の平均年齢よりも高い。

  • 児童養護施設の入所目的は、虐待されている児童、又は環境上擁護を必要とする児童です。被虐待児の年齢別割合の約5割は、3歳から小学生(2014(平成26年) 児童相談所より)となっており、この数字からも、施設の特徴としてこの時期に入所する最も多い年齢を推測出来ます。次に、児童自立支援施設です。入所目的は、不良行為をなす、またはそのおそれのある児童などです。最も多いのは中学生で、家庭からの入所は6割、家庭裁判所を経て入所する児童は約2割います。このことから、児童自立支援施設入所時の平均年齢は、児童養護施設より高いと推測出来ます。

○ B 里親委託児の委託時の平均年齢は、乳児院入所児の入所時の平均年齢よりも高い。

○ C 児童養護施設入所児の平均在所期間は、児童自立支援施設入所児の平均在所期間よりも長い。

× D 里親委託児の委託経路で「家庭から」の割合は、児童養護施設入所児の入所経路の「家庭から」よりも高い。

  • 里親委託の特徴は、家庭的な雰囲気のもとで養育される事です。里親委託児の保護者の状況は、「両親又は一人親有り」約5割、「両親ともいない」約4割となっています。委託経路は、「家庭から」約5割、「乳児院」約3割、「児童養護施設」約2割です。

○ E 児童自立支援施設入所児の就学状況別の「中学校」の割合は、情緒障害児短期治療施設入所児の就学状況別の「中学校」よりも高い。

4. (A)× (B)○ (C)○ (D)× (E)○

保育士試験 平成23年(2011年) 養護原理 問131

次の文は「児童養護施設入所児童等調査結果の概要(平成20 30年2月1日現在)」(厚生労働省)における児童の委託(入所)経路に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 児童自立支援施設に在籍している児童の「入所経路」では、「家庭裁判所から」の割合が最も高い。
× B 情緒障害児短期治療施設に在籍している児童の「入所経路」では、「知的障害児施設から」の割合が最も高い。
× C 里親委託児の「委託経路」では、「児童養護施設から」の割合が最も高い。
× D 乳児院に在籍している児童の「入所経路」では、「里親家庭から」の割合が最も高い。

5. A×  B×  C×  D×

すべての施設で「家庭から」が最も多いです