2022令和4年度後期試験に対応しています。
どこをどう覚えるかわかるように、また見やすく理解しやすいよう作成しました。
また、太字は過去問で出題されたことを意味します。
施設数

- 母子生活支援施設 約 230か所
- 乳児院 約 140か所
- 児童心理施設 約 50か所
- 児童自立支援施設 約 60か所
- 児童養護施設 約 600か所
- 里親 約4200か所
- ファミリーホーム 約 350か所
- 自立援助ホーム 約 150か所
- 小規模グループケア 約1600か所
- 地域小規模児童養護施設 約 400か所
児童心理治療施設、児童自立支援施設や乳児院等は県に1〜3か所程度。
児童の委託総数

- 母子生活支援施設 約 5,300名
- 乳児院 約 3,000名
- 児童心理施設 約 1,400名
- 児童自立支援施設 約 1,500名
- 児童養護施設 約27,000名
- 里親 約 5,400名
- ファミリーホーム 約 1,500名
- 自立援助ホーム 約 600名
計 約45,000名
児童養護施設は飛び抜けて多いです。乳児院や児童心理施設、児童自立支援施設は、後からできた特別な理由による入所児童のための施設なので、受け皿も限られています。
児童の委託時または入所時の年齢

- 乳児院 0歳
- 児童心理治療施設 11歳
- 児童自立支援施設 13歳
- 児童養護施設 6歳
- 里親 6歳
- ファミリーホーム 8歳
- 自立援助ホーム 18歳
児童の平均年齢・就学状況

平均年齢
- 母子生活支援施設 約 7歳
- 乳児院 約 1歳
- 児童心理施設 約13歳
- 児童自立支援施設 約14歳
- 児童養護施設 約12歳
- 里親 約10歳
- ファミリーホーム 約12歳
- 自立援助ホーム 約18歳
就学状況
- 母子生活支援施設 就学前が最多約5割
- 児童心理治療施設 中学校が最多約5割
- 児童自立支援施設 中学校が最多約8割
- 児童養護施設 中学校が最多約2割
- 里親 就学前が最多約3割
- ファミリーホーム 高校,就職が最多約2割
- 自立援助ホーム 高校,就職が最多約8割
児童心理施設では、保護者による監護が困難になった児童が多いため、ある程度成長して体が大きくなっていることが想像できます。児童自立支援施設は非行少年のための施設ですので、やはり中学生が多いでしょう。

児童の委託(在所)期間

児童の委託期間または在所期間は、「1 年未満」が多く、期間が長くなるに従い児童数が漸減する傾向となっている。
- 乳児院 約1年
- 児童心理治療施設 約2年
- 児童自立支援施設 約1年
- 児童養護施設 約5年
- 里親 約5年
- ファミリーホーム 約4年
- 自立援助ホーム 約1年
児童心理治療施設の委託期間は1〜2年が多いです。運営指針にも記載があります。また、児童養護施設だけは委託期間か長いです。家庭復帰や里親委託の予定もなく、満期まで過ごす子どもがいるためです。
「家庭から」措置された児童数

- 乳児院 約6割
- 児童心理治療施設 約6割
- 児童自立支援施設 約6割
- 児童養護施設 約6割
- 里親 約4割
- ファミリーホーム 約4割
- 自立援助ホーム 約4割
障害がある児童

- 母子生活支援施設 約5割
- 乳児院 約3割
- 児童心理治療施設 約4割
- 児童自立支援施設 約3割
- 児童養護施設 約4割
- 里親 約3割
- ファミリーホーム 約5割
- 自立援助ホーム 約5割
障害がある児童のうち注意欠陥多動性障害(ADHD)がある児童
- 母子生活支援施設 ごくわずか
- 乳児院 ごくわずか
- 児童心理施設 約5割
- 児童自立支援施設 約2割
- 児童養護施設 約1割
- 里親 約1割
- ファミリーホーム 約1割
- 自立援助ホーム 約1割
障害がある児童のうち広汎性発達障(自閉症スペクトラム)
- 母子生活支援施設 ごくわずか
- 乳児院 ごくわずか
- 児童心理施設 約4割(最も多い)
- 児童自立支援施設 約3割
- 児童養護施設 約1割
- 里親 約1割
- ファミリーホーム 約1割
- 自立援助ホーム 約1割
児童心理治療施設は、どの状況にも高い割合で当てはまっています。「治療施設」なのを実感します。
学業の状況

- 児童心理治療施設「遅れがある」約6割
- 児童養護施設 「特に問題なし」約6割
- 里親 「特に問題なし」約6割
- ファミリーホーム 「特に問題なし」約5割
児童心理治療施設は、障害がある児童が多いため、学業に遅れがあるのは想像がつきます。
虐待が理由で入所する児童

- 乳児院 約3割
- 児童心理治療施設 約4割
- 児童自立支援施設 約2割
- 児童養護施設 約5割
- 里親 約4割
- ファミリーホー ム 約4割
- 自立援助ホーム 約5割
児童養護施設は、親の精神疾患や放任、怠だも多く、親の力不足で入所が必要になってしまった場合がほとんどであることが想像できます。子どもが小さいときからそうであれば、入所が長期化するでしょう。
乳児院では、「母の精神疾患等」が最も多い。
乳児を母から引き離すことはよっぽどのことです。「精神疾患」はうつ病が多く、失業や離婚がもとで子どもを育てられなくなる場合が多いです。
虐待経験のある児童

- 母子生活支援施設 約6割
- 乳児院 約4割
- 児童心理治療施設 約8割
- 児童自立支援施設 約6割
- 児童養護施設 約7割
- 里親 約4割
- ファミリーホーム 約5割
- 自立援助ホーム 約7割
児童心理施設と児童自立支援施設は、親による監護困難で入所してきたはずなのに、実は虐待が多いということが想像できます。
虐待の種類
- 母子生活支援施設 心理的虐待 約8割
- 乳児院 ネグレクト 約7割
- 児童心理治療施設 身体的虐待 約7割
- 児童自立支援施設 身体的虐待 約6割
- 児童養護施設 ネグレクト 約6割
- 里親 ネグレクト 約7割
- ファミリーホーム ネグレクト 約6割
- 自立援助ホーム 心理的虐待 約6割
乳児院のネグレクトは、「親の精神疾患による子の放置」が多いことが想像できます。
委託(入所)時の「両親又は一人親あり」の割合

- 乳児院 約10割
- 児童心理治療施設 約9割
- 児童自立支援施設 約9割
- 児童養護施設 約8割
- 里親 約8割(最も低くなっている。)
- ファミリーホーム 約8割
- 自立援助ホーム 約9割
親がいなくて入所するのは、もはや戦後の話です。今は虐待が理由で入所する児童が多いため、どの子供も「両親ともいない」ケースはごくわずかです。しかし、里親は例外で、家庭復帰の予定がない児童を委託するため、割合か低くなっています。
家族と交流がない児童

- 乳児院 約2割
- 児童心理治療施設 約2割
- 児童自立支援施設 約1割
- 児童養護施設 約2割
- 里親 約7割
- ファミリーホーム 約4割
- 自立援助ホーム 約5割
親子が別れることを決意した場合は、児童相談所は里親を手配するでしょう。
一時帰宅をしている児童
- 乳児院 約5割
- 児童心理治療施設 約4割
- 児童自立支援施設 約3割
- 児童養護施設 約3割
児童の今後の見通し

- 乳児院
- 現在の乳児院で養育 約4割
- 児童心理治療施設
- 保護者のもとへ復帰 約4割
- 児童自立支援施設
- 保護者のもとへ復帰 約6割
- 児童養護施設
- 自立まで現在の施設で養育 約6割
- 里親
- 自立まで現在の施設で養育 約7割
- 保護者のもとへ復帰 約1割
- ファミリーホーム
- 自立まで現在の施設で養育 約7割
- 自立援助ホーム
- 自立まで現在の施設で養育 約8割
児童心理治療施設や児童自立支援施設で「保護者のもとへ復帰」が多いのは、入所理由が「親の監護困難」なので、比較的解消しやすいと言えます。ですが、実は虐待が多いのに復帰させて大丈夫でしょうか…

過去問
保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会的養護 問2
次の文のうち、「児童養護施設入所児童等調査の概要(平成 30 年2月1日現在)」(厚生労働 省)における、児童養護施設の入所児童の状況に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。
× 1 6歳未満で入所した児童が約8割である。
- 入所平均年齢は6歳なので5割程度となります。
× 2 児童の平均在所期間は、10 年を超えている。
- 5年です。
○ 3 児童の入所経路では、「家庭から」が約6割である。
× 4 心身の状況において障害等を有する児童は、約7割である。
- 約4割
× 5 虐待を受けた経験がある児童のうち、心理的虐待は約6割である。
- ネグレクトが約6割です。
保育士試験 令和2年(2020年)後期 社会的養護 問33
次の文のうち、「社会的養育の推進に向けてわ」(平成31年1月 厚生労働省)に関する記述として、適切な記述を一つ選びなさい。
× 1.社会的養護の対象となっている児童は、約1万5千人である。
- 約4万5千人です。
○ 2.児童養護施設は、約600か所ある。
× 3.委託里親数は、1万世帯を超える。
- 約4千200世帯です。令和2年の調査では約4千400世帯となっています。1万世帯を超えるのは、里親の登録者数です。
× 4.自立援助ホームは、約400か所ある。
- 約150カ所です。令和2年の調査では約180カ所に増えています。
× 5.地域小規模児童養護施設は、約100か所ある。
- 約390カ所です。令和2年の調査では約420カ所に増えています。
保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会的養護 問35
次の文のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」(厚生労働省)における、児童養護施設入所児童の状況に関する記述として正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。
× A 入所児童のうち、心身の状況について「障害等あり」とされた児童は、全体の約5割であった。
- 入所児童のうち、心身の状況について「障害等あり」とされた児童は、28.5%です。全体の約3割なので問題文の記述は不適切です。→30年版は約4割
× B 入所児童の「被虐待経験あり」は全体の約3割であった。
- 入所児童の「被虐待経験あり」は59.5%です。全体の約6割なので問題文の記述は不適切です。→30年版は約7割
○ C 入所児童の、入所時の年齢で最も多いのは2歳であった。
○ D 入所児童の、入所時の保護者の状況について「両親又は一人親」とされた児童は、全体の約8割であった
保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 児童家庭福祉 問58
次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果( 平成25年2月1日現在 )」による、児童自立支援施設に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
○→× 1.全国に58か所設置され、全国で1,600名を超える児童が入所している。 →30年版は60か所1,500名
○ 2.入所児童の入所時の平均年齢は約13歳である。
○ 3.在所期間は平均約1.0年で8割以上が2年未満の利用である。
× 4.入所児童で「障害等あり」のうち、広汎性発達障害のある児童が4割以上を占めている。
- 入所児童で「障害等あり」のうち、広汎性発達障害のある児童の割合は14.7%となっています。→平成30年は3割
○ 5.入所児童のうち、被虐待経験のある児童が半数以上を占めている。
保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会的養護 問38
次のうち、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」(厚生労働省)の各施設(里親)における児童の入所(委託)時の年齢の構成割合が最も高いものとして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
×→△ A 母子生活支援施設 ―― 約10歳
- 0歳が最も多いです。母子生活支援施設での入所に占める割合は、年齢が小さいほど多く、10歳の割合は、0歳の30%程度になります。平成30年は調査対象外
○ B 児童自立支援施設 ―― 約13歳
○ C 里親 ―― 約2歳
× D 児童養護施設 ―― 約6歳
- 2歳が最も多いです。一般的に満2歳になると、乳児院から児童養護施設に措置変更されるためです。次いで多いのは3歳ですが、2歳の約半分です。