「バイスティックの7つの原則」は奥が深い?事例で覚えよう!

主語を理解すれば難しくはないでしょう。

バイスティックの7つの原則とは?

バイスティックの7つの原則とは?

バイスティックの7つの原則とは、利用者と接するときの原則です。

バイスティックは人の名前
ケースワークの特にインテークでは、バイスティックの7つの原則が大事という記事はこちら

また、この原則は、あくまでも原則であるため、人命に関わるようなことや、法に触れることがあった場合は、援助者が判断して適切な行動をとります。

保育所保育指針ではバイスティックの7つの原則に則っているという記事はこちら

個別化の原則

個別化の原則とは、援助者が利用者を他の利用者と比べることなく尊重することです。

【事例】
T保育士は、担当するM君(9歳)の母親からM君は性格が乱暴なところがあるという話を聞きました。

M君はN君(7歳)に対して、怒鳴って言うことをきかせようとしたり、N君の持ち物を壊したりすることが多くあります。

しかし、T保育士は、M君のことを性格が乱暴な子どもであると決めつけず、M君の行動をよく観察するよう心がけました。

意図的な感情表現の原則

意図的な感情表現の原則とは、利用者が感情を表現できるよう、援助者が意図的に問いかけることです。

【事例】
ある日、T保育士は、M君自身が自分の状況を客観的にみれるよう、誰もいない場所で問いかけをしました。

M君は両親のことを話し始めると、泣き出してしまい、T保育士はひたすら「うん、うん」と相槌を打ちます。

M君は泣いて感情を表現したことにより、緊張や不安から解放されたのか、しばらくN君に怒鳴りつけることはしませんでした。

統制された情緒的関与の原則

統制された情緒的関与の原則とは、援助者が自分の情緒をコントロールすることです。

【事例】
T保育士は自分の感情をきちんと自覚できているか自問自答し、過度に感情移入をしないよう心掛けました。

受容の原則

受容の原則とは、援助者が利用者を受け止めることです。

【事例】
T保育士は、M君の考えはM君の経験や必死の思考から来るものだと考えました。

T保育士が「そんなことがあったんだね。」と言うと、M君は自分の感情を受け止めてもらえたと感じました。

非審判的態度の原則

非審判的態度の原則とは、援助者が利用者を審判する(白黒つける)態度をとらないということです。

【事例】
T保育士は、N君への態度がよいとも悪いとも考えず、またそのような態度もとりませんでした。

利用者の自己決定の原則

利用者の自己決定の原則とは、利用者の問題解決は利用者自らが選んで決めるということです。

【事例】
T保育士は、M君が自らの問題を解決できるよう、N君への態度の善悪をM君自身が行うよう働きかけました。

秘密保持の原則

秘密保持の原則とは、援助者が利用者の個人的情報・プライバシーはもらさないことです。

【事例】
T保育士は、後日にM君の保護者面談において、親に言ってほしくないこと「〇〇ちゃんが好き」「おもらしをしてしまった」などを言わないよう気を付け、面談を行いました。

また、面談後は記録し、内容が外部に漏れないようパスワードをつけてパソコンに保管しました。

社会福祉の目次

過去問

過去問

保育士試験 令和6年(2024年)前期 社会福祉 問10

次のうち、相談援助の原理・原則に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

⚪︎ A 人権を尊重し擁護することは、相談援助における重要な原理である。

⚪︎ B 相談援助は、差別、貧困、抑圧、排除、暴力などのない、自由、平等、共生に基づく社会正義の実現を目指す。

⚪︎ C 相談援助は、利用者の多様性を承認し、尊重しなければならない。

⚪︎ D 相談援助に際しての原則としては、バイステック(Biestek, F.P.)の7つの原則が重要である。

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ○

保育士試験 令和5年(2023年)後期 保育の心理 問10

次のうち、バイステック(Biestek, F.P.)の7原則の説明として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

⚪︎ A 利用者を個人として捉える。

⚪︎ B 利用者を一方的に非難しない。

⚪︎ C 援助者は自分の感情を自覚して吟味する。

⚪︎ D 秘密を保持して信頼感を醸成する。

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ○

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育原理 問12

次の文は、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」1「保育所における子育て支援に関する基本的事項」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の(A 生活)を受け止め、相互の(B 信頼関係)を基本に、保護者の自己決定を尊重すること。

・ 保育及び子育てに関する知識や技術など、保育士等の(C 専門性)や、子どもが常に存在する環境など、保育所の特性を生かし、保護者が子どもの成長に気付き子育ての(D 責任)を感じられるように努めること。

(組み合わせ)ABCD
× 1 気持ち 関わり 経験 責任
× 2 気持ち 信頼関係 専門性 喜び
× 3 気持ち 信頼関係 経験 喜び
× 4 生活
関わり 経験 責任
○ 5 生活 信頼関係 専門性 責任

保育士試験 令和4年(2022年)後期 社会福祉 問13

次のうち、相談援助の専門性とその進め方に関する記述として、適切な記述を○、不適切な 記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A 相談援助において、自己決定は最も重要な原則の一つである。

× B 相談援助は、密室の相談室でのみ行われるものをいう。

  • 密室の相談室以外でも行われます。

× C 相談援助は、相談援助者のペースによって進められなければならない。

  • 相談者のペースで進めます。

保育士試験 令和3年(2021年)後期 社会福祉 問70

次の文のうち、バイステックの7原則に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  個別化とは、一人一人の利用者を個人としてとらえることをいう。
○ B  統制された情緒的関与とは、利用者が表出した感情に対して、支援者自身が自らの感情を自覚し理解することをいう。
○ C  非審判的態度とは、利用者を一方的に非難しないことをいう。
○ D  自己決定とは、利用者の自己決定を促し尊重することをいう。

1.  A:○  B:○  C:○  D:○

保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会福祉 問71

次の文のうち、相談援助の原理・原則に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  受容とは、利用者をあるがままに受け入れることである。
○ B  個別化とは、一人一人の利用者を個人としてとらえることである。
○ C  非審判的態度とは、利用者を一方的に非難しないことである。
○ D  利用者の自己決定の尊重とは、利用者は自己決定権を有しており、支援者は利用者の自己決定を侵害してはいけないことである。

1.  A:○  B:○  C:○  D:○

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育実習理論 問16

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
T保育士は、児童養護施設で勤めはじめて2か月の新任である。T保育士が担当するM君(9歳)は、N君(7歳)に対して怒鳴って言うことをきかせようとしたり、N君の持ち物を壊したりすることが多くある。T保育士はその都度、注意するが、M君は全く素直に応じることがなく、反発する。ある時、こうした反抗的な態度に対してT保育士はとても腹を立て、声を荒げた。その様子を見ていた主任保育士はT保育士に対するスーパービジョンの際、「専門職としてあなた自身が自らの感情を自覚し理解する必要があるのではないか」と述べた。

【設問】
次のうち、主任保育士の発言が示唆している内容を、バイスティックの7原則にあてはめた場合の最も適切なものを一つ選びなさい。 

× 1. 個別化

  • 個別化とはクライエントを一個人としてとらえることです。

× 2. 受容

  • 受容とはクライエントをありのままに受けとめ、批判をしないことです。

× 3. 意図的な感情の表出

  • 意図的な感情表現とは、クライエントの感情表現を大切にすることです。

○ 4. 統制された情緒的関与

  • 統制された情緒的関与とは、援助者は自分の感情を自覚し、調整することです。

× 5. 自己決定

  • 利用者の自己決定とは、クライエントが自身の意思による自己決定をできるように促し、尊重することです。

保育士試験 平成30年(2018年)後期 社会福祉 問12

次の文は、バイスティックによる相談援助の原則に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  「自己決定の原則」とは、来談者の判断に誤りがあったとしても、それを指摘せず、来談者の決定に従うというものである。

  • 「自己決定の原則」とは、「あくまでも自らの行動を決定するのはクライエント自身である」とする考え方です。

× B  「秘密保持の原則」とは、本人や他者の生命や身体を保護するために必要な場合であっても、来談者からの相談で知りえた情報を来談者の了解なく部外者に伝えることはしてはならないというものである。

  • 「秘密保持の原則」とは、クライエントの個人的情報・プライバシーは絶対に他方にもらしてはならないとする考え方です。

× C  「受容の原則」とは、相談当初においては来談者の言うことをすべて肯定するよう努めなければならないというものである。

  • 相談を受ける側はクライエントの意見を肯定したり否定したりするのではなく、それを受け入れ共感することが大切です。

○ D  「非審判的態度の原則」とは、問題の発生の原因に対して、来談者にどの程度責任があるか、あるいは、道徳的にどんな罪があるかと、決めつけることを排除するというものである。

保育士試験 平成30年(2018年)後期 社会福祉 問72

次の文は、バイスティックによる相談援助の原則に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  「自己決定の原則」とは、来談者の判断に誤りがあったとしても、それを指摘せず、来談者の決定に従うというものである。

× B  「秘密保持の原則」とは、本人や他者の生命や身体を保護するために必要な場合であっても、来談者からの相談で知りえた情報を来談者の了解なく部外者に伝えることはしてはならないというものである。

× C  「受容の原則」とは、相談当初においては来談者の言うことをすべて肯定するよう努めなければならないというものである。

○ D  「非審判的態度の原則」とは、問題の発生の原因に対して、来談者にどの程度責任があるか、あるいは、道徳的にどんな罪があるかと、決めつけることを排除するというものである。

5.  A×  B×  C×  D○

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会福祉 問73

次の文は、相談援助( ソーシャルワーク )において、利用者と「同じような問題を経験した人」を活用する場合の記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 「同じような問題を経験した人」である相談員は、自分のケースと利用者のケースを類型化して判断し、自分が解決した方法は絶対に間違いない方法であると自信をもって助言できる。

  • 同じような問題を経験した人は、ソーシャルワークにおいて親身に話を聞くことができるという良い面はありますが、一方で自分のケースと相談者のケースは似ているけえれど、それぞれ別のケースだということを念頭においておかなければいけません。

× B 「同じような問題を経験した人」である相談員は、だれでも過度に共感してしまい冷静に判断することができないため、別の相談員に代わらなければならない。

  • 同じような経験をした人というのは、相談者にとって心強い存在でもあるので、一概に別の相談員に変わらなければならないということはありません。

○ C 「同じような問題を経験した人」同士は支えあう存在となり得るので、相談員として、相互支援グループ、あるいはサポートグループを組織化して活用することが考えられる。

○ D 「同じような問題を経験した人」は、これから同じような経験を積もうとする人の良き相談相手となり得るので、ピアカウンセラーとして活用されることがある。

4.  A:×  B:×  C:○  D:○

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会福祉 問15

次の文は、集団援助技術に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。 

○ 3. 保育所の5歳児クラスにおいて、保育士は集団援助技術を適用して、メンバー同士の受容や協力関係を利用して、子どもたちの成長・発達を意図することは可能である。

○ 5. 集団援助技術においても、個別化の原則は遵守されるべきである。

保育士試験 平成27年(2015年) 社会福祉 問72

次の文は、保育所が相談援助を行う具体的場面に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 相談を受けるには静かな時間とプライバシーを守る環境が必要なので、大多数の保育所では保護者一般に対して、「相談はあらかじめ園長に予約をとって、園長室でお願いします」と案内をしている。

  • 保育所は「いつでも相談できる」という受容の姿勢を見せることが保護者の相談しやすさにもつながります。そのため×です。

○ B 個別面談の際、ある保護者が話しづらそうにしてなかなか語り出さないので、保育士は感じ取ったままに「話しづらいですか」と声をかけた。

× C 個別面談の際、ある保護者が話しづらそうにしてなかなか語り出さないので、保育士は「今日はやめて、別の日にお話を伺うことにしましょう」と面談を切り上げた。

  • Cは、保護者の側から別日にして欲しいという申し出があったのならともかく、保育所の側から切り上げるというのは保護者からすると相談が拒絶されたとも捉えられ誤解の元となります。これにより×です。

× D 降園の時に、保護者に相談を持ちかけられた際、保育士は「今はどたばたして落ち着かないので、ちょっと無理だわ」と答えて、他の子どもの対応に戻った。

  • Dは、保護者から相談を受けた際は他の保育士などと連携を取り、他の保育士に児童の対応を代わってもらうなどして相談を受けましょう。その場で対応できない場合なども別日に相談に乗るなどのフォローが大切です。このことから×です。

3.  (A)× (B)○ (C)× (D)×

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