
生活保護受給者であっても、生活困窮者であっても、生活課題などは共通するものがあるので、事業内容は変わりません。
さらには一体として事業を実施したほうが効率が良いです。
生活保護法とは?
国民は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障されてるのに、メンタリストdaigoさんが「生活保護受給者より猫を助けて欲しい」と発言し、バッシングを受けてます。
どんな人が受けてるの?
傷病が生活保護のきっかけとなる場合が多く、その多くか高齢者世帯です。
生活保護の基本原則の一つに、『申請保護の原則』があげられます。
これは、保護は基本的に本人や家族、同居の親族等の申請により開始するという意味です。
生活保護を受けたくない方がたくさんいます。
お気に入りの車を持っていたら売らなきゃいけないですし、不必要な買物はしてはいけません。
審査だって厳しい!
生活保護基準を定めるのは、厚生労働大臣です。基準に基づき都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長が審査しますが、条件は厳しいものがあります。
基本原理の一つに、「保護の補足性」の原理があります
自分持っている資産や能力などのあらゆるものを優先的に活用し、それでもなお最低限度の生活が維持されない場合にその不足分を補うということです。
収入が少しあったとしても最低生活費の不足分を支給されるだけです。
収入に母子父子寡婦福祉資金等があったら引かれますし、世帯の誰かにちょっとした収入があればその分も引かれます。

※最低生活費を収入が超えると生活保護を受けれない。
このような厳しい状況に陥らないよう生活自立支援法により一歩手前で助ける仕組みです。
受給者は人口比増加!
受給者は全国で約200万人です。
人数に毎年大きな変動はありませんが、人口は減っているので人口比は徐々に上がっています。
さらに、高齢者世帯が一貫して増加傾向にあります。
保育士試験では、基準日からするとまだ出題されませんが、新型コロナ蔓延で生活保護費は増加しています。
8つの扶助とは?
受給金額を算定式により算出し、母子加算などをしてから決定します。
生活扶助
日々の暮らしにかかる食費、被服費、光熱費などがもらえる制度です。
事例(東京都)
- 3人世帯(33歳、29歳、4歳):158,900円
- 高齢者単身世帯(68歳) : 79,550円
- 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):120,410円
- 母子世帯(30歳、4歳、2歳) :189,190円
また、別物として、第二種社会福祉事業で以下の事業かあります。
- 生活保護法に規定する救護施設、更生施設その他生計困難者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設を経営する事業
- 救護施設
- 更生施設
- 宿所提供施設
- 日常生活支援施設
- 生計困難者に対して、その住居で衣食その他日常の生活必需品若しくはこれに要する金銭を与え、又は生活に関する相談に応ずる事業
- 生活必需品等を与える事業
- 生活に関する相談に応ずる事業
教育扶助
教育扶助の範囲について、第13条で、学用品、通学用品、学校給食等、義務教育に伴って必要なものと定められています。
幼稚園は義務教育ではないため、対象にはなりません。
医療扶助
生活保護に要する費用のうち、約半数を医療扶助が占めています。
病院での支払いがなく、現物支給です。
また、別物として、第一種社会福祉事業に以下の事業があります。
介護扶助
住宅扶助
住宅扶助の範囲について、第14条で 1.住居2.補修その他住宅の維持のために必要なものと定められています。
事例(東京都)
- 3人世帯(33歳、29歳、4歳):69,800円
- 高齢者単身世帯(68歳) :53,700円
- 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):64,000円
- 母子世帯(30歳、4歳、2歳) :69,800円
また、別物として、第二種社会福祉事業に以下の事業があります。
- 生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業
- 簡易住宅を貸し付ける事業
- 宿泊所等を利用させる事業
出産扶助
現金支給です。出産扶助の記事はこちら
生業扶助
技能習得費などかあります。
葬祭扶助
生計困難者に対して助葬を行う事業です。
生活困窮者とは?
生活困窮者は引きこもり等で仕事につくことができず、低所得で生活をやりくりできてない人です。このままいくと、生活保護になるので、いろいろな対策が実施されています。
低所得者とは?
低所得者は、年間200万円以下で資産もない人です。中には生活がやりくりできている人もいます。
先日、コロナ対策として低所得の子育て世帯に給付金がでました。
過去問
保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会福祉 問6
次の社会福祉施策と、その根拠となる法律の組み合わせとして、適切な組み合わせを一つ選び
なさい。
× C 教育扶助の給付 ―――――― 「児童福祉法」
- 教育扶助は生活保護法の8扶助のひとつです。
保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会福祉 問62
次の文は、ひとり親家庭の現状と対策に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、母子世帯の母自身の平均年間就労収入は、200万円以下である。
B 「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、母子世帯の平均年間収入は、児童のいる世帯の平均所得を100として比較すると、50を割っている。
× C 生活保護を受給している父子家庭は、母子加算を受けることができない。
- 生活保護を受給している父子家庭は、ひとり親世帯なので、母子加算を受けることはできます。
D ひとり親家庭の児童に対する母子家庭生活向上事業(ひとり親家庭等生活向上事業)には、児童に対する学習に関する支援を行う事業が認められている。 1.( A )○ ( B )○ ( C )○ ( D )○ 2.( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )○ 3.( A )○ ( B )× ( C )× ( D )○ 4.( A )× ( B )○ ( C )○ ( D )× 5.( A )× ( B )× ( C )○ ( D )×( )訂正依頼・報告はこちら
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正解は 2正解は2番です。
A 〇 適切です。
「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると母子家庭の平均年間就労収入は増えてきてはいますが、200万円 です。平均年間収入 になると200万円を超えます。
B 〇 適切です。
「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると児童のいる世帯は、707.8万円 母子家庭は、348万円(49.2)父子家庭は573万円(81.0)になります。
D 〇 適切です。
母子家庭生活向上事業の各事業は、都道府県、市町村において実施しています。他にも「相談支援事業」「家計管理・生活支援講習会事業」「情報交換事業」があります
保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会福祉 問60
次の文は、社会福祉の概念等に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A 「生活保護法」の第1条には、「社会福祉法の理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障すること」が、定められている。
- 社会福祉法ではなく日本国憲法25条です。第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
B 「母子及び父子並びに寡婦福祉法」の第1条には、「母子家庭等及び寡婦に対し、その生活の安定と向上のために必要な措置を講じ、もつて母子家庭等及び寡婦の福祉を図ること」が、定められて
いる。
C 「身体障害者福祉法」の第1条には、「身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もつて身体障害者の福祉の増進を図ること」が、
定められている。
D 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の第1条には、「その社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、並びにその発生の予防その他国民の精
神的健康の保持及び増進に努めること」が、定められている。 1.( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )× 2.( A )○ ( B )× ( C )○ ( D )○ 3.( A )○ ( B )× ( C )○ ( D )× 4.( A )× ( B )○ ( C )○ ( D )○ 5.( A )× ( B )○ ( C )× ( D )○( )訂正依頼・報告はこちら
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正解は 4正解 4
B 〇 適切です。
第一条 この法律は、母子家庭等及び寡婦の福祉に関する原理を明らかにするとともに、母子家庭等及び寡婦に対し、その生活の安定と向上のために必要な措置を講じ、もつて母子家庭等及び寡婦の福祉を図ることを目的とする。
C 〇 適切です。
第一条 この法律は、身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もつて身体障害者の福祉の増進を図ることを目的とする。
D 〇 適切です。
第一条 この法律は、精神障害者の医療及び保護を行い、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)と相まつてその社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、並びにその発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによつて、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とする。
保育士試験 平成30年(2018年)後期 社会福祉 問69
次の文は、社会福祉行財政に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 厚生労働省予算において、障害福祉サービス関係予算額は、2007(平成19)年度と2017(平成29)年度を比較して、2倍以上増加している。
B 厚生労働省の2017(平成29)年度一般会計予算における社会保障関係費の内訳は、多い順に並べると、医療、年金、福祉等、介護、雇用となっている。
○ C 2015(平成27)年度の生活保護に要する費用のうち、約半数を医療扶助が占めている。
D 介護保険制度にかかる総費用は、2000(平成12)年と2015(平成27)年を比較すると、2倍以上の伸びとなっている。 1.A○ B○ C○ D○ 2.A○ B× C○ D○ 3.A○ B× C× D× 4.A× B○ C○ D○ 5.A× B○ C× D×( )訂正依頼・報告はこちら
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正解は 1正解は1です。
A ○ 適切です。
平成18年以降、障害福祉サービスの利⽤者はいずれの障害でも⼤きく増加し、特に知的障害者や精神障害者の利⽤者が増加しています。(厚生労働省:障害保健福祉関係予算の状況・課題)
B ○ 適切です。
※令和2年度は年金給付費が医療給付費を上回っています。
C ○ 適切です。
生活保護受給者の約8割が医療扶助を受け、その費用は生活保護費全体の約5割を占めています。
D ○ 適切です。
保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会福祉 問67
次の文は、生活保護制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 生活保護制度の基本原理の一つに、「保護の補足性」の原理がある。
○ B 生活保護制度の原則の一つに、「申請保護の原則」がある。
○ C 生活保護制度の扶助の種類の一つに、「教育扶助」がある。
× D 生活保護制度の扶助の給付方法は、金銭給付のみである。
○ E 近年の生活保護制度の世帯類型別の被保護世帯数の動向は、高齢者世帯が一貫して増加傾向にある。
1.A:○ B:○ C:○ D:× E:○ 2.A:○ B:○ C:○ D:× E:× 3.A:○ B:× C:○ D:○ E:○ 4.A:× B:○ C:× D:○ E:× 5.A:× B:× C:○ D:○ E:○( )訂正依頼・報告はこちら
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正解は 1
保育士試験 平成26年(2014年) 社会福祉 問70
次の文は、「生活保護法」に関する記述である。適切な記述を選びなさい。
× 1.幼稚園の教育費は教育扶助の対象になる。
- 教育扶助の範囲について、第13条で、学用品、通学用品、学校給食等、義務教育に伴って必要なものと定められています。幼稚園は義務教育ではないため、対象にはなりません。
○ 2.技能習得費は生業扶助の対象になる。
× 3.医療扶助は原則として現金給付で行われる。
- 医療扶助は原則として現物給付で行われます。(第34条)
× 4.住宅の補修などは住宅扶助の対象とはならない。
- 住宅扶助の範囲について、第14条で 1.住居2.補修その他住宅の維持のために必要なものと定められています。
正解は 2
保育士試験 平成25年(2013年) 社会福祉 問69
次の文は、生活保護に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。
○ 1.生活保護の目的は、最低生活の保障と自立助長である。
× 2.生活保護における生活保護基準は、都道府県知事が定める。
- 生活保護基準を定めるのは、都道府県知事ではなく、厚生労働大臣です。生活保護法第8条で、「要保護者の年齢別や性別、所在地域等の必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすのに十分なもの、且つそれをこえないもの」とされています。
× 3.生活保護は個人を単位としてその要否や程度を決定することを原則としている。
- 生活保護の単位は、個人ではなく、世帯が原則となります。
× 4.生活保護の実施機関は、市町村である。
- 生活保護の実施機関は市町村ではなく、都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長と規定されています。
× 5.生活保護による扶助は、すべて金銭給付が原則である。
- 生活保護には生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8種類がありますが、そのうち医療扶助と介護扶助に関しては現物給付が原則とされています。
正解は 1
保育士試験 平成25年(2013年) 社会福祉 問68
次の組み合わせは、社会福祉施設とその根拠となる法律の組み合わせである。適切な組み合わせを一つ選びなさい。
× 1.救護施設 ——- 障害者総合支援法
- 救護施設の根拠法は、「生活保護法」です。救護施設とは、身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設です。
× 2.母子生活支援施設 ——- 母子及び寡婦福祉法
- 母子生活支援施設の根拠法は、「児童福祉法」です。母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて保護するとともに、自立支援や生活支援を行う施設のことです。
○ 3.児童発達支援センター ——- 児童福祉法
× 4.養護老人ホーム ——- 介護保険法
- 養護老人ホームの根拠法は、「老人福祉法」です。養護老人ホームは、65歳以上で、環境上及び経済的理由により、家で養護を受けることが困難な人が入所し、自立生活や社会的活動参加に必要な指導や訓練その他の援助を受けることができる施設です。
× 5.助産施設 ——- 生活保護法
- 助産施設の根拠法は、「児童福祉法」です。助産施設とは、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて、助産を受けさせることを目的とする施設です
正解は 3
「生活保護法の8扶助・生活困窮者と低所得との違い」に3件のコメントがあります