スクリプトを獲得してお片付けができる子に育てる!

普段はなかなか使わない言葉ですね。

スクリプトとは

スクリプトとは、本来は台本のことをいい、プログラムに言い換えることができます。

心理学では、特定の事で起きる出来事で、ステレオタイプ化された時間的、因果的な知識構造のことをいいます。

ステレオタイプとは、多くの人に浸透している固定観念や思い込みのことです。

具体例

例えば、レストランでのスクリプトは、「レストランに入る、席を探す、座る、メニューを見る、注文する」です。

席に誰かが近づいてきたとすると、レストランのスクリプトより、近づいてくる人は店員だと認識できます。

保育の場面では

保育士は「お片付けしようね」という言葉がけをし、片付けの手順を示し続けます。

一つの遊びから次の遊びに移る前には片づけることを繰り返し促します。

子どもたちは「今使っているおもちゃはどこにしまうのだったかな?」「このおもちゃはどう片付けるのだったかな?」「次は何をするのかな?」といったことを頭の中に思い浮かべ、自分でスクリプトを獲得することができます。

保育心理の目次

過去問

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の心理学 問19 

次の文は、保育の中でみられる子どもの姿についての記述である。A~Dを説明する用語を 【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A まだ文字を読めない子どもが、お気に入りの絵本を見ながらまるで文字が読めるかのようにふる
まう。

B 子どもに「お散歩に行こう」と声をかけると、帽子を取りに行き、靴を履こうとする。 

  • スクリプト

C 自分が遊んでいる遊具に他児が近づいてくると、「今、私が遊んでいるからだめ」と言う。 

D 3歳児が砂を入れた容器を差し出して「アイスクリーム食べて」と言った時に、保育士が「冷凍
庫に入れてあとで食べるよ」と応じると、急に真顔になり、「本当は食べちゃダメなんだよ」とわ ざわざ言う。

【語群】
ア ナラティブ イ いやいや期 
ウ プレリテラシー エ メタコミュニケーション
オ 自己主張 カ リテラシー 
キ 二次的ことば ク スクリプト

(組み合わせ)
A B C D
3 ウ ク オ キ

保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育の心理学 問93

次の1歳児の食事場面の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
担当保育士が食事用のエプロンに替え三角巾をしていると、Hちゃんは、ぴょんぴょんと身体を弾ませ「ンマ ンマ」と言い、喜んでいる。「待っててね」と言うとわかったかのように目を細めて笑った。保育室の戸が開いたので、Hちゃんはじっと見ていたが、訪問者が近づいてくると下を向いて指しゃぶりを始めた。顔を上げ訪問者と目が合ったとたん大泣きし、保育士に手を出して抱っこを求める。訪問者が退室すると安心して食事の席につく。
食事が始まると、「ンマ ンマ」と催促をする。保育士が「あー、んまね」と口に入れると、もぐもぐしながら保育士の顔を見て、両手を頬に当ておいしいというしぐさをする。「おいしいのね、よかったね」と言うと、おいしいということが伝わったと感じたのか目を細めて笑い、「あーあー」と声を出し、さらに両手で頭をたたいてみせた。

【設問】
次のA~Dのうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 見知らぬ人が近づくと、不安になり混乱して食べることが難しくなることも、人見知りの時期には生じる。

○ B 毎日同じ場所や一定の流れのなかで食べることは、子どもに安定をもたらし、スクリプトの形成を促す。

C 子どもが一定の時間内に一定の量を食べることのみに集中できるような生活リズムを確立することは重要である。
D 保育士との応答的なやりとりのなかで、「上手に食べたね」「おいしかったね」と共感されながら食べられるようになっていく。

2.  A:○  B:○  C:×  D:○

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育の心理学 問84

次の文は、生活や遊びを通した学びに関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A  相手の行動を観察し、その人の意図、期待、信念、願望などを理解するようになると、相手の行動を説明したり、予測したりするようになる。

B  文化的に規定され、ステレオタイプ化された知識で、日常的なできごとを理解したり解釈したりできるようになる。

  • スクリプト  文化に基づいてステレオタイプ化された知識を活用して、日常的な出来事を理解、解釈したり予測したりすることができるようになります。

C  内発的動機づけを構成する要素で、自分の知らないことに興味をもったり、興味をもったものを深く探究したりしようとする。
D  ある行動をすると、特定の環境変化が引き続いて生じることに気付いて、その行動を繰り返し行うようになる。

【Ⅱ群】
ア 帰属理論
イ 心の理論
ウ モニタリング
エ スクリプト
オ 知的リアリズム
カ 知的好奇心
キ 観察学習
ク オペラント学習

○ 5. A:イ  B:エ  C:カ  D:ク

保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問89

次の文は、スクリプトについての記述である。( A )〜( D )の語句が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

スクリプトとは、日常的なできごとに関する(A:知識構造)の一種であり、特定の行動について、そこに含まれる事象や行為が(B:時間的・空間的)に表現される。例えば「レストランでの食事」という場面における行為としては、店に入る、注文する、食事をする、支払いをする、店を出るというように(C:対比的)に生起する一連の典型的な場面と行為が考えられる。スクリプトでは、このような一連の行為が、登場人物や小道具類などと共に生起する順に(D:水路づけ)され、スロットを埋めるような形で表象されていると仮定される。

1.  ○  ○  ×  ×

C 対比とは「2つのものを比べること」です。レストランに「入る」「注文する」「食事をする」「支払いをする」「店を出る」という表現はレストランでの出来事を時系列に並べたものなので対比とは言いません。よってCは不適切であると言えます。

D 水路づけとは「ある種の行動パターンが狭い範囲に限定されていく過程」を言います。この表現はスクリプトの説明とは相応しくないので不適切であると言えます。

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育の心理学 問86

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A  生活のさまざまな場面において、日々具体的な一連の手順を繰り返すことによって、生活習慣の基礎を身に付けていく。

  • ウのスクリプトです。一連の手順を繰り返すことという言葉がポイントです。

B  生後9か月前後になると、保育者の視線を追い、保育者が見ているものに目を向けることができるようになる。
C  どのように行動したらよいか分からない場面で、保育者の表情や声の調子を手がかりにして行動する。
D  「今ここにないもの・こと」を思い起こすイメージをもつことにより、目の前にモデルがいなくても似た行動をしたりする。

【Ⅱ群】
ア  共同注意
イ  延滞模倣

ウ  スクリプト
エ  社会的参照

5. A:ウ  B:ア  C:エ  D:イ

保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問92

次の文は、子どもの生活における片づけについての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

片づけは、保育所での生活を過ごしやすくするために必要な( A 生活行動)の一つである。2・3歳児クラスではまず保育士が声をかけ、( B モデル)を示すなどして取り組まれていく。そして、一つの遊びから次の遊びに移る前には片づけることを繰り返し促したり、子どもの( C 認知発達)に伴って、玩具の片づけ方を図示したりして片づけの( D スクリプト)が獲得されるよう配慮していく。

3. ( A )生活行動   ( B )モデル   ( C )認知発達   ( D )スクリプト

保育士試験 平成26年(2014年) 保育の心理学 問90

次の文は、保育所で親子の分離を援助することに関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

入園当初、子どもが親との分離に不安をもつ一つの要因として、園生活のなかでどのように行動したらよいかわからないということが考えられる。その対応として、登園から降園までの活動の流れを( A スクリプト)として理解することで、園生活に見通しをもち、子ども自身が安心して過ごすことが可能となる。そのためには、子どもの( B 発達)に合わせて1日の活動の流れや時間的区切りなどを( C 視覚的)に示しながら声かけをするなど、日々繰り返すことで( D 経験的)に理解できるようにしていくことも一つの方法である。

【語群】
ア 欲求
イ スクリプト
ウ 発達
エ メタ認知
オ 理論的

カ 経験的
キ 視覚的
ク 概念的

3.  ( A )イ ( B )ウ ( C )キ ( D )カ

保育士試験 平成24年(2012年) 発達心理学 問44

次の文のうち、ごっこ遊びを支える幼児の認知的能力として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 他者のふりを理解することができる。
B 役割や約束事を理解することができる。
C 出来事の順序についての知識(スクリプト)を獲得している。
D 自他のイメージが必ずしも同じでないことを理解することができる。

1.  A○  B○  C○  D○

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