私は私が知っていることを知っている!

母親の三面鏡を見て、考えごとをしていた幼い自分を思い出します。

ルイスのミラー課題とは?

チンパンジーが麻酔で寝ている間、耳などに赤いペンキを塗り、目覚めた時にミラーを見せた場合の反応をみます。

自分だとわかれば自分の耳などをさわるはずですが、自分だとわからなければ鏡の方に手を伸ばすはずです。

鏡を見せると、耳を触る等、自分自身に対して行動が向けられたことから,チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられました。

6ヶ月頃の感情

誕生時に満足(充足)、苦痛、興味をもって生まれます。

自己認知

苦痛という感情は、主に生理的不快(空腹、眠気)と結びついており、赤ちゃんは泣く事によってその感情を表現します。

生後3か月頃には、「満足」という感情から「喜び」という感情が生まれ、「苦痛」という感情から「悲しみ」と「嫌悪」という感情が分化します。

生後6か月、「嫌悪」から「怒り」と「恐怖」という感情が分化し、「興味」から「驚き」という感情が生まれます。

このような感情は、感情を抑制する側面があります。

また、恐れは親との愛着関係が形成され始めた一つの表れだと言え、人見知りが始まります。

これらの感情は一次的感情といいます。

1歳半頃の感情

自分が鏡に映った像を自己認知することができ(客観的自己意識)、一時的感情は照れや嫉妬、共感などの二次感情が分化します。

対して、自分は一体何者なのかを知ることを主体的自己意識といいます。

鏡映像の自己認知ができる子どもは1歳半頃から急激に増え、2歳頃ではかなりの子どもが可能になります。

3歳頃の感情

歩いて行動できる様になることで親元を離れ、自分の世界を創りあげていくことで、客観的事故意識(私は私が知っていることを知っている・I know I know)を獲得します。

そのようにして自分の精神の状態の理解が始まり、「自尊心」「罪悪感」「恥」といった感情が生まれます。

目的を達成するために正しい決定を行っているかどうか判断し、自己制御できるようになるのです。

過去問

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育の心理学 問9

次のうち、自己の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の 正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 自己の中でも、自分の姿や名前、性格など周りの人が捉えることができる様々な特徴が含まれる側面を主体的自己という。

○ B 鏡映像の自己認知ができる子どもは1歳半頃から急激に増え、2歳頃ではかなりの子どもが可能になる。

× C ルイス(Lewis, M.)によれば、1歳半頃になると誇りや恥などの感情がみられるようになり、 それらの感情が生じるには、客体的自己意識が獲得されている必要がある。

  • 3歳頃

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育の心理学 問93

次の文は、自己に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  幼児に気付かれないように鼻の頭に口紅をつけておく。その後その子どもに鏡を見せた時、子どもが鏡の像ではなく、自分の鼻を触るかどうかを基準として判断する。

  • 「自己認知」についての実験の記述です。

【Ⅱ群】
ア 自己実現
イ 自己認知
ウ 身体的自己
エ 自己開示
オ モラトリアム
カ アイデンティティ
キ 現実自己・理想自己
ク 私的自己・公的自己

保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問8

次の文は、乳幼児期の自己の発達に関する記述である。初期から発達の順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  大人が自分の意図したように行動しないと、かんしゃくを起こすことがみられるようになる。
B  一人ずつ順番に名前を呼ばれる場面では、自分の名前に対してのみ応える。
C  自分の手や足の指をしゃぶる感覚を経験することによって、身体的自己を発見する。

D  鏡に映った自分の姿を「自分である」と理解できるようになる。

4.  C → A → B → D

  • 1歳半から2歳ごろになると鏡の中の自分を理解することができるようになります。

保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問84

次の文は、子どもの感情の発達に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

感情の発達については、運動・認知・自己の発達と関連しながら分化していくという考え方がある。この考え方の代表的な提唱者( A ルイス(Lewis, M.))によると、誕生時には、( B 充足(contentment))、苦痛、興味の原初的感情をもって生まれ、生後3か月頃までに、( C 喜び(joy))、悲しみ、嫌悪の感情がみられるようになり、6か月頃までに、驚き、怒り、( D 恐れ(fear))の感情が分化していく。これらは( E 一次的感情)と呼ばれ、見知らぬ人への反応などに反映されていく。他方、感情の発達については、基本的な感情は誕生時に備わっており、主として感情を抑制する側面が発達するという考え方がある。

【語群】
ア 一次的感情
イ 充足(contentment)
ウ 二次的感情
エ ルイス(Lewis, M.)
オ 誇り(pride)
カ 感動(affect)

キ 喜び(joy)
ク サメロフ(Sameroff, A, J.)
ケ 恐れ(fear)
コ 恥(shame)

コメントを残す

Powered by WordPress.com. テーマ: Baskerville 2 by Anders Noren

ページ先頭へ ↑

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。