目次
仲間の存在とは?
仲間の影響は大人からの影響より強く、見ただけで自然と影響を受けてしまう存在です。
小学校低学年
小学生低学年では、席が近くであったり、グループ活動で同じ班であること、住んでいる家が近所であること等が仲間形成の要因となります。
自分の評価は、大人からの評価に依存しています。
具体的な事物については論理的思考ができるようになります。
社会的比較をするようになり、劣等感を抱いたり自尊心が低下したりすることがあります。
学年が上がるとともに記憶のための方略が多様化し、自分の思考を振り返るメタ認知能力が発達していきます。
小学校中学年
係の活動など役割をもって接するメンバーに仲間としての意識が芽生えます。
自分の身体能力や運動能力、性格のように、他者との比較によって自己を評価することが多くなります。
ギャンググループを形成するようになります。
ギャング・グループとは?
ギャング・グループとは、小学生の中・高学年に形成される凝集性(集団に留まらせる求心力)の高い仲間集団です。
排他的で、同調(同じ行動をとること)したり仲間だけのルールや特定の表現を用いることで一体感を持つ集団です。
しかし、最近では、遊び場の減少や少子化の進行、ゲームなどの遊び方の変化により、見られなくなってきている傾向があります。
小学校高学年
興味・関心や価値観などの内面的な特性による仲間となることが多くなります。
自分の評価は、他人との比較ではなくそのままの自分を認めるようになります。
第二次性徴による急激な身体の変化に伴って心理的に不安定になるが、変化が落ち着くにつれて不安定さは治まっていきます。
ついでにチャム・グループとは?
チャム・グループとは、中学生頃の女児にしばしばみられる、お互いが同じで、分かり合っていることを確認し、誇示する仲間集団です。
チャム(chum)は英語で親友を意味します。
同調するだけでなく、共通の趣味や話題を核として繋がっています。
こちらも排他的です。
ついでにピア・グループとは?
思春期後半(高校生以上)にみられる男女混合のグループで、お互いの違いを尊重しあうことができます。
自主性が重んじられ、共通性・類似性だけでなく、異質性を認め合うことができます。
「ピア」は英語のpeerで、仲間、対等、同輩を意味します。

過去問
保育士試験 令和3年(2021年)前期 保育の心理学 問88
次の文は、学童期以降の仲間関係に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
小学生の中・高学年に形成される( A 凝集性 )の高い仲間集団は( B ギャング・グループ )と呼ばれる。( B ギャング・グループ )は、一緒に同じ活動に熱中することで得られる一体感や充実感を活力源とする集団である。一方、中学生頃の女児にしばしばみられる( C チャム・グループ )は、お互いの感覚が同じであり「分かり合っている」ことを確認し、誇示する仲間集団である。( C チャム・グループ )が( B ギャング・グループ )と異なるのは、単に同じ活動を共に行うだけでなく、共通の趣味や話題を核とした密接な関わりをもつ点にある。だが、どちらも( D 排他的 )な性質をもつことは共通した特徴である。
しかし、現代では、遊び場の減少や( E 少子化 )の進行、ゲームなどの遊び方の変化により、こうした仲間集団のあり方が変化しているといわれる。
【語群】
ア 凝集性 イ ギャング・グループ ウ 拡散性 エ チャム・グループ オ 親和的 カ ピア・グループ キ 少子化 ク 排他的 ケ 高齢化
保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育の心理学 問85
次の文は、学童期の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× B 学童期中期の仲間関係はチャムグループとよばれ、相互の意見の違いなどを尊重し合うのが特徴である。
- 相互の意見の違いなどを尊重し合うのはピアグループとなり、学童期の仲間関係とは異なります。
保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問89
次の文は、学童期の仲間関係についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× C 学童期の初めには、閉鎖性の強いギャング・グループが生まれやすい。
- ギャング・グループは学童期の初めではなく、9歳頃の学童期中期~後期にかけてみられるといわれています。
保育士試験 平成26年(2014年) 保育の心理学 問89
次の文は、ギャング・グループについての記述である。適切な記述を選びなさい。
○ 1. 学童期の中・高学年に形成される凝集性や結束力の高い仲間集団である。
× 2. 同性同士で主に女児が、自発的に結成するグループである。
- 同性同士で主に女児が形成するではなく、男児もギャング・グループを形成します。
○ 3. 仲間だけのルールや特定の表現を用いることで一体感をもつ。
○ 4. 遊び場や遊び方、生活時間等の変化から、最近では見られなくなってきている傾向がある。
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