母親の三面鏡を見て、考えごとをしていた幼い自分を思い出します。
ルイスのミラー課題とは?
チンパンジーが寝ている間に、耳などに赤いペンキを塗り、目覚めた時にミラーを見せた場合の反応をみます。
自分だとわかれば自分の耳などをさわるはずですが、自分だとわからなければ鏡の方に手を伸ばすはずです。
実際に鏡を見せると、耳を触る等、自分自身に対して行動が向けられたことから,チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられました。
このように、外から見られている自分がどのようなものかを意識することを、客観的自己意識(認知)といいます。
https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});ルイスの感情発達理論
誕生時の感情
人は、誕生時に満足(充足)、苦痛、興味をもって生まれます。
例えば、赤ちゃんのオムツが蒸れて苦痛を感じ、新しいオムツに替えてもらい満足(充足)するといったようなことです。
https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});生後3ヶ月頃の感情
生後3か月頃には、満足(充足)から「喜び」という感情が生まれ、苦痛から「悲しみ」と「嫌悪」という感情が分化します。
https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});生後6ヶ月頃の感情
生後6か月頃、「嫌悪」から「怒り」と「恐怖」という感情が分化し、「興味」から「驚き」という感情が生まれます。
「恐怖」は、親との愛着関係が形成され始め、感情を抑制して人見知りが始まります。
これらの感情は一次的感情といいます。

1歳半頃の感情
1歳半頃になると、客観的自己意識(認知)を獲得することができ、一時的感情は照れや嫉妬、共感などの二次感情が分化します。
鏡映像の客観的自己意識(認知)ができる子どもは1歳半頃から急激に増え、2歳頃ではかなりの子どもが可能になります。
https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});3歳頃の感情
客観的自己意識(認知)ができるようになると、「自尊心」「罪悪感」「恥」といった感情が生まれます。
すると目的を達成するために正しい決定を行っているかどうか判断し、自己制御できるようになります。
自己〇〇、〇〇自己についての記事はこちら

過去問
保育士試験 令和6年(2024年)前期 保育の心理学 問4
次の文は、社会情動的発達に関する記述である。A~Dに関連する語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 自分で自分の身体に触れているときは、触れている感覚と触れられている感覚がする。
B 生後間もない時期から、乳児が他者に示された表情と同じ表情をする。
C 1歳半頃から、子どもが大人と同じようなことをやりたがったり、大人に対してことごとく「イヤ」と言って頑として譲らなかったりする。
D 情動は、運動・認知・自己の発達と関連しながら分化していく、という考え方を提唱した。
- ルイス
【語群】
ア ダブルバインド
イ ダブルタッチ
ウ 共鳴動作
エ トマセロ(Tomasello, M.)
オ 延滞模倣
カ 自己中心性
キ 自己主張
ク ルイス(Lewis, M.)
(組み合わせ)
A B C D
4 イ ウ キ ク
保育士試験 令和5年(2023年)後期 保育の心理学 問4
次のうち、自己の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A ホフマン(Hoffman, M.L.)によれば、1歳頃までは自他の区別が未分化であり、他児が転んで泣くのを見て、自分も泣きそうになるなど、他者に起こったことが自分自身に起こったことのように振る舞う。
B 幼児期後半に社会的比較が可能になることにより、幼児期から学童期にかけて自己評価が否定的になり、自尊感情が低下する。
C 乳児期前半に自分の手を目の前にかざし、その手をじっと見つめるというショーイングと呼ばれる行動がみられる。
⚪︎ D 客体的自己の理解は、鏡に映った自分の姿を理解できるかという課題を用いて調べることができる。
(組み合わせ)
A B C D
3 ○ × × ○
保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育の心理学 問9
次のうち、自己の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の 正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A 自己の中でも、自分の姿や名前、性格など周りの人が捉えることができる様々な特徴が含まれる側面を主体的自己という。
- 客観的自己
○ B 鏡映像の自己認知ができる子どもは1歳半頃から急激に増え、2歳頃ではかなりの子どもが可能になる。
× C ルイス(Lewis, M.)によれば、1歳半頃になると誇りや恥などの感情がみられるようになり、 それらの感情が生じるには、客体的自己意識が獲得されている必要がある。
- 3歳頃
保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育の心理学 問93
次の文は、自己に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
A 幼児に気付かれないように鼻の頭に口紅をつけておく。その後その子どもに鏡を見せた時、子どもが鏡の像ではなく、自分の鼻を触るかどうかを基準として判断する。
- 「自己認知」についての実験の記述です。
【Ⅱ群】
ア 自己実現
イ 自己認知
ウ 身体的自己
エ 自己開示
オ モラトリアム
カ アイデンティティ
キ 現実自己・理想自己
ク 私的自己・公的自己
保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問8
次の文は、乳幼児期の自己の発達に関する記述である。初期から発達の順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 大人が自分の意図したように行動しないと、かんしゃくを起こすことがみられるようになる。
B 一人ずつ順番に名前を呼ばれる場面では、自分の名前に対してのみ応える。
C 自分の手や足の指をしゃぶる感覚を経験することによって、身体的自己を発見する。
D 鏡に映った自分の姿を「自分である」と理解できるようになる。
4. C → A → B → D
- 1歳半から2歳ごろになると鏡の中の自分を理解することができるようになります。
保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問84
次の文は、子どもの感情の発達に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
感情の発達については、運動・認知・自己の発達と関連しながら分化していくという考え方がある。この考え方の代表的な提唱者( A ルイス(Lewis, M.))によると、誕生時には、( B 充足(contentment))、苦痛、興味の原初的感情をもって生まれ、生後3か月頃までに、( C 喜び(joy))、悲しみ、嫌悪の感情がみられるようになり、6か月頃までに、驚き、怒り、( D 恐れ(fear))の感情が分化していく。これらは( E 一次的感情)と呼ばれ、見知らぬ人への反応などに反映されていく。他方、感情の発達については、基本的な感情は誕生時に備わっており、主として感情を抑制する側面が発達するという考え方がある。
【語群】
ア 一次的感情
イ 充足(contentment)
ウ 二次的感情
エ ルイス(Lewis, M.)
オ 誇り(pride)
カ 感動(affect)
キ 喜び(joy)
ク サメロフ(Sameroff, A, J.)
ケ 恐れ(fear)
コ 恥(shame)