
目次
- 1 スクリブル期 1〜2歳
- 2 前図式期 2〜4歳
- 3 図式期 4〜9歳
- 4 過去問
- 4.1 保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育実践理論 問8
- 4.2 保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育心理 問2
- 4.3 保育士試験 令和3年(2021年)前期 子どもの食と栄養 問7
- 4.4 保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育実習理論 問1
- 4.5 保育士試験 令和2年(2020年)後期 子どもの食と栄養 問9
- 4.6 保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問7
- 4.7 保育士試験 平成30年(2018年)前期 保育実習理論 問5
- 4.8 保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育実習理論 問5
- 4.9 保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育実習理論 問4
- 4.10 保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問5
- 4.11 保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育実習理論 問4
- 4.12 保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問6
- 4.13 保育士試験 平成26年(2014年) 保育実習理論 問5
- 4.14 保育士試験 平成24年(2012年) 保育実習理論 問6
- 4.15 保育士試験 平成23年(2011年) 保育実習理論 問6
- 4.16 保育士試験 平成23年(2011年) 保育実習理論 問9
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スクリブル期 1〜2歳

スクリブル期 1〜2歳
身体の発達は全体から部分の順に発達します。

スクリブル
肩やひじが発達すると、絵を描くというよりも、肩だけの運動で線を描き、線を描くことが楽しくて何度も繰り返します。
そのようにしてできたものをなぐり書きという意味でスクリブルといいます。

さらに発達し、肩とひじを連動していき点を描いていきます。

さらに、肩とひじと手首が連動していき丸を描いていきます。


前図式期 2〜4歳

前図式期 2〜4歳
前図式とは、図式がかけるようになる前の期間のことです。
図式とは相関図や関係図を意味し、ひとつひとつの絵に関係性があるかないかを示すものです。

この時期は、物の関係性が理解できておらず、思いついたものを羅列するだけです。
マンダラとは
マンダラとは、本来、密教の世界を表現したもので、描画では下図のように丸と線でできたマークのようなものをいいます。


頭足人とは
頭足人とは、人の全体的なイメージを絵にしたものです。

コックスは子どもに頭足人にへそを加筆させる実験を行い、頭部と思われていた丸の部分に加筆がされたことから、この形は頭、首、胴を含めた全体の表現であるとしました。

図式期 4〜9歳

図式期 4〜9歳
アニミズム表現
子どもが、月が自分のことを追いかけてくると考えたりするような時期に、太陽や植物に目や口を描きいれます。

すべのものが生きており、こころを持っていると考えるためです。
展開図法
上から見下ろす、または、潰れたような形を描くことです。

見えている現実ではなく、知っている事実を表すことを知的リアリズムと呼び、自己中心性による表現です。
以下の拡大表現なども同様です。
拡大表現
自分の興味のあるものを大きく表現します。

レントゲン表現
外からは見えないものまでを描いた表現です。

基底線表現
基底線が描かれることで、空と地上と地中の世界が表れ、ものの位置関係を表すことが出来るようになったことがわかります。

多視点表現
多視点表現とは、上から見た時や正面から見た時など、多視点から見たものを一緒に描く表現です。

ピカソの作品である「ゲルニカ」は、立体派といわれる頃の絵で、他視点表現であると言われています。

異時同存表現
異なる時間の出来事や、連続して進行する場面を1枚の絵の中に描く表現です。

過去問

過去問
保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育実践理論 問8
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】 主任のM保育士と新任のR保育士は、2歳児Gちゃんが床で描画する様子を見ながら話をしています。
R保育士:手にクレヨンを持って、手首はあまり動かさずに、( A腕 )全体を動かして線描をして いますね。
M保育士:弓なりに描く( B弧 )線や上下に描く縦線が特徴的ですね。この時期の発達過程の特徴的な描き方として( C なぐり)がきとも言いますが、他の言い方をする場合もあります。
R保育士:( D スクリブル)ですね。クレヨンを握り持ったり、指の間にはさんだりして、色々な描き方を していますね。それぞれの子が、どのように描いているか、これからじっくり見守ってい きたいと思います。
【設問】
( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
(組み合わせ) ABCD
1 指 輪郭 ひとふで スクリブル
2 腕 弧 ひとふで フィンガー・ペインティング
○ 3 腕 弧 なぐり スクリブル
4 腕 輪郭 なぐり フィンガー・ペインティング
5 指 輪郭 なぐり スクリブル
保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育心理 問2
次のうち、運動発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正 しい組み合わせを一つ選びなさい。
× B 運動発達には「頭部から脚部へ」「末梢から中枢へ」「粗大運動から微細運動へ」という方向性が ある。
- 「末梢から中枢へ」ではなく「中枢から末梢へ」です。
保育士試験 令和3年(2021年)前期 子どもの食と栄養 問7
次の文のうち、幼児期の摂食機能と食行動に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 摂食機能の発達過程では、手づかみ食べが上達し、目と手と口の協働ができていることによって、食器・食具が上手に使えるようになっていく。
○ B スプーンの握り方は、手のひら握りから鉛筆握りへと発達していく。
C 2歳頃には、箸を使って自分で上手に食べられるようになる。
D 「平成27年度乳幼児栄養調査」(厚生労働省)によると、「現在子どもの食事について困っていること」(回答者:2~6歳児の保護者)で、「遊び食べをする」と回答した者は、子どもの年齢が高くなるにつれて減少する。
2. A:○ B:○ C:× D:○
保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育実習理論 問1
次の文は、「図式期」と呼ばれる描画発達の一時期にみられる特徴に関する記述である。それぞれの言葉とその内容とが適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A アニミズム的表現 ――― すべてのものに命があり、感情や意志をもっているという考え方に基づいた絵で、動物以外のものにも目や口を描き、感情の表現を行う。
○ B レントゲン描法 ―――― 家の中の様子やポケットの中身など、外からは見えないものまでを描いた絵。
× C 展開図描法 ―――――― 異なる時間の出来事や、連続して進行するお話のそれぞれの場面を1枚の絵の中に描くこと。
・記述は、「異時同存表現」の記述です。展開図描法は、上から見下ろす、または、潰れたような形を描くことです。道を挟んだ両側の家を、倒れたように描くなどの特徴があります。
○ D 基底線 ―――――――― 画面に横線を引き、この横線を地面としてその上に人や乗り物を描く。このような横線の呼び名である。
保育士試験 令和2年(2020年)後期 子どもの食と栄養 問9
次のA~Dのうち、一般的な幼児の食具の持ち方の変化の順番として、最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

○ 1. A → B → C → D
A スプーンを使い始めたときは、スプーンの柄を上からわしづかみする形で、肘を曲げたり、腕全体を動かす形で口元に持っていこうとします。
B 指先の動きが発達し、小指で固定し少しすくうような動作が見られます。
C 上から握れるようになると次は手首を返して下から握るようになります。
D 最後に鉛筆握りになります。
スプーンから箸や鉛筆へと進んでいきます
保育士試験 平成30年(2018年)後期 保育の心理学 問7
次の文は、乳児期の微細運動の典型的な発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A ガラガラなどのおもちゃを両手に持たせると、持っていられるようになるのは3〜4か月頃、自発的におもちゃに手を伸ばすようになるのは4〜5か月頃である。
× B 6〜7か月頃には、小さな物を5本の指を全部使って引き寄せてつかもうとし、8〜9か月頃には、親指と人差し指の2本だけでつまんで持ち上げることができるようになる。
・8~9か月頃ではなく、9~11か月頃に、親指と人差し指の2本だけでつまんで持ち上げることができるようになります。
C 6か月頃には、両手に持った物を一方の手に持ち替え、また両手で持って、次にはもう一方の手へという持ち替えを盛んに行う。
D 満1歳を過ぎると、ティッシュを繰り返し取り出したり、複数の積み木を寄せ集めたりすることがみられるようになる。
3. ○ × ○ ×
保育士試験 平成30年(2018年)前期 保育実習理論 問5
次の文は、幼児期の描画に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
○ 1.「スクリブル」は、運動感覚的な楽しさに基づいて描かれることが多い。
○ 2.「頭足人」表現は、頭と足だけでなく、人の全体的なイメージに基づいて描かれている。
× 3.「マンダラ」図形は、アジア地域の子ども達のみに出現する。
○ 4.「基底線」は、地面や空などの空間的な関係を表している。
○ 5.「展開図法」は、見えている現実ではなく、知っている事実を表す知的リアリズムと呼ばれることもある。
保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 保育実習理論 問5
子どもの描画の発達において、肩やひじ、手首の運動が描画の表現に深く関わる。はじめは肩だけの運動だったものが肩とひじを使った運動へ変化し、肩とひじと手首が連動していき、それらの運動が描画の特徴として現れる。次の図A ~ Dは、子どもの描画表現の特徴を示したものである。描画表現の発達の順序として最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

3.B → D → C → A
保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育実習理論 問4
【事例】
Y君(4歳)が描いた絵を見て、Y君の通う保育所のJ保育士(以下J)と新任のK保育士(以下K)が話をしています。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【設問】
( A )~( D )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
J : Y君は、ゴールデンウィークに初めて乗った新幹線の絵を描いたのですね。
K : いろいろなものが描かれていて、見飽きないです。中央に描かれている人物はY君でしょうか。
J : Y君でしょうね。頭部から直接手足が出ている( A 頭足人 )という表現ですね。K:車両が透けていて不思議な感じがします。
J : これは( B レントゲン表現 )といって、建物や乗り物の中にいる人を描く説明的な表現です。
K : 新幹線の車中にいるのと、到着して駅にいるところも同じ画面の中に描かれていますが、これは( C 異時同存表現 )になっているのではないでしょうか。
J : この頃の子どもの表現には画面に( D 基底線 )を描く特徴もありますね。
× 1. ( A )写実 ( B )転倒式構図
( C )多視点構図 ( D )基底線
× 2. ( A )頭足人 ( B )転倒式構図
( C )異時同存表現 ( D )遠近感
× 3. ( A )頭足人 ( B )転倒式構図
( C )多視点構図 ( D )遠近感
○4. ( A )頭足人 ( B )レントゲン表
( C )異時同存表現 ( D )基底線
× 5. ( A )写実 ( B )レントゲン表現
( C )多視点構図 ( D )遠近感
保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問5
次の文は、乳児の身体・運動の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 乳児の運動機能の発達は、頭部から足部へ、身体の中心部から末梢へ、粗大運動から微細運動へという方向性と順序がある。
B 一般的に、平均体重は2,900~3,000g前後、平均身長は49cm前後で生まれるが、生後1年で体重は約3倍、身長は約1.5倍になる。
C 生後8か月頃になると、物と物を打ち合わせる、物を容器に入れる、小さい積木を高く積みあげることができるようになる。
D 手に触れたものを握ろうとする把握反射が新生児にみられ、生後3か月になると指さしが出現する。
2. ( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )×
保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育実習理論 問4
次の文は、子どもの描画の発達に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもの絵の発達において( A 頭足人 )と呼ばれる表現がある。おおよそ( B 2歳 )から( C 4歳 )頃とされているが、小学生でも( A 頭足人 )を描く例もある。このことについて、コックス(Cox, M.V.)は( D へそ )を加筆させる実験を行い、頭部と思われていた丸の部分に加筆がされたことから、この形は頭、首、胴を含めた全体の表現であるとした。これは、( E 前図式 )期と呼ばれる描画の発達段階を理解するうえで重要なポイントである。
【語群】
ア レントゲン画
イ 頭足人
ウ 基底線
エ 0歳
オ 2歳
カ 4歳
キ 口
ク へそ
ケ 鼻
コ 前図式
サ 図式
シ 様式
保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問6
次の文は、「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の2「発達過程」の一部である。それぞれにあてはまる発達過程の区分の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 基本的な運動機能が伸び、それに伴い、食事、排泄、衣類の着脱などもほぼ自立できるようになる。
B 歩く、押す、つまむ、めくるなど様々な運動機能の発達や新しい行動の獲得により、環境に働きかける意欲を一層高める。
C 歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達する。
1. (A)おおむね1歳3か月から2歳未満 (B)おおむね3歳 (C)おおむね2歳
2. (A)おおむね1歳3か月から2歳未満 (B)おおむね2歳 (C)おおむね3歳
3. (A)おおむね2歳 (B)おおむね3歳 (C)おおむね1歳3か月から2歳未満
○ 4. (A)おおむね3歳 (B)おおむね1歳3か月から2歳未満 (C)おおむね2歳
5. (A)おおむね3歳 (B)おおむね2歳 (C)おおむね1歳3か月から2歳未満
※ 「保育所保育指針」の目次や記載内容等が、指針の改定(平成30年4月1日施行)により変更されました。
この設問は平成28年に出題された設問となります。
保育士試験 平成26年(2014年) 保育実習理論 問5
次の【Ⅰ群】の図は、子どもの描画表現の発達段階の特徴を示したものである。次の【Ⅰ群】の図と【Ⅱ群】の語句を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】





【Ⅱ群】
ア 頭足人
イ アニミズム的表現
ウ 基底線
エ スクリブル
オ レントゲン画
3.( A )ア ( B )オ ( C )エ ( D )ウ ( E )イ
保育士試験 平成24年(2012年) 保育実習理論 問6
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
新任保育士(以下N)と主任保育士(以下S)が何枚かの幼児期の絵を見ながら話し合っています。
【設問】
( A )~( D )にあてはまる語句の適切な組み合わせを一つ選びなさい。
N 「この絵は顔から直接手足が出ていますね。顔の絵なのでしょうか?」
S 「これは( A 頭足人 )といって、3歳頃に現れる初期の人物表現です。」
N 「この絵は外から見たお家の絵ですが、見えないはずの部屋の中の様子まで描いてありますね。」
S 「( B レントゲン画 )ですね。実際に見えない部分も描くという幼児期の特徴的な絵です。子どもは自分が知っていることを描きたいのですね。」
N 「この絵には画用紙の上の方に水色の線が描いてあり、下の方に茶色の線が描かれていますね。これらの線はなんですか?」
S 「水色の線は空を表しているのでしょう。下の茶色の線は地面を象徴している( C 基底線 )といわれる表現です。無秩序にかきたいものを描く頃から、それらが位置する場所を示したいと感じるようになったといえますね。」
N 「この絵の太陽やチューリップには顔が描いてあります。動物ではないのに顔を描くのは不思議です。」
S 「このように描くのは、この子が対象に、お友達のように心を通わせているからでしょう。この表現は( D アニミズム )表現といわれています。このような表現に対し、保育者は共感的に受け止めることが大切ですね。」
× 1. A頭足人 Bレントゲン画
C基底線 Dマンダラ
× 2. A頭足人 B多視点図
C平行線 Dアニミズム
× 3. A胴体人 Bレントゲン画
C平行線 Dマンダラ
× 4. A胴体人 B多視点図
C基底線 Dアニミズム
○5. A頭足人 Bレントゲン画
C基底線 Dアニミズム
保育士試験 平成23年(2011年) 保育実習理論 問6
次の語句は、描画表現に関するものである。A~Dの語句を一般的に出現するのが早い順に並べた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
A 頭足人
B 基底線
C スクリブル
D 写実的表現
4.C→A→B→D
スクリブル→頭足人→基底線→写実的表現
保育士試験 平成23年(2011年) 保育実習理論 問9
次の【事例】の( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【事例】
H保育園で廊下の壁に貼ってあるポスターを見ていたSちゃんが「私の絵みたい」と言いました。そのポスターに描かれている絵は、「ゲルニカ」で有名な( A ピカソ )という画家の作品で、彼の( B 立体 )派といわれる頃の絵でした。それは子どもの絵の特徴の一つである( C 多視点表現 )に類似しているものでした。
× 1. Aピカソ B印象 C展開表現
× 2. Aゴッホ B未来 C積立表現
○ 3. Aピカソ B立体 C多視点表現
× 4. Aゴッホ B印象 Cレントゲン表現
× 5. Aゴッホ B立体 C異時同存表現
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