私にとってのやりすぎ注意分野なので、記事がマニアックになっちゃったかもしれません。
不活化ワクチン、生ワクチンとは
不活化ワクチンとは、病原体となるウイルスや細菌を不活化(殺菌)したものです。
接種回数は、生ワクチンより多めの2〜4回です。

生ワクチンとは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られます。
合成ワクチンは、不活化ワクチンと生ワクチンに大別されます。
接種回数は少なめの1〜3回です。

出席停止期間とは
出席停止期間の日数の数え方は、その現象がみられた日は期間には算定せず、その翌日を第1日とします。

「解熱した後3日を経過するまで」の場合、解熱を確認した日が月曜日であった場合には、その日は期間には算定せず、火曜日(1日目)、水曜日(2日目)及び木曜日(3日目)の3日間を休み、金曜日から登園許可(出席可能)です。
出席停止期間は、感染させるおそれがなくなるまでで、各感染症により定められています。
予防接種(定期)がある感染症
予防接種法により定期接種が推奨されているワクチンのほとんどがユニバーサルワクチン(国際的にも推奨)で、重症化すると死亡率が高い等の問題がある感染症です。
人の免疫は免疫グロブリンIgG、IgAです。
IgGは母親から胎盤を通過して胎児に移行し、IgAは初乳に含まれます。
ちなみに、冷凍母乳はこのIgA免疫物質を保持するため、30~40度のぬるま湯で湯せんします。
ちなみにアレルギーの免疫はIgEです。
予防接種を受けるとき、保護者は母子健康手帳を持参し、接種記録を記載しますが、義務ではありません。
生後2〜5ヶ月に初回接種
生後2ヶ月まではお母さんからの免疫でなんとかやっていけます。
免疫が不十分になってからは、できるだけ早く十分な免疫をつけるために、以下のワクチンを生後2〜5か月には接種します。
どのワクチンも4週間以上あけないと抗体はうまく増えす、全部で3、4回接種します。
B型肝炎
B型肝炎とは肝臓の病気で、癌に発展することがあります。
感染時の宿主の免疫能によって、一過性感染に終わるものと持続感染するものとに大別されます。
ワクチンは、不活化ワクチンです。
母子感染が多いため、その予防を目的としています。
出席停止期間は決まっていません。
血液・母乳に触らなければ簡単には感染しないためです。

余談ですが、幼少期に受けた集団予防接種等で注射器が連続使用されたことによりB型肝炎ウイルスに集団感染したことがあり、今では給付金制度があります。
肺炎球菌感染症
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌による肺炎です。
ワクチンは、不活化ワクチンです。
23価は大人用、13価は子供用です。
出席停止期間は決まっていません。

インフルエンザ菌b型(ヒブ、Hib)
インフルエンザ菌b型感染症は、ほとんどが5歳未満で発生し、感染すると中耳炎や肺炎をおこすことがあり、亡くなったり、脳に後遺症が残ることがあります。
Hibとは、Haemophilus influenza type bの略で、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌です。
ワクチンは、不活化ワクチンです。
インフルエンザとは別物です。

ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ
ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオは、ワクチンの相性がよいため組み合わせて4種混合(DPT-IPV)ワクチンとなりました。
ワクチンは、不活化ワクチンです。
4種混合(DPT-IPV)ワクチンは2012年(平成24年)に導入され、三種混合ワクチンから4種混合に移行されました。
DPT-IPVとは、病名の頭文字(英語)です。
初回接種は生後3ヶ月てす。
ちなみに、混合ワクチンは、合成ワクチンとは別物です。
ジフテリアとは?
ジフテリア(Diphtheria)とは、喉に毒素をつくるジフテリア菌が付着し、灰色がかった偽膜が形成され、呼吸ができなくなったりする病気です。
出席停止期間は「治癒するまで」です。

百日咳とは?
百日咳(Pertussis)とは、けいれんを伴う咳発作がある病気です。
発症後約3週間、次第に咳が強くなり、特有の連続性、発作性の咳(スタッカート)がみられ、夜間に特にひどいです。
出席停止期間は「特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで」です。

破傷風とは?
破傷風(Tetanus)とは、傷口から菌が侵入して筋肉が硬直する病気です。
出席停止期間は決まっていません。人から人へ感染することがないためです。
ポリオとは?
ポリオ(inactivated polio vaccine)とは、小児麻痺です。
出席停止期間は「治癒するまで」です。
ロタウィルス胃腸炎
感染力が強い疾患です。
生後6か月に初回接種
結核
結核は日本の主要な感染症です。
ワクチンは、生ワクチンでBCGと呼ばれます。
ワクチンにより感染症を引き起こす(免疫不全症)ことがありますが、生後は免疫不全症の診断が困難であるため、診断が可能な生後6ヶ月から1歳までに接種し、接種回数は1回です。
乳児では、結核に感染すると粟粒結核などの重篤な病気になりやすいです。
粟粒結核とは、生命を脅かすことのあるタイプの結核で、大量の結核菌が血流を介して全身に広がって起こります。
粟粒とは、肺内にできるおびただしい数の小さな病巣が、鳥の餌に含まれる小さな丸い粟(あわ)程度の大きさであることに由来します。
出席停止期間は「伝染の恐れがないと、医師が認めるまで」です。

生後1年に初回接種
生後1年に初回接種があるワクチンは、1歳の誕生日を過ぎてから2歳になるまでに2回接種することが基本です。
麻しん・風しん
ワクチンは、生ワクチンです。
麻しん(Measles)・風しん(Rubella)の頭文字をとりMRとしています。
麻しんとは?
麻しんの出席停止期間は「解熱した後3日を経過」です。

風しんとは?
風しんになると発熱があり、顔や首のまわりに発しんが表れ、頸部のリンパ節が腫れます。
妊娠初期に感染すると胎児に影響を及ぼします。
出席停止期間は「発しんが消失するまで」です。
水痘(みずぼうそう)
水痘は、軽い発熱とともに発しんが表れ、最初は小紅斑で、やがて丘疹となり水疱ができます。
ワクチンは、生ワクチンです。
いろいろな状態の発しんが同時にみられ、痂皮になると感染性はないものと考えられます。
平成26年からの定期接種となりました。
出席停止期間は「すべての発しんが痂皮化するまで」です。

生後3年以降に初回接種
HPV
HPVとは、ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus略してHPV)によるものです。
パピローマとはイボのことで、子宮頸部がんの原因になります。
ワクチンは、不活化ワクチンです。
主に性行為で感染するため出席停止期間は決まっていません。
12〜16歳に接種します。
予防接種(任意)がある感染症
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は耳下腺が腫れることにより、痛みと発熱を伴う感染症です。
ワクチンは、生ワクチンです。
出席停止期間は感染力が強いため、耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身症状が良好になるまで出席停止となります。
潜伏期間は18日前後と長いです。

インフルエンザ
インフルエンザは、幼児の場合、高熱が続くと痙攣やインフルエンザ脳症を引き起こすリスクがあります。
ワクチンは、不活化ワクチンです。
出席停止期間は「発症後5日経過し、かつ解熱後3日間」です。
予防接種がない感染症
咽頭結膜熱(プール熱)
夏風邪です。
急に 39°Cの発熱があり、目の結膜が赤くなり目やにが出て、喉の痛みを訴えます。
出席停止期間は「主要症状が消退した後2日を経過するまで」です。
溶連菌感染症
溶連菌感染症は、発熱がありのどの痛みを訴えます。
手足、顔に発しんがみられ、舌がイチゴのように赤く腫れます。
出席停止期間は決まっていません。
適切な抗菌薬による治療開始後 24 時間以内に感染力は失せるためです。

伝染性紅斑
伝染性紅斑とは、秋から春にかけて流行し、両頬に赤い発しんがみられ、手足にレース様の紅斑ができます。
ヒトパルボウイルスによっておこる感染症です。
妊娠前半期に感染すると胎児に影響を及ぼします。
突発性発疹
突発性発疹は、突然の高熱と解熱前後の発疹を特徴とします。
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