真夜中の繁華街でブラックリストの不良少年を探す人達だと思っていましたが、やはり勉強不足でした。
要保護児童対策地域協議会とは?わかりやすくは?
多数の関係分野の専門家間で情報の交換や支援を行い、協議を行う場です。
支援対象児童は誰?
- 要保護児童
- 要支援児童
- 特定妊婦
要保護児童
要保護児童とは、保護者のない児童または保護者に監護させることが不適当であると認められる児童です。保護者が失踪、服役、死亡などの事情のある子どもや、虐待を受けている子ども、非行児童なども含まれます。
要支援児童
要支援児童とは、乳児家庭全戸訪問事業の実施その他により把握した保護者の養育を支援することが特に必要とされる児童であり、要保護児童にはあたらない児童です。育児不安のある親の下で監護されている子どもや、親の養育に関する知識が不十分なため、不適切な養育環境に置かれている子どもなどです。児童のの保護者も含まれます。
特定妊婦
特定妊婦とは、出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要とされている妊婦をいいます。不安定な就労等で収入基盤が安定していない妊婦や知的障害・精神障害などで育児困難が予想される妊婦です。
誰がつくってるの?
地方公共団体は要保護児童対策地域協議会を置くように努めなければなりません。
すなわち、設置義務はなく、努力義務はあります。
また、複数の市町村による共同設置が可能です。
誰がいるの?メンバーは?
要保護児童対策地域協議会の構成員は、保育所・幼稚園を含めた児童関係機関・施設に従事する者と厚生労働省により定められています。
構成員例
- 民生委員
- ボランティア
- 弁護士
- 児童相談所
このうち事務局機能を担う調整機関をひとつ指定し、役所の児童福祉担当部局などが指定されることがあります。
何を協議してるの?
代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議の3層構造で設置している例が半数を超えます。
○ 1. 支援対象児童等を早期に発見することができる。
個別ケース検討会議では情報アセスメントを共有化し、役割分担を確認しながら進めます。
情報は共有?保護?
要保護児童対策協議会内では全ての情報を共有することが理想です。
会議以外での構成員同士の情報共有でも同じことです。
しかし、協議会から一歩外にでたところでは、たとえ家族であっても情報を流出させません。
ちなみに虐待通告とは別物で、虐待通告は個人情報ですが、例え疑いであっても発見した人は通告しなければなりません。
要保護児童対策協議会 事例

参考
要保護児童対策地域協議会設置・運営指針
第1章 要保護児童対策地域協議会とは
(1) 虐待を受けている子どもを始めとする要保護児童(児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「児福法」という。)第6条の3に規定する要保護児童をいう。以下同じ。)の早期発見や適切な保護を図るためには、関係機関がその子ども等に関する情報や考え方を共有し、適切な連携の下で対応していくことが重要であるが、こうした多数の関係機関の円滑な連携・協力を確保するためには、
[1] 運営の中核となって関係機関相互の連携や役割分担の調整を行う機関を明確にするなどの責任体制の明確化
[2] 関係機関からの円滑な情報の提供を図るための個人情報保護の要請と関係機関における情報共有の関係の明確化
が必要である。
(2) このため、児童福祉法の一部を改正する法律(平成16年法律第153号。以下「平成16年児童福祉法改正法」という。)においては以下の規定が整備された。
[1] 地方公共団体は、要保護児童の適切な保護を図るため、関係機関等により構成され、要保護児童及びその保護者(以下「要保護児童等」という。)に関する情報の交換や支援内容の協議を行う要保護児童対策地域協議会(以下「地域協議会」という。)を置くことができる。
保育所保育指針
第6章 保護者に対する支援
2 保育所に入所している子どもの保護者に対する支援
(3)不適切な養育等が疑われる家庭への支援
イ 保護者に不適切な養育等が疑われる場合には、市町村や関係機関と連携し、要保護児童対策地域協議会で検討するなど適切な対応を図ること。また、虐待が疑われる場合には、速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図ること。

過去問
保育士試験 令和2年(2020年)後期 子ども家庭福祉 問8
次の文は、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」の2「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
( 3 )不適切な養育等が疑われる家庭への支援
ア 保護者に育児不安等が見られる場合には、保護者の希望に応じて( A 個別の支援 )を行うよう努めること。
イ 保護者に不適切な養育等が疑われる場合には、( B 市町村 )や関係機関と連携し、( C 要保護児童対策地域協議会 )で検討するなど適切な対応を図ること。また、虐待が疑われる場合には、速やかに( B 市町村 )又は児童相談所に通告し、適切な対応を図ること。
× 1. A:個別の支援 B:市町村 C:社会福祉協議会
× 2. A:特別な配慮 B:都道府県 C:社会福祉協議会
× 3. A:個別の支援 B:都道府県 C:要保護児童対策地域協議会
○ 4. A:個別の支援 B:市町村 C:要保護児童対策地域協議会
× 5. A:特別な配慮 B:市町村 C:社会福祉協議会
保育士試験 令和2年(2020年)後期 子ども家庭福祉 問12
次の文のうち、要保護児童対策地域協議会に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 協議の対象には、要保護児童だけでなく、保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童とその保護者も含まれる。
× B 地方公共団体は、要保護児童対策地域協議会を必ず設置しなければならない。
- 「児童福祉法」第二十五条の二によると、地方公共団体は要保護児童対策地域協議会を置くように努めなければなりません。義務にはなっていません。
○ C 複数の市町村による共同設置が可能である。
○ D 要保護児童対策地域協議会の構成員は正当な理由がなく、協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
保育士試験 令和2年(2020年)後期 社会的養護」問10
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
児童養護施設に入所する前に父親から身体的虐待を受けていたX君(10 歳、男児)は、今後、家庭復帰となる予定である。X君の父母は離婚し、親権は父親にある。父親はX君に家庭に戻ってきてほしいと強く思っており、X君もまた、父親と暮らすことを強く望んでいる。施設による支援の結果、父親の養育に対する姿勢が変化したため、児童相談所は家庭復帰を決めたが、虐待のリスクはいまだ残されており、今後地域における関係機関の連携のもと、この親子の支援を行っていかなければならないとされた。
【設問】 今後、この親子を地域で支えていく際に利用できる社会資源として、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 要保護児童対策地域協議会
× B 自立支援計画策定等支援事業
○ C 養育支援訪問事業
× D 児童自立生活援助事業
保育士試験 令和元年(2019年)後期 児童家庭福祉 問57
次の文は、「要保護児童対策地域協議会設置・運営指針」(平成29年3月31日 厚生労働省)の一部である。誤った記述を一つ選びなさい。
○ 1. 支援対象児童等を早期に発見することができる。
× 2. 保育所や幼稚園等教育・保育施設を除く、要保護児童関係機関・施設が集中的に連絡を取り合うことで情報の共有化ができる。
- 要保護児童対策地域協議会の構成員は、保育所・幼稚園を含めた児童関係機関・施設に従事する者と厚生労働省により定められています。これらの機関が集中的に連絡を共有することが児童虐待の早期発見と保護に繋がると考えられています。よって問題文の2は不適切であると言えます。
○ 3. 情報アセスメントの共有化を通じて、それぞれの関係機関等の間で、それぞれの役割分担について共通の理解を得ることができる。
○ 4. 関係機関等の役割分担を通じて、それぞれの機関が責任をもって支援を行う体制づくりができる。
○ 5. 関係機関等が分担をし合って個別の事例に関わることで、それぞれの機関の責任、限界や大変さを分かち合うことができる。
保育士試験 平成31年(2019年)前期 児童家庭福祉 問17
次の文は、「要保護児童対策地域協議会設置・運営指針」(平成29年3月31日 厚生労働省)第1章「要保護児童対策地域協議会の基本的な考え方」の1「要保護児童対策地域協議会とは」の一部である。( A )∼( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
虐待を受けている子どもを始めとする支援対象児童等(中略)の(A早期発見)や適切な保護を図るためには、関係機関等がその子ども等に関する情報や考え方を共有し、適切な連携の下で対応していくことが重要である。
このような多数の関係機関等の円滑な連携・協力を確保するためには、運営の中核となって関係機関相互の連携や役割分担の(B調整)を行う機関を明確にするなどの(C責任体制)の明確化や、円滑な情報の提供を図るための個人情報保護の要請と関係機関における情報共有の関係の明確化が必要であり、このような背景を踏まえ、平成16年に児童福祉法を改正し、支援対象児童等に関し、関係者間で情報の交換と支援の協議を行う機関として要保護児童対策地域協議会(以下「地域協議会」という。)を法的に位置づけた。
また、平成19年改正では、地方公共団体に対し、設置の(D努力義務)が課され、平成20年改正では、支援対象を、養育支援が特に必要である子どもやその保護者、妊婦に拡大するとともに、調整機関に専門職の配置の努力義務が課されるなど、地域協議会の機能強化が順次図られ、更なる強化が平成28年改正で行われた。
× 1. ( A )早期発見 ( B )仲介 ( C )協力体制 ( D )義務
× 2. ( A )早期発見 ( B )調整 ( C )協力体制 ( D )努力義務
○ 3. ( A )早期発見 ( B )調整 ( C )責任体制 ( D )努力義務
× 4. ( A )早期支援 ( B )仲介 ( C )責任体制 ( D )義務
× 5. ( A )早期支援 ( B )調整 ( C )責任体制 ( D )努力義務
保育士試験 平成29年(2017年)前期 児童家庭福祉 問16
次の文は、要保護児童対策地域協議会についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 要保護児童を早期に発見することを目的としている。
× B 要保護児童だけでなく、すべての児童に対し健全育成から保護までの幅広い支援を行うことができる。
- 「児童福祉法」第25条の2第2項より、「すべての児童に対する健全育成」ではなく、「要保護児童や非行児童」「要支援児童及びその保護者」「妊産婦」を対象としています。よって、誤った記述です。
× C 各関係機関等の連携促進のため、協議会の構成機関以外の機関・団体等とも積極的にすべての情報を共有することができる。
- 「すべての」情報を他機関と共有することは個人情報保護上の問題があります。よって、誤った記述です。
○ D 情報の共有化を通じて、それぞれの関係機関等の間で、それぞれの役割分担について共通の理解を持つことができる。
○ E 関係機関等が同一の認識の下に役割分担しながら支援を行うため、支援を受ける家庭がより良い支援を受けられるようになる。
保育士試験 平成28年(2016年)前期 児童家庭福祉 問12
次の文は、要保護児童対策についての記述である。誤ったものを一つ選びなさい。
○ 1. 地方公共団体は、単独で又は共同して要保護児童対策地域協議会を設置する努力義務がある。
○ 2. 2005(平成17)年より、地方公共団体は、要保護児童の適切な保護を図るため、要保護児童対策地域協議会を置くことができるようになった。
○ 3. 2004(平成16)年の「児童福祉法」改正では、市町村が児童相談の一義的な窓口と位置づけられた。
× 4. 要保護児童対策地域協議会における対象は、虐待防止ネットワークから発展した経緯があり、①要保護児童及びその保護者、②要支援児童、③特定妊婦であり、非行は入らない。
- 要保護児童対策地域協議会の対象児童は、児福法第6条の3に規定する「要保護児童(保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童)」であり、虐待を受けた子どもに限られず、非行児童なども含まれます。
○ 5. 2004(平成16)年に取りまとめられた「少子化社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画について(子ども・子育て応援プラン)」では、具体的施策として虐待防止ネットワークの設置が盛り込まれた。
保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会福祉 問19
次の文は、要保護児童対策地域協議会に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 構成員に、民生委員を加えることは可能である。
○ B 構成員に、ボランティアを加えることは可能である。
× C 協議会に関する事務を総括する機関は、児童相談所であると規定されている。
- 協議会に関する事務を総括する機関は、児童相談所に限られず、以下のように規定されています。
- 「地域協議会を設置した地方公共団体の長は、地域協議会を構成する関係機関等のうちから、一に限り調整機関を指定する。 要保護児童対策調整機関には、児童福祉担当部局あるいは母子保健担当部局といった児童福祉に関係の深い部局が指定されることが想定されるが、具体的にどの関係機関等を調整機関として指定するかは各地方公共団体の児童家庭相談体制の実情等による。」
○ D 構成員に、弁護士を加えることは可能である。
保育士試験 平成26年(2014年) 児童家庭福祉 問6
次の文は、「児童福祉法」第25条の2の一部である。( A )〜( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
地方公共団体は、単独で又は共同して、( A )の適切な保護又は( B )若しくは( C )への適切な支援を図るため、関係機関、関係団体及び児童の福祉に関連する職務に従事する者その他の関係者(以下「関係機関等」という。)により構成される要保護児童対策地域協議会(以下「協議会」という。)を置くように努めなければならない。
× 1. ( A ) 児童 ( B )要保護児童 ( C )保護者
× 2. ( A )要保護児童 ( B ) 児童 ( C )特定妊婦
× 3. ( A ) 児童 ( B )要支援児童 ( C )保護者
○ 4. ( A )要保護児童 ( B )要支援児童 ( C )特定妊婦
× 5. ( A )要支援児童 ( B )要保護児童 ( C )保護者
保育士試験 平成24年(2012年) 児童福祉 問10
次の文は、要保護児童対策地域協議会に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
○ 1. 地方公共団体は、要保護児童対策地域協議会を設置するように努めなければならない。
○ 2. 「市区町村の児童家庭相談業務等の実施状況について(平成22年4月現在)」(厚生労働省)によれば、代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議の3層構造で設置している例が半数を超える。
○ 3. 要保護児童対策地域協議会における支援の対象者には、保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童である要支援児童及びその保護者が含まれる。
× 4. 運営が適切に行われるために、協議会を設置した地方公共団体の長は、事務局機能を担う複数の要保護児童対策調整機関を指定しなければならない。
- 協議会を設置した地方公共団体の長は、事務局機能を担う要保護児童対策調整機関を「ひとつ」指定します。
○ 5. 「児童福祉法」第25条の5に基づき、要保護児童対策地域協議会を構成する機関等は、正当な理由なく、当該協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
