ソーシャル・インクルージョンって日本は世界と違うの?

ソーシャルインクルージョンの起源?

1970年代のヨーロッパにおいて、戦後の状況の中で、社会的に排除されている状態のことを「ソーシャル・エクスクルージョン」と呼びました。

その後1980年代に入り、ヨーロッパ全体で若者の失業が問題視され始めたとき、この「ソーシャル・エクスクルージョン」という言葉が注目され、同時にその対語としての、「ソーシャル・インクルージョン」という言葉が生まれました。

このときに使われたソーシャル・インクルージョンは、障害者が対象だったノーマライゼーションを発展させた概念だと言われます。

ソーシャル・インクルージョンは「さまざまな個性を持つ人を、その多様性を含めて個性として、そのまま社会の中に包摂すること」としています。

すべての人々が対象となり、社会的格差がある移民、貧困者、高齢者、女性、子供、非正規雇用者、住まい、地域によるものであり、当然のことながら障害者も含まれます。

ソーシャルインクルージョンは、社会的包含あるいは社会的包摂等と訳されます。

ソーシャルインクルージョン事例1

ある団体では、ソーシャルインクルージョンの活動として、シングルマザーと子どもたちが生き生きくらせる社会の実現を目指し、企業の協力を得てフルタイム正社員登用を見据えた就労支援を行っています。

日本の母子世帯の就業率は諸外国に比べ高いが、非正規雇用で働く割合が高く、低収入で貧困に陥りやすいです。

子育てに時間をとられる時期の働き方としてパート等を選ぶと、子どもが大きくなった時に教育費の負担が増えて苦労します。

子どもに手がかからなくなったからとフルタイム職に応募しても、採用されるのは容易ではありません。

そこで、ビジネス技能だけでなく、自己尊重意識を培う講義を設けています。

受講者にはもともと能力があって働く意欲の高い人が多く、前向き志向になると見違えるように成長します。

ソーシャルインクルージョン事例2

スターバックス コーヒー では、ソーシャルインクルージョンの活動として、日本で初めてオープンした“サイニングストア”を設置しました。

サイニングとは「手話」のことで、聴覚に障がいあるパートナー(店舗スタッフ)と聴者が共に働くお店です。

カフェという形で地域の暮らしに溶け込みます。

ソーシャルインクルージョン

過去問

保育士試験 令和4年(2022年)後期 社会福祉 問4

次のうち、社会福祉の理念に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場 合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× C ソーシャル・インクルージョンとは、国民に対して最低限度の生活を保障すること(最低生活保障)である。

  • さまざまな個性を持つ人を、その多様性を含めて個性として、そのまま社会の中に包摂することです。

保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会福祉 問60

次の文のうち、ソーシャル・インクルージョンに関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  ソーシャル・インクルージョンは、バリアフリーの概念に代わって、アメリカの工学研究者ロナルド・メイス(Ronald Mace)によって示された概念である。

  • ロナルド・メイスは、アメリカの工学研究者で、ユニバーサルデザインの提唱者です。ソーシャル・インクルージョンの概念は、フランスが発端となり1980年代にヨーロッパで確立されたといわれています。

× B  ソーシャル・インクルージョンは、WHO憲章における「健康」の定義の中で、「身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること」と記述されている。

  • W H O憲章において定義されているのは、「健康」についてです。「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定義されています。

○ C  ソーシャル・インクルージョンは、ノーマライゼーション思想とも共通し、社会福祉の理念として用いられる場合、すべての人がそれぞれの違いを尊重され、社会の一員として認められ、人権を保障されることも意味することが多い。

× D  ソーシャル・インクルージョンは、抑圧され、本来持ちうる力が潜在化している状態に置かれている人々が、本来持っている力を発揮できるような機会を作り、その力を発揮できるよう支援することをいう。

  • ソーシャルインクルージョンは、「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という理念です。問題文にあるような、本来持つ力を発揮できるような支援は、エンパワーメントにあたります。

保育士試験 令和2年(2020年)後期 社会福祉 問57

次の文のうち、社会福祉の基本理念に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× D ソーシャルインクルージョン( social inclusion )とは、カナダ及びオーストラリア地域で普及してきた理念であり、「社会的包括」あるいは「社会的包摂」等と訳されることがある。

  • ソーシャルインクルージョンとは、「社会的包括」あるいは「社会的包摂」などと訳されています。1980年代頃にヨーロッパでおこった考え方だといわれています。

保育士試験 平成28年(2016年)後期 社会福祉 問76

次の文は、相談援助等に関する専門用語についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ D  ソーシャルインクルージョンとは、社会的包含あるいは社会的包摂等と訳され、社会的に排除されやすい人々を地域社会の中で支え合い、助け合いながら暮らしていこうとする考え方である。

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会福祉 問62

次の文は、社会福祉の基本理念に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× D  ソーシャルインクルージョン( socialinclusion )とは、カナダ及びオーストラリア地域で普及してきた理念であり、「社会的包括」あるいは「社会的包摂」等と訳されることがある。

  • ソーシャルインクルージョン( socialinclusion )は、1980年代にヨーロッパで発展した概念で、障害者を隔離・排除するのではなく、共生を目指すものです。

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