貧農に読み書きを教える
パウロ・フレイレはブラジルの教育思想家です。

ブラジルで、土地をもたない貧農に対して文字の読み書きを教えました。
当時のブラジル北東部の成人識字率は50%で、政府が躍起になって識字キャンペーンをやってもほとんど成果があがりませんでした。
脅威の45日でマスター
しかし、フレイレの識字サークルに参加したひとたちは、わずか45日間のコースで文字の読み書きを見事にマスターしてしまったとのことです。

政府系の教育機関はその成果に驚き、ブラジル政府は、フレイレの方法に基づく識字キャンペーンを繰り広げる程でした。
亡命中の著書
しかし、軍のクーデターが始まると、フレイレは逮捕され、その後16年間、ボリビア、チリ、ジュネーブなどで長い亡命生活を送ります。
チリに亡命中にフレイレの主著「被抑圧者の教育学」が書かれます。

生徒を金庫、先生を預金者に例え、詰め込みの銀行型貯金を批判しました。

フレイレ
教育では「対話」が重視されるべきだとしました。
しかし、ブラジルの公用語であるポルトガルでの出版は叶わず、現地では水面下で読まれていました。
先に英語版での出版となり、ハーバードなども含め欧米のさまざまな大学で講義を行います。
その後、ブラジルに帰国し、市の教育長として公教育改革に取り組みますが、1997年に急逝します。

過去問
保育士試験 令和元年(2019年)後期 教育原理 問25
次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
B 『被抑圧者の教育学』(1979年)で、学校を通じて子どもに知識が一方的に授けられる様子を「銀行型教育」と批判し、これに代わって教育では「対話」が重視されるべきだとした。
【Ⅱ群】
ア イリイチ(Illich, I.)
イ フレイレ(Freire, P.)
ウ フレネ(Freinet, C.)
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