ロックの医学も学んだならではの思想です。
目次
ロックは二刀流
革命の動乱の最中、ロックの父も革命の参加者でした。
父の姿や動乱の時代を見て育ったためか、ロックは「政治の在り方」について考えるようになります。
大学では哲学と医学を学びました。
ある日、ある伯爵に気に入られ、秘書官と主治医に大抜擢されます。
そのときはまだ著書などは残していません。
しかし、伯爵が国王に反発したことによって、ロックにも命の危険が伴う事態となりました。
伯爵は亡命し、ロックも身の危険を感じて亡命生活を送ることになり、名著作を生み出しました。

ロック著書『人間知性論』
人間は生まれながらにして一定の知識があるという生得説を批判し、子どもの心は白紙のようなもので、経験により知識が書き込まれていくという「白紙説」(タブラ・ラサ説)を唱えました。
ロック著書「教育に関する(若干の)考察」

教育目標となる人間像を支配階級である紳士(ジェントルマン)におき、紳士は「体・徳・知」兼備の人間でなければならないとしました。
健全な身体に宿る健全な精神、これはこの世における幸福な状態というものを、簡潔ではあるが十分に言い表している。
「健全な身体に宿る健全な精神」とは、身体が健康であれば、おのずから精神も健全であるということです。
そして、身体が健康になるためには、幼児期にいったん良い習慣を身につけることだと主張しました。
若いうちから能力を上回る程度の仕事を与え、厳しく鍛えるという鍛錬主義の立場です。
そうすれば知識の習得は後からいくらでも簡単に取り返せるとしました。
ちなみに、ペスタロッチの心、頭、手とは別物です。
ロック、理想的な晩年を送る
残した主張は比較的目立つものだったのですが、痩せていて小柄で、常に病気がちの目立たない人物でした。
そのためか、敵らしい敵も存在せず、ゆっくりと読書を楽しむ晩年でした。

過去問
保育士試験 平成30年(2018年)後期 教育原理 問23
次の文のうち、正しいものを一つ選びなさい。
× 2.ロック(LoCkE, J.)は、子どもには生得的な観念があるとして、白紙説を否定した。
- ロックは生得的な観念を批判し、子どもの心は白紙のようなものだという白紙説(タブラ・ラサ説)を唱えました。
保育士試験 平成28年(2016年)前期 教育原理 問25
次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
B 経験論の代表者。人間の精神は本来白紙(タブラ・ラサ tabula rasa)のようなものであり、経験が意識内容として観念を与えるとした。これは「白紙説」ともよばれ、知識を獲得させる教育は、白紙の子どもの精神に外からいろいろと刺激を与え、観念を構成していくことだとした。
【Ⅱ群】
ア ソクラテス(Sōkratēs)
イ ロック(Locke, J.)
ウ アリストテレス(Aristotelēs)
保育士試験 平成24年(2012年) 教育原理 問121
次の文は、ロック(Locke,J.)に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
○ 1.彼は、『人間知性論』では生得観念を否定するいわゆる白紙説によって教育の可能性を大きく広げる働きをした。
○ 2.彼は、『教育に関する考察』の序文に「健康な身体に宿る健全な精神」という言葉を書き、精神と身体の関係の重要性を明らかにしている。
○ 3.彼は、教育目標となる人間像を支配階級である紳士(ジェントルマン)におき、紳士は「体・徳・知」兼備の人間でなければならないとした。
○ 4.彼は、幼児期から正しい習慣形成をすることこそが教育の基本であるとして、鍛練主義の教育を唱えた。
保育士試験 平成23年(2011年) 教育原理 問122
次の【I群】の人物と【II群】の言葉を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【I群】
A ルソー(Rousseau、J、-J.)
B カント(Kant、I.)
C ロック(Locke、J.)
【II群】
ウ 健全な身体に宿る健全な精神、これはこの世における幸福な状態というものを、簡潔ではあるが十分に言い表している。
たくさんのいいねありがとうございます。保育士の試験難しいですね(^_^;)哲学です。株とアドセンスをすすめるブログなんですけど、今は株はやらないつもりなので、気が向いたらやります。
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こちらこそありがとうございます。
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