この記事は2023令和5年後期試験に対応しております。
国民生活基礎調査は保育士試験に数回登場しているのですが、ボリュームが多いし、割合の分母がややこしくて分かりづらいですのでまとめました。
まずは覚えよう!
「高齢者世帯」とは
収入層が高齢者だということです。
「核家族」とは別物です。
「65歳以上の者」とは
高齢者のことをいいます。
世帯数ではなく人が単位です。
三世代やひとり暮らしのデータを分析するときに使います。
「65歳以上の者のいる世帯」とは
65歳以上の者がひとりでもいればカウントされます。
「高齢者のいる世帯」と同じ意味です。
「核家族」とは
「夫婦のみ」「夫婦と未婚の子」「父親また母親とその未婚の子」の世帯のことです。
ちなみに「核」とは生産世代(18〜65歳)のことで、収入層が生産世代という意味です。
「親」とは
ひとり親も含まれます。
「夫婦」とは
どの世代も含まれます。
世帯総数を抑えて数値をイメージしよう!
世帯総数のうちの世帯構造
- 単独世帯 約3割
- 夫婦と未婚の子のみの世帯 約3割
- 夫婦のみの世帯 約2割
- 三世代世帯 約1割
世帯総数のうちの世帯類型1
高齢者の単独世帯が多いことがわかります。
- その他の世帯 約7割
- 高齢者世帯 約3割
- 母子世帯 父子世帯より多い
- 父子世帯 ごくわずか
世帯総数のうちの世帯類型2
三世代世帯が少なく、高齢者は子と同居する者が少ないことがわかります。
- 65歳以上の者のいる世帯約5割
- 夫婦のみの世帯 約2割
- 単独世帯 約1割
- 親と未婚の子のみの世帯 約1割
- 三世代世帯 ごくわずか
世帯総数のうちの児童世帯
- 児童のいる世帯 約2割
- 児童のいない世帯 約8割

国民生活基礎調査
平均世帯人員
人員が少ない世帯数が増えており、みな別々に住んでいます。
2.37人(3人未満)

高齢者世帯については?
高齢者世帯のうちの世帯構造
子と同居する高齢者がほとんどいないことがわかります。
- 単独世帯 約5割
- 夫婦のみの世帯 約5割
- その他の世帯 ごくわずか

65歳以上の者のいる世帯については?
65歳以上の者のいる世帯のうちの世帯構造
三世代世帯は昭和では5割でしたが、今は1割になってしまいました。
三世代世帯は年々減少しています。

65歳以上の(者の)単独世帯
「65歳以上の単独世帯」のうちの性別
女は子と同居しない者が多いことがわかります。
- 女 約6割
- 男 約4割

児童のいる世帯
児童のいる世帯のうちの児童数別世帯
ひとりっ子が多いことがわかります。
- 児童が「1人」いる世帯 約5割
- 児童が「2人」いる世帯 約4割
- 児童が「3人以上」いる世帯 約1割
児童のいる世帯のうちの世帯構造
核家族が多いことがわかります。
- 夫婦と未婚の子のみの世帯 約8割(核家族のこと)
- 三世代世帯 約1割
- ひとり親世帯と未婚の子 約1割
児童のいる世帯の年次別の所得の状況
収入が多いことがわかります。
約810万円。(母子世帯平均年間収入の2倍)

過去問
保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の心理 問16
次のうち、日本の家族・家庭に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とし た場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 「201921 年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、1世帯あたりの平均構成人数は減少傾 向にあり、三世代世帯は減少し、単独世帯は増加している。
○ B 「201921 年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、近年は核家族世帯のうち、「夫婦と未婚 の子のみの世帯」は減少している。
C 家族の定義は、情緒面での満足といった安らぎや癒しを求めるものから、血縁や婚姻などによるつながりを重視するものへと変化してきた。
D 日本の高齢者の社会的ネットワークの特徴は、家族、親族、子どもが中心的な位置を占めているが、今後は家族・親族関係だけに頼らない、関係性を相対化できる社会的な広がりを持つことが必要である。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会福祉 問77
次の文は、「平成28令和3年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A 全世帯のうち、高齢者のいる世帯は、約2割を占める。
・65 歳以上の者のいる世帯は 2416 万 5 千世帯(全世帯の 48.4%)となっています。→令和5年も約5割
○ B 母子世帯は、父子世帯より多い。
・→令和3年も同じ
× C 全世帯のうち、最も多い世帯構造は、三世代世帯である。
・「夫婦と未婚の子のみの世帯」が 1474 万 4 千世帯(全世帯の 29.5%)で 最も多く三世代世帯266万8千世帯であり減少傾向にあります。→令和5年は「単独世帯」が最も多い。
× D 全世帯のうち、児童のいる世帯は、約1割を占める。
→令和3年も約2割です。
× E 高齢者世帯のうち、単独世帯では、女性より男性の方が多い。
・高齢者世帯のうち、単独世帯では、男性31.9 %、女性68.1%で女性の方が多いです。→令和5年も約6割
保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会福祉 問62
次の文は、ひとり親家庭の現状と対策に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ B 「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、母子世帯の平均年間収入は、児童のいる世帯の平均所得を100として比較すると、50を割っている。
- 「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると児童のいる世帯は、707.8万円 母子家庭は、348万円(49.2)父子家庭は573万円(81.0)になります。→「令和5年 国民生活基礎調査の概況」では児童のいる世帯が810万円なので50を割っています。
保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会福祉 問79
次の文は、「平成27令和3年国民生活基礎調査の概況」( 平成28年7月12日厚生労働省 )における平成27年の状況に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 平均世帯人員は、3人未満である。
○ B 児童のいる世帯は、全世帯の3割未満である。
○ C 児童のいる世帯のうち、核家族は8割以上を占めている。
× D 三世代世帯は、夫婦のみの世帯よりも多い。
正解は 1→令和3年版も同じ
保育士試験 平成24年(2012年)児童家庭福祉 問3
次の文は、わが国における近年の子どもや家庭を取り巻く状況に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
○ 5 「国民生活基礎調査」(平成20年~平成22年厚生労働省)によると、「単独世帯」は増加しているが、「三世代世帯」は減少している。
- 令和5年版でも○です。
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