帰属って一体何?思い癖を治して次も頑張ろう!

素朴、帰属など心理学用語がでてきますね。

まずは覚えよう!

馴染みのない心理学用語がでてきますので、最初に言葉のイメージをつかみましょう!

一般的に素朴とは、自然のままということです。

心理学における素朴とは、自分が経験したことを自然のまま獲得していくという意味です。

一般的に帰属とは、何かに従うという意味です。

心理学における帰属とは、出来事や他人の行動や自分の行動の原因を誰かもしくは何かのせいにすることです。

(原因)帰属理論とは、人間が普段から無意識に行っている原因分析や、責任の所在など、因果関係の推論の経過を明らかにすることを(原因)帰属理論といいます。

内的とは、自分の能力や意思などの内的な要素や状況のことです。

外的とは、偶発性などの外的な要素や状況のことです。

要因の所在とは、動機が内的か外的かということです。

安定性とは原因が時間によって左右されるかという視点です。

動機づけとは、ある行動を引き起こし、その行動を持続させ、一定の方向に導くプロセスです。

内発的動機づけとは自分から「やりたい」と内面から起こった興味や知的好奇心などが動機づけになることです。

外発的動機づけとは外部からの影響が動機づけになり、例えば義務や賞賛、罰則が動機になることです。

素朴心理学

素朴心理学とは、科学的なデータや理論ではなく、素朴な考えをどのように理解しているのかを明らかにする心理学です。

サンタクロースの存在を信じるなど、発達の上では抽象的思考の妨げになることがあります。

ハイダーが提唱しました。

その後、素朴心理学は(原因)帰属理論の発展の基礎となりました。

ちなみに素朴心理学は、素朴概念、心の理論と同義語と考えてよいです。

(原因)帰属理論

ハイダーの(原因)帰属理論とは、人間の行動はの二つに帰属することが可能であり、行動はこれら内的要因と外的要因が相互に関係していると論じました。

成功と失敗の(原因)帰属理論とは

ワイナーは、ハイダーの(原因)帰属理論を展開して成功と失敗の(原因)帰属理論を提唱しました、

ワイナーは(原因)帰属理論について要因の所在安定性という2つの視点から説明しようとしています。

ご褒美に欲しい物を買ってもらえるから勉強する等は動機が自分以外にあるといえ、成績をあげたいから勉強するのは、動機が自分にあるといえます。

具体例

例えば、テストで悪い点をとったとして原因を考える場合、下記のように人によって考え方のスタイルがあります。

A 才能がないからだ。
B 勉強しなかったからだ。
C テストが難しかったんだ。
D 運が悪かったんだ。

Aは生まれたときは既に才能がなく、それ以降は変わることがなく安定しており、また才能は自分側にある要因を原因としています。

Cのテストが難しく出来上がってしまってからは変わらず難しく、自分以外の要因によるものであり、どうすることもできません。

ワイナーはスタイルによって次の行動が変わってくるとしました。

次も頑張る(動機づけを高める)人は、成功の原因を能力や努力に帰属させ、失敗の原因を運や努力不足に帰属させる傾向が強いといわれています。

成績が悪いのは運がないから?

失敗してもその原因を、能力がないからだとし、どれだけ頑張って勉強してもいい点数が取れないことが続くと、何をやっても無駄だと感じます。

そのようなことをセリグマンは学習性無力感と名づけました。

アンダーマイニング現象??

Undermining 損なう

ワイナーやセリグマンとは関係なく、心理学一般として、動機が自分側にある行動を内発的動機づけ、動機が自分以外にある行動を外発的動機づけといいます。

内発的動機づけに基づく行動に対して外的な報酬を与えることによって、内発的動機づけが低下することをアンダーマイニング現象といいます。

ご褒美があったから勉強したのに、なくなってしまったら勉強しない等の現象です。

これは、「他者にコントロールされて行動している」「報酬のために行動している」と認識するようになり、自律性が損なわれるためです。

ついでに帰属意識とは?

帰属意識とは、わかりやすくは集団に所属し従っている意識をもつことです。

心理学用語ではありません。

集団に所属することで、ルールを守ったり、期待される役割を果たそうとします。

例えば、クラス対抗のリレーで勝つために、ルールに従って走りきり、走者を応援したりします。

ついでに保育所保育指針も!

保育所保育指針
第2章「保育の内容」
3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」
(2)「ねらい及び内容」
オ「表現」

(ウ)「内容の取扱い」子どもの自己表現は素朴な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を受容し、子ども自身の表現しようとする意欲を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい様々な表現を楽しむことができるようにすること。

過去問

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の心理 問7

次のうち、学習のメカニズムに関する【I群】の記述と【II群】の用語を結びつけた場合の正
しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】
A 学習の目標となる反応を増大させるための条件づけの手続きである。
B 生得的な反射を基礎にする刺激と反応の新たな連合の習得である。

C ある行動を引き起こし、その行動を持続させ、一定の方向に導くプロセスである。
D 課題をスモール・ステップに分割し、学習者が自分のペースで自発的に学習する方法である。

【II群】
ア 古典的条件づけ
イ 動機づけ
ウ プログラム学習
エ 道具的条件づけ
オ 強化
カ 発見学習

(組み合わせ)
A B C D
3 オ ア イ ウ

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育の心理 問3

次の文は、社会的認知の発達に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語 を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

人は行動の背後に心の状態があると想像する。例えば、物に手を伸ばしている人を見ると、その人 は物を取ろうとしていると解釈する。そのような人の心に関する日常的で常識的な知識をハイダー (Heider, F.)は( A 素朴心理学)と呼んだ。他人の心の働きを理解し、それに基づいて他人の行動を予測することができるかどうかについて、心理学の領域では( B 心の理論)の問題として研究されてきた。 ( B 心の理論)は( C 誤信念課題)と呼ばれる次に示すような方法で評価される。

【状況説明】
Sちゃんは、母親に頼まれ、チョコレートを緑の棚にしまいました。Sちゃんが遊びに行っている
間、母親はお菓子作りのためにチョコレートを取り出し、それを緑の棚ではなく青の棚にしまいました。母親が部屋を出た後にSちゃんが帰ってきて、しまっておいたチョコレートを食べようとしました。

【質問】
Sちゃんはチョコレートを見つけるためにどこを探すでしょうか。
このような場所置き換え型の問題は単一の人物の( D信念)を問うものであり、4歳以降徐々に理解が進む。

【語群】
(組み合わせ)
A B C D
○ 5 ク キ カ エ

ア 人間心理学  イ 思考
ウ コミック会話 エ 信念

オ コミュニケーション カ 誤信念課題
キ 心の理論
ク 素朴心理学

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育の心理学 問10

次の文は、動機づけに関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語の最も適 切な組み合わせを一つ選びなさい。

ある行動を引き起こし、その行動を持続させ、結果として一定の方向に導く心理的過程を動機づけ と呼ぶ。動機づけの中でも、「ご褒美に欲しい物を買ってもらえるから」「先生に褒めてもらえるから」など他の欲求を満たすための手段としてある行動を生じさせることを( A 外発的動機づけ)、「興味があるか ら」「面白いから」など行動自体を目的としてある行動を生じさせることを( B 内発的動機づけ)という。
( B 内発的動機づけ)に基づく行動に対して外的な報酬を与えることによって、( B 内発的動機づけ)が低下することを ( C アンダーマイニング現象)という。これは、「他者にコントロールされて行動している」「報酬のために行動している」と認識するようになり、( D 自律性)が損なわれるためである。

(組み合わせ) ABCD
5 外発的動機づけ 内発的動機づけ アンダーマイニング現象 自律性

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問5

次の文は、原因帰属に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

同じように成功や失敗を経験したとしても、成功または失敗の原因をどのように捉えるかによってその後の動機づけが異なる。( A ワイナー )はある出来事の原因を何に求めるかという原因帰属について、統制の位置と( B 安定性 )という2つの次元から説明しようとした。一般に、失敗の原因を( C 努力 )に帰属させると動機づけが高まるといわれているが、行動しても期待した結果が得られない状態が続くと「何をやっても無駄だ」とやる気をなくしてしまうこともある。これを( D セリグマン )は学習性無力感と呼んだ。

× 1. A:ワイナー( Weiner, B.)
B:安定性  C:運
D:セリグマン( Seligman, M. E. P.)

○ 2. A:ワイナー( Weiner, B.)
B:安定性  C:努力
D:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
× 3. A:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
B:安定性  C:能力
D:ワイナー( Weiner, B.)
× 4. A:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
B:可塑性  C:努力
D:ワイナー( Weiner, B.)
× 5. A:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
B:可塑性  C:能力
D:ワイナー( Weiner, B.)

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問7

次の文は、子どもの認知に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

目標を達成するために、自分の遂行している認知過程の状態や方略を評価し、行動の調節や統制を行う過程は( A )と呼ばれる。この( A )および( A )に伴う感覚・感情、評価や調節に使用するために認識された知識を総称して( B )と呼ぶ。( B )の発達は、( C )頃から始まり、次第に自分の思考を振り返ることが可能となる。こうした力は学校教育における学習で求められ、例えば、自分で検算して間違いを見いだすことができるようになると、計算することが面白くなるといった( D 内発的動機づけ )に結びついていく。

【語群】
ア モニタリング
イ メタ・コミュニケーション

ウ 内発的動機づけ
エ メタ認知
オ 外発的動機づけ
カ モデリング
キ 学童期後半
ク 幼児期後半

2.  A:ア  B:エ  C:ク  D:ウ

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問17

次のうち、子どもの生活や遊びに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  日常の出来事について時間的・空間的に系列化された知識はワーキングメモリと呼ばれ、それにより筋や流れのある遊びができるようになる。
○ B  ひとり遊びは幼児期前期に多くみられるが、5歳児でもひとり遊びをしているからといって発達が遅れているとは限らない。

○ C  子どもたちが集団に適応していく過程では、例えば、クラス対抗のリレーで力を合わせ、集団のルールに従うなど、自分は集団の一員であるという帰属意識を持つようになる。
○ D  他の子どもたちとの様々なやりとりを通して、状況を理解して相手の気持ちを考えることは、心の理論の獲得につながる。

4. A:×  B:○  C:○  D:○

保育士試験 令和3年(2021年)前期 保育原理 問14

次の文のうち、3歳以上児の保育の内容の取扱いに関する記述として、「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶことにより、体の諸機能の発達が促されることに留意し、子どもの興味や関心が戸外にも向くようにする。
B  一人一人を生かした集団を形成しながら人と関わる力を育てていくようにする。
C  子どもが自分の思いを言葉で伝え、他の子どもと言葉による伝え合いができるように、状況に関わらず保育士は仲立ちしないようにする。
D  子どもが日常生活の中で、文字などを使いながら思ったことや考えたことを伝える喜びや楽しさを味わいながら、同時に文字を書けるように指導する。

× E  子どもの表現は、率直であり、直接的であるので、内容の面でも方法の面でも素朴に見えるときは、大人が考えるような形式を整えた表現方法を助言する。

  1. 

A:○  B:○  C:○  D:○  E:× 

  2. 

A:○  B:○  C:×  D:×  E:× 

  4. 

A:×  B:○  C:×  D:×  E:× 

E→誤り

 【保育所保育指針「表現」内容の取り扱い(2)】より

(2) 幼児の自己表現は素朴な形で行われることが多いので、教師はそのような表現を受容し、幼児自身の表現しようとする意欲を受け止めて、幼児が生活の中で幼児らしい様々な表現を楽しむことができるようにします。

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育の心理学 問84

次の文は、生活や遊びを通した学びに関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  相手の行動を観察し、その人の意図、期待、信念、願望などを理解するようになると、相手の行動を説明したり、予測したりするようになる。
B  文化的に規定され、ステレオタイプ化された知識で、日常的なできごとを理解したり解釈したりできるようになる。

C  内発的動機づけを構成する要素で、自分の知らないことに興味をもったり、興味をもったものを深く探究したりしようとする。
D  ある行動をすると、特定の環境変化が引き続いて生じることに気付いて、その行動を繰り返し行うようになる。

【Ⅱ群】
ア 帰属理論
イ 心の理論
ウ モニタリング
エ スクリプト
オ 知的リアリズム

カ 知的好奇心
キ 観察学習
ク オペラント学習

5.  A:イ  B:エ  C:カ  D:ク

C:知的好奇心
自分の知らないことに興味を持って知ろうとしたり、深く追求したりしようとする、内発的な動機づけのもととなるものです。

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育実習理論 問143

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」オ「表現」(ウ)「内容の取扱い」の一部である。( A )〜( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもの自己表現は( A 素朴 )な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を( B 受容 )し、子ども自身の表現しようとする( C 意欲 )を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい( D 様々 )な表現を楽しむことができるようにすること。

× 1. A:自由  B:受容
  C:アイデア  D:様々
○ 2. A:素朴  B:受容
  C:意欲    D:様々
× 3. A:自由  B:推奨
  C:意欲    D:適切
× 4. A:素朴  B:推奨
  C:アイデア  D:様々
× 5. A:素朴  B:推奨
  C:意欲    D:適切

保育士試験 平成26年(2014年) 保育の心理学 問94

次の文は、保育場面でみられる幼児の行動についての記述である。A~Dの行動の基盤となる社会的発達に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

( A ) 泣いている他児に近づき、その子の頭をなでながら自分のタオルハンカチを差し出す。
( B ) 10か月児が、はじめての場所でどのように行動してよいかわからないので保育士の表情を見る。
( C ) お店屋さんごっこで、それぞれがレジ係と客になり、やりとりをしている。

( D ) グループ対抗の大縄跳び競争に勝とうと、グループでの練習に欠かさず参加している。

【語群】
ア 道徳判断
イ 向社会的行動
ウ 模倣
エ 社会的参照
オ 安全基地
カ 役割取得

キ 帰属意識
ク 対人葛藤

5. ( A )イ ( B )エ ( C )カ ( D )キ

保育士試験 平成25年(2013年) 保育の心理学 問87

次の文は、自己と他者の関係についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 自己中心性を脱し、他者の視点から物事を考えることができる能力を役割取得という。
B 表情などから他者の感情を推測し、その感情を共有することを共感性という。
C 外的報酬などを期待せずに相手のためになることを、自発的に行う行動を向社会的行動という。

○ D ある集団に属し、自分は集団の一員であると確かに感じていることを帰属意識という。

1. A○  B○  C○  D○

保育士試験 平成24年(2012年) 発達心理学 問47

次の文は、認知の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A 日常生活で獲得した知識・素朴概念は、科学的概念と矛盾しないことが知られている。

  • 『素朴概念』とは、日常生活を積み重ねる中で、無意識のうちに形成・獲得される知識のことで、そのほとんどが科学的に適切でないと言われています。

B ピアジェ(Piaget,J.)によれば、数や量の保存は、重さや体積の保存より早く獲得される。
C 初期の言葉の習得は、主に名詞に始まり、次に動詞、形容詞が加わっていく。
D 記憶の方略としてリハーサルを自発的に使い始めるのは7歳前後である。

4.  A×  B○  C○  D○

保育士試験 平成23年(2011年) 発達心理学 問50

次の文は、子どもの認知に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもは自分の思考過程を( A )し、結果を予測したり分析したりするようになる。これを( B )と呼んでいる。このような( B )は、( C )くらいから発達が始まり、次第に自分の思考を振り返ることが可能となる。こうした態度は、学校の学習において多く求められるようになり、例えば、自分で検算して間違いを見いだすことが出来るようになると、計算することがおもしろくなるといった( D 内発的動機づけ)に結びついていく。

【語群】
ア モニター
イ メタ・コミュニケーション

ウ 内発的動機づけ
エ メタ認知
オ 外発的動機づけ
カ 昇華
キ 学童期後半
ク 幼児期後半

2.  Aア  Bエ  Cク  Dウ

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