保育士は、一定以上の要件を満たすものが国家試験を受け合格する必要がある国家資格です。
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児童福祉法 第七節 保育士
第十八条の四
この法律で、保育士とは、第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
第十八条の五(欠格事項)
次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となることができない。
一 心身の故障により保育士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
改正前は、成年被後見人又は被保佐人は保育士となることができないとされていました。つまり、精神障害でいろんな判断ができないような人は保育士にふさわしくないとされていましたが、差別に値するとして上記のように改正されました。つまり、一律に障害者を資格から排除するのではなく、各資格等にふさわしい能力があるかどうかについて個別的・実質的な審査を行うことになったのです。弁護士等の他の職種も反映されています。
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
三 この法律の規定その他児童の福祉に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
四 第十八条の十九第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
五 国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の五第八項において準用する第十八条の十九第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
第十八条の六
次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となる資格を有する。
一 都道府県知事の指定する保育士を養成する学校その他の施設(以下「指定保育士養成施設」という。)を卒業した者(学校教育法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)
二 保育士試験に合格した者
第十八条の七
都道府県知事は、保育士の養成の適切な実施を確保するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、指定保育士養成施設の長に対し、教育方法、設備その他の事項に関し報告を求め、若しくは指導をし、又は当該職員に、その帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
② 前項の規定による検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
③ 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第十八条の八
保育士試験は、厚生労働大臣の定める基準により、保育士として必要な知識及び技能について行う。
② 保育士試験は、毎年一回以上、都道府県知事が行う。
③ 保育士として必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務を行わせるため、都道府県に保育士試験委員(次項において「試験委員」という。)を置く。ただし、次条第一項の規定により指定された者に当該事務を行わせることとした場合は、この限りでない。
④ 試験委員又は試験委員であつた者は、前項に規定する事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第十八条の九
都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、一般社団法人又は一般財団法人であつて、保育士試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして当該都道府県知事が指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験事務の全部又は一部を行わせることができる。
② 都道府県知事は、前項の規定により指定試験機関に試験事務の全部又は一部を行わせることとしたときは、当該試験事務の全部又は一部を行わないものとする。
第十八条の十 …
③ 都道府県は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定に基づき保育士試験に係る手数料を徴収する場合においては、第一項の規定により指定試験機関が行う保育士試験を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料の全部又は一部を当該指定試験機関へ納めさせ、その収入とすることができる。
第十八条の十二 …
第十八条の十三 …
第十八条の十四 …
第十八条の十五 …
第十八条の十六 …
第十八条の十七 …
第十八条の十八
保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
②保育士登録簿は、都道府県に備える。
③都道府県知事は、保育士の登録をしたときは、申請者に第一項に規定する事項を記載した保育士登録証を交付する。

第十八条の二十
都道府県知事は、保育士の登録がその効力を失つたときは、その登録を消除しなければならない。
第十八条の二十一
保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
第十八条の二十二
保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保育士でなくなつた後においても、同様とする。
第十八条の二十三
保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
「名称を使用してはならない」とは?名称独占資格について
資格を持っていないのに名称を名乗ると処罰「三十万円以下の罰金に処する。」を受けます。資格は、専門知識を習得していることの証明です。配置職員基準にも影響します。ただし、資格がなく保育士の仕事をすることには罰則規定はありません。そこが業務独占資格との違いです。
業務独占資格とは
資格を持っていないのに仕事をすることにはてまきません。
第十八条の二十四
この法律に定めるもののほか、指定保育士養成施設、保育士試験、指定試験機関、保育士の登録その他保育士に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

過去問
保育士試験 令和4年(2022年)後期 子ども家庭福祉 問6
次のうち、「児童福祉法」に記載されている事項として、不適切なものを一つ選びなさい。
○ 2 保育士試験の実施に関する事務
保育士試験 令和4年(2022年)後期 社会福祉 問10
次のうち、保育士の業務等に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした 場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× C 保育士となる資格を有する者は、資格取得後1年以内に保育士登録申請手続きをしなければ、その効力を失う。
- そのような記述はありません。
保育士試験 令和2年(2020年)後期 子ども家庭福祉 問3
次の文のうち、「児童福祉法」における保育士に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A 保育士となる資格を有する者が保育士となるには、市町村に備える保育士登録簿に必要事項の登録を受けなければならない。
- 第18条の18にあります。市町村ではなく、都道府県にて登録をします。
× B 保育士資格は業務独占資格である。
- 第18条の23にあります。名称独占資格です。業務内容は保育士という名称を用いなければ行えるものもあります。
× C 保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないが、保育士でなくなった後は、このかぎりではない。
- 第18条の22にあります。保育士でなくなった後も、秘密保持に努めます。正し、虐待などの正当な理由のある場合は、秘密保持の義務にあたりません。
○ D 保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
保育士試験 平成23年(2011年) 社会福祉 問10
次の文は保育士資格に関する記述である。正しいものを一つ選びなさい。
× 1.保育士でなくなった後は、有資格者であった時の業務に関して知り得た秘密について守秘義務はなくなる。
- 守秘義務違反(正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らす行為、保育士でなくなった後においても同様)をした場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
× 2.保育に関する業務以外のことでの信用失墜行為であれば、信用失墜行為の禁止に違反せず処分はない。
- 業務以外のことであっても、保育士の信用を傷つけるような行為をした場合登録の取り消しまたは保育士の名称使用の停止です。
× 3.保育士資格は業務独占であるため、保育士でない者は保育を行うことはできない。
- 保育士は名称独占資格なので、資格がなくてもその業務に従事することはできますが、保育士または紛らわしい名称を名乗ることはできません。
× 4.禁固以上の刑に処せられた場合、刑を終えてからの期間に関わりなく保育士になることはできない。
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過していない人は保育士登録はできません。
○ 5.保育士試験受験者は、保育士試験に合格し、都道府県の保育士登録簿に登録して保育士になることができる。
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