最初に
発達心理学での調査方法は3つあります。
- 縦断的方法
- 横断的方法
- コホート研究
縦断的方法とは
縦断的方法とは、発達変化を捉えるために、同一の対象者を長期間にわたって調べる方法をいいます。
縦断とは縦の方向に断ち切るという意味です。
例えば、ひとりの乳幼児から親になるまでの長期間を調査し、適切な親子関係を明らかにします。
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横断的方法とは、異なる年齢毎に集団をつくり、その集団間の違いから、発達的変化を検討する方法です。
一度にデータを収集できるため、時間的コストがかからず、たくさんの標本を集めることもできますが、生まれた時代の影響を受ける可能性があります。
例えば、認知機能に運動がどのように影響するかを調べる場合、運動量や認知機能テストを実施しての結果を分析することで、最も効果的な運動の種類を知ることができます。
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コホート研究とは、特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究です。
例えば、原爆被爆者における健康影響調査などがあります。
コホートとは、古代ローマの軍隊の数百人程度の兵員単位を表すものです。
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保育士試験 令和5年(2023年)後期 保育の心理学 問3
次のうち、発達を捉える方法に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 観察対象がありのままに生活や遊びをしている状況で観察を行う方法を、自然観察法という。
B 条件や状況を操作・統制して観察を行う方法を、実験的観察法という。
× C 発達変化を捉えるために、同一の対象者を長期間にわたって調べる方法を、横断的方法という。
- 縦断的方法といいます。
D 調査したい事柄や目標はあるものの、具体的な質問は「○○について」というきっかけの質問に始まり、対象者の自由な語りを引き出すような面接を、非構造化面接という。
(組み合わせ)A B C D1 ○ ○ × ○
保育士試験 平成28年(2016年)後期 保育の心理学 問88
次の文は、高齢期の知的機能についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
⚪︎ A 高齢期の知的機能については、縦断研究やコホート研究によって新たな知見が示されてきている。
⚪︎ B 人生の問題に対処する能力である英知(wisdom)は、高齢期にも上昇する場合がある。
× C 過去の経験や獲得した知識に基づく知能は流動性知能と呼ばれ、高齢期でも低下しにくい。
D 高齢期における知的機能の低下は、その機能を使わなくなるということが一つの要因となる。
2. ( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )○