単なる福祉サービスかと思っていたら、割と人気で、発達障害者が大人になったときに利用できるよいサービスだと感心しました。
福祉サービス利用援助事業( 日常生活自立支援事業 )とは
福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)は、根拠法「社会福祉法」に基づく利用者の権利擁護事業の一つです。
認知症や知的・精神障害者の中でも判断能力が不十分な人が、自立した日常生活が送れるように福祉サービスの利用の援助等を行うものです。
利用希望者が多いので、単なる浪費癖がある人は利用できません。
本事業は、第2種社会福祉事業に規定されています。
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事業の具体的援助内容は、日常的金銭管理サービスだけでなく、預金通帳の預かりサービス、預金の入出金などのサービス、書類等の預かりサービス、苦情解決制度の利用援助があります。
苦情解決制度の利用援助は、本事業の他、福祉サービス全般における苦情があったときにも利用できます。
ただし、契約をする等の法的な業務はありません。
https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});県とか市とかどういう関係?
実施主体は、都道府県社会福祉協議会、政令指定都市社会福祉協議会、委託された市町村社会福祉協議会です。
言い回しが難しいのですが、実務は市町村社会福祉協議会が担っているということでしょう。
都道府県社会福祉協議会には、事業を適正に実施するために、契約締結審査会と運営適正化委員会が設けられています。
運営適正委員会は本事業を含めた福祉サービス事業全般の苦情相談あっせんも行います。

実施主体は、本事業の実施状況を運営適正化委員会に定期的に報告することとされています。
こちらもややこしいのですが、担当部署職員が契約締結審査会や運営適正委員会に出席し、メンバー(教授などの有識者)に報告するということです。
利用者は増加傾向?!
利用にあたっては、利用希望者が住所地の社会福祉協議会に申し込むことになっていますが、そこまでの動きは家族・親族や成年後見人が支えとなっています。
サービスの利用料は、原則として利用者負担であるにもかかわらす、実利用者数は漸次増加傾向(近年は職員不足のため横ばい傾向)にあります。
https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-3679999081423815 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});事例で覚えよう!
19歳男性Cさんは特別支援学校を卒業し、現在はスーパーマーケットで働いています。
Cさんの障害年金や給料は一緒に住む母親が管理していて、すべて生活費に充てられ貯金もできない状態でした。
Cさんには「貯金もしたい」「お小遣いもほしい」という思いが強くありました。
以前からCさんと関わりのあった障害者相談支援事業所の相談員から、最寄りの社会福祉協議会の専門員に相談があり、日常生活自立支援事業を利用することになりました。
通帳と印鑑は社会福祉協議会で預かり、月に1回、Cさんは生活支援員と一緒に銀行に行きます。
障害年金と給料が振り込まれていることを確認し、一カ月分の必要経費(生活費として母親に渡す分、自分のお小遣い分)をおろします。
最近は、お金のことで不安になることもなく、家族との関係も少しずつ良くなっており、生活が安定してきました。
何よりも貯金ができるようになり、貯蓄が増えていくのが楽しみなCさんです。
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保育士試験 令和6年(2024年)前期 社会福祉 問16
⚪︎ A 社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的とする法人として、長年、福祉サービスの供給確保の中心的な役割を果たしてきた。
⚪︎ B 生活困窮者自立支援制度は、福祉事務所を設置する地方自治体において、複雑かつ多様な課題を背景とする生活困窮者に対し、各種支援等を実施するほか、地域のネットワークを構築し、生活困窮者の早期発見や包括的な支援につなげている。
× C 介護保険制度が定着し、サービス利用者の増加に伴い、介護費用が増大し、介護保険制度開始当時2000(平成12)年度の介護費用が、2020(令和2)年度には約6倍となった。
⚪︎ D 成年後見制度は、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより、財産の管理または日常生活等に支障がある者を支える重要な手段である。
(組み合わせ)
A B C D
2 ○ ○ × ○
保育士試験 令和5年(2023年)前期 社会福祉 問16
次のうち、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)は、すべての高齢者を利用対象者としている。
- 対象を「すべての高齢者」としていますが、正式には、「認知症高齢者、知的障碍者、精神障害者等のうち、判断能力が不十分な者」となっています。
× B 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)の実施主体は、各都道府県及び指定都市の社会福祉協議会及び地域包括支援センターとされている。
- 実施主体は、都道府県社会福祉協議会、政令指定都市社会福祉協議会となっています。地域包括支援センターは実施主体ではありませんので、Bの解答は×です。
⚪︎ C 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)は、「社会福祉法」に基づく利用者の権利擁護事業の一つである。
× D 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)では、生活福祉資金貸付制度を実施している。
- 生活福祉資金貸付制度は、生活困窮者自立支援法にある、生活困窮者自立支援制度と連携して支援を行っていくため、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)ではありません。
5. A:× B:× C:○ D:×
保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会福祉 問17
次のうち、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
⚪︎ A「社会福祉法」によって定められている。
× B 第1種社会福祉事業として位置づけられている。
- 第1種ではなく、第2種社会福祉事業に規定されています。第1種は入所型が多く、第2種は通所型が多いのが見分けるポイントです。(一部例外あり)
⚪︎ C 事業の実施主体は、都道府県と指定都市の社会福祉協議会である。
× D 利用にあたっては、利用希望者が住所地の福祉事務所に申し込むことになっている。
- 福祉事務所ではなく、社会福祉協議会に申し込むことになっています。
2. A:○ B:× C:○ D:×
保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会福祉 問75
次の文のうち、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A 判断能力が不十分な認知症高齢者のみを対象としている。
- 社会福祉法第二条三の十二によると福祉サービス利用援助事業は、精神上の理由により日常生活を営むのに支障がある者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービスの利用に関し相談に応じ、及び助言を行い、並びに福祉サービスの提供を受けるために必要な手続又は福祉サービスの利用に要する費用の支払に関する便宜を供与することその他の福祉サービスの適切な利用のための一連の援助を一体的に行う事業をいいます。精神上の理由には、認知症高齢者だけでなく、知的障害者、精神障害者等が含まれます。
× B 事業の実施主体は、地域包括支援センター及び福祉事務所とされている。
- 福祉サービス利用援助事業の実施主体は、都道府県社会福祉協議会または、指定都市社会福祉協議会、委託された市町村社会福祉協議会です。社会福祉法第八十一条に、社会福祉協議会の行う福祉サービス利用支援事業等について定められています。
× C 事業の具体的な援助内容は、日常的金銭管理サービスのみである。
- 事業の具体的援助内容は、日常的金銭管理サービスだけでなく、福祉サービスの利用援助のほか、書類等の預かりサービスがあります。
⚪︎→× D 全国社会福祉協議会によると、事業開始から2017(平成29)年度まで、実利用者数は漸次増加傾向にあるとされている。
- 近年は横ばい傾向
5. A:× B:× C:× D:○
保育士試験 平成30年(2018年)前期 社会福祉 問77
次の文は、福祉サービス利用援助事業( 日常生活自立支援事業 )についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
⚪︎ A サービスの利用料は、原則として利用者が負担する。
⚪︎ B 利用者が申請することは可能である。
× C 利用者は、原則として65歳以上の者である。
- サービス対象者となるのは①判断能力が不十分な方(認知症高齢者・知的障害者・精神障害者であって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入力、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うのが困難な方)、②本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる方のいずれにも該当していることが条件となります。
⚪︎ D 実施主体は、本事業の実施状況を運営適正化委員会に定期的に報告することとされている。
2. ( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )○
保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会福祉 問65
次の文は、社会福祉事業に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
⚪︎ A 第一種社会福祉事業は、入所型事業など、利用者の生活に対する影響が大きく、事業の継続性や安定性の確保等の必要性が高いものが対象とされている。
⚪︎ B 第二種社会福祉事業は、社会福祉事業のうち、第一種社会福祉事業でないものであり、通所型事業など、利用者の生活に対する影響が第一種社会福祉事業に比べてそれほど大きくないものが対象とされている。
× C 第一種社会福祉事業は、国、地方公共団体または一般社団法人が経営することを原則としている。
- 第一種社会福祉事業は、国、地方公共団体または社会福祉法人が経営することを原則としています。一般社団法人ではありません。
⚪︎ D 「社会福祉法」に規定されている福祉サービス利用援助事業は、第二種社会福祉事業である。
2. A:○ B:○ C:× D:○
保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会福祉 問79
次の文は、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)は、福祉サービス利用契約時に、契約の判断ができない者に代わって契約をする等の法的な業務が中心である。
- 「法的な業務」を行うのは民法に基づく「成年後見人制度」で、問題文のような法的な業務は、福祉サービス利用援助事業の中心業務ではありません。よって、誤った記述です。
⚪︎ B 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)は幅広い役割を担い、例えば、預金通帳の預かりサービス、預金の入出金などのサービスが含まれる。
⚪︎ C 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)を適正に実施するために、契約締結審査会と運営適正化委員会が設けられている。
× D 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)は、弁護士、司法書士、社会福祉士などが担う制度である。
- この事業は家族・親族や成年後見人が担っています。成年後見人制度には特に資格はなく、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職が多くを占めていますが、家族や親族も担っているという点から不適切といえます。
5. ( A )× ( B )○ ( C )○ ( D )×
保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会福祉 問80
次の文は、社会福祉における利用者の保護に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「社会福祉法」において、利用者保護の観点は、地域福祉の推進と並んで明確に規定されている。
B 第三者評価制度の意義は、サービス提供者自身が問題点を明らかにし、それを自主改善するというよりは、第三者評価機関が問題点を公表して指導・介入することによりサービスの質を向上させるということである。
C 第三者評価制度は、社会福祉改革における利用者本位の潮流の中から新しい制度として生み出され、すべての児童福祉施設が実施することを「児童福祉法」で義務付けている。
⚪︎ D 福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)は、苦情解決制度の利用援助を行う。
3. ( A )○ ( B )× ( C )× ( D )○
保育士試験 平成24年(2012年) 社会福祉 問15
不適切な組み合わせを一つ選びなさい。
1. 児童虐待に係る通告先 ― 「児童虐待の防止等に関する法律」 ― 市町村、児童相談所、福祉事務所、児童委員
2. 配偶者からの暴力の発見者による通報先 ― 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」 ― 配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)、警察官
× 3. 日常生活自立支援事業(福祉サービス利用支援事業) ― 「障害者自立支援法」 ― 民生委員
- 日常生活自立支援事業は、障害者自立支援法(平成25年に障害者総合支援法に改称)ではなく、社会福祉法に基づくものです。また、実施主体は民生委員ではなく、社会福祉協議会です。
4. 要支援高齢者の介護予防 ― 「介護保険法」 ― 地域包括支援センター
5. 高齢者虐待に係る通報先 ― 「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」 ― 市町村
保育士試験 平成23年(2011年) 社会福祉 問7
次の文は、苦情解決制度に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
⚪︎ A 都道府県社会福祉協議会に設置されている運営適正化委員会の目的は、福祉サービス利用援助事業の適正な運営の確保と、福祉サービスに関する利用者等からの苦情の適切な解決の2つである。
× B 苦情解決制度の仕組みにおいて、運営適正化委員会の行う苦情の解決のための相談は、最初に事業者に苦情の申出を行ったうえで、その申出人が改めて申出するという法的規定となっている。
× C 苦情解決制度の体制として、事業所内に苦情解決責任者、苦情受付担当者、苦情監視委員を設置することが「児童福祉法」によって定められている。
⚪︎ D 都道府県社会福祉協議会に設置されている運営適正化委員会に寄せられた苦情の分野別の内訳件数は、平成21年度は多い順に、障害分野、老人分野、その他の分野、児童分野となっている。
3. A D