帰属意識は言葉と意味をしっかり覚え、原因帰属は流れと人名を覚える程度に、難しく理解する必要はありません。
目次
帰属とは?
帰属とは、言い換えると何かに従うという意味です。
帰属意識とは?
帰属意識とは、わかりやすくは集団に所属し従っている意識をもつことです。
集団に所属することで、ルールを守ったり、期待される役割を果たそうとします。
帰属意識の具体例
例えば、クラス対抗のリレーで勝つために、ルールに従って走りきり、走者を応援したりします。
原因帰属とは
原因帰属とは、ある行動がどんな原因に従っているかを推測することです。
原因帰属は、心理学用語であり、ワイナーが提唱しました。
ワイナーは原因帰属について要因の所在と安定性という2つの視点から説明しようとしています。
安定性とは原因が時間によって左右されるかという視点です。
原因帰属の具体例
例えば、テストで悪い点をとったとして原因を考える場合、下記のように人によって考え方のスタイルがあります。
A 才能がないからだ。
B 勉強しなかったからだ。
C テストが難しかったんだ。
D 運が悪かったんだ。
Aは生まれたときは既に才能がなく、それ以降は変わることがなく安定しており、また才能は自分側にある要因を原因としています。
Cのテストが難しく出来上がってしまってからは変わらず難しく、自分以外の要因によるものであり、どうすることもできません。
勉強して成績を上げよう!
ワイナーはスタイルによって次の行動が変わってくるとしました。
次も頑張る(動機づけを高める)人は、成功の原因を能力や努力に帰属させ、失敗の原因を運や努力不足に帰属させる傾向が強いといわれています。
成績が悪いのは運がないから?
失敗してもその原因を、能力がないからだとし、どれだけ頑張って勉強してもいい点数が取れないことが続くと、何をやっても無駄だと感じます。
そのようなことをセリグマンは学習性無力感と名づけました。

過去問
保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問5
次の文は、原因帰属に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
同じように成功や失敗を経験したとしても、成功または失敗の原因をどのように捉えるかによってその後の動機づけが異なる。( A ワイナー )はある出来事の原因を何に求めるかという原因帰属について、統制の位置と( B 安定性 )という2つの次元から説明しようとした。一般に、失敗の原因を( C 努力 )に帰属させると動機づけが高まるといわれているが、行動しても期待した結果が得られない状態が続くと「何をやっても無駄だ」とやる気をなくしてしまうこともある。これを( D セリグマン )は学習性無力感と呼んだ。
× 1. A:ワイナー( Weiner, B.)
B:安定性 C:運
D:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
○ 2. A:ワイナー( Weiner, B.)
B:安定性 C:努力
D:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
× 3. A:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
B:安定性 C:能力
D:ワイナー( Weiner, B.)
× 4. A:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
B:可塑性 C:努力
D:ワイナー( Weiner, B.)
× 5. A:セリグマン( Seligman, M. E. P.)
B:可塑性 C:能力
D:ワイナー( Weiner, B.)
保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問17
次のうち、子どもの生活や遊びに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× A 日常の出来事について時間的・空間的に系列化された知識はワーキングメモリと呼ばれ、それにより筋や流れのある遊びができるようになる。
○ B ひとり遊びは幼児期前期に多くみられるが、5歳児でもひとり遊びをしているからといって発達が遅れているとは限らない。
○ C 子どもたちが集団に適応していく過程では、例えば、クラス対抗のリレーで力を合わせ、集団のルールに従うなど、自分は集団の一員であるという帰属意識を持つようになる。
○ D 他の子どもたちとの様々なやりとりを通して、状況を理解して相手の気持ちを考えることは、心の理論の獲得につながる。
4. A:× B:○ C:○ D:○
保育士試験 平成26年(2014年) 保育の心理学 問94
次の文は、保育場面でみられる幼児の行動についての記述である。A~Dの行動の基盤となる社会的発達に関する用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
( A ) 泣いている他児に近づき、その子の頭をなでながら自分のタオルハンカチを差し出す。
( B ) 10か月児が、はじめての場所でどのように行動してよいかわからないので保育士の表情を見る。
( C ) お店屋さんごっこで、それぞれがレジ係と客になり、やりとりをしている。
( D ) グループ対抗の大縄跳び競争に勝とうと、グループでの練習に欠かさず参加している。
【語群】
ア 道徳判断
イ 向社会的行動
ウ 模倣
エ 社会的参照
オ 安全基地
カ 役割取得
キ 帰属意識
ク 対人葛藤
5. ( A )イ ( B )エ ( C )カ ( D )キ
保育士試験 平成25年(2013年) 保育の心理学 問87
次の文は、自己と他者の関係についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 自己中心性を脱し、他者の視点から物事を考えることができる能力を役割取得という。
B 表情などから他者の感情を推測し、その感情を共有することを共感性という。
C 外的報酬などを期待せずに相手のためになることを、自発的に行う行動を向社会的行動という。
○ D ある集団に属し、自分は集団の一員であると確かに感じていることを帰属意識という。
1. A○ B○ C○ D○
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