かわいい赤ちゃんの原始反射はたくさん種類があり、YouTubeを見てるとつい時間が過ぎてしまいます。
また原始反射が体の発達と連続的に関連しており、発達障害のチェックにもなり非常に興味深いです。
でも保育士試験となると別ですので、覚えるものは必要以上にやらない方がよいです。
目次
- 1 原始反射とは?
- 2 過去問
- 2.1 保育士試験 令和3年(2021年)後期 子どもの保健 問98
- 2.2 保育士試験 令和2年(2020年)後期 子どもの保健 問103
- 2.3 保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問85
- 2.4 保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問85
- 2.5 保育士試験 平成28年(2016年)前期 子どもの食と栄養 問12
- 2.6 保育士試験 平成27年(2015年) 子どもの保健 問106
- 2.7 保育士試験 平成25年(2013年) 子どもの保健 問1
- 2.8 保育士試験 平成24年(2012年) 発達心理学 問43
- 2.9 保育士試験 平成23年(2011年) 小児栄養 問82
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原始反射とは?
原始反射とは、生まれたときから自然と備わっている反射のことで、多くは生後4ヶ月くらいに消失します。
また、神経系の異常や未発達であるか否かを判定する指針のひとつでもあります。
自動歩行

自動歩行
原始反射のうちの自動歩行とは、ハイハイすることや歩くための能力です。
新生児の両脇を支えて身体を支え、足を床に着け、少し前かがみの姿勢をとらせると新生児でも足を交互にあげて歩くような動作をします。
生後2か月頃に消失します。
哺乳反射

哺乳反射
哺乳反射とは、生まれた直後でもおっぱいを吸える能力です。
哺乳反射のうち、口に入ってきたものが吸えると判断した場合は、吸啜反射や探索反射があります。
逆に吸えないものが口に入ってきた場合は舌で押し出します。
この動作により、離乳食をうまく食べれないときがあるため、哺乳反射が完全に消失していなくても減弱するまで待ちます。
■探索反射
探索反射とは、頬や唇に吸えそうなものが触れると顔を向けて口を開きます。
生後4か月頃に消失します。
■吸啜反射
吸啜反射とは、吸えそうなものが口に入ってきたら強く吸います。
生後6か月頃に消失します。
ピアジェは原始反射をきっかけに発達するとしました。
モロー反射

モロー反射
モロー反射とは、危険を知らせて守ってもらう能力です。
大きな音や光、頭を持ち上げたあと急に離すなどの刺激があった時に、手足を伸展したあと、しがみつくようなしぐさのことです。
生後4か月頃に消失します。
把握反射

把握反射
把握反射とは、手足で何かを掴むための能力です。
手足に刺激を与えると握り返す動作を行い、神経を発達させます。
生後4か月頃に消失します。
緊張性頸反射

緊張性頸反射
緊張性頸反射とは、目と手を協調させるための能力です。
この反射を行うことにより、神経や筋肉を発達させます。
仰臥位の状態にして頭を横に向けると、顔が向いている側の手足を伸展させ、反対側を屈曲させる反射です。
生後4か月頃に消失します。
バビンスキー反射

バビンスキー反射
バビンスキー反射とは、立つための能力です。
足の裏の外側を強くこすると、足の親指が反り返ったり、他の4本の指が扇状に開いたりする動作です。
生後24か月頃に消失します。
過去問
保育士試験 令和3年(2021年)後期 子どもの保健 問98
次のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ D モロー反射は出生時にみられるが、発達が進むとともに消失する。
保育士試験 令和2年(2020年)後期 子どもの保健 問103
新生児に普通に見られる反射運動で、ある時期になると消えていくものを原始反射というが、次に示す反射と、その発現から消失時期の組み合わせで不適切なものを一つ選びなさい。
○ 1. 大きな音でびっくりしたときや落ちると感じたときに起こる。腕は伸び、さらに抱きしめるような動きがある(モロー反射) ―――― 出生時~4か月ごろ
○ 2. 頬や口のまわりを指で触れるとそちらに顔を向けて探し、口を開けたりする反射(探索反射) ―――― 出生時~4か月ごろ
× 3. 口唇に触れると乳を吸う動作をする(吸啜反射) ―――― 出生時~12か月ごろ
- 吸啜反射とは原始の一つで、新生児が口に入ってきたものを強く吸う反射です。4~5か月ころから少しずつ薄れ、6、7か月ころには消えていく反射なので、出生時~12か月ごろという部分が誤りとなります。
○ 4. 背臥位のときに頭部を右もしくは左の方向(一つの方向)に向けると、顔の向いた側の手足は伸びて、反対側の手足は曲がっている姿勢(フェンシングの姿勢)をとる(緊張性頸反射) ―――― 出生時~5か月ごろ
○ 5. 足の裏をペンなどで刺激すると、足の指は背屈し扇状にひろがる(バビンスキー反射) ―――― 出生時~24か月ごろ
保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問85
次の文は、乳児の身体・運動の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
× D 手に触れたものを握ろうとする把握反射が新生児にみられ、生後3か月になると指さしが出現する
- 把握反射は原始反射の一つで、手や足に何かが触れると握ろうと指を曲げる仕草を見せます。指さしが始まるのは統計的に10か月頃です。指さしは言葉を習得する前の赤ちゃんにとって重要なコミュニケーション手段です。自分の周りの興味関心のあるものに対して指さしを通して、周囲に伝えようとしているのです。
保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問85
次の説明を読んで、以下の【設問】に答えなさい。
新生児は、生存を維持するための生得的な仕組みを備えている。
【設問】
生存を維持するための生得的な仕組みとして、あてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の、正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A バビンスキー反射
○ B 信号行動
× C 社会的微笑
○ D 顔の形態的特徴
保育士試験 平成28年(2016年)前期 子どもの食と栄養 問12
次の文は、「授乳・離乳の支援ガイド」(平成19年:厚生労働省)に示されている離乳と離乳の支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 離乳の開始頃の発達の目安として、首のすわりがしっかりしている、支えてやるとすわれる、食物に興味を示す、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる(哺乳反射の減弱)などがあげられる。
保育士試験 平成27年(2015年) 子どもの保健 問106
次の文は、原始反射についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
× A 原始反射とは、未熟児にみられ、成熟児にはみられない。
- 原始反射は未熟児だけではなく、成熟児にも見られます。
○ B 原始反射には、探索・吸啜反射、把握反射、自動歩行などがある。
× C 緊張性頸反射は、原始反射であるが生後1歳頃までみられる。
- 緊張性頸反射は、大体生後2カ月から6カ月頃に消失します。
○ D モロー反射が生後10 か月まであると、中枢神経系の異常が疑われる。
× E バビンスキー反射は生後8か月頃に消失する。
- バビンスキー反射は通常2歳頃までに消失します。
保育士試験 平成25年(2013年) 子どもの保健 問1
次の文は、新生児の原始反射に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
○ 1. モロー反射は、仰臥位で頭を持ち上げたあと急に離すと、手足を伸展したあと、抱きつくように屈曲する反射である。
○ 2. 哺乳反射は、口のまわりに何か触れると、その方向に顔を向け、口の中に何か入ると吸啜する反射である。
○ 3. 把握反射は、手のひらに触れた物は強く握り、足の裏に触れた物は握ろうとする反射である。
○ 4. 緊張性頸反射は、仰臥位で頭を一方に向けると、向けたほうの上下肢が伸展する反射である。
× 5. 新生児にみられる原始反射は、健康な成人にもみられる。
- 原始反射が健康な成人に見られることはありません。
保育士試験 平成24年(2012年) 発達心理学 問43
次の【I群】の記述と【II群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【I群】
A 新生児は足裏の外側面に刺激を受けると、足の親指が反り返ったり、他の4本の指が扇状に開いたりする。
- バビンスキー反射
B 新生児は仰向けに寝た状態で頭部を左右どちらかに向けると、顔を向けた側の上下肢を伸ばす。
- 緊張性頸反射
C 新生児の手のひらの内側をそっと撫でると、新生児はそれをつかもうとするかのように手を握る。
- 把握反射
D 新生児の寝ているベッドを強く叩いたりすると、新生児は両腕を広げて抱きつくような動きをする。
- モロー反射
【II群】
ア モロー反射
イ バビンスキー反射
ウ 緊張性頸反射
エ 把握反射
保育士試験 平成23年(2011年) 小児栄養 問82
次の文は、「授乳・離乳の支援ガイド」(平成19年:厚生労働省)に示されている咀しゃく機能の発達と食事に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
○ A 哺乳反射とは、意思とは関係ない反射的な動きであり、生後4~5か月から少しずつ消え始める。
× B 哺乳反射による動きが完全に消失した後に、離乳食を開始する。その時期はおよそ生後5か月になったころが適当である。
- 哺乳反射が完全に消失していなくても、少しずつ随意的に哺乳できるようになってきていれば、離乳を開始して大丈夫です。目安としては、生後5~6か月で、離乳食を始めます。
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