ルソーの不幸な生い立ちを知ってエミールを理解しよう!

ルソーに影響された著名人はたくさんいることに驚きます。

保育士試験にも何回もでてきて本当にすごいです。

ルソー

ルソーはスイスで生まれ、不幸な生い立ちを過ごします。

生後まもなく母親を亡くし、父親が告訴され国外逃亡し貧困に苦しみます。

その後、牧師に預けられましたが、その牧師の妹から身に覚えのない罪で度々体罰を受けていました。

その後、横暴な彫金師の弟子入りを強いられ、日常的に虐待を受けていました。

しかし、青年になったルソーはある女性に出合い、保護され愛され生涯でもっとも幸福な時間を過ごしました。

そのうち、女性の家は家計が傾きルソーの居場所はなくなってしまいました。

ルソーは、女性への恩返しのためにパリでの出世を志すようになります。

独り立ちして間もなく、別の女性に出会い、恋に落ち、「決して捨てないし結婚もしない」という条件で生涯添い遂げます。

二人の間には五人の子供ができますが、経済力のないルソーはその子達を孤児院に入れました。

ある日雑誌の広告を目にし、「学問及び芸術の進歩は道徳を向上させたか、あるいは腐敗させたか」という課題の懸賞論文を募集していることを知ります。

ルソーに突然の閃きが生じて、30分にわたり精神が高揚して動けなくなってしまいました。

「これを読んだ瞬間、わたくしは他の世界を見ました。わたくしは他の人間になってしまった。」と後に述べています。

『人間不平等起源論』を応募して見事に入選したのです。

その後、あの有名な社会契約論を書きます。

社会契約論

社会契約論

著書「社会契約論」は、理想的な社会についてが描かれており、民主主義を基本としました。

「エミール」では、そんな理想的な社会を作り出すのに必要な教育についてが書かれているのです。

エミール

エミール

ルソーが教師として、一人の子どもをルソー自身があずかり育てるお話です。

「万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる」という名言があります。

人間の本来の性は善であるが、不徳(美徳や真理)により悪くなっていくので、無用な教えや干渉(伝統、歴史、社会、政治)を排しなければならないとし、当時のフランスの教育のあり方を批判しました。

そして、子どもの内発的な力(好奇心等)を重視することを消極教育といい、子どもの人格や自由を尊重し、子どもの自然な成長を促すことが教育の根本であると主張しました。

ルソーは、人間は3種類の教育がされるとし、人間の力ではどうすることもできない能力は「自然」であるため、優れた教育のためには「人間の教育」と「事物の教育」を「自然の教育」に合わせなければならないと主張しました。

  • 自然:器官の内部的発展。
  • 事物:実物による経験教育
  • 人間:自然の発展をいかに利用すべきかを教える

(この内容は後に神を冒涜していると批判されることになります。)

子どもは「小さな大人」ではなく、「子ども」であると考え、子どもと大人の本質的な差異を認めて重要性を指摘しました。

「子どもを愛するがいい。子どもの遊びを、楽しみを、その好ましい本能を、好意をもって見守るのだ」と述べました。

ルソーは「子どもの発見者」と言われます。

しかし『エミール』の自然をとしている内容が、物議を醸しだしました。

キリスト教を否定する思想は当時は危険思想だったのです。

印刷の段階で中断が相次ぎ容易に出版できず、世間からは厳しく断罪されました。

『エミール』は焚書とされ、ルソー自身に対しても逮捕状が出ました。

ルソーはパリを離れてイヴェルトンに亡命しようとしました。

しかし、そのイヴェルトンでもルソーへの迫害がはじまり、ルソーの居場所はどこにもなくなりつつありました。

ルソーは友人の反対にもかかわらずパリに帰ります。

しかしパリ市民の人気は熱狂的なもので、警察はルソーの所在を知っていましたが、逮捕しようとしませんでした。

そのため、ルソーはパリで思うように過ごすことができ、もてなしを受けたりして、趣味の植物採集を楽しむことができた反面、被害妄想にも悩まされました。

そのうちルソーの容態は急激に悪化して、そのまま帰らぬ人となりました。

絵画、地図作成、音楽と多才で、「むすんでひらいて」を作曲しました。

ルソーの漫画

ルソーに影響を受けた人

過去問

保育士試験 令和3年(2021年)前期 保育実習理論 問141

次の文のうち、適切な記述を一つ選びなさい。

○ 2.ルソー(Rousseau, J.−J.)は、「むすんでひらいて」を作曲した。

保育士試験 令和3年(2021年)前期 教育原理 問25

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

C  スイスで生まれフランスで活躍した思想家。子どもと大人の本質的な差異を認め、「子どもの発見者」と言われる。『エミール』の著者で、人間の本来の性は善であるが、伝統、歴史、社会、政治などにより悪くなっていくと主張した。

【Ⅱ群】

ア  コメニウス(Comenius, J.A.)
イ  ルソー(Rousseau, J.−J.)
ウ  ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)
エ  フレーベル(Fröbel, F.W.)

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育原理 問17

次の【Ⅰ群】の語句と最も関連の深い人名を【Ⅱ群】から選び、それぞれを結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  消極的教育
B  メトーデ
C  ガーベ(恩物)
D  性格形成学院

【Ⅱ群】
ア  オーエン(Owen, R.)
イ  フレーベル(Fröbel, F.W.)

ウ  ルソー(Rousseau, J.-J.)
エ  ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)

保育士試験 平成31年(2019年)前期 保育原理 問7

次の文は、ルソー(Rousseau, J. – J.)についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  『人間不平等起源論』(1755年)や『社会契約論』(1762年)を著した。

○ B  『エミール』(1762年)では、人間は、自然、事物、人間という3種類の先生によって教育されるとし、これら3者のうちで人間の力ではどうすることもできないのは「自然の教育」であるため、優れた教育のためには「人間の教育」と「事物の教育」を「自然の教育」に合わせなければならないと主張した。

○ D  『エミール』(1762年)の中で示された、「美徳や真理を教えることではなく、心を不徳から、精神を誤謬(ごびゅう)からまもる」教育の考え方は「消極教育」と呼ばれ、子どもの内発的な力を重視する教育の源流となった考え方である。

保育士試験 平成30年(2018年)前期 児童家庭福祉 問42

次の文は、子ども観の変遷に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

○ 2.ルソー( Rousseau,J.-J. )は、1762年に『エミール』において、「子ども期」の重要性を指摘した。

保育士試験 平成27年(2015年) 保育原理 問4

次の文のうち、倉橋惣三の著作『育ての心』の一部として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× D 子どもを愛するがいい。子どもの遊びを、楽しみを、その好ましい本能を、好意をもって見守るのだ。

  • 「子どもを愛するがいい。 子どもの遊びを、楽しみを、その好ましい本能を、好意をもって見守るのだ」この言葉は、ルソーの『エミール』の一部です。

保育士試験 平成27年(2015年) 教育原理 問25

この教育は、自然か人間か事物によってあたえられる。わたしたちの能力と器官の内部的発展は自然の教育である。この発展をいかに利用すべきかを教えるのは人間の教育である。わたしたちを刺激する事物についてわたしたち自身の経験が獲得するのは事物の教育である。

1.コメニウス(Comenius, J.A.)

2.ルソー(Rousseau, J.-J.)

3.フレーベル(Fröbel, F.W.)

4.モンテッソーリ(Montessori, M.)

5.ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)

保育士試験 平成24年(2012年) 保育原理 問102

次の文は、保育の発展に寄与した人物とその主な功績についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× C ルソー(Rousseau.J.-J.)は、フランスの啓蒙思想家であり新教育運動の先駆者である。社会中心主義を基本原理とする「エミール」を著した。

  • ルソーはフランスで活躍した哲学者、政治哲学者で哲学や倫理学、人間学、自然学の他に音楽や音楽理論、文学や文学理論など幅広い興味を持ち独自の思想を残しています。ルソーの「エミール」は民主主義を基本とし、教育の目標として人間の自然性を重視したこと、教育の対象としての「子ども」を発見したことが書かれています。

保育士試験 平成23年(2011年) 教育原理 問122

次の【I群】の人物と【II群】の言葉を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】
A ルソー(Rousseau、J、-J.)
B カント(Kant、I.)
C ロック(Locke、J.)

【II群】

イ 万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。

  • ルソー・万物を作る者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。ルソーの著書『エミール』の一部。『子どもの発見』を謳った人。『子どもは小さな大人ではない』『性善説』が有名である。

保育士試験 平成23年(2011年) 保育原理 問103

次の【I群】は、世界の保育思想の歴史に関する記述である。これと、【II群:著書名】、【III群:人名】を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】

(2) 「自然の教育」(能力や身体器官の内部発展)、「事物の教育」(実物による経験教育)、「人間の教育」(「自然の教育」を基礎にした教育)を説き、無用な教えや干渉を排した「消極的教育」にもとづく「自己統制、自己教育」を主張した。

【II群】
A 乳幼児の精神衛生
B 隠者の夕暮

C エミール
D 人間の教育
E 子供の誕生
F 学校と社会

【III群】
ア デューイ (Dewey,J.)
イ ルソー  (Rousseau,J.-J.)
ウ アリエス (Philippe Aries)
エ ボウルビィ(Bowlby,J.)
オ フレーベル(Frobel,F.W.)

ルソーの不幸な生い立ちを知ってエミールを理解しよう!」への1件のフィードバック

  1. I didn’t read the book Emile but the idea it’s absolutely true the children must be educated on focus on children. Well written 👌🌹❣️🍫

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