母子生活支援施設の職員配置基準!なぜ必要なのかがわかる!

母子生活支援施設運営指針・児童福祉法と比較しながら配置職員を見ていきましょう!児童養護施設と違う記述の場合は色表示をしています。

他施設の職員配置はこちら

ちなみに、母子生活支援施設と母子父子福祉センターとは別物です。

母子生活支援施設の長

母子生活支援施設運営指針では…

施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(母子生活支援施設の長の資格等)

第二十七条の二 母子生活支援施設の長は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、厚生労働大臣が指定する者が行う母子生活支援施設の運営に関し必要な知識を習得させるための研修を受けた者であつて、人格が高潔で識見が高く、母子生活支援施設を適切に運営する能力を有するものでなければならない。

一……

保育士(保育所を設置する場合)

母子生活支援施設運営指針では…

①健やかな子どもの育ちを保障するために、養育・保育に関する支援を行う。

・子どもの成長段階、発達段階に応じた養育支援を行う。

・母親と子どもの関係を構築するための保育、保育所に入所できない子どもの保育や早朝・夜間・休日等の保育、子どもの病気・けが等の際の保育、母親が体調の悪いときの保育等、ニーズに応じた様々な施設内での保育支援を行う。

・放課後の子どもの生活の安定や活動を保障し、活動場所、プログラム等を用意するとともに、日常生活上必要な知識や技術の伝達、遊びや行事等を行う。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

第二十六条第四号の規定により、母子生活支援施設に、保育所に準ずる設備を設けるときは、保育所に関する規定(第三十三条第二項を除く。)を準用する。

2 保育所に準ずる設備の保育士の数は、乳幼児おおむね三十人につき一人以上とする。ただし、一人を下ることはできない。

母子支援員

母子生活支援施設運営指針では…

5.支援のあり方の基本

(3)支援を担う人の原則
①母親に対する支援

・複合的な生活課題や心理的課題に対して、生活を共にする視点から、母親と子どもの生活の場に身を置き、その立場に立った支援に努めることが求められる。

・孤独感や自己否定からの回復のため、人は本来回復する力をもっているという視点(ストレングス視点)に基づいた支援を行い、母親のエンパワーメントへつなげることが必要である。

・子どもの発達段階に応じた子育ての技術を母親に伝え、子育て支援を行っていく。

・母親に対し、親役割の遂行という視点からのみ支援するのではなく、ひとりの人間としての自己実現をめざすことを支持し、共感する視点も大切にした支援を行う。また、母親自身が厳しい生活環境のなかで子ども期を過ごし、子どもに必要な福祉が阻害されてきた場合も多いため、母親自身の生活史における思いや願いに寄り添った支援も求められる。

・支援や子どもの育ちにおいて、常に母親と子どものパートナーであることを意識することが求められる。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

母子支援員(母子生活支援施設において母子の生活支援を行う者をいう。以下同じ。)、…を置かなければならない。

母子支援員の数は、母子十世帯以上二十世帯未満を入所させる母子生活支援施設においては二人以上、母子二十世帯以上を入所させる母子生活支援施設においては三人以上とする。

母子支援員の資格要件はこちら

少年を指導する職員

母子生活支援施設の少年を指導する職員

母子生活支援施設運営指針では…

子どもが自立に必要な力を身につけるために、学習や進路、悩み等への相談支援を行う。

落ち着いて学習に取り組める環境を整え、適切な学習支援を行い、学習の習慣を身につけるとともに、学習への動機づけを図る。

・安心して学校に通えるように、宿題、支度等の学校生活に関する支援を行う。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

…、少年を指導する職員…を置かなければならない。

少年を指導する職員の数は、母子二十世帯以上を入所させる母子生活支援施設においては、二人以上とする。

児童指導員とは別物です。

(職業指導員)

設置業務なし

(児童と起居を共にする職員)

設置業務なし

(家庭支援専門相談員)

設置業務なし

(支援する家庭がありません)

(里親支援専門相談員)

設置業務なし

個別対応職員

母子生活支援施設運営指針では…

虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

配偶者からの暴力を受けたこと等により個別に特別な支援を行う必要があると認められる母子に当該支援を行う場合には、個別対応職員を置かなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨

虐待を受けた児童等の施設入所の増加に対応するため、被虐待児等の個別の対応が必要な児童への1対1の対応、保護者への援助等を行う職員を配置し、虐待を受けた児童等への対応の充実を図ることを目的とする。

2 配置施設

個別対応職員を配置する施設は、児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設及び母子生活支援施設とする。

心理療法担当職員(心理療法を行う場合)

母子生活支援施設運営指針では…

虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

施設における他の専門職種との多職種連携を強化するなどにより、心理的支援に施設全体で有効に取り組む。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

心理療法を行う必要があると認められる母子十人以上に心理療法を行う場合には、心理療法担当職員を置かなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨

虐待等による心的外傷等のため心理療法を必要とする児童等及び夫等からの暴力等による心的外傷等のため心理療法を必要とする母子に、遊戯療法、カウンセリング等の心理療法を実施し、心理的な困難を改善し、安心感・安全感の再形成及び人間関係の修正等を図ることにより、対象児童等の自立を支援することを目的とする。

2 配置施設

心理療法担当職員を配置する施設は、次の施設とする。

(3)母子生活支援施設にあっては、心理療法を行う必要があると認められる母又は子10人以上に心理療法を行う施設

心理療法担当職員の資格要件はこちら

(医師)

設置義務なし

嘱託医

母子生活支援施設運営指針では…

・それは、「課題解決」と日常の「生活支援」を組み合わせて、母親と子どもの生活の安定と自立、子どもの健康な発達と自立を目指し、その時どきの個別のニーズや課題に対して利用者と共に取り組んでいく支援、日常のかかわりの中でその母親と子どもが元来もつニーズの充足をめざす支援、日常の様々な事象における利用者にとっての意味を見いだし、実践の意味を確認しつつ進めていく支援であり、ソーシャルワークの考え方を基盤とした総合的支援である。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

嘱託医を置かなければならない。

(看護師)

設置義務なし

(医療的ケアを担当する職員)

設置義務なし

(栄養士)

設置業務なし

調理員(外部委託しない場合)

母子生活支援施設運営指針では…

・それは、「課題解決」と日常の「生活支援」を組み合わせて、母親と子どもの生活の安定と自立、子どもの健康な発達と自立を目指し、その時どきの個別のニーズや課題に対して利用者と共に取り組んでいく支援、日常のかかわりの中でその母親と子どもが元来もつニーズの充足をめざす支援、日常の様々な事象における利用者にとっての意味を見いだし、実践の意味を確認しつつ進めていく支援であり、ソーシャルワークの考え方を基盤とした総合的支援である。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

調理員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する施設にあつては調理員を置かないことができる。

母子生活支援施設の職員配置

過去問

保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育実習理論 問156

次の文は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)に基づく母子生活支援施設における職員に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  利用者(母親)の多くはドメスティック・バイオレンスの被害経験があるため、男性職員は母子生活支援施設で働くことができない。

  • 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に、そのような記述はありません。

○ B  母子の生活支援を行う職員を母子支援員という。

× C  児童の支援を行う職員を児童指導員という。

  • 母子生活支援施設で児童の支援を行う職員は「少年を指導する職員」です。「児童指導員」は児童養護施設、乳児院、児童発達支援センター、障がい児入所施設等に配置されます。

× D  心理療法を行う必要があると認められる母子が1人でもいる場合には、心理療法担当職員を置かなければならない。

  • 心理療法をおこなう必要があると認められる母子10人以上に心理療法を行う場合には、心理療法担当職員を置かなければなりません。

母子生活支援施設運営指針 第Ⅰ部 総論 1度読んで理解!! 

ここでは、母子生活支援施設運営指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通していることは当たり前として、児童養護施設運営指針と違う部分を色表示にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

児童養護施設入所調査も合わせて理解を深めて下さい。

ちなみに、以前は母子生活支援施設は母子寮と呼ばれていました。

1.目的

・この「運営指針」は、母子生活支援施設における支援の内容と運営に関する指針を定めるものである。社会的養護を担う母子生活支援施設における運営の理念や方法、手順などを社会に開示し、支援の質の確保と向上に資するとともに、また説明責任を果たすことにもつながるものである。

・この指針は、施設で暮らし、退所していく母親と子どもにとって、よりよく生きること(well-being)を保障するものでなければならない。また、社会的養護には、社会や国民の理解と支援が不可欠であるため、母子生活支援施設を社会にひらかれたものとし、地域や社会との連携を深めていく努力が必要である。さらに、そこで暮らす母親と子どもに「安定した生活の営み」を保障する取組を創出していくとともに、母子生活支援施設が持っている支援機能を地域へ還元していく展開が求められる。

・家庭や地域における養育機能の低下が指摘されている今日、社会的養護のあり方には、養育のモデルとなる専門的な水準が求められている。子どもは子どもとして人格が尊重され、子ども期をより良く生きることが大切である、また、子ども期における精神的・情緒的な安定と豊かな生活体験は、発達の基礎となると同時に、その後の成人期の人生に向けた準備でもある。
・この指針は、こうした考え方に立って、社会的養護の様々な担い手との連携の下で、社会的養護を必要とする子どもたちとその母親への適切な支援を実現していくことを目的とする。

2.社会的養護の基本理念と原理 

(1)社会的養護の基本理念

①子どもの最善の利益のために

・児童福祉法第1条で「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」と規定され、児童憲章では「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、良い環境の中で育てられる。」とうたわれている。
・児童の権利に関する条約第3条では、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」と規定されている。
・社会的養護は、子どもの権利擁護を図るための仕組みであり、「子どもの最善の利益のために」をその基本理念とする。

②すべての子どもを社会全体で育む

・社会的養護は、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、公的責任で社会的に保護・養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うものである。
・子どもの健やかな育成は、児童福祉法第1条及び第2条に定められているとおり、すべての国民の努めであるとともに、国及び地方公共団体の責任であり、一人一人の国民と社会の理解と支援により行うものである。
・児童の権利に関する条約第20条では、「家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。」と規定されており、児童は権利の主体として、社会的養護を受ける権利を有する。
・社会的養護は、「すべての子どもを社会全体で育む」をその基本理念とする。  

(2)社会的養護の原理

社会的養護は、これを必要とする子どもと家庭を支援して、子どもを健やかに育成するため、上記の基本理念の下、次のような考え方で支援を行う。

①家庭的養護と個別化

・すべての子どもは、適切な養育環境で、安心して自分をゆだねられる養育者によって、一人一人の個別的な状況が十分に考慮されながら、養育されるべきである。
・一人一人の子どもが愛され大切にされていると感じることができ、子どもの育ちが守られ、将来に希望が持てる生活の保障が必要である。
・社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障していくことが重要であり、社会的養護を地域から切り離して行ったり、子どもの生活の場を大規模な施設養護としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「家庭的養護」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要である。

②発達の保障と自立支援

・子ども期のすべては、その年齢に応じた発達の課題を持ち、その後の成人期の人生に向けた準備の期間でもある。社会的養護は、未来の人生を作り出す基礎となるよう、子ども期の健全な心身の発達の保障を目指して行われる。
・特に、人生の基礎となる乳幼児期では、愛着関係や基本的な信頼関係の形成が重要である。子どもは、愛着関係や基本的な信頼関係を基盤にして、自分や他者の存在を受け入れていくことができるようになる。自立に向けた生きる力の獲得も、健やかな身体的、精神的及び社会的発達も、こうした基盤があって可能となる。
・子どもの自立や自己実現を目指して、子どもの主体的な活動を大切にするとともに、様々な生活体験などを通して、自立した社会生活に必要な基礎的な力を形成していくことが必要である。

③回復をめざした支援

・社会的養護を必要とする子どもには、その子どもに応じた成長や発達を支える支援だけでなく、虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要となる。
・また、近年増加している被虐待児童や不適切な養育環境で過ごしてきた子どもたちは、虐待体験だけでなく、家族や親族、友達、近所の住人、保育士や教師など地域で慣れ親しんだ人々との分離なども経験しており、心の傷や深刻な生きづらさを抱えている。さらに、情緒や行動、自己認知・対人認知などでも深刻なダメージを受けていることも少なくない。
・こうした子どもたちが、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるようにしていくことが必要である。

④家族との連携・協働

・保護者の不在、養育困難、さらには不適切な養育や虐待など、「安心して自分をゆだねられる保護者」がいない子どもたちがいる。また子どもを適切に養育す ることができず、悩みを抱えている親がいる。さらに配偶者等による暴力(DV)などによって「適切な養育環境」を保てず、困難な状況におかれている親子がいる。
・社会的養護は、こうした子どもや親の問題状況の解決や緩和をめざして、それに的確に対応するため、親と共に、親を支えながら、あるいは親に代わって、子どもの発達や養育を保障していく包括的な取り組みである。

⑤継続的支援と連携アプローチ

・社会的養護は、その始まりからアフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。
・児童相談所等の行政機関、各種の施設、里親等の様々な社会的養護の担い手が、それぞれの専門性を発揮しながら、巧みに連携し合って、一人一人の子どもの社会的自立や親子の支援を目指していく社会的養護の連携アプローチが求められる。
・社会的養護の担い手は、同時に複数で連携して支援に取り組んだり、支援を引き継いだり、あるいは元の支援主体が後々までかかわりを持つなど、それぞれの機能を有効に補い合い、重層的な連携を強化することによって、支援の一貫性・継続性・連続性というトータルなプロセスを確保していくことが求められる。
・社会的養護における養育は、「人とのかかわりをもとにした営み」である。子どもが歩んできた過去と現在、そして将来をより良くつなぐために、一人一人の子どもに用意される社会的養護の過程は、「つながりのある道すじ」として子ども自身にも理解されるようなものであることが必要である。

⑥ライフサイクルを見通した支援

・社会的養護の下で育った子どもたちが社会に出てからの暮らしを見通した支援を行うとともに、入所や委託を終えた後も長くかかわりを持ち続け、帰属意識を持つことができる存在になっていくことが重要である。
・社会的養護には、育てられる側であった子どもが親となり、今度は子どもを育てる側になっていくという世代を繋いで繰り返されていく子育てのサイクルへの支援が求められる。
・虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切っていけるような支援が求められている。

(3)社会的養護の基盤づくり

・社会的養護は、かつては親のない、親に育てられない子どもを中心とした施策であったが、現在では、虐待を受けた子ども、何らかの障害のある子ども、DV被害の母子などが増え、その役割・機能の変化に、ハード・ソフトの変革が遅れている。
・社会的養護は、大規模な施設養護を中心とした形態から、一人一人の子どもをきめ細かく育み、親子を総合的に支援していけるような社会的な資源として、ハード・ソフトともに変革していかなければならない。
・また、家庭的養護の推進は、養育の形態の変革とともに、養育の内容も刷新していくことが重要である。
・社会的養護は、家庭的養護を推進していくため、原則として、地域の中で養育者の家庭に子どもを迎え入れて養育を行う里親やファミリーホームを優先するとともに、児童養護施設、乳児院等の施設養護も、できる限り小規模で家庭的な養育環境(小規模グループケア、グループホーム)の形態に変えていくことが必要である。
・ソーシャルワークとケアワークを適切に組み合わせ、家庭を総合的に支援する仕組みづくりが必要である。

・施設は、社会的養護の地域の拠点として、施設から家庭に戻った子どもへの継続的なフォロー、里親支援、社会的養護の下で育った人への自立支援やアフターケア、地域の子育て家庭への支援など、専門的な地域支援の機能を強化し、総合的なソーシャルワーク機能を充実していくことが求められる。

・社会的養護の役割はますます大きくなっており、これを担う人材の育成・確保が重要な課題となっている。社会的養護を担う機関や組織においては、その取り組みの強化と運営能力の向上が求められている。

3.母子生活支援施設の役割と理念 

・母子生活支援施設は、児童福祉法第38条の規定に基づき、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所したものについて相談その他の援助を行うことを目的とする施設である。

・また、第48条の2の規定に基づき、地域の住民に対して、児童の養育に関する相談に応じ、助言を行うよう努める役割も持つ。

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)第3条の4に定める被害者を一時保護する委託施設としての役割もある。

・母子生活支援施設の支援においては、母親と子どもへのあらゆる人権侵害を許さず、その尊厳を尊重し、生活を守ることを徹底して追求する。

・母子生活支援施設における生活支援は、母親と子どもが共に入所できる施設の特性を生かしつつ、親子関係の調整、再構築等と退所後の生活の安定を図り、その自立の促進を目的とし、かつ、その私生活を尊重して行わなければならない。

・また、個々の家庭生活や稼動の状況に応じ、就労、家庭生活や子どもの養育に関する相談、助言並びに関係機関との連絡調整を行う等の支援を行わなければならない。

配置職員の記事はこちら

・この目的を達成するため、母子生活支援施設は、入所中の個々の母親と子どもについて、その家庭の状況を勘案し、よりよい支援につなげるため母親と子どもの意向を尊重したうえで、自立支援計画を策定しなければならない。

4.利用対象 

(1)母子生活支援施設の利用対象と留意事項

母子生活支援施設の利用者は、未婚や離婚・死別などの配偶者のない女性の他に、DV、児童虐待、夫からの遺棄、夫の行方不明・拘置などにより、夫婦が一緒に住むことができない事情にある女子で、養育すべき児童を有している世帯である。

母子世帯になった理由は離婚が半分以上
厚生労働省 児童養護施設入所児童等調査の概要
入所理由は「配偶者からの暴力」が半分以上
厚生労働省 児童養護施設入所児童等調査の概要

日本はひとり親世帯の貧困率がOECD加盟国の中でも高く、格差社会の拡大が母子世帯等の自立を困難にしている現状がある。また、利用世帯の中にはそれまでの生活環境の厳しさから、心身に不調をきたしている利用者、様々な疾患や障害を有する利用者や外国籍の利用者も増加しており、そのニーズは多岐にわたる。そのため、利用者の課題を正しく理解し、必要な支援を高い専門性をもって提供する必要がある。

(2)母親と子どもの年齢等

・母子生活支援施設は、乳児から18歳に至るまでの子どもを対象としている。また18歳を超えても、必要があると認められる場合は、20歳に達するまで利用を延長することができる。

・さらに、支援を行うことが特に必要であると認められる妊産婦にあっては、婦人相談所が行う一時保護委託として保護することができる。子どもの最善の利益や発達状況をかんがみて、妊産婦の利用期間の延長や一時保護の受託に対応していくことが望ましい。

・母子生活支援施設を利用する子どもは、妊産婦をも含む全年齢層の子どもであることから、その心身の発達や発育、成長は一人一人異なる。また、子どもの生活体験も多様であり、その環境や大人とのかかわりが、心身の成長に影響を与えることを踏まえ、子どもの状態に応じた支援を行わなければならない。

対象児童の年齢は乳児〜19歳
厚生労働省 児童養護施設入所児童等調査の概要

・母子生活支援施設は児童福祉施設でありながら、その母親も一緒に世帯単位で入所していることが大変重要な点である。母親の年齢は16歳~60歳代と子ども以上に年齢幅が大きい。抱える課題も様々であり、母子生活支援施設はこれらの幅広い年齢の多岐にわたる課題を抱える世帯に対して、日常生活支援を中心として「生活の場」であることに軸足を置いた支援を展開する必要がある。

在籍期間は様々
母親の年齢幅が大きい
厚生労働省 児童養護施設入所児童等調査の概要

・退所の時期は、それぞれの抱える課題が解決でき、地域での生活が安定して送ることができる見込みができた時点であり、それぞれの抱える課題の内容や数、活用できる資源によって必要な在籍期間は様々である。また、退所については、 利用者・福祉事務所・施設の三者で課題の解決状況について確認したうえで決定することが必要である。

母子生活支援施設運営指針

5.支援のあり方の基本 

(1)基本的な考え方

・支援におけるかかわりは母親と子どものそれぞれの人格と個性を尊重し、人としての尊厳を重視したものでなければならない。また、様々な支援の局面があるとしても、合理的で計画的な一貫した専門的支援を行う。このことは、支援の効果を高め、それぞれの関係者に対する説明責任を果たす根拠ともなる。さらにコンプライアンスの遵守にもつながる。

・また、対利用者、連携等における専門的対人援助スキルの発現を徹底する。

①生活の場であればこそできる支援

・支援は、できるだけ親子、家庭のあり方を重視して行われることが重要であることから、母子生活支援施設は、入所型の施設の特性を生かし、母親と子ども対して生活の場であればこそできる日常生活支援を提供する。

・入所に当たっての支援、入所初期の生活の安定への支援、就労支援、心理的問題への対応、問題を抱えたときの個別支援、退所支援、その後のアフターケアという一連の過程において、利用者の意向を意識しつつ目標設定を行い、切れ目のない支援を計画的に展開する。

・利用者の課題を正しく理解し、必要な支援を高い専門性をもって提供する必要がある。

・それは、「課題解決」と日常の「生活支援」を組み合わせて、母親と子どもの生活の安定と自立、子どもの健康な発達と自立を目指し、その時どきの個別のニーズや課題に対して利用者と共に取り組んでいく支援、日常のかかわりの中でその母親と子どもが元来もつニーズの充足をめざす支援、日常の様々な事象における利用者にとっての意味を見いだし、実践の意味を確認しつつ進めていく支援であり、ソーシャルワークの考え方を基盤とした総合的支援である。

②母親と子どもへの支援を行ううえでの職員の配慮

・様々な事由で入所してくる母親と子どもに対しては、入所時には質的にも量的にも最も濃密な支援を必要とする。その後、母親と子どものニーズに即しまた自立に向けた中、長期の支援を行う配慮が求められる。

・母親と子どもは、ともに入所前の厳しい生活環境のなかで自己肯定感が低められたり、社会や他者への信頼を傷つけられている場合も多い。そのため、母親と子どもが、ともに自己肯定感を回復し高める支援が重要である。また、「自分は自分のままでよい」という安心と癒しの場の提供に心がけ、「ひとを信じても良い」と思えるようなかかわりを職員は醸成していかなければならない。

(3)支援を担う人の原則

①母親に対する支援

・複合的な生活課題や心理的課題に対して、生活を共にする視点から、母親と子どもの生活の場に身を置き、その立場に立った支援に努めることが求められる。

孤独感や自己否定からの回復のため、人は本来回復する力をもっているという視点(ストレングス視点)に基づいた支援を行い、母親のエンパワーメントへつなげることが必要である。

・子どもの発達段階に応じた子育ての技術を母親に伝え、子育て支援を行っていく。

・母親に対し、親役割の遂行という視点からのみ支援するのではなく、ひとりの人間としての自己実現をめざすことを支持し、共感する視点も大切にした支援を行う。また、母親自身が厳しい生活環境のなかで子ども期を過ごし、子どもに必要な福祉が阻害されてきた場合も多いため、母親自身の生活史における思いや願いに寄り添った支援も求められる。

・支援や子どもの育ちにおいて、常に母親と子どものパートナーであることを意識することが求められる。

②子どもに対する支援

・職員は、子どもとの関係づくりにおいて、常に自らのあり方を問われている。専門的なかかわりや知識、技法の修得や、子どもと一緒に行動する人、生活に根ざした知恵や感性をもち、ユーモアのセンスのある人、善悪の判断を適切に示し、いざというときに頼りになる人、など子どもに求められる大人像に応える努力が望まれる。

・子どもが生きている幸せを感じられるようなさりげない配慮がこもった日常生活のために、創意工夫が望まれる。そのための職員間の協力、スーパービジョン、マネジメントが必要である。また、子どもが持っている力や強み(ストレングス)に着目し、エンパワーメントしていくことも重要である。

③母親と子どもの関係性における支援

・ひとつの家族として関係が安定するよう双方の代弁や調整を行い、親子関係の強化、再構築を図っていく。

・家族の課題や状態を見極め、その現象の背後にある事実や思いを把握するとともに、母親と子どもの相互作用を活用し、不適切な関係を調整し良好な関係を構築していく。

・ハイリスクで緊急を要する状況の場合には、ただちに危機介入を行うことが求められる。

④支援を担う人

・支援の知識、支援の技術、支援の価値を理解した専門家となることを追求するとともに、「ともに成長しようとする大人」としての存在であることが求められる。

・職員の専門性は、たえず見直されなければならない。そのため、研修を活用するとともに、他職種によるケースカンファレンス、支援の実践と研究の並列的な推進が必要である。

・職員は、自己の感情を適切にコントロールして支援にあたることが求められる。また、自分自身の基準で利用者を評価的にとらえるのではなく、あるがままに理解し、受け止めようとする姿勢が求められる。

母親と子どもへの支援はチームで行なわなければならない。また、個人的力量で対応したり、経験や勘のみに頼ったりすることは、独りよがりで誤った支援に陥るおそれがある。チームでの支援をシステムとして構築し、質の高いチームづくりをすることが重要である。

・職員は、利用者に様々なニーズに対応する適切な支援を保障し、「支援の質」の向上を意識することが求められる。そのために職員が専門職として成長する、スーパービジョンの体制構築が重要である。

6.母子生活支援施設の将来像 

(1)入所者支援の充実

・母子生活支援施設は、かつては母子寮という名称であった。生活に困窮する母子家庭に住む場所を提供し保護することが主な機能であった時期を経て、平成9年の児童福祉法改正では名称変更とともに「自立の促進のために生活を支援する」という施設目的が追加された。近年では、DVや虐待による入所、障害のある母親や子どもの入所が増えている。

虐待経験ありは57.7%
児童養護施設入所調査 厚生労働省

・母子生活支援施設は、施設による取り組みの差が大きく、入所者の生活支援・自立支援に積極的に取り組む施設がある一方、従来型の住む場所の提供にとどまる施設も多い。母子生活支援施設の将来像は、平成23年7月の社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会によるとりまとめ「社会的養護の課題と将来像」にあるように、すべての施設に、人権擁護を基盤とした、母親に対する支援、子どもに対する支援、虐待の防止やDV被害者への支援、児童養護施設等からの子どもの引き取りによる母子再統合への支援、アフターケア、地域支援などの支援機能を充実させていく必要がある。

(2)広域利用の確保等

DV被害者は、加害者から逃れる等のために遠隔地の施設を利用する必要性が高い場合がある。そのために円滑な広域利用を推進することが重要である。

母子生活支援施設の利用のための事務は、母子福祉施策等との連携のため、福祉事務所で行われているが、児童虐待防止やDV被害者保護の役割があることから、児童相談所や配偶者暴力相談支援センターと連携、協働しながら、その支援機能を果たしていくことが重要である。

続きはこちら

家庭支援専門相談員になるには 資格要件でイメージする!

家庭支援専門相談員になるには

家庭支援専門相談員の資格要件

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
(第42条第2項)

家庭支援専門相談員は、社会福祉士若しくは精神保健福祉士の資格を有する者、児童養護施設において児童の指導に五年以上従事した者又は法第十三条第三項各号のいずれかに該当する者でなければならない

家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、心理療法担当職員、個別対応職員、職業指導員及び医療的ケアを担当する職員のについて(局長通知)

家庭支援専門相談員は、社会福祉士若しくは精神保健福祉士の資格を有する者、児童養護施設等において児童の養育に5年以上従事した者又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)第13条第3項各号のいずれかに該当する者でなければならない。

児童福祉法

第十三条
③ 児童福祉司は、都道府県知事の補助機関である職員とし、次の各号のいずれかに該当する者のうちから、任用しなければならない。
一 都道府県知事の指定する児童福祉司若しくは児童福祉施設の職員を養成する学校その他の施設を卒業し、又は都道府県知事の指定する講習会の課程を修了した者
二 学校教育法に基づく大学又は旧大学令に基づく大学において、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者(当該学科又は当該課程を修めて同法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)であつて、厚生労働省令で定める施設において一年以上児童その他の者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う業務に従事したもの
三 医師
四 社会福祉士
五 精神保健福祉士
六 公認心理師
七 社会福祉主事として二年以上児童福祉事業に従事した者であつて、厚生労働大臣が定める講習会の課程を修了したもの
八 前各号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの

amazonサイト

家庭支援専門相談員はどんなことをするの?

家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、心理療法担当職員、個別対応職員、職業指導員及び医療的ケアを担当する職員のについて(局長通知)

第1 家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)

1 趣旨

虐待等の家庭環境上の理由により入所している児童の保護者等に対し、児童相談所との密接な連携のもとに電話、面接等により児童の早期家庭復帰、里親委託等を可能とするための相談援助等の支援を行い、入所児童の早期の退所を促進し、親子関係の再構築等が図られることを目的とする。

4 家庭支援専門相談員の業務内容

(1)対象児童の早期家庭復帰のための保護者等に対する相談援助業務
① 保護者等への施設内又は保護者宅訪問による相談援助
② 保護者等への家庭復帰後における相談援助

(2)退所後の児童に対する継続的な相談援助

(3)里親委託の推進のための業務
① 里親希望家庭への相談援助
② 里親への委託後における相談援助
③ 里親の新規開拓

(4)養子縁組の推進のための業務
① 養子縁組を希望する家庭への相談援助等
② 養子縁組の成立後における相談援助等

(5)地域の子育て家庭に対する育児不安の解消のための相談援助

(6)要保護児童の状況の把握や情報交換を行うための協議会への参画

(7)施設職員への指導・助言及びケース会議への出席

(8)児童相談所等関係機関との連絡・調整

(9)その他業務の遂行に必要な業務

amazonサイト

家庭支援専門相談員はどこで働くの?

児童養護施設10人以上の乳児院児童心理治療施設及び児童自立支援施設に配置されています。

ポイントは…

家庭支援専門相談員は、児童福祉司同等の教育学、心理学または社会学の知識が必要ということです。

児童福祉施設内の保護者相談所のようなイメージです。

ちなみに家庭相談員とは別物です。

amazonサイト

過去問

保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会福祉 問7

次の文のうち、社会福祉の相談員に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ C  乳幼児を10人以上入所させる乳児院には、家庭支援専門相談員を置かなければならない。

保育士試験 令和3年(2021年)前期 社会的養護 問16

次のうち、社会的養護関係施設に配置される職員とその施設の組み合わせとして、不適切なものを一つ選びなさい。

× 1.家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー) ―― 母子生活支援施設

  • 家庭支援専門相談員の配置が義務付けられているのは、乳児院・児童養護施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設 です。【母子生活支援支援施設】では、嘱託医、母子支援員、少年を指導する職員、調理員又はこれに変わるべき者は必ず配置しなければなりません。必要に応じて心理療法担当職員、個別対応職員を配置することになっています。

保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会的養護 問16

次の文のうち、家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)の業務に関する記述として不適切な記述を一つ選びなさい。

○ 1.対象児童の早期家庭復帰のための保護者等に対する相談援助

× 2.対象児童等に対する心理療法

  • 家庭支援専門相談員の業務に、対象児童等に対する心理療法は含まれない。

○ 3.退所後の児童に対する継続的な相談援助

○ 4.里親委託・養子縁組の推進

○ 5.児童相談所等関係機関との連絡・調整

正解は 2

保育士試験 平成31年(2019年)前期 社会的養護 問17

次の文は、「社会的養護関係施設における親子関係再構築支援ガイドライン」(平成26年3月 厚生労働省 親子関係再構築支援ワーキンググループ)に記された「家庭支援専門相談員に求められる技術」の一部である。( A )∼( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

親とのコミュニケーションにおいて、家庭支援専門相談員に求められる技術は、「受容」「( A 共感 )」「傾聴」である。虐待を行ったため、否定されている親の持ついろいろな思いを「受容」や「( A 共感 )」することで、親との( B 信頼関係
)を作り出されることが支援の大きな伴となる。親を( C エンパワメント )するという姿勢も大切である。その前提としてそれぞれの親たちが持っている困難を乗り越える力を正しく評価し伝えると共に、かかわりを通じて更に前向きな力に変容できるよう支援することが重要である。その支援において大切なことが積極的な「傾聴」である。

【語群】
ア:指示   イ:共感   ウ:信頼関係
エ:愛着関係  オ:エンパワメント  カ:指導

保育士試験 平成30年(2018年)前期 社会的養護 問20

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
Mちゃん( 1歳2か月、女児 )は母親と2人暮らしで、母親が夜、家を空けることが頻繁にあったため、半年前に児童相談所で一時保護された。児童相談所は母親による虐待( ネグレクト )と判断し、乳児院への措置が決定された。母親は、Mちゃんの入所後一度も面会に来なかったが、ある日突然施設を訪れ、Mちゃんを引き取りたいと乳児院に申し出た。

【設問】
この乳児院の家庭支援専門相談員が最初に行うべき対応として、最も適切な記述を一つ選びなさい。

× 1.虐待を理由に入所した子どもは、法律上、家庭に帰すことができないという規定があることを母親に伝える。

  • そのような規定はありません。

× 2.親権を有する母親の意思を尊重し、家庭引き取りの手続きを行う。

  • 状況を確認せずに家庭に返すことは、児童の安全上問題があります。

× 3.引き取りに関する話は、児童相談所の児童福祉司が担当すべき事柄であり、乳児院は関与してはいけないため、児童相談所に行くように勧める。

  • 乳児院での状況も加味されるため、関係ない話ではありません。

× 4.母娘2人での生活は困難と判断し、母子生活支援施設の利用を勧める。

  • この場で判断せず、まずは状況を確認する必要があります。

○ 5.母親が引き取りを希望する理由や母親の生活の状況について、母親の気持ちに寄り添いながら話を聴く。

正解は 5

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会的養護 問19

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
児童養護施設で実習をしているGさんは、保育士と他職種の連携について知ることを目的に、ある職員からその職員の業務内容の説明を受けました。下記はその内容です。

「私の業務内容は、入所児童の早期の退所を促進し、親子関係の再構築等を図れるようにすることです。そのために児童相談所と密接に連絡を取り合って連携をします。保護者に対しては、電話、面接等により児童の早期家庭復帰、里親委託等を可能とするための相談援助等の支援を行います。」


【設問】
この職員の職名として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1.家庭支援専門相談員

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会的養護 問13

次の文は、児童養護施設等における自立支援計画についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。


○ A  自立支援計画の策定にあたっては、児童相談所の援助方針を踏まえながら、担当職員、家庭支援専門相談員、心理担当職員、基幹的職員、施設長等がいろいろな角度からその子どもの支援内容・方法を総合的に判断する必要がある。

  • 児童養護施設運営ハンドブックp83

保育士試験 平成28年(2016年)後期 児童家庭福祉 問9

次の文は、児童家庭福祉の専門職・実施者についての記述である。【I群】の児童福祉の専門職・実施者の説明と【II群】の職名等を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】

E  虐待等の家庭環境上の理由により入所している児童の保護者等に対し、児童相談所との密接な連携のもとに電話、面接等により児童の早期家庭復帰、里親委託等を可能とするための相談援助等の支援を行い、入所児童の早期の退所を促進し、親子関係の再構築等を図ることを目的として児童養護施設等に配置される者。

【II群】
ア  家庭支援専門相談員

保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会的養護 問15

次の文は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)に規定されている職員配置についての記述である。正しいものを一つ選びなさい。

○ 2.情緒障害児短期治療施設には、「家庭支援専門相談員」を配置することとされている。

保育士試験 平成27年(2015年) 児童家庭福祉 問3

次の文は、児童家庭福祉の担い手についての記述である。誤ったものの組み合わせを一つ選びなさい。

○ D 家庭支援専門相談員は、ファミリーソーシャルワーカーともよばれ、乳児院、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設に配置される。

保育士試験 平成26年(2014年) 児童家庭福祉 問7

次の文は、児童家庭福祉の専門職及び実施者に関する記述である。法令、通知等に照らして適切な記述を選びなさい。

× 1.家庭支援専門相談員はファミリーソーシャルワーカーともいい、乳児院、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童相談所に配置されることとなっている。

  • 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」によって家庭支援専門相談員の配置が定められているのは、乳児院、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設であり、児童相談所は含まれません。

○ 2.家庭相談員は、都道府県または市町村の福祉事務所に設置される家庭児童相談室に配置される職員である。

保育士試験 平成24年(2012年) 児童福祉 問13

次の文は、児童福祉施設における援助に関する記述である。適切な記述を〇、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ D 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(旧児童福祉施設最低基準)」(昭和23年厚生省令第63号)によれば、乳児院、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設には、家庭支援専門相談員を置かなければならない。

児童自立支援施設の職員配置の覚え方!なぜ必要なのかがわかる!

児童自立支援施設の配置基準

児童自立支援施設運営指針と比較しながら配置職員を見ていき、運営指針とリンクさせましょう!

児童養護施設と違う場合は色表示をしていますので、児童養護施設をマスターしてから応用させて下さい。

他施設の配置職員はこちら

児童自立支援施設の長

児童自立支援施設運営指針では…

施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(児童養護施設の長の資格等)
第四十二条の二 児童自立支援施設の長は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、厚生労働省組織規則(平成十三年厚生労働省令第一号)第六百二十二条に規定する児童自立支援専門員養成所(以下「養成所」という。)が行う児童自立支援施設の運営に関し必要な知識を習得させるための研修又はこれに相当する研修を受けた者であつて、人格が高潔で識見が高く、児童自立支援施設を適切に運営する能力を有するものでなければならない。

一……

保育士及び児童指導員

設置業務なし(児童自立支援専門員または児童生活支援員がいるためです。)

児童自立支援専門員または児童生活支援員

児童自立支援施設運営指針では…

本施設における自立支援は、安定した生活環境を整えるとともに、個々の児童について、児童の適性、能力やその家庭の状況等を勘案して、自立支援計画を策定し、児童の主体性を尊重して、生活指導、学習指導、職業指導及び家庭環境の調整を行いつつ、児童への養育や心理的ケア等により、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援することを目的として行う。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第八十条 児童自立支援施設には、児童自立支援専門員(児童自立支援施設において児童の自立支援を行う者をいう。以下同じ。)、児童生活支援員(児童自立支援施設において児童の生活支援を行う者をいう。以下同じ。)、…を置かなければならない。…

6 児童自立支援専門員及び児童生活支援員の総数は、通じておおむね児童四・五人につき一人以上とする。

(生活指導、…、学科指導…)
第八十四条 児童自立支援施設における生活指導…は、すべて児童がその適性及び能力に応じて、自立した社会人として健全な社会生活を営んでいくことができるよう支援することを目的として行わなければならない。
2 学科指導については、学校教育法の規定による学習指導要領を準用する。ただし、学科指導を行わない場合にあつてはこの限りでない。
3 生活指導、…については、第四十五条(第二項を除く。)の規定を準用する。

(生活指導、学習指導、…)
第四十五条 児童養護施設における生活指導は、児童の自主性を尊重しつつ、基本的生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養い、かつ、将来自立した生活を営むために必要な知識及び経験を得ることができるように行わなければならない。

職業指導員(職業指導を行う場合)

児童自立支援施設運営指針では…

職業指導は、勤労の基礎的な能力及び態度を育てるとともに、児童がその適性、能力等に応じた職業選択を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等及び必要に応じ行う実習、講習等の支援により行う。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第八十条
5 実習設備を設けて職業指導を行う場合には、職業指導員を置かなければならない。

(…、職業指導、…)
第八十四条 児童自立支援施設における…職業指導は、すべて児童がその適性及び能力に応じて、自立した社会人として健全な社会生活を営んでいくことができるよう支援することを目的として行わなければならない。
3 …、職業指導及び…については、第四十五条(第二項を除く。)の規定を準用する。

(…、職業指導及び…)
第四十五条 
3 児童養護施設における職業指導は、勤労の基礎的な能力及び態度を育てるとともに、児童がその適性、能力等に応じた職業選択を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等及び必要に応じ行う実習、講習等の支援により行わなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨
勤労の基礎的な能力及び態度を育て、児童がその適性、能力等に応じた職業選択を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供、実習、講習等の支援により職業指導を行うとともに、就労及び自立を支援することを目的とする。

2 配置施設
職業指導員を配置する施設は、実習設備を設けて職業指導を行う児童養護施設又は児童自立支援施設とする。

児童と起居を共にする職員

児童自立支援施設運営指針では…

記載なし

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(児童と起居を共にする職員)
第八十五条 児童自立支援施設の長は、児童自立支援専門員及び児童生活支援員のうち少なくとも一人を児童と起居を共にさせなければならない。

家庭支援専門相談員

児童自立支援施設運営指針では…

家庭環境の調整は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるように行う。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第八十条 児童自立支援施設には、…、家庭支援専門相談員、を置かなければならない。…

(…家庭環境の調整)
第八十四条 
3 …及び家庭環境の調整については、第四十五条(第二項を除く。)の規定を準用する。

(…家庭環境の調整)
第四十五条 
4 児童養護施設における家庭環境の調整は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるように行わなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨
虐待等の家庭環境上の理由により入所している児童の保護者等に対し、児童相談所との密接な連携のもとに電話、面接等により児童の早期家庭復帰、里親委託等を可能とするための相談援助等の支援を行い、入所児童の早期の退所を促進し、親子関係の再構築等が図られることを目的とする。

2 配置施設
家庭支援専門相談員を配置する施設は、児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設とする。

家庭支援専門相談員とは

(里親支援専門相談員)

設置業務なし

個別対応職員

児童自立支援施設運営指針では…

虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第八十条 児童自立支援施設には、…、個別対応職員、…を置かなければならない。…

厚生労働省通知では…

1 趣旨
虐待を受けた児童等の施設入所の増加に対応するため、被虐待児等の個別の対応が必要な児童への1対1の対応、保護者への援助等を行う職員を配置し、虐待を受けた児童等への対応の充実を図ることを目的とする。

2 配置施設
個別対応職員を配置する施設は、児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設及び母子生活支援施設とする。

心理療法担当職員(心理療法を行う場合)

児童自立支援施設運営指針では…

虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

施設における他の専門職種との多職種連携を強化するなどにより、心理的支援に施設全体で有効に取り組む。

児童自立支援施設運営指針はこちら

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第八十条 
3 心理療法を行う必要があると認められる児童十人以上に心理療法を行う場合には、心理療法担当職員を置かなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨
虐待等による心的外傷等のため心理療法を必要とする児童等及び夫等からの暴力等による心的外傷等のため心理療法を必要とする母子に、遊戯療法、カウンセリング等の心理療法を実施し、心理的な困難を改善し、安心感・安全感の再形成及び人間関係の修正等を図ることにより、対象児童等の自立を支援することを目的とする。

2 配置施設
心理療法担当職員を配置する施設は、次の施設とする。
(1)児童養護施設及び児童自立支援施設にあっては、心理療法を行う必要があると認められる児童10人以上に心理療法を行う施設

心理療法担当職員になるには?心理指導担当職員との違いも

(医師)

設置義務なし

嘱託医

児童自立支援施設運営指針では…

発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援する。

医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第八十条 児童自立支援施設には、…、嘱託医及び精神科の診療に相当の経験を有する医師又は嘱託医、を置かなければならない。…

(看護師)

設置義務なし

(医療的ケアを担当する職員)

設置義務なし

栄養士(児童40人以上の場合)

児童自立支援施設運営指針では…

子どもの年齢、障害のある子ども、また、食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第八十条 児童自立支援施設には、…、栄養士…を置かなければならない。ただし、児童四十人以下を入所させる施設にあつては栄養士を、…置かないことができる。

調理員(外部委託しない場合)

児童自立支援施設運営指針では…

子どもの年齢、障害のある子ども、また、食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第八十条 児童自立支援施設には、…並びに調理員を置かなければならない。ただし、…調理業務の全部を委託する施設にあつては調理員を置かないことができる。

過去問

保育士試験 平成29年(2017年)後期・地域限定 社会的養護 問18

次の文は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」( 昭和23年厚生省令第3号 )に基づく職員に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

× A  「児童の遊びを指導する者」は、放課後等デイサービス事業を行っている施設に配置され、遊びを通して子どもの心身の健康や情緒の安定を図る役割を担っている。

  • 「児童の遊びを指導する者」というのは、児童厚生施設に配置される職員です。

× B  「児童生活支援員」は、児童心理治療施設に配置され、児童の生活支援の役割を担っている。

  • 「児童生活支援員」というのは、児童自立支援施設に配置される職員です。

× C  「児童指導員」は、児童自立支援施設に配置され、児童の自立支援の役割を担っている。

  • 「児童指導員」は、児童養護施設や障害児入所施設、児童発達センター、児童心理治療施設などに配置される職員です。

児童養護施設の職員配置!なぜ必要?運営指針もついでに!

児童養護施設運営指針、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(配置義務)と比較しながら配置職員を見ていきましょう!

自然となぜ配置されるのかがわかってくるうえ、運営指針も理解できてしまいます。

他施設の配置職員はこちら

児童養護施設の長

児童養護施設運営指針では…

施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(児童養護施設の長の資格等)
第四十二条の二 児童養護施設の長は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、厚生労働大臣が指定する者が行う児童養護施設の運営に関し必要な知識を習得させるための研修を受けた者であつて、人格が高潔で識見が高く、児童養護施設を適切に運営する能力を有するものでなければならない。

一……

児童指導員または保育士

児童養護施設運営指針では…

生活指導は、児童の自主性を尊重しつつ、基本的生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養い、かつ、将来自立した生活を営むために必要な知識及び経験を得ることができるように行う。

学習指導は、児童がその適性、能力等に応じた学習を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等の支援により行う。

子どもの養育を担う専門性は、養育の場で生きた過程を通して培われ続けなければならない。経験によって得られた知識と技能は、現実の養育の場面と過程のなかで絶えず見直しを迫られることになるからである。養育には、子どもの生活をトータ
ルにとらえ、日常生活に根ざした平凡な養育のいとなみの質を追求する姿勢が求められる。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条 児童養護施設には、児童指導員、…、保育士…、を置かなければならない。

(職員)
第四十二条
6 児童指導員及び保育士の総数は、通じて、満二歳に満たない幼児おおむね一・六人につき一人以上、満二歳以上満三歳に満たない幼児おおむね二人につき一人以上、満三歳以上の幼児おおむね四人につき一人以上、少年おおむね五・五人につき一人以上とする。ただし、児童四十五人以下を入所させる施設にあつては、更に一人以上を加えるものとする。

(養護)
第四十四条 児童養護施設における養護は、児童に対して安定した生活環境を整えるとともに、生活指導、学習指導、職業指導及び家庭環境の調整を行いつつ児童を養育することにより、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援することを目的として行わなければならない。

(生活指導、学習指導、…)
第四十五条 児童養護施設における生活指導は、児童の自主性を尊重しつつ、基本的生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養い、かつ、将来自立した生活を営むために必要な知識及び経験を得ることができるように行わなければならない。
2 児童養護施設における学習指導は、児童がその適性、能力等に応じた学習を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等の支援により行わなければならない。

児童指導員と保育士の役割に違いはありませんが、イメージとしてほ保育士が0〜6才、児童指導員が6〜18才を専門としています。

児童指導員とは

職業指導員(職業指導を行う場合)

児童養護施設運営指針では…

職業指導は、勤労の基礎的な能力及び態度を育てるとともに、児童がその適性、能力等に応じた職業選択を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等及び必要に応じ行う実習、講習等の支援により行う。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条
5 実習設備を設けて職業指導を行う場合には、職業指導員を置かなければならない。

(生活指導、学習指導、職業指導及び家庭環境の調整)
3 児童養護施設における職業指導は、勤労の基礎的な能力及び態度を育てるとともに、児童がその適性、能力等に応じた職業選択を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等及び必要に応じ行う実習、講習等の支援により行わなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨
勤労の基礎的な能力及び態度を育て、児童がその適性、能力等に応じた職業選択を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供、実習、講習等の支援により職業指導を行うとともに、就労及び自立を支援することを目的とする。

2 配置施設
職業指導員を配置する施設は、実習設備を設けて職業指導を行う児童養護施設又は児童自立支援施設とする。

児童と起居を共にする職員

児童養護施設運営指針では…

子どもにとって、大人は「共に居る」時間の長短よりも「共に住まう」存在であることが大切である。子どもは、「共に住まう」大人(「起居を共にする職員」)との関係性の心地よさを求めつつ自らを創っていく。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(児童と起居を共にする職員)
第四十六条 児童養護施設の長は、児童指導員及び保育士のうち少なくとも一人を児童と起居を共にさせなければならない。

児童養護施設の職員配置

家庭支援専門相談員

児童養護施設運営指針では…

家庭環境の調整は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるように行う。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条 児童養護施設には、…、家庭支援専門相談員、…を置かなければならない。

(…家庭環境の調整)
4 児童養護施設における家庭環境の調整は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるように行わなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨
虐待等の家庭環境上の理由により入所している児童の保護者等に対し、児童相談所との密接な連携のもとに電話、面接等により児童の早期家庭復帰、里親委託等を可能とするための相談援助等の支援を行い、入所児童の早期の退所を促進し、親子関係の再構築等が図られることを目的とする。

2 配置施設
家庭支援専門相談員を配置する施設は、児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設とする。

家庭支援専門相談員の資格要件はこちら。紛らわしい言葉についても記載があります。

里親支援専門相談員

児童養護施設運営指針では…

施設は、社会的養護の地域の拠点として、施設から家庭に戻った子どもへの継続的なフォロー、里親支援、社会的養護の下で育った人への自立支援やアフターケア、地域の子育て家庭への支援など、専門的な地域支援の機能を強化し、総合的なソー
シャルワーク機能を充実していくことが求められる。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

記載なし

厚生労働省通知では…

1 趣旨
児童養護施設及び乳児院に地域の里親及びファミリーホームを支援する拠点としての機能をもたせ、児童相談所の里親担当職員、里親委託等推進員、里親会等と連携して、(a)所属施設の入所児童の里親委託の推進、(b)退所児童のアフターケアとしての里親支援、(c)所属施設からの退所児童以外を含めた地域支援としての里親支援を行い、里親委託の推進及び里親支援の充実を図ることを目的とする。

2 配置施設
里親支援専門相談員を配置する施設は、里親支援を行う児童養護施設及び乳児院とする。

個別対応職員

児童養護施設運営指針では…

虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条 児童養護施設には、…、個別対応職員、…を置かなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨
虐待を受けた児童等の施設入所の増加に対応するため、被虐待児等の個別の対応が必要な児童への1対1の対応、保護者への援助等を行う職員を配置し、虐待を受けた児童等への対応の充実を図ることを目的とする。

2 配置施設
個別対応職員を配置する施設は、児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設及び母子生活支援施設とする。

心理療法担当職員(心理療法を行う場合)

児童養護施設運営指針では…

虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条 心理療法を行う必要があると認められる児童十人以上に心理療法を行う場合には、心理療法担当職員を置かなければならない。

厚生労働省通知では…

1 趣旨
虐待等による心的外傷等のため心理療法を必要とする児童等及び夫等からの暴力等による心的外傷等のため心理療法を必要とする母子に、遊戯療法、カウンセリング等の心理療法を実施し、心理的な困難を改善し、安心感・安全感の再形成及び人間関係の修正等を図ることにより、対象児童等の自立を支援することを目的とする。

2 配置施設
心理療法担当職員を配置する施設は、次の施設とする。
(1)児童養護施設及び児童自立支援施設にあっては、心理療法を行う必要があると認められる児童10人以上に心理療法を行う施設

(医師)

設置業務なし

嘱託医

児童養護施設運営指針では…

発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援する。

医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条 児童養護施設には、…、嘱託医、…を置かなければならない。

看護師(乳児がいる場合)

児童養護施設運営指針では…

発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援する。

医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条 児童養護施設には、…乳児が入所している施設にあつては看護師を置かなければならない。
7 看護師の数は、乳児おおむね一・六人につき一人以上とする。ただし、一人を下ることはできない

医療的ケアを担当する職員

児童養護施設運営指針では…

虐待体験や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要とる。

障害を有する子どもについては、その高い養護性にかんがみて、障害への対応も含めて最大限の支援を行うことが必要である。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

記載なし

厚生労働省通知では…

1 趣旨
被虐待児や障害児等継続的な服薬管理などの医療的ケア及び健康管理(以下「医療的ケア」という。)を必要とする児童に対し、日常生活上の観察や体調把握、緊急時の対応などを行い医療的支援体制の強化を図ることを目的とする。

2 配置施設
医療的ケアを担当する職員を配置する施設は、医療的ケアを必要とする児童が15人以上入所している児童養護施設とする。

栄養士(児童が40人以上いる場合)

児童養護施設運営指針では…

子どもの年齢、障害のある子ども、また、食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条 児童養護施設には、…、栄養士…を置かなければならない。ただし、児童四十人以下を入所させる施設にあつては栄養士を、…を置かないことができる。

調理員(委託しない場合)

児童養護施設運営指針では…

子どもの年齢、障害のある子ども、また、食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では…

(職員)
第四十二条 児童養護施設には、…調理員…を置かなければならない。ただし、…調理業務の全部を委託する施設にあつては調理員を置かないことができる。

保育士試験 平成27年(2015年) 社会的養護 問17

次の文は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)に規定されている職員に関する記述である。正しいものを一つ選びなさい。

× 1.児童養護施設には、児童生活支援員を配置することとされている。

  • 児童生活支援員は、児童自立支援施設にて生活の支援を行う者です。

× 2.医療型児童発達支援センターには、心理療法担当職員を配置することとされている。

  • 医療型児童発達支援センターは、上肢・下肢・体幹機能障がいをもつ未就学児が通う施設であり、児童発達支援管理責任者が配置されます。

× 3.情緒障害児短期治療施設には、児童発達支援管理責任者を配置することとされている。

  • 児童発達支援管理責任者とは、児童発達支援センターや放課後等デイサービスにおいて、 利用者に対して主に個別支援計画を作成する者です。よって情緒障害児短期治療施設にはいません。

○ 4.母子生活支援施設には、少年を指導する職員を配置することとされている。

× 5.児童遊園等屋外の児童厚生施設には、個別対応職員を配置することとされている。

  • 児童厚生施設には、児童の遊びを指導する者を配置しなければなりません。個別対応職員の配置は、児童養護施設です。

正解は 4

児童養護施設運営指針の「第Ⅱ部 各論①」!通勤しながらマスター!

ここでは、児童養護施設運営指針そのものを掲載しました。

児童福祉法等に共通していることは当たり前として、児童養護施設の特有のことや、過去問題で出題された部分を色表示にして、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。

ボリュームはありますが、難しい内容ではないので、色部を中心に1度読んみるだけでマスターできることを目指しています。

児童養護施設運営指針「第Ⅰ部 総論」はこちら

乳児院運営指針「各論①」はこちら

1.養育・支援

(1) 養育・支援の基本

①子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止め、子どもを理解する。

・職員は高い専門性に基づく深い洞察力をもって子どもを理解し、受容的・支持的な態度で寄り添い、子どもの課題把握に努める。
・被虐待体験や分離体験など子どもが抱える苦痛やいかりを理解する。
・子どもが表出する感情や言動のみを取り上げるのではなく、理由や背景を理解する。

②基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援する。

・基本的な信頼感を獲得するなど良好な人間関係を築くために職員と子どもが個別的にふれあう時間を確保する。
・子ども一人一人の充足すべき基本的欲求を把握する。
・基本的欲求の充足において、子どもの希望や子どもと職員との関係性を重視する。
・職員は、基本的欲求の充足のプロセスにおいて子どもとの関係性をより深める。

③子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障する。

・過干渉にならず、つまずきや失敗の体験を大切にし、子どもが主体的に解決していくプロセスを通して、自己肯定感を形成し、自己を向上発展させられるよう養育・支援する。

(岡山孤児院十二則 旅行主義)

④発達段階に応じた学びや遊びの場を保障する。

年齢や発達段階に応じた図書や、玩具などの遊具、遊びの場を用意する。
・幼稚園の就園等、可能な限り施設外で教育を受ける機会を保障する。
・子どもの発達段階や学校適応状況を勘案して、必要に応じて特別支援教育を受ける機会を保障する。

⑤秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援する。

・職員の指示や声掛けは適切に行い、穏やかで秩序ある生活が営めるようにする。
・普段から職員が振る舞いや態度で模範を示す。 (岡山孤児院十二則 実行主義)
・施設生活・社会生活の規範等守るべきルール、「しなければならないこと」と「してはいけないこと」を理解できるよう子どもに説明し、責任ある行動をとるよう養育・支援する。
・子どもが社会生活を営む上での必要な様々な知識や技術を日常的に伝え、子どもが生活技術や能力を習得できるよう養育・支援する

(2) 食生活

①食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫する。

・食事の時間が、職員と子ども、そして子ども同士のコミュニケーションの場として機能するよう工夫する。
・クラブ活動等子どもの事情に応じて、温かいものは温かく食べられるなど、配慮された食事環境とする。
・無理なく楽しみながら食事ができるように、年齢や個人差に応じて食事時間に配慮する。
・施設外での食事、来客を迎えての食事など、食事を楽しむ多様な機会を設ける。

②子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供する。

・子どもの年齢、障害のある子ども、また、食物アレルギーの有無など子どもの心身の状態や日々の健康状態に応じ、適切に対応する。
・定期的に残食の状況や子どもの嗜好を調査し、栄養摂取量を勘案し献立に反映す る。

③子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進する。

・日常的に食材の買い出しから後片付けまでに触れることで、食生活に必要な知識及び技能を習得し、基本的な食習慣を身につけることができるよう食育を推進する。
・日々提供される食事について献立の提示等食に関する情報提供等を行う。
・偏食の指導を適切に行う。
・食事の準備や配膳、簡単な調理など基礎的な調理技術を習得できるようにする。
・郷土料理、季節の料理、伝統行事の料理などに触れる機会をもち、食文化を継承できるようにする。

(3)衣生活

①衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものを提供する。

・常に衣服は清潔で、体に合い、季節にあったものが着用できるようにする。

②子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援する。

・気候、生活場面、汚れなどに応じた選択、着替えや衣類の整理、保管などの衣習慣の習得を支援する。
・発達段階や好みに合わせて、四季を通じて子ども自身が衣服を購入する機会を設ける。

(4)住生活

①居室等施設全体がきれいに整美されているようにする。

建物の内外装、設備、家具什器、庭の樹木、草花など、子どもの取り巻く住環境から、そこに暮らす子どもが大切にされているというメッセージを感じられるようにする。

・軽度の修繕は迅速に行う。
・発達段階に応じて居室等の整理整頓、掃除等の習慣が身につくようにする。

②子ども一人一人の居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにする。

・小規模グループケアを行う環境づくりに配慮する。
・家庭的な環境としてくつろげる空間を確保する。
・中学生以上は個室が望ましいが、相部屋であっても個人の空間を確保する。

(5)健康と安全

①発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援する。

・幼児については、常に良好な健康状態を保持できるよう、睡眠、食事摂取、排泄等の状況を職員がきちんと把握する。
・発達段階に応じて、排泄後の始末や手洗い、うがい、洗面、洗髪、歯磨きなどの身だしなみ等について、自ら行えるように支援する。
・寝具や衣類などを清潔に保つなど、自ら健康管理できるよう支援する。
・夜尿のある子どもについて、常に寝具や衣類が清潔に保てるよう支援する。

②医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応する。

・健康上特別な配慮を要する子どもについて、医療機関と連携するなど、子どもの心身の状態に応じて、健康状態並びに心身の状態について、定期的、継続的に、また、必要に応じて随時、把握する。
・受診や服薬が必要な場合、子どもがその必要性を理解できるよう説明する。
・感染症に関する対応マニュアル等を作成し、感染症や食中毒が発生し、又は、まん延しないように必要な措置を講じるよう努める。また、あらかじめ関係機関の協力が得られるよう体制整備をしておく。

(6)性に関する教育

①子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設ける。

・性をタブー視せず、子どもの疑問や不安に答える。
・年齢・発達段階に応じた性教育を実施する。
・日頃から職員間で性教育のあり方等を検討し、職員の学習会を行う。
・必要に応じて外部講師を招いて、学習会などを職員や子どもに対して実施する。

(7)自己領域の確保

①でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とする。

・食器や日用品などが子どもの好みに応じて個々に提供する。
・個人の所有物について記名する場合は、年齢や子どもの意向に配慮する。
・個人の所有物が保管できるよう個々にロッカー、タンス等を整備する。

②成長の記録(アルバム)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにする。

・子ども一人一人の成長の記録を整理し、自由に見ることができるように個人が保管し、必要に応じて職員と共に振り返る。

児童養護施設運営指針

(8)主体性、自律性を尊重した日常生活

①日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援する。

・子ども自身が自分たちの生活について主体的に考えて、自主的に改善していくことができるような活動(施設内の子ども会、ミーティング等)が行えるよう支援する。
・行事などの企画・運営に子どもが主体的にかかわり、子どもの意見を反映させる。

②主体的に余暇を過ごすことができるよう支援する。

・子ども興味や趣味に合わせて、自発的活動ができるよう支援する。
・学校のクラブ活動、外部のサークル活動、子どもの趣味に応じた文化やスポーツ活動は、子どもの希望を尊重し、可能な限り参加を認める。

③子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援する。

・計画的な小遣いやアルバイト代の使用、金銭の自己管理ができるように支援する。
・退所を見据え、一定の生活費の範囲で生活することを学ぶプログラムを実施する。

(9)学習・進学支援、就労支援

①学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行う。

不適切な学習環境にいた子どもが多いことを踏まえて、その学力に応じて学習の機会を確保し、よりよき自己実現に向けて学習意欲を十分に引き出す。
・公立・私立、全日制・定時制にかかわらず高校進学を保障する。また、障害を有する子どもについては特別支援学校高等部への進学を支援するなど、子どもの学習権を保障する。

②「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援する。

・進路選択に必要な資料を収集し、子どもに判断材料を提供し、十分に話し合う。

・高校卒業後の進学についてもでき得る限り支援する。

中卒児・高校中退児に対して、就労させながら施設入所を継続することで十分な社会経験を積めるよう支援する。

③職場実習や職場体験等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組む。

・事業主等と密接に連携するなど、職場実習の効果を高めるよう支援する。
・子どもの希望に応じてアルバイト等就労体験を積めるよう支援する。

(10)行動上の問題及び問題状況への対応

①子どもが暴力、不適応行動などを行った場合に、行動上の問題及び問題状況に適切に対応する。

・子どもの特性等あらかじめ職員間で情報の共有化し、連携して対応する。
・問題行動をとる子どもへの対応だけでなく、施設の日々の生活の持続的安定の維持が子どもの問題行動の軽減に寄与することから、損なわれた秩序の回復、一緒に暮らす成員間の関係修復、生活環境の立て直しなど子どもの問題行動によって引き起こされる問題状況への対応を行う。
・子どもの行動上の問題に対しては、子どもが訴えたいことを受けとめるとともに、多角的に検証して原因を分析した上で、適切に対応する。また、記録にとどめ、以後の対応に役立てる。

パニックなどで自傷や他害の危険度の高い場合に、タイムアウトを行うなどして子どもの心身を傷つけずに対応するとともに、周囲の子どもの安全を守る

②施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組む。

・日頃から他人に対する配慮の気持ちや接し方を職員が模範となって示す。
・子ども間の暴力、いじめ、差別などが施設内で生じないようにするための予防策や、発生してしまった場合に、問題克服へ向けた取組を施設全体で行う。
・施設内での重要なルールとして「暴力防止」を掲げ、日頃から他者の権利を守ることの大切さを子どもと話し合う機会を持つ。
・子どもの遊びにも職員が積極的に関与するなどして子ども同士の関係性の把握に努め、いじめなどの不適切な関係に対しては適時介入する。
・生活グループの構成には、子ども同士の関係性に配慮する。
・暴力やいじめについての対応マニュアルを作成するなど、問題が発覚した場合は、全職員が適切な対応ができる体制を整える。

③虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努める。

強引な引き取りへの対応について、あらかじめ施設で統一的な対応が図られるよう周知徹底する

・生活する場所が安全であることを、子どもが意識できるようにする。

(11)心理的ケア

①心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行う。

・心理的な支援を必要とする子どもは、自立支援計画に基づきその解決に向けた心理支援プログラムを策定する。
・施設における他の専門職種との多職種連携を強化するなどにより、心理的支援に施設全体で有効に取り組む。
・治療的な援助の方法について施設内で研修を実施する。

(12)継続性とアフターケア

①措置変更又は受入れに当たり、継続性に配慮した対応を行う。

・子どもの特性を理解するための情報の共有化やケース会議を実施し、切れ目のない養育・支援に努める。
・措置変更に当たり、引き継ぎを行う施設、里親等と丁寧な連携を行う。そのために日頃より、それぞれの施設や里親の役割を十分に理解し、連絡協議会や合同研修会の開催など相互に連携に努める。
・継続的な支援を行うための育ちの記録を作成する。
・前任の養育者や施設の担当者から後任の者へ適切に引き継ぐ。
・里親、児童自立支援施設などへの措置変更されたケースについて、再び児童養護施設での養育が必要と判断された場合、入所していた施設は再措置に対応する。
・18歳に達する前に施設を退所し自立した子どもについては、まだ高い養護性を有したままであることを踏まえ、必要に応じて再入所の措置に対応する。

入所経路別児童数

②家庭引取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行う。

・退所に当たって、ケース会議を開催し、子ども本人や保護者の意向を踏まえて、児童相談所や関係機関等と協議の上、適切な退所時期や退所後の生活を検討する。
・子どもが退所する地域の市町村や関係機関と連携し、退所後の生活の支援体制の構築に努める。
・退所後も施設として子どもと保護者が相談できる窓口を設置し、子どもと保護者に伝える。
・子どもや家庭の状況の把握に努め、退所後の記録を整備する。

③できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用して継続して支援する。

・子どもの最善の利益や発達状況をかんがみて、高校進学が困難な子どもや高校中退の子どもへの措置継続や、18歳から20歳までの措置延長を利用して自立支援を行う。

④子どもが安定した社会生活を送ることができるよう退所後の支援を積極的に行う。

・アフターケアは施設の業務であり、退所後も施設に相談できることを伝える。
・退所者の状況を把握し、退所後の記録を整備する。
・必要に応じて、児童相談所、市町村の担当課、地域の関係機関、自立援助ホームやアフターケア事業を行う団体等と積極的な連携を図りながら支援を行う。

施設退所者が集まれるような機会を設けたり、退所者グループの活動を支援し、参加を促す。

2.家族への支援

(1)家族とのつながり

①児童相談所や家族の住む市町村と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり家族からの相談に応じる体制づくりを行う。

家庭支援専門相談員を独立した専門職として配置し、その役割を明示する。

・家族との関係調整については、定例的かつ必要に応じて児童相談所と家族の状況や入所後の経過について情報を共有し、協議を行い、また、家族の所在する市町村と協議を行う。

②子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行う。

・家族に対して、面会、外出、一時帰宅はもちろん、学校行事等への参加を働きかける。
・一時帰宅は児童相談所と協議を行う。
・親子が必要な期間を一緒に過ごせるような宿泊設備を施設内に設ける。
・家族等との交流の乏しい子どもには、週末里親やボランティア家庭等での家庭生活を体験させるなど配慮する。

児童養護施設等入所調査

(2)家族に対する支援

①親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組む。

・子どもと保護者の安定した関係に配慮し、保護者の養育力の向上に資するよう、適切に支援を行う。
・子どものために行う保護者への援助を支援として位置付け、積極的に取り組む。
・親子生活訓練室の活用や家族療法事業の実施など、子どもと保護者との関係回復に向けた支援を行う。

3.自立支援計画、記録

(1)アセスメントの実施と自立支援計画の策定

①子どもの心身の状況や、生活状況等を正確に把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示する。

・児童相談所との話し合いや関係書類、子ども本人との面接などで、子どもの心身の状況や生活状況、保護者の状況など家庭環境、学校での様子などを必要な情報を収集し、統一した様式に則って記録する。
・把握した情報を総合的に分析・検討し、課題を具体的に明示する。

・アセスメントは、子どもの担当職員をはじめ、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などが参加するケース会議で合議して行う。

②アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させる。

・自立支援計画策定の責任者(基幹的職員等)を設置する。
・児童相談所と援助方針等について打ち合わせ、自立支援計画に反映させる。
・また、策定した自立支援計画を児童相談所に提出し、共有する。
・自立支援計画は、ケース会議で合議して策定する。
・自立支援計画には、支援上の課題と、課題解決のための支援目標と、目標達成のための具体的な支援内容・方法を定める。
・支援目標は、子どもに理解できる目標として表現し、努力目標として子どもに説明する。
・策定された自立支援計画を、全職員で共有し、養育・支援は統一かつ統合されたものとする。

③自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施する。

・自立支援計画の見直しは、子どもとともに生活を振り返り、子どもの意向を確認し、併せて保護者の意向を踏まえて、それらを反映させつつ、子どもの最善の利益を考慮して行う。
・計画の見直し時には、支援方法を振り返り、自己評価し、支援の成果について分析、検証を行い、専門性や技術の向上に努めし、施設全体の支援の向上に反映させる仕組みを構築する。
・アセスメントと計画の評価・見直しは、少なくとも半年ごとに定期的に行い、かつ緊急の見直しなど必要に応じて行う。

(2)子どもの養育・支援に関する適切な記録

①子ども一人一人の養育・支援の実施状況を適切に記録する。

・入所からアフターケアまでの養育・支援の実施状況を、家族及び関係機関とのやりとり等を含めて適切に記録する。
・記録内容について職員間でばらつきが生じないよう工夫する。

②子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行う。

・記録の管理について個人情報保護と情報開示の観点から、研修を実施する。

・守秘義務の遵守を職員に周知する。

③子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行う。

・施設における情報の流れを明確にし、情報の分別や必要な情報が的確に届く仕組みを整備する。
・施設の特性に応じて、ネットワークシステム等を利用して、情報を共有する仕組みを作る。

続きはこちらへ

児童養護施設運営指針の「第Ⅱ部 各論②」の要点 これだけマスターすれば他も応用!

こちらからの続きです。

ここでは、児童養護施設運営指針そのものを掲載しました。児童福祉法等に共通している部分を学習し、短時間で運営指針をマスターすることを目的としています。ボリュームはありますが、色表示を中心に一度読んでみて下さい。

4.権利擁護

(1)子ども尊重と最善の利益の考慮

①子どもを尊重した養育・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行う。

・施設長や職員が子どもの権利擁護に関する施設内外の研修に参加し、人権感覚を磨くことで、施設全体が権利擁護の姿勢を持つ。
・子どもを尊重した姿勢を、個々の養育・支援の標準的な実施方法等に反映させる。

②社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践する。

・人権に配慮した養育・支援を行うために、職員一人一人の倫理観、人間性並びに職員としての職務及び責任の理解と自覚を持つ。
・施設全体の質の向上を図るため、職員一人一人が、養育実践や研修を通じて専門性を高めるとともに、養育実践や養育の内容に関する職員の共通理解や意見交換を図り、協働性を高めていく。
・職員同士の信頼関係とともに、職員と子ども及び職員と保護者との信頼関係を形成していく中で、常に自己研鑽に努め、喜びや意欲を持って養育・支援に当たる。
・子どもの意向に沿うことが結果として子どもの利益につながらないこともあることを踏まえ、適切に導く。
・受容的・支持的なかかわりを基本としながらも、養育者として伝えるべきメッセージは伝えるなど、子どもの状況に応じて適切な対応ができるよう、常に子どもの利益を考慮し真摯に向き合う。

③子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせる。

・子どもが自己の生い立ちを知ることは、自己形成の視点から重要であり、子どもの発達等に応じて、可能な限り事実を伝える。
・家族の情報の中には子どもに知られたくない内容があることも考慮し、伝え方等は職員会議等で確認し、共有し、また、児童相談所と連携する。

④子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行う。

・通信、面会に関するプライバシー保護や、生活場面等のプライバシー保護について、規程やマニュアル等の整備や設備面等の工夫などを行う。

⑤子どもや保護者の思想や信教の自由を、保障する。

・子どもの思想・信教の自由については、最大限に配慮し保障する。

・保護者の思想・信教によってその子どもの権利が損なわれないよう配慮する。

(2)子どもの意向への配慮

①子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、養育・支援の内容の改善に向けた取組を行う。

・日常的な会話のなかで発せられる子どもの意向をくみ取り、また、子どもの意向調査、個別の聴取等を行い、改善課題の発見に努める。
・改善課題については、子どもの参画のもとで検討会議等を設置して、改善に向けて具体的に取り組む。

②職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考え、生活改善に向けて積極的に取り組む。

・生活全般について日常的に話し合う機会を確保し、生活改善に向けての取組を行う。
・生活日課は子どもとの話し合いを通じて策定する。

(3)入所時の説明等

①子どもや保護者等に対して、養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報提供する。

・施設の様子がわかりやすく紹介された印刷物等を作成し、希望があれば見学にも応じるなど養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行う。
・子どもや保護者等が、情報を簡単に入手できるような取組を行う。

②入所時に、施設で定めた様式に基づき養育・支援の内容や施設での約束ごとについて、子どもや保護者等にわかりやすく説明する。

・入所時の子どもや保護者等への説明を施設が定めた様式に基づき行う。
・施設生活での規則、保護者等の面会や帰宅に関する約束ごとなどについて、子どもや保護者等にわかりやすく説明する。
・未知の生活への不安を解消し、これからの生活に展望がもてるようにわかりやすく説明している。

③子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理解し受けとめ、不安の解消を図る。

・入所の相談から施設での生活が始まるまで、子どもや保護者等への対応についての手順を定める。
・子どもと保護者等との関係性を踏まえて、分離に伴う不安を理解し受けとめ、子どもの意向を尊重しながら今後のことについて説明する。
・入所の際には、温かみのある雰囲気の中で、子どもを迎えるよう準備する。

(4)権利についての説明

①子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明する。

・権利ノートやそれに代わる資料を使用して施設生活の中で守られる権利について随時わかりやすく説明する。
・子どもの状況に応じて、権利と義務・責任の関係について理解できるように説明する。

(5)子どもが意見や苦情を述べやすい環境

①子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行う。

・複数の相談方法や相談相手の中から自由に選べることを、わかりやすく説明した文書を作成・配布する。
・子どもや保護者等に十分に周知し、日常的に相談窓口を明確にした上で、内容をわかりやすい場所に掲示する。

②苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させる。

・苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受け付け担当者の設置、第三者委員の設置)を整備する。
・苦情解決の仕組みを文書で配布するとともに、わかりやすく説明したものを掲示する。

苦情解決の記事はこちら

③子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応する。

・苦情や意見・提案に対して迅速な対応体制を整える。
・苦情や意見を養育や施設運営の改善に反映させる。
・子どもの希望に応えられない場合には、その理由を丁寧に説明する。

(6)被措置児童等虐待対応

①いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底する。

・就業規則等の規程に体罰等の禁止を明記する。
・子どもや保護者に対して、体罰等の禁止を周知する。

・体罰等の起こりやすい状況や場面について、研修や話し合いを行い、体罰等を伴わない援助技術を職員に習得させる。

②子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組む。

・暴力、人格的辱め、心理的虐待などの不適切なかかわりの防止について、具体的な例を示し、職員に徹底する。
・子ども間の暴力等を放置することも不適切なかかわりであり、防止する。
・不適切なかかわりを防止するため、日常的に会議等で取り上げ、行われていないことの確認や、職員体制の点検と改善を行う。
・子どもが自分自身を守るための知識、具体的な方法について学習する機会を設ける。

③被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応する。

・被措置児童等虐待の事実が明らかになった場合、都道府県市の指導に従い、施設内で検証し、第三者の意見を聞くなど、施設運営の改善を行い、再発防止に努める。

(7)他者の尊重

①様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援する。

・同年齢、上下の年齢などの人間関係を日常的に経験できる生活状況を用意し、人格の尊厳を理解し、自他の権利を尊重できる人間性を育成する。
・幼児や障害児など弱い立場にある仲間はもちろんのこと、共に暮らす仲間に対しては、思いやりの心をもって接するように支援する。

5.事故防止と安全対策

①事故、感染症の発生時など緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させる。

・事故発生対応マニュアル、衛生管理マニュアル等を作成し、職員に周知する。定期的に見直しを行う。

②災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行う。

・グループホームを含め立地条件等から災害の影響を把握し、建物・設備類の必要な対策を講じる。
・災害時の対応体制を整える。
・食料や備品類などの備蓄リストを作成し、備蓄を進める。

③子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためのリスクを把握し、対策を実施する。

・安全確保・事故防止に関する研修を行う。
・災害や事故発生に備え、危険箇所の点検や避難訓練を実施する。
・外部からの不審者等の侵入防止のための対策や訓練など不測の事態に備えて対応を図るとともに、地域の関係機関等と連携し、必要な協力が得られるよう努める。

6.関係機関連携・地域支援

(1)関係機関等の連携

①施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有する。

・地域の社会資源に関するリストや資料を作成し、職員間で情報の共有化を図る。

②児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な取組や事例検討を行う。

・子どもや家族の支援について、関係機関等と協働して取り組む体制を確立する。
・関係機関・団体のネットワーク内での共通の課題に対し、ケース検討会や情報の共有等を行い、解決に向けて協働して具体的な取組を行う。
・児童相談所と施設は子どもや家族の情報を相互に提供する。
・要保護児童対策地域協議会などへ参画し、地域の課題を共有する。

③幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校など子どもが通う学校と連携を密にする。

・子どもに関する情報をでき得る限り共有し、協働で子どもを育てる意識を持つ。
・子どもについて、必要に応じて施設の支援方針と教育機関の指導方針を互いに確認し合う機会を設ける。
・PTA活動や学校行事等に積極的に参加する。

(2)地域との交流

①子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行う。

・学校の友人等が施設へ遊びに来やすい環境作りを行う。
・地域のボランティア活動の参加や、お祭りなど地域社会の活動への参加を支援する。
・町内会、子ども会、老人会など地域の諸団体と連絡を取り、施設の行事に地域住民を招待する。

②施設が有する機能を地域に開放・提供する取組を積極的に行う。

・地域へ向けて、理念や基本方針、施設で行っている活動等を説明した印刷物や広報誌等を配布し、地域の人々の理解を得ることやコミュニケーションを活発にする取組を行う。
・地域へ施設を開放するための規程を設け、施設のスペースを開放し、地域の活動の場として提供する。

③ボランティアの受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備する。

・ボランティア受入れについて、登録手続き、事前説明等に関する項目などマニュアルを整備する。
・ボランティアに対して必要な研修を行う。

(3)地域支援

①地域の具体的な福祉のニーズを把握するための取組を積極的に行う。

・地域住民に対する相談事業を実施すること等を通じて、具体的な福祉ニーズの把握を行う。
・社会的養護の施設の責務を果たすべく、地域に対して開かれた施設運営を行う。

②地域の福祉のニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行う。

・施設が有する専門性を活用し、地域の子育ての相談・助言や市町村の子育て事業の協力をする。
・地域の里親支援、子育て支援等に取組など、施設のソーシャルワーク機能を活用し、地域の拠点となる取組を行う。

7.職員の資質向上

(1)職員の質の向上に向けた体制の確立

①組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢を明示する。

・施設が目指す養育・支援を実現するため、基本方針や中・長期計画の中に、施設が職員に求める基本的姿勢や意識、専門性や専門資格を明示する。

②職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画を策定し、計画に基づいた具体的な取組を行う。

・職員一人一人について、援助技術の水準、知識の質や量、専門資格の必要性などを把握する。
・施設内外の研修を体系的、計画的に実施するなど、職員の自己研鑽に必要な環境を確保する。
・職員一人一人が課題を持って主体的に学ぶとともに、他の職員や関係機関など、様々な人とのかかわりの中で共に学び合う環境を醸成する。

③定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させる。

・研修を終了した職員は、報告レポートの作成や研修内容の報告会などで発表し、共有化する。
・研修成果を評価し、次の研修計画に反映させる。

④スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上に努める。

・施設長、基幹的職員などにいつでも相談できる体制を確立する。
・職員がひとりで問題を抱え込まないように、組織として対応する。
・職員相互が評価し、助言し合うことを通じて、職員一人一人が援助技術を向上させ、施設全体の養育・支援の質を向上させる。

8.施設の運営

(1)運営理念、基本方針の確立と周知

①法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割を反映させる。

・理念には子どもの権利擁護や家庭的養護の推進の視点を盛り込み、施設の使命や方向、考え方を反映させる。

②法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針を明文化する。

・基本方針は、「児童養護施設運営指針」を踏まえ、理念と整合性があり、子どもの権利擁護や家庭的養護の推進の視点を盛り込み、職員の行動規範となる具体的な内容とする。

③運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

④運営理念や基本方針を子どもや保護者等に配布するととに、十分な理解を促すための取組を行う。

(2)中・長期的なビジョンと計画の策定

①施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画を策定する。

・理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)を明確にし、養育・支援の内容や組織体制等の現状分析を行う。
・施設の小規模化と地域分散化による家庭的養護の推進を図るため、本体施設は小規模グループケア化するとともに小規模化し、併せて、家庭的養護の推進に向け、施設機能を地域に分散させるグループホームやファミリーホームへの転換を行う移行計画を策定する。
・本体施設は、専門的ケアや地域支援の拠点機能を強化し、地域の里親支援や家庭支援を行う体制を充実させる。

②各年度の事業計画を、中・長期計画の内容を反映して策定する。

③ 事業計画を、職員等の参画のもとで策定するとともに、実施状況の把握や評価・見直しを組織的に行う。

・事業計画の実施状況については、子ども等の意見を聞いて、評価を行う。

④ 事業計画を職員に配布、説明して周知を図るとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

・事業計画をすべての職員に配布し、会議や研修において説明する。

⑤事業計画を子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。

・事業計画をわかりやすく説明した資料を作成し、子どもや保護者への周知の方法に工夫や配慮をする。

(3)施設長の責任とリーダーシップ

①施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮する。

・施設長は、社会的養護の使命を自覚し、自らの役割と責任について文書化するとともに、会議や研修において表明する。
・施設長は、職員の模範となるよう自己研鑽に励み、専門性の向上に努める。

②施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードする。

・施設長は、法令遵守の観点での施設運営に関する研修や勉強会に参加する。
・施設長は、職員に対して遵守すべき法令等を周知し、また遵守するための具体的な取組を行う。

③ 施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮する。

・施設長は、養育・支援の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行う。
・施設長は、養育・支援の質の向上について職員の意見を取り入れるとともに、施設内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画する。

④施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮する。

・施設長は、施設の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境整備等を行う。
・施設長は、経営や業務の効率化や改善のために施設内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に参画する。

(4)経営状況の把握

①施設運営を取りまく環境を的確に把握するための取組を行う。

・施設運営を長期的視野に立って進めていくために、社会的養護の動向、施設が位置する地域での福祉ニーズの動向、子どもの状況の変化、ニーズ等を把握する。

②運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行う。

・運営状況や改善すべき課題について、職員に周知し、職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定する等、施設全体での取組を行う。

③外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善を実施する。

・事業規模等に応じ、2年あるいは5年に1回程度、外部監査を受けることが望ましい。

(5)人事管理の体制整備

①施設が目標とする養育・支援の質の確保をするため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランを確立させ、それに基づいた人事管理を実施する。

・各種加算職員の配置に積極的に取り組み、人員体制の充実に努める。
・職員が、各職種の専門性や役割を理解し合い、互いに連携して組織として養育・支援に取り組む体制を確立する。
・基幹的職員、家庭支援専門相談員、心理療法担当職員、里親支援専門相談員等の専門職員の機能を活かす。

②客観的な基準に基づき、定期的な人事考課を行う。

③職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みを構築する。

・勤務時間、健康状況を把握し、職員が常に仕事に対して意欲的にのぞめるような環境を整える。
・困難ケースの抱え込みの防止や休息の確保などに取り組む。

④ 職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行う。

・職員の心身の健康に留意し、定期的に健康診断を行う。
・臨床心理士や精神科医などに職員が相談できる窓口を施設内外に確保するなど、職員のメンタルヘルスに留意する。

(6)実習生の受入れ

①実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的に取り組む。

・受入れの担当者やマニュアルを整えるとともに、受入れの意義や方針を全職員が理解する。

・学校等と連携しながら、実習内容全般を計画的に学べるプログラムを策定する。

(7)標準的な実施方法の確立

①養育・支援について、標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行う。

・標準的な実施方法を職員に周知し、共通の認識を持って一定の水準の養育・支援を行う。
・マニュアルは、子どもの状態に応じて職員が個別に柔軟に対応できるものにする。

②標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行う。

・標準的な実施方法の見直しは、職員や子ども等からの意見や提案、子どもの状況等に基づいて養育・支援の質の向上という観点から行う。
・見直しの時期は、少なくとも1年に1回は検証し必要な見直しを行う。

(8)評価と改善の取組

①施設運営や養育・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制を整備し、機能させる。

・3年に1回以上第三者評価を受けるとともに、定められた評価基準に基づいて、毎年自己評価を実施する。
・職員の参画による評価結果の分析・検討する場を設け、実行する。

②評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施する。

・分析・検討した結果やそれに基づく課題を文書化し、職員間で共有し、改善に取り組むかこ。

情緒障害児施設運営指針各論②はこちら

母子生活支援施設運営指針各論②はこちら

過去問

保育士試験 平成25年(2013年) 社会的養護 問13

次の文のうち、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)における「権利擁護」の記述として不適切な記述を一つ選びなさい。 

○ 1. 子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、養育・支援の内容の改善に向けた取り組みを行う。

○ 2. 入所時に、施設で定めた様式に基づき養育・支援の内容や施設での約束ごとについて、子どもや保護者等にわかりやすく説明する。

○ 3. 権利ノートやそれに代わる資料を使用して施設生活の中で守られる権利について随時わかりやすく説明する。

× 4. 子どもの基本的人権の保障は、自己責任が前提であることを十分に理解できるように説明する。

○ 5. 苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取り組みを行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させる。

オーズベルを視覚的に覚えて復習不要!事例での覚え方も!

なかなか覚えにくい学習方法も具体例で覚えましょう。

オーズベルの有意味受容学習とは

オーズベルは、文化の継承として知識をそのまま受け容れて身に付けることが大切であると主張しました。(受容学習

そのためには機械的に知識を覚えさせるのではなく、学習者の認知構造に意味のある変化をもたらすように教えなくてはならないとしました。(有意味学習

学習に先行して与えられる抽象化された情報である先行オーガナイザーによって学習が容易になるという考え方です。

つまり学習者は先行オーガナイザーを手がかりに自分の認知構造の中に新たな概念を形成できるため、学習が容易に進みます。

オーズベル

有意味受容学習の具体例

コンピュータの講義で、講師がCPUとメモリについて講義します。

「CPUとは、周辺機器やソフトウェアから来る指示を処理したり、メモリなどを制御したりする装置のことです。メモリとは、データを記憶する部品のことです。」

このままでは、機械的な暗記を強いる学習になってしまいます。

講師は、先行オーガナイザーとして

「CPUは人間の頭脳の考える部分であり、メモリは人間の頭脳の記憶する部分に相当する」

と解説し、意味を持たせて生徒に考えさせたり、推理させたりできるよう促しました。

脳の構造に詳しいある生徒は、自分が持っている知識と関連づけ

「CPUが海馬で、メモリが大脳だな」

理解することができました。

対してブルーナーの発見学習とは?発見学習への指摘

発見学習は、先行オーガナイザーもなく、学習者に試行錯誤させて、CPUやメモリとは何かを発見させます。

有意味受容学習の方が、有意義な学習ができるとしました。

エール・エル ワッフルケーキ 母の日のプレゼント スイーツギフト 創業からの定番の味 冷凍 10個
amazonサイト

過去問

保育士試験 令和元年(2019年)後期 教育原理 問6

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  文化の継承として知識をそのまま受け容れて身に付けることが大切であると主張したが、そのためには機械的に知識を覚えさせるのではなく、学習者の認知構造に意味のある変化をもたらすように教えなくてはならないとした。

  • 「機械的に知識を覚えさせるのではなく、学習者の認知構造に意味のある変化をもたらすように教えなくてはならないとした」というのは、オーズベルが提唱した「有意味受容学習」です。

【Ⅱ群】
ア  オーズベル(Ausubel, D.P.)

保育士試験 平成28(2016)年 前期試験 教育原理

次の文は、ある学習の方法に関する記述である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

( A オーズベル )は、発見学習に対して、その効率の悪さに異を唱え、文化の継承として知識をそのまま受け容れて身につけることが大切であると主張した。そのためには機械的に知識を覚えさせるのではなく、新しい学習内容を学習者が既に所有している知識と関連づけて、その意味や重要性を理解できる形で提示すれば、新しい知識の定着がよくなるとして、( B 有意味受容学習 )を提唱した。学習内容を理解しやすく方向づけるためにあらかじめ与える情報を、先行オーガナイザーという。

イリイチを視覚的に覚えてもう復習しない!

あまり保育士試験に出題されないのに、覚えなければならないものって、覚えにくかったりします。

そんなときは、写真等で視覚的に覚えて何度も復習しなくてもよいようにしましょう。

イリイチ

イリイチ著書「脱学校の社会」

著書『脱学校の社会』

イリイチは、学校制度を通じて「教えられ、学ばされる」ことにより、「自ら学ぶ」など、学習していく動機を持てなくなる様子を「学校化」として批判しました。

学校制度の撤廃を提唱し、学校がなくても教育が成り立つことを述べています。

現在のフリースクールはこの考え方によるものです。

イリイチ関連の過去問

保育士試験 令和元年(2019年)後期 教育原理 問5

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  『脱学校の社会』(1977年)で、学校制度を通じて「教えられ、学ばされる」ことにより、「自ら学ぶ」など、学習していく動機を持てなくなる様子を「学校化」として批判的に分析した。

【Ⅱ群】
ア  イリイチ(Illich, I.)

ブルームを視覚的に覚えて具体例で理解する!

ブルーム

ブルームの完全習得学習とは?

完全習得学習とは、マスタリー・ラーニングともいい、mastaryは習得という意味です。

彼ブルームは、これまでの教育が、生徒の3分の1程度の者しか十分に理解ができない前提だったことを批判しました。

そして、一斉授業では落ちこぼれの生徒が生じやすく、一人ひとりの学習ペースに合わせて、完全に学習目標をクリアしてから次の一歩に進めることを主張しました。

個々の生徒の学習状況を把握し、適切な指導を行うために診断的評価、形成的評価、総括的評価を提唱しました。

ブルームの完全習得学習の流れ

診断的評価とは、個別の学力を把握するためのもので、それにより学習目標をたてます。

形成的評価とは、学習の達成状況を確認するためのもので、確認テスト、発言、挙手などがあります。

総括的評価とは、学習目標が達成できたかを確認するためのもので、期末テストなどがあります。

これら3つの評価を適切に行い、学習条件を整備すれば、大多数の児童生徒にとって完全習得学習は可能であると考えました。

ブルーナーとは別人です。

過去問

保育士試験 平成29年(2017年)前期 教育原理 問8

次の文は、形成的評価についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

○ A  形成的評価は学習過程における学習の達成状況を評価するものである。

○ B  学習活動において、即時的な評価活動、たとえば発言・挙手などで学習者の理解度を把握することも形成的評価ととらえることができる。

× C  ブルーナー(Bruner,J.S.)は、形成的評価を組み込んだ完全習得学習(マスタリー・ラーニング)という授業モデルを提唱した。

  • 「完全習得学習」理論を提唱したのは「ベンジャミン・ブルーム」です。

保育士試験 平成25年(2013年) 教育原理 問6

次の記述にあてはまる人物として、正しいものを一つ選びなさい。

アメリカの教育心理学者で、評価論の研究者。完全習得学習(マスタリー・ラーニング)を提唱した。彼は、これまでの教育が、生徒の3分の1程度の者しか十分な理解ができないということを前提に行われてきたことを批判した。
そして、個々の生徒の学習状況を把握し、適切な指導を行うために診断的評価、形成的評価、総括的評価を提唱した。これら3つの評価を適切に行い、学習条件を整備すれば、大多数の児童生徒にとって完全習得学習は可能であると考えた。

○ 3. ブルーム(Bloom, B.S.)

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。